オレンジバルサムタイムは、シソ科イブキジャコウソウ属の常緑性低木です。地中海沿岸が原産地になります。
学名は、Thymus fragrantissimusです。
タイムは、たくさんの園芸品種があり、樹形は、枝が真っすぐに伸びる立ち性と枝が横に広がりながら伸びるほふく性があります。
ハーブですので、香りがよく、清涼感がある香り、甘い香り、柑橘系の香りなど、品種によって異なりますので、好みで選ぶとよいです。
オレンジバルサムタイムは、枝が真っすぐ伸びる立ち性で、オレンジのようなフルーティーな香りが大きな特徴です。
花が咲く期間は5月~8月、枝の先端に、淡いピンク色の小さな花が、たくさん咲きます。
オレンジバルサムタイムは、香りがとてもよいですので、料理やお茶、ポプリ、香料として使うことができ、いろいろな利用方法があるタイムです。
料理は、風味と香りがよいですので、肉料理と魚料理の風味付けに適しています。ハーブティーにすると、オレンジの香りが楽しめます。
10月中旬に、ホームセンターで、オレンジバルサムタイムの苗木が、広告の品で安く販売されていましたので、購入して育てます。
小さな鉢に、植え付け・植え替えをして、コンパクトな樹で、美しい花や葉を楽しみます。
オレンジバルサムタイムの苗木
オレンジバルサムタイムの苗木のラベルで、
花の色や形を確認します。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単に説明が記載されています。
オレンジバルサムタイム
シソ科/耐寒性多年草
開花期
5月~8月くらい
育て方
耐寒性に優れ、とても丈夫で育てやすくオレンジのようなフルーティーな香りがします。日当たりと水はけの良い場所で育てます。水やりは土の表面が乾いてから過湿にならないようにします。肥料は月に1度緩効性肥料を少量与えましょう。高温多湿で蒸れないように切り戻しを行いましょう。
オレンジバルサムタイムの苗木の樹高は10センチ以下と、小さいです。
オレンジバルサムタイムは、地植えすると、樹高が30センチぐらいまで大きく成長します。
小さいほうが管理が簡単ですので、大きく成長しないように、小さな鉢植えで育てます。
株の幅は12センチぐらい。枝がよく増えますので、株の幅が大きくなりやすいです。
直径7.5センチ、2.5号のビニールポットに植えられています。
オレンジバルサムタイムの
葉は、緑色からシルバーの銀葉です。
葉の形は細長く、葉の長さは、5ミリぐらいと、とても小さく、葉の幅は2~3ミリぐらい。
オレンジバルサムタイムの苗木の選び方は、葉に変色がなく、節の間隔が小さい、元気な苗木を選びましょう。
購入したオレンジバルサムタイムの苗木は、幹が2本ありますので、2つの株である可能性があります。
株分けして、鉢に植え付け・植え替えをすれば、2つの鉢ができますので、枯れたときの予備になります。
オレンジバルサムタイムの小さな鉢植え
オレンジバルサムタイムは、樹高が30センチぐらいまで成長する常緑性低木です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
オレンジバルサムタイムを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
根詰りすることがなく、オレンジバルサムタイムを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
根詰りすると、生育が悪くなり、花の数が少なくなりますので、注意が必要です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、オレンジバルサムタイムを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く、葉焼けする暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、最適な環境で育てることができます。
準備した
スリット鉢の直径7.5センチと2.5号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、
普通の2.5号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは6.5センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入してあります。左から2号(直径センチ)、2.5号(直径7.5センチ)、3号(直径9センチ)。
苗木を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。
オレンジバルサムタイムの苗木は、2本の幹がありますので、株分けする可能性があり、予備の鉢があると安心できます。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
スリット鉢が入る陶器の鉢が、ホームセンターで販売されていましたので、購入して、鉢カバーとして利用します。
花が美しい時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段は
スリット鉢のまま育てます。
オレンジバルサムタイムの用土
オレンジバルサムタイムは、水はけ(排水性)がよく、弱アルカリ性の用土が適していますので、ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土に石灰を混ぜるとよいです。
作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を7:3の割合で混ぜた用土を使います。
赤玉土と腐葉土が、均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、
水はけがよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
オレンジバルサムタイムは、高温多湿に弱い性質ですので、鉢底石を敷き、水はけのよい環境を作ります。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目ぐらいまで用土を入れます。
植え付け・植え替えのときに、株元の高さを確認して調整します。
オレンジバルサムタイムは、弱アルカリ性の用土を好みますので、石灰を使って中和します。
石灰は、100均でも販売されていますので、使う量が少ないときは便利です。
園芸に使う石灰は、苦土石灰と有機石灰があります。
苦土石灰は、
植え付け・
植え替えをする10日前ぐらいに、
用土と混ぜてから使用します。
有機石灰は、アルカリ度が低いですので、酸性の強い土の中和には使えませんが、変化が穏やかなため、苗を
植え付け・植え替えをする直前でも、問題ありません。
有機石灰は、効果が強くないですので、
植え付け・植え替えをするときに、混ぜることができます。
100均のマドラースプーンに1杯ぐらいの有機石灰を用土に混ぜます。小さじより小さいですので、3グラムになります。
説明書では、「1㎡あたり150g」と記載されています。
鉢は2.5号で、直径7.5センチになりますので、面積は0.0375×0.0375×3.14=0.004415…となり、およそ0.005㎡。
0.75グラムぐらいが適量になります。量が多いですが、有機石灰ですので、強いアルカリ性になることはありません。
有機石灰で、
用土を中和します。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
オレンジバルサムタイムの植え付け・植え替え
オレンジバルサムタイムの苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
オレンジバルサムタイムの植え付け・植え替えに適した時期は、春の3月~6月と秋の9月~11月頃になります。
10月下旬と植え付け・植え替えの時期ですので、株分けして、小さな鉢植えで育てます。
ビニールポットから取り出す
最初に、ビニールポットの底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
オレンジバルサムタイムの苗木を
鉢受け皿の中に、横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指で押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
オレンジバルサムタイムの苗木をビニールポットから取り出すことができました。
オレンジバルサムタイムの根鉢
オレンジバルサムタイムの苗木をポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、根詰りに近く、根の量が多いです。白い根は新しく、黒色の根は腐敗しています。
根鉢の底で根が巻くサークリング現象が発生しています。長く伸びている根がありますので、根を切る必要があります。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、汚れて、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
竹串を使って、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
竹串は素材が竹ですので、適度な硬さで幹や根を傷つけにくく、使いやすいです。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
根鉢の底は、水はけが悪く、根腐れしやすい場所になります。
根が密集して固まった状態で、植え付け・植え替えをすると、根の成長がよくありませんので、崩します。
根鉢の底を
竹串を使って崩しますが、
根が密集していますので、
竹串で崩すことができません。
根が密集していますので、
根鉢の底をハサミで切り、取り除きます。
根鉢の回して、1周、ハサミで切ります。
土と根を一緒に切りますので、ハサミの刃が傷みます。100均などで安いハサミを用意するとよいです。
根が密集している
根鉢の底を取り除くことができました。
外側は根が密集していますが、内側は土があり、根は多くありません。
オレンジバルサムタイムの株分け
オレンジバルサムタイムの苗木は、幹が2本あります。
株分けをして、1株ずつ鉢に植え付け・植え替えをしたほうが、成長がよく、管理もしやすいです。
植物は枯れることがありますので、株分けして、2つの鉢になると、予備になります。
竹串を使って、
根を傷つけないように、
根鉢を分けます。絡まった
根を
竹串で、ほぐしながら、慎重に分けます。
根の量が多く、大変でしたが、
株分けすることができました。
オレンジバルサムタイムの苗木が、2つの株になり、得した気分になれます。右の株を準備した鉢に、
植え付け・植え替えをします。
根鉢が少し大きいですので、準備した鉢に入るように、崩します。
根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。
枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、長く伸びた不要な根は取り除きます。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩して、株分けしたオレンジバルサムタイムを用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。
鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、腐葉土を入れないで、赤玉土の小粒だけにしました。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
用土をスリット鉢の段差の少し下まで入れました。
ウォータースペースを作るために、鉢のフチより1~2センチ下まで用土を入れますが、スリット鉢は、段差がありますので、分かりやすいです。
仕上げに、表面の土は
軽石を敷きます。
軽石は固く、
水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
雨や水遣りで土が跳ねて、葉に付着しますと、病気の原因になりますので、表面の土を軽石にするとよいです。
オレンジバルサムタイムの小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
オレンジバルサムタイムの管理
オレンジバルサムタイムの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
オレンジバルサムタイムの水遣りは、多湿にならないように注意して、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
春と秋は1~2日に1回、暑い夏は朝と夕方の1日1回、寒い冬は、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
オレンジバルサムタイムは、日当たり・風通しのよい場所で管理します。暑い夏は、西日が当たらない半日陰がよいです。
半日陰でも育てることができますが、枝が徒長したり、花の数が少なくなったりしますので、注意が必要です。
耐寒性がありますので、暖地では屋外で冬越しできます。
オレンジバルサムタイムの剪定
オレンジバルサムタイムは、多湿に弱い性質ですので、枝が増え過ぎて、
株元の風通りが悪くなったら、剪定をする必要があります。
剪定は、増え過ぎた枝を根元で切る「間引き剪定」が簡単です。
横に広がりすぎた枝や、株の中心で向きが悪い枝をハサミで切り、減らします。
10月下旬ですので、横に広がった枝を10本ぐらい
剪定しました。
オレンジバルサムタイムを
剪定して、スッキリした樹形になり、寒い冬に美しい
葉を楽しめます。
オレンジバルサムタイムの樹高は8センチぐらい。
枝の先端が伸びたら、樹高を半分ぐらいになるように、刈り込むとよいです。
オレンジバルサムタイムの育て方のポイント
- 日当りと風通しがよい場所で育てる。
- 用土は普通の培養土。作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3。石灰を混ぜて中和する。
- 水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は、春と秋に緩効性化成肥料を置き肥。
- 植え付け・植え替えは、春の3月~6月と秋の9月~11月。
オレンジバルサムタイムの特別な育て方はなく、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは、2年ぐらいに1回、植え替えをします。水遣りのときに水が抜けなくなったり、葉の色が悪くなったりしますので、分かりやすいです。
オレンジバルサムタイムの今後
10月25日に、オレンジバルサムタイムの苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、夏はとても暑く、水切れに注意が必要です。
冬の寒さが厳しくないですので、屋外で冬越しできます。
10月下旬に、オレンジバルサムタイムの苗木を購入しましたので、花が咲く5月~8月まで、半年ぐらいと長いですが、気長に育てます。
オレンジバルサムタイムの今後の様子はこの記事を更新します。
1年間の育てる様子を記録します。
関連記事
香りがよいハーブを育てていますので、参考にして下さい。
関連記事
関連記事
関連記事
関連記事
0 件のコメント :
コメントを投稿