ローズマリーは、シソ科マンネンロウ属(ロスマリヌス属)の常緑性低木です。地中海沿岸が原産地になります。
学名は、Rosmarinus officinalisで、マンネンロウと呼ばれることがあります。
ローズマリーは、葉に爽やかな強い香りがあることが大きな特徴です。料理や香料によく利用されるハーブです。
常緑の細長い葉は美しく、ガーデニングでは、コンテナやハンギング、グランドカバーなどで楽しめます。
花が咲く時期は11月~5月で、花の色は品種によって異なり、青色や白色、ピンク色、薄紫色があります。
樹形は、真っ直ぐに伸びる立ち性、横に広がるほふく性、立ち性とほふく性の中間がありますので、好みで選ぶことができます。
いろいろな品種がありますが、葉の香りに違いはありません。
ローズマリーは、耐暑性・耐寒性が強く、病害虫の被害もなく、育てやすいですので、初心者の方に、おすすめの樹です。
11月中旬に、ホームセンターで、ローズマリーの小さな苗木が販売されていましたので、購入して育てます。
小さな鉢に、植え付け・植え替えをして、コンパクトな樹で、美しい花や葉を楽しみます。
ローズマリーの苗木
葉の幅は3ミリぐらい。
ローズマリーの苗木の選び方は、
葉の色がよく、枝が間延びしていないものがよいです。
左の鉢は、ウエストリンギア「モーニングライト」です。オーストラリアンローズマリーと呼ばれ、葉や樹形がローズマリーに、よく似ています。
葉に香りがなく、庭木として人気がある樹です。
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左の鉢は、ウエストリンギア「スモーキー」です。白色の斑入りのシルバーリーフが美しいウエストリンギアの園芸品種で、人気があります。
ウエストリンギア「モーニングライト」の葉のほうが、小さく、密に茂っています。
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左の鉢は、オレンジバルサムタイムです。タイムの園芸品種で、オレンジのようなフルーティな香りが大きな特徴になります。
ローズマリーと同じハーブで、料理や香料として利用できます。とても小さな葉が密に茂り、花や葉が楽しめます。
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左の鉢は、レモンタイムです。葉に触れるとレモンのような香りがして、春には小さな花が咲きます。緑色の葉に、黄色の斑が入ることが特徴です。
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ローズマリーの小さな鉢植え
ローズマリーは、樹高が2メートルぐらいまで成長する常緑低木です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になりますので、寒い冬に、室内などで保護しやすいです。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
日当たりがよい場所であれば、室内で育てることができます。
ビニールポットの状態のままで、鉢に入れると、
植え付け・植え替えをしたときの雰囲気が確認できます。
ローズマリーを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
スリット鉢のサイズは3号(直径9センチ)、CSM-90になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
根詰りすることがなく、ローズマリーを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ローズマリーを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、最適な環境で育てることができます。
準備したスリット鉢の直径9センチと3号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の3号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは7.5センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入してあります。左から2.5号(直径7.5センチ)、3号(直径9センチ)、3.5号(直径10.5センチ)。
苗木を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。
購入したローズマリーの苗木は、樹高が13センチぐらいですので、大きく成長させたい場合は、3.5号(直径10.5センチ)が適したサイズになります。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
100均の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。花が咲いている時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段はスリット鉢のまま育てます。
ローズマリーの立派な
鉢植えになる予定です。
ローズマリーは、水はけのよく、弱アルカリ性の用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土に、パーライトを2~3割合ぐらい混ぜて、水はけをよくして、石灰を混ぜて弱アルカリ性にするとよいです。
市販されているハーブ用の用土なら、そのまま使うことができます。
作る場合は、赤玉土と腐葉土、パーライトを5:3:2の割合で混ぜた用土が適しています。
パーライトの代わりに、軽石を使いました。
用土を作って鉢に入れる
赤玉土と
腐葉土、
軽石が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
ローズマリーは、水はけがよい環境を好みますので、鉢底石を敷くことをおすすめします。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れます。
石灰で用土を弱アルカリ性にする
ローズマリーは、弱アルカリ性の用土を好みますので、石灰を使って中和します。
石灰は、100均でも販売されていますので、使う量が少ないときは便利です。
園芸に使う石灰は、苦土石灰と有機石灰があります。
苦土石灰は、
植え付け・
植え替えをする10日前ぐらいに、
用土と混ぜてから使用します。
有機石灰は、アルカリ度が低いですので、酸性の強い土の中和には使えませんが、変化が穏やかなため、苗を
植え付け・植え替えをする直前でも、問題ありません。
有機石灰は、効果が強くないですので、
植え付け・植え替えをするときに、混ぜることができます。
使用方法に、「すぐに植え付けできます」と記載されていますので、安心です。
100均のマドラースプーンに1杯ぐらいの有機石灰を用土に混ぜます。小さじより小さいですので、3グラムになります。
説明書では、「1㎡あたり150g」と記載されています。
鉢は3号ですので、直径9センチになりますので、面積は0.045×0.045×3.14=0.006358…となり、およそ0.006㎡。
0.5グラムぐらいが適量になります。量が多いですが、有機石灰ですので、強いアルカリ性になることはありません。
有機石灰で、用土を中和して、ローズマリーの鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
ローズマリーの植え付け・植え替え
ローズマリーの苗木を鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ローズマリーの植え付け・植え替えに適した時期は、春の4月~5月と秋の10月~11月頃になります。
苗木を掃除してキレイにする
購入した
ローズマリーの苗木のビニールポットの中に、
肥料や
枯れ葉がありますので、
ピンセットで取り除いて掃除をします。
購入した苗木には、土の上にたくさんの肥料があります。生産者の方が使用している肥料です。
肥料の状態がよいですので、ピンセットで集めて、再利用します。鉢に植え付け・植え替えをした後に、置き肥することにしました。
ビニールポットの中にあった肥料と枯れ葉を取り除きました。
苗木は植え付け・植え替えをする前に、キレイな状態にするとよいです。
生産者の方が使用している
肥料ですので、問題なく育ちます。
苗木のある肥料ですので、植え付け・植え替えした後でも、影響が少ないです。
ビニールポットから取り出す
ビニールポットの底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
ローズマリーの苗木を
鉢受け皿の中に、横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指で押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ローズマリーの苗をビニールポットから取り出すことができました。
ローズマリーの根鉢
ローズマリーの苗木をポットから取り出すことができ、根鉢になりました。
根鉢は、苗木を鉢やポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態を確認すると、根の量は多くなく、少し心配です。
白い根は新しく、茶色の根は古く、黒い根は腐敗しています。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
つぼみがあったり、花が咲いたりしている苗は、根鉢をあまり崩さないで、植え付け・植え替えをします。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、汚れて、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
竹串を使って、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
竹串は素材が竹ですので、適度な硬さで幹や根を傷つけにくく、使いやすいです。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
苗木は、倒れることを防ぐために深植えされていることが多く、ローズマリーの苗木は、根元が2.5センチぐらい土の中に埋まっていました。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
幹から伸びている
根がありますので、ハサミで切ります。
根元がキレイな状態になりました。
根元が見えるまで、表面の土を取り除くと、根鉢の高さが半分ぐらいに、小さくなりましたので、底は軽く崩すだけにします。
根鉢の底は、根が密になり、土が固まった状態で、植え付け・植え替えをすると、根の成長がよくありませんので、崩します。
竹串を使って、固まった
根と土をほぐします。
根鉢の底の
根と土を崩しました。水はけがよくなり、
根腐れの心配がなくなります。
根鉢の側面も、
根や土が固まっていますので、
竹串を使って、崩します。
土を崩すことで、植え付け・植え替えした後に、根が成長しやすくなります。
根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。
枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、不要な根は取り除きます。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩した
ローズマリーを
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。
鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、腐葉土を入れないで、赤玉土と軽石だけの用土にしました。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
スリット鉢の段差より少し下まで用土を入れます。
仕上げに、表面の土は
軽石の小粒を敷きます。
軽石は固く、水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
雨や水遣りで土が跳ねて、葉に付着しますと、病気の原因になりますので、表面の土を軽石にするとよいです。
ローズマリーの小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
ローズマリーの管理
ローズマリーの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ローズマリーの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
春と秋は1~2日1回、暑い夏は1日1~2回、寒い冬は、完全に乾かないように4~5日に1回ぐらいが目安になります。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が早く傷みます。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ローズマリーは、日当たり・風通しのよい場所で管理します。暑い夏は、西日が当たらない半日陰で、風通しのよい場所で管理します。
耐寒性は普通ですので、温暖な地域は屋外で冬越しできますが、霜に当てないように軒下などで管理します。寒さが厳しい地域は、室内で保護すると安心です。
暖地でも、南向きの日当たりのよい、冷たい風が当たらない場所で、管理して下さい。
支柱で支える
植え付け・植え替えをした後は、根が張っていませんので、風が強く吹くと倒れることがあります。
ローズマリーの
小さな鉢植えは、
樹高が12センチぐらい、少し斜めに植え付けましたので、苗木のときより少し低くなりました。
支柱を使って、幹を支えて、倒れることを防ぎます。
小さな鉢植えですので、竹串を支柱として使うことができます。
竹串を鉢の底まで深く挿します。
支柱を使って、枝の向きを修正できますので、2本の支柱を設置しました。
ローズマリーの小さな鉢植えは、よい雰囲気になりました。
ローズマリーの肥料
ローズマリーの肥料は、春から秋に緩効性肥料を1ヵ月に1回ぐらい少量与えます。
花をたくさん咲かせるためには、秋にリン酸とカリを多く含む肥料を与えるとよいです。
ローズマリーは、やせた土壌に自生しますので、肥料がないことで枯れることはありません。
料理や香料として利用するために、先端の枝を頻繁に切る場合は、成長がよくなるように、肥料を与えます。
植え付け・植え替えした直後に肥料を与えることを避けますが、苗木にあった肥料ですので、影響が小さいです。
苗木から集めた肥料を再利用します。
株元から離れたところに、ピンセットで均等に並べて、
置き肥します。
ローズマリーの小さな鉢植えに、肥料を置き肥しました。
ローズマリーの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。夏は半日陰。
- 水はけのよい用土を好む。培養土に2~3割ぐらいパーライトを混ぜる。作る場合は、赤玉土と腐葉土、パーライトを5:3:2の割合。石灰で中和する。
- 水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は春と秋に緩効性化成肥料を少量与えます。
- 夏は風通しのよい、半日陰で管理。冬は保護すると安心。
- 植え付け・植え替えは、春の4~5月頃と秋の10~11月頃。
ローズマリーは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、春に植え替えをします。
春から秋の間に、剪定できます。枝が長く伸びると樹形が悪くなりますので、切り戻すとよいです。向きの悪い枝や混みあう枝は、付け根で切ります。
ローズマリーの今後
鉢カバーに入れると、立派なローズマリーの小さな鉢植えになります。
11月15日に、ローズマリーの苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは、簡単な保護で大丈夫ですが、夏はとても暑く、水切れに注意が必要です。
ローズマリーの今後の様子はこの記事を更新します。
1年間の育てる様子を記録します。
料理や香料として利用することがない場合は、オーストラリアンローズマリーと呼ばれるウエストリンギアがおすすめです。
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