リュウノヒゲは、キジカクシ科ジャノヒゲ属の常緑性多年草です。日本や中国、朝鮮畔などの東アジアが原産地になります。
学名は、Ophiopogon japonicusで、ジャノヒゲ(蛇の髭)と呼ばれることがあります。
リュウノヒゲの花が咲く時期は7月~8月の夏です。薄い紫色の小さな花が、下向いて咲きますが、観賞向きではありません。
花が終わった後に結実して、寒くなる冬には、熟して鮮やかな青色の実になり、美しいです。
リュウノヒゲの葉は、細長く、濃い緑色で、和風の雰囲気が楽しめます。常緑性で、育てやすいですので、グランドカバーや花壇、駐車場の目地に利用されます。
草丈が小さい園芸品種である「タマリュウ(玉竜)」が、人気がです。
10月中旬に、ホームセンターで、リュウノヒゲの苗が販売されていましたので、購入して育てます。
リュウノヒゲの苗
リュウノヒゲの苗の草丈は6センチぐらいです。
リュウノヒゲは地植えすると、草丈が10~40センチぐらいまで大きく成長します。
ホームセンターで購入した苗はラベルがなく、品種が不明です。草丈が小さいですので、園芸品種の「タマリュウ」である可能性が高いです。
直径7.5センチ、2.5号のビニールポットに植えられています。
株の幅は、18センチぐらいと、
葉が長く伸びています。
リュウノヒゲの葉は長細く、濃い緑色で、暑さ、寒さに強く、常緑であることが特徴です。
リュウノヒゲの園芸品種
左の鉢は、「ハクリュウ(白竜)」です。
細長い葉に、白色の斑がキレイに入るリュウノヒゲの園芸品種になります。
「ハクリュウ」の
葉の幅は、
リュウノヒゲと同じぐらいで、斑が入りますので、和風と洋風のどちらにも似合います。
左の鉢は、「コクリュウ(黒竜)」です。葉が黒いことが特徴であるリュウノヒゲの園芸品種です。
「コクリュウ」の育て方を詳しく書いた記事がありますので、参考にして下さい。
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黒色の葉が美しい「コクリュウ」。葉の形は同じですが、リュウノヒゲとは雰囲気が大きく異なります。
リュウノヒゲの小さな鉢植え
リュウノヒゲは地植えすると、草丈が40センチぐらいまで大きく成長します。管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
ビニールポットの状態のままで、鉢に入れると、
植え付け・植え替えをしたときの雰囲気が確認できます。
リュウノヒゲを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、リュウノヒゲを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは2.5号(直径7.5センチ)、CSM-75になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、リュウノヒゲを小さな鉢植えで育てることができます。
霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、リュウノヒゲを最適な環境で育てることができます。
準備した
スリット鉢の直径7.5センチと2.5号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、
普通の2.5号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは6.5センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入しています。左から2号(直径6センチ)、2.5号(直径7.5センチ)、3号(直径9センチ)。
苗を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
小さな陶器の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。
花や実を楽しめる時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段は
スリット鉢のまま育てます。
リュウノヒゲの用土
リュウノヒゲは、水はけ(排水性)がよい用土が適していますので、ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜた用土を使います。
赤玉土と
腐葉土が、均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、
水はけがよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目ぐらいまで用土を入れて、リュウノヒゲの鉢の準備ができました。植え付け・植え替えのときに、株元の高さを確認して調整します。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
リュウノヒゲの植え付け・植え替え
リュウノヒゲの苗を鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
リュウノヒゲの植え付け・植え替えに適した時期は、春と秋になります。暑さが厳しい夏と寒い冬を避けるとよいです。
ビニールポットから取り出す
最初に、ビニールポットの底を確認します。
底の穴から根がたくさん出ていますと、ビニールポットから取り出すことができません。
無理に取り出しますと、根が切れますので、穴から伸びた根はハサミで切ります。
リュウノヒゲの苗を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
リュウノヒゲの苗をビニールポットから取り出すことができました。
リュウノヒゲの根鉢
リュウノヒゲの苗をポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗を鉢やポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
リュウノヒゲの根鉢の状態を確認すると、根の量は多く、鉢の底で根が巻くサークリング現象が発生しています。
白い根は新しく、茶色の根は古く、黒い根は腐敗しています。
根詰りに近い状態ですので、植え付け・植え替えするタイミングです。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れ、汚れますので、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
竹串を使って、根鉢の表面の土を崩します。根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
根元より周りの土が高くなっていることが多いですので、根元が一番高くなるように根鉢の肩の土を崩します。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
根鉢の底は、水はけが悪く、
根腐れしやすい場所になります。
鉢の底で
根が巻くサークリング現象が発生していますので、
竹串を使って、長く伸びた
根をほぐします。
根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。
枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、不要な根は取り除きます。
リュウノヒゲの株分け
リュウノヒゲの苗は、株がたくさんあります。
株分けをして、1株ずつ鉢に植え付け・植え替えをしたほうが、成長がよく、管理もしやすいです。
植物は枯れることがありますので、株分けして、鉢が増えると、予備になります。
根鉢の側面を
竹串で崩して、
根をあまり切らないように、ほどきます。
元の株と増えた株は、地下茎でつながっていますので、ハサミで切ります。
地下茎をハサミで切りましたので、
リュウノヒゲの苗を
株分けできます。
根の量が多く、大変でしたが、
株分けすることができました。
リュウノヒゲの根鉢を崩して、株分けをして、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
リュウノヒゲを
小さな鉢植えで育てますので、2つの小さな株を鉢に
植え付け・植え替えをします。
用土を入れて準備した鉢に、
根鉢を崩して、
株分けした
リュウノヒゲの2つの小さな株を束ねて入れます。
スリット鉢の
段差まで
用土を入れますので、
根元の位置を確認します。高い場合は、
用土を減らします。低い場合は
用土を増やします。
用土に隙間ができないように、竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
表面は、
腐葉土を入れないで、
赤玉土だけの用土にすると、見栄えがよくなります。
仕上げに、表面の土は
軽石を敷きます。
軽石は固く、
水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
雨や水遣りで土が跳ねて、葉に付着しますと、病気の原因になりますので、表面の土を軽石にするとよいです。
リュウノヒゲの植え付け・植え替えが終わり、小さな鉢植えが完成しました。
リュウノヒゲの苗を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
リュウノヒゲの水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日に1回、暑い夏は朝と夕方の1日に2回、寒い冬は、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
つぼみができてから花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると。つぼみや花が傷みます。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ午前中に日が当たる場所に移動させます。
リュウノヒゲは、日当たりのよい場所で育てます。半日陰でも育てることができますが、花の数が少なくなります。
リュウノヒゲの育て方のポイント
- 日当たり、風通しのよい場所で育てる。半日陰でも大丈夫。
- 用土は普通の市販の培養土。作る場合は赤玉土と腐葉土を7:3で配合。
- 水遣りは、土の表面が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は、春と秋に緩効性肥料を置き肥で与える。
- 植え付け・植え替えは、春と秋が適しています。
リュウノヒゲは特別な育て方はなく、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、春の3月~4月に、株分けをして植え替えをするとよいです。
肥料が少なくなると、葉の色が悪くなり、花が咲かなくなりますので、注意が必要です。
リュウノヒゲの今後
10月19日に、リュウノヒゲの苗を鉢に植え付け・植え替えしました。
鉢カバーに入れると、立派な鉢植えになり、室内に飾ることができます。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しが簡単です。
残りの株も鉢に、植え付け・植え替えをしました。
最初の目標は、花を咲かせることです。花が咲く時期は夏ですので、のんびり気長に育てます。
リュウノヒゲの今後の様子はこの記事を更新します。1年間の育てる様子を記録します。
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