西洋イワナンテン「アキシラリス」は、ツツジ科イワナンテン属の常緑性低木です。北アメリカが原産地になります。
学名は、Leucothoe axillarisで、レウコトエ・アキシラリスやアメリカイワナンテンと呼ばれることがあります。
花が咲く時期は4月~5月で、白色のツボ型の花が、柄のある小さな花が円柱形に並び、付け根から咲いていく総状花序で、たくさん咲きます。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の葉はツヤがあり、新芽は赤色で、その後は濃い緑色になります。寒くなる秋には、紅葉して、銅葉を楽しめることが大きな特徴です。
日なた~半日陰で育てることができ、耐陰性が強い樹ですので、庭のグランドカバーとして利用できます。
樹形は、株立ち状で、枝はアーチ型に垂れ下がりますので、樹高が大きくなりません。
11月上旬に、ホームセンターで、西洋イワナンテン「アキシラリス」の苗木が、広告の品で安く販売されていましたので、購入して育てます。
小さな鉢に、植え付け・植え替えをして、コンパクトな樹で、美しい花を楽しみます。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の苗木
西洋イワナンテン「アキシラリス」の苗木のラベルで、
花の色や形を確認して、購入します。
ラベルの写真は葉だけですので、花を確認することができませんでした。花が咲くように育てます。
「コーラルレッド」と記載されています。
コーラルの意味は、英語で珊瑚(さんご)ですので、コーラルレッドは、赤珊瑚(あかさんご)のような柔らかい赤色になります。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単に説明が記載されています。
アキシラリス
ツツジ科
用 途:庭植え、鉢植え、寄せ植え
鑑賞期:周 年
栽培のポイント
日当たりから半日陰で排水の良い所を好みます。市販の培養土を使用すると良いでしょう。定植する場合は、土をくずさない様にします。水やりは表土が乾いたらタップリと与えます。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の苗木の樹高は12センチぐらい。
地植えすると、樹高が1メートルぐらいまで大きく成長します。
小さいほうが管理が簡単ですので、大きく成長しないように、小さな鉢植えで育てます。
直径7.5センチ、2.5号のビニールポットに植えられています。
購入した西洋イワナンテン「アキシラリス」の苗木は、葉の付け根に芽があります。花芽であれば、春に花が咲きますので、楽しみです。
苗木を購入するときは、花芽があるものがおすすめです。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の葉は濃い緑色ですが、11月上旬と、朝晩は冷え込みますので、寒さに当たり紅葉して、銅葉が美しい状態です。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の
葉は、ツヤがあり厚く、楕円状披針形です。フチに細かい歯状の鋸歯と刺毛があり、互生する単葉です。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の
葉の長さが4センチぐらいで、細長い形です。
大きな樹では、葉の長さが6~16センチまで大きくなります。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の苗木の選び方は、葉の色がよく、茎が間延びしていないものがよいです。
西洋イワナンテンのいろいろな品種
左の鉢は、西洋イワナンテン「レインボー」です。葉にピンク色とクリーム色の斑が入ることが特徴です。
特徴である斑入りの葉が、紅葉して赤色になっています。「レインボー」の育て方について別の記事で詳しく書いていますので、参考にして下さい。
左の鉢は、西洋イワナンテン「メルベイユ」です。様々な形の斑が入る小さな葉が特徴である品種です。一部の葉が紅葉して、赤くなり、美しいです。
関連記事
ツヤのある緑の葉に黄色、ピンク色、白色、濃紫紅色の斑が入る「トリカラー」や日本原産の小型の品種であるイワナンテン(Leucothoe keiskei)などがあります。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の小さな鉢植え
西洋イワナンテン「アキシラリス」は、樹高が1メートルぐらいまで成長する常緑低木です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
ビニールポットの状態のままで、鉢に入れると、
植え付け・植え替えをしたときの雰囲気が確認できます。
西洋イワナンテン「アキシラリス」を小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
スリット鉢のサイズは3号(直径9センチ)、CSM-90になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
根詰りすることがなく、西洋イワナンテン「アキシラリス」を元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、西洋イワナンテン「アキシラリス」を小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、最適な環境で育てることができます。
準備したスリット鉢の直径9センチと3号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の3号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは7.5センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入してあります。左から2.5号(直径7.5センチ)、3号(直径9センチ)、3.5号(直径10.5センチ)。
苗木を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の苗木は、2.5号(直径7.5センチ)のビニールポットで、樹高が12センチぐらいですので、3号または3.5号が適したサイズになります。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
100均の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。
花や葉が美しい時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段は
スリット鉢のまま育てます。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の立派な鉢植えになる予定です。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の用土
西洋イワナンテン「アキシラリス」は、水はけがよく、腐植質に富んだ用土が適しています。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土、鹿沼土の小粒を5:3:2の割合で混ぜた用土が適しています。
赤玉土と
腐葉土、
鹿沼土が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
西洋イワナンテン「アキシラリス」は、水はけがよい状態を好みますので、鉢底石を敷くことをおすすめします。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで用土を入れて、西洋イワナンテン「アキシラリス」の鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の植え付け・植え替え
西洋イワナンテン「アキシラリス」の苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の植え付け・植え替えに適した時期は、春の3月~4月と秋の10月~11月頃です。
ビニールポットから取り出す
ビニールポットの底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の苗木を
鉢受け皿の中に、横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指で押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の苗木をポットから取り出すことができました。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の根鉢
西洋イワナンテン「アキシラリス」の苗木をポットから取り出すことができ、根鉢になりました。
根鉢は、苗木を鉢やポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、樹の大きさに対して、根がの量が少なく、心配です。
白い根は新しく、茶色の根は古く、黒い根は腐敗しています。ツツジ科ですので、根はとても細く、密になります。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
つぼみがあったり、花が咲いたりしている苗木は、根鉢を崩さないで、植え付け・植え替えをします。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、汚れて、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
竹串を使って、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
竹串は素材が竹ですので、適度な硬さで幹や根を傷つけにくく、使いやすいです。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
上向きに伸びている
根がありますので、ハサミで切ります。
根鉢の底の
根と土を崩しました。水はけがよくなり、
根腐れの心配がなくなります。
根鉢の側面も、
根や土が固まっていますので、
竹串を使って、崩します。
土を崩すことで、植え付け・植え替えした後に、根が成長しやすくなります。
根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。
枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、不要な根は取り除きます。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩した
西洋イワナンテン「アキシラリス」を
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。
鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、腐葉土を入れないで、赤玉土と鹿沼土を1:1ぐらいに混ぜた用土です。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。
赤玉土と鹿沼土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
スリット鉢の段差より少し下まで用土を入れます。
ウォータースペースを作るために、鉢のフチより1~2センチ下まで用土を入れますが、スリット鉢は、段差がありますので、分かりやすいです。
仕上げに、表面の土は
鹿沼土だけを敷きます。盆栽用の硬質の
鹿沼土ですので、固く、
水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
雨や水遣りで土が跳ねて、葉に付着しますと、病気の原因になりますので、表面の土を鹿沼土にするとよいです。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の管理
西洋イワナンテン「アキシラリス」の苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
春と秋は1~2日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は3~4日に1回ぐらいが目安になります。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
西洋イワナンテン「アキシラリス」は、日当たり~半日陰で、風通しのよい場所で管理します。暑い夏は、西日が当たらない半日陰で、葉焼けを防ぎます。
耐寒性・耐暑性が強く、病害虫も、ほとんどありませんので、育てやすい樹です。
大きな葉を取り除く
西洋イワナンテン「アキシラリス」の
小さな鉢植えは、株立ちの樹形で、枝がたくさんあります。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の
小さな鉢植えは、
樹高が10センチぐらい。
コンパクトな株に、小さな
葉がたくさん茂り、
紅葉した美しい銅葉が楽しめます。
株元の古い葉が大きくなり、バランスが悪いです。
5枚の大きな
葉を付け根をハサミで切り、取り除きました。
葉の大きさが揃い、美しくなりました。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の育て方のポイント
- 日なた~半日陰で、風通しがよい場所で育てる。
- 水はけがよく、腐植質に富んだ用土。市販の培養土が適しています。作る場合は、赤玉土と腐葉土、鹿沼土を5:3:2で配合。
- 水遣りは表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は、春の芽出し前と秋に緩効性化成肥料。
- 植え付け・植え替えは、3月~4月または9月~11月。
西洋イワナンテン「アキシラリス」は基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、春に植え替えをします。
水切れに、注意すれば枯れることはありません。耐寒性・耐暑性が強く、病害虫の心配も少ないです。
剪定は、3月~4月に刈り込むことで、樹高を低くすることができます。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の今後
鉢カバーに入れると、立派な西洋イワナンテン「アキシラリス」の鉢植えになります。
11月14日に、西洋イワナンテン「アキシラリス」の苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは、簡単な保護で大丈夫ですが、夏はとても暑く、水切れに注意が必要です。
西洋イワナンテン「アキシラリス」の今後の様子はこの記事を更新します。
花芽がありますので、春に美しい花を咲かせることが、最初の目標です。
1年間の育てる様子を記録します。
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