ハッピーベリーは、ツツジ科ペルネチア属の耐寒性の常緑低木です。南アメリカが原産地になります。
学名は、Pernettya mucronataで、真珠の木やペルネチアと呼ばれることがあります。
花が咲く時期は、5月~7月頃で、小さなツボ形の白色の花が、下向きに咲きます。花が終わった後に結実して、9月頃には、美しい実ができます。
ハッピーベリーの実は丸く、光沢があります。実の色は、ピンク色や赤色、白色で、3月頃まで落ちることなく、寒い冬の間、長期間、観賞して楽しめることが特徴です。
夏の暑さや多湿に弱い性質ですので、夏は風通しの良い半日陰で管理します。
ハッピーベリーは、耐寒性がありますので、温暖な気候なら屋外で冬越しできます。霜や冷たい風に当てないように注意が必要です。
10月上旬に、ホームセンターで、ハッピーベリーの苗木が値引き販売されていましたので、購入して育てます。
小さな鉢に、植え付け・植え替えをして、コンパクトな樹で、美しい実を楽しみます。
ハッピーベリーの苗木
ハッピーベリーの苗木のラベルで、
花や
実の色や形を確認して、購入します。
赤色とピンク色、白色の
実の写真がありますので、好みで選ぶとよいです。
「北海道育ち」と記載されています。夏の暑さや多湿に弱いですので、北海道の涼しい気候が栽培に適しています。
実は食べることができませんので、「観賞用」と記載されています。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単に説明が記載されています。
ハッピーベリー
常緑低木
〈分類〉 ツツジ科ゴーテリア属
〈学名〉 Pernettya mucronata
開花期 5月~7月 結実期 9月~3月
春に可憐な白い花を付け、秋には赤・白・ピンク・パープルの丸い実を長期間(9月~3月)楽しむことができます。
管理方法
〈置場所〉日当たりが良く、なるべく涼しい場所がおすすめです。凍結状態が長く続かない(夜間凍結しても日中の温度が0℃以上)地方では庭植えのまま越冬できます。
〈水やり〉土の乾燥に弱いので注意し、表面が乾いたらたっぷりと与えてください。
〈肥 料〉緩効性肥料を春と秋に与えてください。
ハッピーベリーの苗木の樹高は12センチぐらい。
地植えすると、樹高が50センチ~1メートルぐらいまで大きく成長します。
小さいほうが管理が簡単ですので、大きく成長しないように、小さな鉢植えで育てます。
直径9センチ、3号のビニールポットに植えられています。
ハッピーベリーの苗木は、たくさんの
実があります。
実の大きさは、直径1センチ以上あり、樹が小さいですので、とても大きく見えます。
葉が小さいですので、樹高が小さな樹でもバランスがよく、とても気に入りました。
ハッピーベリーの
葉の長さは、1.5センチぐらいです。
葉の幅は5~7ミリぐらい。
ハッピーベリーの苗を選ぶときは、葉の色がよく、間延びしていない、節の間隔が小さいものがよいです。
美しい実が楽しめる樹
左の鉢は、チェッカーベリーです。冬に美しい
実が楽しめる樹として人気が高く、秋の終わり頃からホームセンターや園芸店で販売されています。
チェッカベリーは、ほふく性ですので、枝が横に伸びる性質があります。
実の大きさは同じぐらいです。
葉は
ハッピーベリーが小さいです。
チェッカベリーの育て方を詳しく書いた記事がありますので、参考にして下さい。
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左の鉢は、クランベリーです。ツル性ですので、長く伸びて樹高が大きくなります。
クランベリーの
実は、食べることができます。冷涼地なら美味しい
実ができるので、ジャムなどに利用できる実です。
クランベリーの育てる様子を書いた記事がありますので、参考にして下さい。
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左の鉢は、ビルベリーです。ブルーベリーの一種で青紫色の小さな
実がなります。
ビルベリーの実は、小さいですので、観賞向きでありません。
ビルベリーの育て方を詳しく書いた記事がありますので、参考にして下さい。
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苗木の掃除してキレイにする
ハッピーベリーの苗木は、ホームセンターで値引き販売されていました。
長期間、店頭に並び、枯れた葉や枝があり、汚れていますので、植え付け・植え替えをする前に、掃除をしてキレイにします。
ビニールポットの中に、枯れた
葉があり、
実が落ちています。
ビニールポットの中をピンセットを使って、掃除して、ハサミで長く伸びた枝を剪定しました。
ハッピーベリーの苗木がキレイになりました。
ハッピーベリーの小さな鉢植え
ハッピーベリーは、樹高が1メートルぐらいまで成長する常緑低木です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
ハッピーベリーを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
スリット鉢のサイズは2.5号(直径7.5センチ)、CSM-75になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
根詰りすることがなく、ハッピーベリーを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ハッピーベリーを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、最適な環境で育てることができます。
準備した
スリット鉢の直径7.5センチと2.5号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、
普通の2.5号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは6.5センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入してあります。左から2号(直径6センチ)、2.5号(直径7.5センチ)、3号(直径9センチ)。
苗木を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
小さな陶器の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。
実が美しい時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段は
スリット鉢のまま育てます。
ハッピーベリーの用土
ハッピーベリーは、ツツジ科ですので、酸性の用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土にピートモスを2~3割合ぐらい混ぜて、酸性にするとよいです。ブルーベリーの用土が使えます。
作る場合は、鹿沼土とピートモスを7:3の割合で混ぜた用土が適しています。
鹿沼土は、ミニ盆栽でもよく使いますので、硬質小粒を使いました。
ピートモスは、使う量が少なく、あまり使うことがありませんので、容量の小さな100均の商品を使っています。
いろいろな植物に使いましたが、問題なく使えています。
100均の商品ですが、袋の裏側に、
「水辺植物類などが分解、堆積し、泥炭化したものです。水もち、肥もちが良く酸性です。pH調整用としてもご利用いただけます。」と記載されています。
鹿沼土と
ピートモスが均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
ハッピーベリーは、多湿を嫌いますので、鉢底石を敷くことをおすすめします。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで用土を入れて、ハッピーベリーの鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
ハッピーベリーの植え付け・植え替え
ハッピーベリーの苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ハッピーベリーの植え付け・植え替えに適した時期は、春の3月~6月頃です。秋の10月~11月も植え付け・植え替えできますが、実が付いていますので、根鉢をあまり崩さないで、一回り大きい鉢に植え替えをすれば、大丈夫です。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
ハッピーベリーの苗木を
鉢受け皿の中に、横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指で押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ハッピーベリーの苗木をポットから取り出すことができました。
ハッピーベリーの根鉢
ハッピーベリーの苗木をポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、小さいビニールポットですので、根がたくさんあり、根詰りに近いです。
白い根は新しく、茶色の根は古く、黒い根は腐敗しています。根はツツジ科ですので、とても細く、密になります。
根詰りに近い状態ですので、植え付け・植え替えをする必要があります。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
花が咲いたり、実がなったりしている苗木は、根鉢を崩さないで、植え付け・植え替えをします。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、汚れて、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
ホームセンターで、値引き販売されていた苗木ですので、長期間、店頭に並び、表面はコケが生えています。
竹串を使って、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
竹串は素材が竹ですので、適度な硬さで幹や根を傷つけにくく、使いやすいです。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
苗木は、倒れることを防ぐために深植えされていることが多く、ハッピーベリーの苗木は、根元が2.5センチぐらい土の中に埋まっていました。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
根元が見えるまで、表面の土を取り除くと、
根鉢の高さが半分ぐらいに、小さくなりました。
根鉢の底は、
根が密になり固まった状態で、
植え付け・植え替えをすると、
根の成長がよくありませんので、崩します。
ハッピーベリーの苗木は3号(直径9センチ)のビニールポットに植えられています。2.5号(直径7.5センチ)の鉢に、植え付け・植え替えをしますので、根鉢を小さくする必要があります。
根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。
枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、不要な根は取り除きます。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩したハッピーベリーを用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、鹿沼土の小粒だけにしました。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。
鹿沼土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
用土をスリット鉢の段差のまで入れました。
ウォータースペースを作るために、鉢のフチより1~2センチ下まで用土を入れますが、スリット鉢は、段差がありますので、分かりやすいです。
ハッピーベリーの小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
ハッピーベリーの管理
ハッピーベリーの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ハッピーベリーの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
多湿に弱いため、水の与え過ぎに注意が必要です。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
花が咲き、実が付いている期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花や実が傷みます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ハッピーベリーは、日当たり・風通しのよい場所で管理します。暑い夏は、西日が当たらない半日陰で、風通しのよい場所で管理します。
支柱で支える
植え付け・
植え替えをした後は、
根が張っていませんので、
風が強く吹くと倒れることがあります。
ハッピーベリーの
鉢植えは、樹高10センチぐらいと小さいですが、
実がたくさん付いていますので、
支柱を使って、幹を支えて、倒れることを防ぎます。
小さな鉢植えですので、
竹串を
支柱として使うことができます。
正面を決めて、裏側に
竹串を挿せば、幹の陰に隠れて、あまり目立ちません。
鉢カバーに入れると、立派なハッピーベリーの鉢植えになります。
ハッピーベリーの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。夏は半日陰。
- 酸性の用土を好む。培養土に2~3割ぐらい鹿沼土を混ぜる。作る場合は、鹿沼土、ピートモスを7:3の割合で混ぜる。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は春と秋に緩効性化成肥料を少量与えます。
- 植え付け・植え替えは、春の3月~6月頃が適しています。
ハッピーベリーは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、春に植え替えをします。
耐暑性が弱いですので、暑さが厳しい夏は、風通しのよい、半日陰で管理します。
ハッピーベリーの今後
10月10日に、ハッピーベリーの苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは、簡単な保護で大丈夫ですが、夏はとても暑く、水切れに注意が必要です。
ハッピーベリーの今後の様子はこの記事を更新します。
実がたくさんありますので、水切れに注意して、実が落ちないように管理します。
1年間の育てる様子を記録します。
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