アイビーは、ウコギ科キヅタ属の常緑性のツル植物です。北アフリカやヨーロッパ、アジアが原産地になります。
学名は、Hederaですので、ヘデラと呼ばれることがあります。
アイビーは、美しい常緑の葉で、爽やかな雰囲気を楽しめることが特徴です。長く伸びるツルに、たくさんの葉がつきます。
葉の色や形が豊富で、斑入りの品種もあります。寄せ植えやフラワーアレンジメントなどに利用され、日陰でも育ちますので、室内の観葉植物をしても人気が高いです。
数は少ないですが、花が咲く品種があります。花が咲く時期は9月~12月で、黄色や黄緑色、ピンク色の花が咲きます。
アイビーは、耐暑性・耐寒性が強く、病害虫の被害もなく、育てやすいですので、初心者の方に、おすすめの樹です。
11月中旬に、ホームセンターで、アイビーの小さな苗木が販売されていましたので、購入して育てます。
小さな鉢に、植え付け・植え替えをして、コンパクトな樹で、美しい葉を楽しみます。
アイビーの苗木
左の鉢は、
アイビー「ダックフット」です。
葉の形がアヒルの足に似ていることが名前の由来です。矮性品種ですので、
葉がとても小さいです。
アイビーの園芸品種は、豊富にありますので、品種を選ぶことも楽しみの一つになります。
アイビーの小さな鉢植え
アイビーは、ツルが10メートル以上に伸びる常緑性低木です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になりますので、寒い冬に、室内などで保護しやすいです。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
伸びたツルは切り戻して、コンパクト株で、美しい葉を楽しみます。
ビニールポットの状態のままで、鉢に入れると、
植え付け・植え替えをしたときの雰囲気が確認できます。
アイビーを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
スリット鉢のサイズは3号(直径9センチ)、CSM-90になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
根詰りすることがなく、アイビーを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、アイビーを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、最適な環境で育てることができます。
準備したスリット鉢の直径9センチと3号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の3号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは7.5センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入してあります。左から2.5号(直径7.5センチ)、3号(直径9センチ)、3.5号(直径10.5センチ)。
苗木を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。
購入したアイビーの苗木は、樹高が15センチぐらいですので、大きく成長させたい場合は、3.5号(直径10.5センチ)が適したサイズになります。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
100均の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。花が咲いている時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段はスリット鉢のまま育てます。
アイビーの立派な
鉢植えになる予定です。
アイビーは、水はけ(排水性)と通気性がよく、保水性がある
用土が適していますので、ホームセンターや園芸店で販売されている
普通の培養土で育てることができます。
作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を6:4の割合で混ぜた用土を使います。
赤玉土と
腐葉土が、均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけがよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
アイビーは、水はけがよい用土が適していますので、鉢底石を敷き、水はけのよい環境を作ります。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目ぐらいまで用土を入れます。
植え付け・植え替えのときに、株元の高さを確認して調整します。
アイビーの鉢の準備ができました。最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
アイビーの植え付け・植え替え
アイビーの苗木を鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
アイビーの植え付け・植え替えに適した時期は、4月~9月頃になります。暑さが厳しい真夏は避けたほうがよいです。
苗木を掃除してキレイにする
購入した
アイビーの苗木のビニールポットの中に、
肥料や
枯れ葉がありますので、
ピンセットで取り除いて掃除をします。
ビニールポットの中にあった肥料と枯れ葉を取り除きました。
苗木は植え付け・植え替えをする前に、キレイな状態にするとよいです。
購入した苗木には、土の上にたくさんの肥料があります。生産者の方が使用している肥料です。
肥料の状態がよいですので、ピンセットで集めて、再利用します。鉢に植え付け・植え替えをした後に、置き肥することにしました。
ビニールポットから取り出す
ビニールポットの底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
アイビーの苗木を
鉢受け皿の中に、横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指で押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
アイビーの苗木をビニールポットから取り出すことができました。
アイビーの根鉢
アイビーの苗木をポットから取り出すことができ、根鉢になりました。
根鉢は、苗木を鉢やポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態を確認すると、根の量は多くなく、底だけに根がありますので、少し心配です。
白い根は新しく、茶色の根は古く、黒い根は腐敗しています。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、汚れて、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
竹串を使って、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
竹串は素材が竹ですので、適度な硬さで幹や根を傷つけにくく、使いやすいです。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
アイビーの苗木は、挿し木で作られますので、深植えされていることが多く、根元が2.5センチぐらい土の中に埋まっていました。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
根元が見えるまで、表面の土を取り除くと、
根鉢の高さが半分ぐらいに、小さくなりましたので、底は軽く崩すだけにします。
根鉢の底は、根が密になり、土が固まった状態で、植え付け・植え替えをすると、根の成長がよくありませんので、崩します。
竹串を使って、固まった
根と土をほぐします。
根鉢の底の
根と土を崩しました。水はけがよくなり、
根腐れの心配がなくなります。
根鉢の側面も、
根や土が固まっていますので、
竹串を使って、崩します。
土を崩すことで、
植え付け・植え替えした後に、
根が成長しやすくなります。
根鉢の側面を崩すと、1つの株が取れて、
株分けできました。
他の鉢に植え付けをして、1つの株だけで育てます。
根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。
枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、不要な根は取り除きます。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩した
アイビーを
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。
鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、腐葉土を入れないで、赤玉土の小粒だけの用土にしました。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
スリット鉢の
段差より少し下まで
用土を入れます。
ウォータースペースを作るために、鉢のフチより1~2センチ下まで用土を入れますが、スリット鉢は、段差がありますので、分かりやすいです。
仕上げに、表面の土は軽石の小粒を敷きます。
軽石は固く、水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
雨や水遣りで土が跳ねて、葉に付着しますと、病気の原因になりますので、表面の土を軽石にするとよいです。
アイビーの小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
株分けした1つの株は、一回り小さい2.5号(直径7.5センチ)のスリット鉢に、植え付け・植え替えをしました。
ツルを短く、切り戻しをして、どのくらいまで小さくできるか?チャレンジします。
アイビーの管理
アイビーの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
アイビーの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
春と秋は1~2日1回、暑い夏は1日1~2回、寒い冬は、完全に乾かないように4~5日に1回ぐらいが目安になります。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
アイビーは、日当たり・風通しのよい場所で管理します。暑い夏は、西日が当たらない半日陰で、風通しのよい場所で管理します。
日陰でも育てることができますが、ツルが徒長して、葉の色が悪くなることがありますので、半日陰ぐらいまでがおすすめです。
耐寒性は普通ですので、温暖な地域は屋外で冬越しできますが、霜に当てないように軒下などで管理します。寒さが厳しい地域は、室内で保護すると安心です。
暖地でも、南向きの日当たりのよい、冷たい風が当たらない場所で、管理して下さい。
支柱で支える
植え付け・植え替えをした後は、根が張っていませんので、風が強く吹くと倒れることがあります。
アイビーの小さな鉢植えは、樹高が14センチぐらい、少し斜めに植え付けましたので、苗木のときより少し低くなりました。
支柱を使って、ツルを支えて、倒れることを防ぎます。
小さな鉢植えですので、竹串を支柱として使うことができます。
竹串を鉢の底まで深く挿します。
支柱を使って、向きを修正できますので、3本の支柱を設置しました。
アイビーの小さな鉢植えは、よい雰囲気になりました。
アイビーの肥料
アイビーの肥料は、春から秋に緩効性肥料を2ヵ月に1回ぐらい少量与えます。
肥料がないことで枯れることはありませんが、元気がよく、たくさんの美しい葉を楽しむためには、肥料が必要です。
植え付け・植え替えした直後に、肥料を与えることを避けますが、苗木にあった肥料ですので、影響が小さく、心配ありません。
苗木から集めた
肥料を再利用します。
株元から離れたところに、ピンセットで均等に並べて、
置き肥します。
アイビーの小さな鉢植えに、肥料を置き肥しました。
アイビーの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。夏は半日陰。
- 水はけのよい用土を好む。市販の培養土。作る場合は、赤玉土と腐葉土を6:4の割合。
- 水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は春から秋に緩効性化成肥料を少量与えます。
- 夏は風通しのよい、半日陰で管理。冬は保護すると安心。
- 植え付け・植え替えは、4~9月頃が適しています。
アイビーは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、春に植え替えをします。
春から秋の間に、剪定できます。ツルが長く伸びると管理が難しくなりますので、短く、切り戻しをするとよいです。
茶色に木質化した部分を切ると、葉が芽吹くことができませんので、注意して下さい。
アイビーの今後
鉢カバーに入れると、立派なアイビーの小さな鉢植えになります。
11月16日に、アイビーの苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは、簡単な保護で大丈夫ですが、夏はとても暑く、水切れに注意が必要です。
アイビーの今後の様子はこの記事を更新します。
1年間の育てる様子を記録します。
いろいろなツル植物を育てていますので、参考にして下さい。
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