ナンキンハゼ(南京櫨)は、トウダイグサ科ナンキンハゼ属の落葉性高木です。名前から分かるように中国が原産地になります。学名は、Triadica sebiferaです。
ナンキンハゼは、秋の紅葉が美しい樹になります。寒くなり始めた秋に、葉が赤色やオレンジ色に色づき、とても美しいです。
紅葉する時期になると、黒色の実が熟して割れ、白色の実になります。葉が落ちて、落葉しても白色の実だけの姿も楽しめます。
ナンキンハゼは、成長が早く、育て方は難しくなく、病害虫に強いですので、街路樹や公園などに、よく植えられています。
樹が大きく成長すれば、初夏の6月~7月頃に、黄色の花が咲き、花が終わった後に実をつけます。
春に新緑や秋の紅葉を楽しむために、ナンキンハゼを育てます。庭植えなどの大きな樹は、管理が大変になりますので、小さな鉢植えやミニ盆栽がよいです。
ナンキンハゼの苗木
ナンキンハゼの苗木は、種から発芽させて作った実生苗です。
種まきのポイントや様子を別の記事で詳しく書いていますので、参考にして下さい。
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ナンキンハゼの小さな鉢植え
ナンキンハゼの実生苗は、駄温鉢に多くの株を植えていますので、
鉢上げをします。
鉢上げは、鉢に丁寧に1株ずつ、
植え付け・植え替えをすることです。
ナンキンハゼを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、ナンキンハゼを元気に育てることができ、植え替えが2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは2号(直径6センチ)、CSM-60になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
ナンキンハゼの用土
ナンキンハゼは、水はけがよく、肥沃な用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を7:3の割合で混ぜた用土が適しています。
ミニ盆栽は、赤玉土の小粒と桐生砂を8:2の割合で混ぜた用土を使います。桐生砂の代わりにボラ土を使いました。
盆栽の基本の用土は赤玉土です。環境や管理の方法によって、最適な用土が異なりますので、いろいろな配合を試すとよいです。
赤玉土とボラ土が均一になるように混ぜます。
ナンキンハゼの植え付け・植え替え
ナンキンハゼの苗木を駄温鉢から取り出して、鉢上げをします。
必要な道具は、ハサミとピンセット、竹串、食器のナイフです。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
鉢から苗木を取り出す
鉢と土の隙間にナイフを入れ、そのまま1周させます。
根詰まりしていますと、ナイフを1周させることができませんので、一度抜き、別の場所に入れます。
園芸用の専用の道具である「植え替えナイフ」「スパチュラ」がありますが、食器のナイフで代用できます。
ステンレス製ですので、さびにくく、強度があります。
ナンキンハゼの苗木を鉢から取り出すことができました。
ナンキンハゼの根の状態
駄温鉢から取り出して、
ナンキンハゼは根鉢になりました。
竹串を使って、根をできるだけ切らないように、土をくずします。
すべての土をくずして、
ナンキンハゼは
根だけの状態になりました。
ナンキンハゼは、細い根が長く伸びていますが、たくさんありますので、根の状態はよいです。
鉢に植え付け・植え替えするまで、乾かないように、水に浸けます。
苗木の準備
ナンキンハゼの苗木は、大きなもので樹高9センチぐらいです。
ナンキンハゼの苗木は、
根が長く伸びています。太くまっすぐに伸びた直根の先端をハサミで切ります。
小さな鉢植えやミニ盆栽で育てますので、直根を切ることで、横根が増えて、樹形がよくなります。
根が少なくなって心配になりますが、水を吸収している
根は先端付近になりますので、長く伸びた
根は不要です。
ナンキンハゼの苗木は、幹が真っ直ぐに伸びていますので、針金を使って、幹に曲を付けます。
針金は、直径1.5ミリのアルミ線を使います。幹に対して少し太いですが、太いほうが幹に食い込みにくいです。
長さが20センチぐらいの針金を使います。
幹に針金をかけます。幹に対して、45度ぐらいの角度で斜めに巻くとよいです。
苗木を鉢に固定するために、根元の針金を10センチぐらい残します。
根元に曲を付けました。
鉢に植え付けて鉢上げ
ナンキンハゼは、樹高が15メートルぐらいまで大きく成長する樹です。
大きな樹は、剪定や落ち葉の掃除など管理が大変になりますので、小さな鉢植えやミニ盆栽で育てます。
根を切り、針金をかけたミナンキンハゼの苗木を用意したスリット鉢に入れます。
10センチぐらい残した針金をスリット鉢のスリットに通します。
針金をスリット鉢に沿わせて、マユミの苗木を鉢に固定します。
苗木を鉢に固定することで、
植え付け・植え替え後に、風で動くことがなくなります。
ナンキンハゼの苗木を固定したスリット鉢に、作った
用土を入れます。
作った用土を一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
根の間に
用土が隙間なく入るように
竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
スリット鉢の段差まで
用土を入れ、
ナンキンハゼの苗木の
鉢上げが完成しました。
ナンキンハゼの管理
ナンキンハゼを鉢上げした後は、すぐに水遣りをします。鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ナンキンハゼの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は、落葉していますので、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
鉢上げした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ナンキンハゼは、日当たり・風通しのよい場所で管理します。日差しが強い夏は、葉焼けしますので、日陰がよいです。
耐寒性が強くありませんので、寒さが厳しい地域は保護するとよいです。
ナンキンハゼの育て方のポイント
- 日当たりの良い場所で育てる。真夏は西日を避ける。
- 用土は市販の培養土。作る場合は赤玉土と腐葉土を7:3。
- 水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 植え付け・植え替えは、春の芽吹く前の2月~3月。
- 剪定は、落葉している2月~4月に枝を切り詰めます。
ナンキンハゼは特別な育て方はなく、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、植え替えをします。
ナンキンハゼの今後
10月6日に、ナンキンハゼの苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは簡単です。
ナンキンハゼの今後の様子はこの記事を更新します。
1年間の育てる様子を記録します。
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