ヒペリカムは、オトギリソウ科オトギリソウ属の半常緑性低木です。中央アジアから地中海沿岸の温端から亜熱帯の地域が原産地になります。
学名は、Hypericumで、キンシバイ(金糸梅)やビョウヤナギ(未央柳)と呼ばれることがあります。
ヒペリカムは、たくさんの園芸品種があり、日本では中国原産で江戸時代に渡来したキンシバイ(金糸梅)が、よく栽培されています。
花が咲く期間は6月~7月、枝の先端に、鮮やかな黄色の花が咲きます。
花の大きさは品種によって異なり、直径3センチ~7センチぐらい、雄しべがたくさんあることが特徴です。
花が終わった後に、結実して、美しい赤色の実を付ける品種があります。
10月中旬に、ホームセンターで、ヒペリカムの苗木が、値引き販売されていましたので、購入して育てます。
小さな鉢に、植え付け・植え替えをして、コンパクトな樹で、美しい花や実を楽しみます。
ヒペリカムの苗木
ヒペリカムの苗木のラベルで、
花や
実の色や形を確認します。
黄色の花が咲きますが、写真は赤色の実だけですので、少し心配です。
「ハイパール」と記載されています。コンパクトな矮性品種になります。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単に説明が記載されています。
病気に強い!
コンパクトで育てやすい!!
わい性 ヒペリカム ハイパール
病気に強く、コンパクトで育てやすいヒペリカム。
可愛らしい黄色い花の後に光沢のある小さな果実が夏花壇を彩ります。
分 類:オトギリソウ科 オトギリソウ属 多年草
学 名:Hypericum hybrid
開花結実:春~夏
主な用途:鉢植え、プランター、花壇
管理方法
置場所 日当たりと水はけの良い場所に置いてください。
水やり 鉢底から水が出るまでたっぷり与えます。
肥 料 育成期は液肥を1,000倍程度の液肥を1週間に1回程度与えます。
果実が色付き始めたら肥料の必要はありません。
ヒペリカムの苗木の樹高は12センチぐらい。
ヒペリカムは、地植えすると、樹高が1メートルぐらいまで成長します。
小さいほうが管理が簡単ですので、大きく成長しないように、小さな鉢植えで育てます。
直径10.5センチ、3.5号のビニールポットに植えられています。
購入したヒペリカムの苗木は、値引き販売されていましたので、枝の先端がハサミで切られて、剪定されているようです。
10月中旬と、花が終わり、結実して実がを楽しめる時期ですが、実がありません。来シーズンに、可愛らしい黄色の花と、鮮やかな赤色の実を楽しむために育てます。
葉の形は、楕円形から長楕円形で、対生します。葉の長さは、3センチぐらいと小さいです。
葉の幅は2センチぐらい。
ヒペリカムの苗木の選び方は、
葉に変色がなく、節の間隔が小さい、元気な苗木を選びましょう。
購入したヒペリカムの苗木は、幹が3本ありますので、3つの株である可能性があります。
株分けして、鉢に植え付け・植え替えをすれば、3つの鉢ができますので、枯れたときの予備になります。
ヒペリカムの小さな鉢植え
ヒペリカムは、樹高が1メートルぐらいまで成長する常緑性低木です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
ビニールポットのままの状態で、鉢に入れると、植え付け・植え替えしたときの雰囲気が確認できます。
ヒペリカムを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
根詰りすることがなく、ヒペリカムを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
根詰りすると、生育が悪くなり、花の数が少なくなりますので、注意が必要です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ヒペリカムを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く、葉焼けする暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、最適な環境で育てることができます。
準備した
スリット鉢の直径9センチと3号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、
普通の3号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは7.5センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入してあります。左から2.5号(直径7.5センチ)、3号(直径9センチ)、3.5号(直径10.5センチ)。
苗木を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。
ヒペリカムの苗木は、3本の幹がありますので、株分けする可能性があり、予備の鉢があると安心できます。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
スリット鉢が入る鉢が、100均で販売されていましたので、購入して、鉢カバーとして利用します。
花や実が美しい時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段は
スリット鉢のまま育てます。
ヒペリカムの用土
ヒペリカムは、水はけがよい用土が適しています。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を7:3の割合で混ぜた用土が適しています。
赤玉土と
腐葉土が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を薄く敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
ヒペリカムの鉢の準備ができました。
植え付け・植え替えは、最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
ヒペリカムの植え付け・植え替え
ヒペリカムの苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ヒペリカムの植え付け・植え替えに適した時期は、春の3月~4月と秋の10月頃になります。
10月中旬と植え付け・植え替えの時期ですので、株分けして、小さな鉢植えで育てます。
苗木の掃除
購入した
ヒペリカムの苗木は、ホームセンターで値引き販売されていましたので、店頭に長期間、並べられ、ビニールポットの中は枯れ葉がたくさんあります。
ピンセットを使って、枯れ葉を取り除き、ビニールポットの中を掃除します。
ビニールポットの中がキレイになりました。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
ヒペリカムの苗木を
鉢受け皿の中に、横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指で押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ヒペリカムの苗木をビニールポットから取り出すことができました。
ヒペリカムの根鉢
ヒペリカムの苗木をポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、根詰りに近く、根の量が多いです。白い根は新しく、黒色の根は腐敗しています。
根鉢の底で根が巻くサークリング現象が発生しています。長く伸びている根がありますので、根を切る必要があります。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、汚れて、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
ホームセンターで、値引き販売されていた苗木ですので、長期間、店頭に並び、表面は汚れています。
竹串を使って、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
竹串は素材が竹ですので、適度な硬さで幹や根を傷つけにくく、使いやすいです。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
根鉢の底は、水はけが悪く、
根腐れしやすい場所になります。
竹串で根をほぐし、土を取り除き、新しい用土になることで、水はけがよくなり、根腐れの心配がなくなります。
根鉢の底を崩して、固まった
根をほぐしました。長く伸びた
根が、たくさんあります。
鉢の底で巻いて、長く伸びた
根を
ハサミで切りました。
ヒペリカムの株分け
ヒペリカムの苗木は、幹が3本あります。
株分けをして、1株ずつ鉢に植え付け・植え替えをしたほうが、成長がよく、管理もしやすいです。
植物は枯れることがありますので、株分けして、3つの鉢になると、予備になります。
竹串を使って、
根を傷つけないように、
根鉢を分けます。絡まった
根を
竹串で、ほぐしながら、慎重に分けます。
根の量が多く、大変でしたが、
株分けすることができました。
ヒペリカムの苗木が、3つの株になり、得した気分になれます。
真ん中の株を準備した鉢に、
植え付け・植え替えをします。
苗木は、倒れることを防ぐために
深植えされていることが多く、
ヒペリカムの苗木は、
根元が土の中に埋まっていました。
幹から伸びている根がありますので、ハサミで切ります。
「二段根」と呼ばれる現象で、花が咲かなくなるなどの悪い影響があります。
根元がキレイな状態になりました。
根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。
枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、長く伸びた不要な根は取り除きます。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩した
ヒペリカムを
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。
鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、腐葉土を入れないで、赤玉土の小粒だけにしました。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
用土をスリット鉢の段差の少し下まで入れました。
ウォータースペースを作るために、鉢のフチより1~2センチ下まで用土を入れますが、スリット鉢は、段差がありますので、分かりやすいです。
仕上げに、表面の土は
軽石を敷きます。
軽石は固く、
水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
雨や水遣りで土が跳ねて、葉に付着しますと、病気の原因になりますので、表面の土を軽石にするとよいです。
ヒペリカムの小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
ヒペリカムの管理
ヒペリカムの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ヒペリカムの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ヒペリカムは、日当たり・風通しのよい場所で管理します。暑い夏は、葉焼けを防ぐために。西日が当たらない半日陰がよいです。
半日陰でも育てることができますが、枝が徒長したり、花の数が少なくなったりしますので、注意が必要です。
耐寒性がありますので、暖地では屋外で冬越しできます。寒さが厳しい地域は、落葉することがありますが、枯れることはありません。
残りの2つの株は、一回り小さな直径7.5センチ(2.5号)のスリット鉢に、植え付け・植え替えをしました。
支柱で支える
植え付け・植え替えをした後は、根が張っていませんので、風が強く吹くと倒れることがあります。
ヒペリカムの
鉢植えは、
樹高が10センチぐらいと小さいですが、
葉がたくさんありますので、
支柱を使って、幹を支えて、倒れることを防ぎます。
小さな鉢植えですので、
竹串を
支柱として使うことができます。
2本の支柱で、幹を挟むようにするとよいです。
ヒペリカムの育て方のポイント
- 風通しがよく、日向から半日陰で育てる。
- 用土は普通の培養土。作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3。
- 水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は、春と秋に緩効性化成肥料を置き肥。
- 植え付け・植え替えは、春の3月~4月と秋の10月が適しています。
ヒペリカムの特別な育て方はなく、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは、2年ぐらいに1回、植え替えをします。水遣りのときに水が抜けなくなったり、葉の色が悪くなったりしますので、分かりやすいです。
ヒペリカムの剪定は、3月頃が適しています。春に枝が伸びてから花芽を作りますので、芽吹く前に枝を短く切るとよいです。
ヒペリカムの今後
10月17日に、ヒペリカムの苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、夏はとても暑く、水切れに注意が必要です。
冬の寒さが厳しくないですので、屋外で冬越しできます。
株分けして、ヒペリカムの小さな鉢植えが3つできましたので、よかったです。
10月中旬に、ヒペリカムの苗木を購入しましたので、花が咲く6月~7月まで、8ヵ月ぐらいと長いですが、気長に育てます。
ヒペリカムの今後の様子はこの記事を更新します。
1年間の育てる様子を記録します。
小さな赤色の実を楽しめる樹を色々育てていますので、参考にして下さい。
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