イボタ(水蝋)は、モクセイ科イボタノキ属の落葉から半落葉低木です。日本や朝鮮半島、中国に自生します。
学名は、Ligustrum obtusifoliumで、イボタノキ(水蝋の木)と呼ばれることがあります。
葉は長楕円形で、ツヤがなく薄く、全縁です。落葉性ですが、暖かい地域では、寒い冬でも葉が落ちることがないですので、半落葉性になります。
イボタは、春から伸びた枝の先端に、総状の花序ができ、白色の小さな花が、たくさん咲きます。
盆栽園で、少し調子が悪そうなイボタが、安く販売されていましたので、購入して育てます。
イボタの苗木
購入したイボタの樹高は、10センチぐらいです。
小さな鉢に植え付けられて、イボタのミニ盆栽ですが、調子が悪そうですので、小さな鉢植えで育て、樹勢をよくします。
直径7センチ、小さな鉢に植えられています。
イボタは、根の成長がよく、小さな鉢では根詰りしやすいですので、1年に1回、植え替えをします。
イボタの小さな鉢植え
イボタは、樹高が2~4メートルぐらいまで成長する樹です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
イボタの鉢は、アップルウェアーのプレステラ90型にします。
ホームセンターや園芸店で10ヶ組で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
プレステラの大きな特徴は、側面から底にスリットが多く設置されていることです。
スリットにより根の先端が光を浴びて、伸びることができなくなります。
鉢の底で根が巻くサークリング現象を防ぎ、根詰りすることなく、用土を有効に利用でき、植物が元気に成長できる鉢です。
小さな鉢植えで、イボタを元気に育てることができ、根詰りを防止しますので、植え替えの頻度も少なくなります。
イボタの用土
イボタは、水はけがよく、腐葉土などが入った肥沃な用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
盆栽などの小さな鉢で育てる場合は、赤玉土と桐生砂を8:2の割合で混ぜた用土が適しています。
プレステラは、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、
鉢底石の必要がありません。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
イボタの鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
イボタの植え付け・植え替え
イボタの苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
イボタの植え付け・植え替えは、春の3月~4月が適した時期です。
イボタの根鉢
イボタの苗木を鉢から取り出して、根鉢の状態にしました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、少し根詰りしています。白い根は新しく、茶色の根は腐敗しています。小さい鉢ですので、土のない外側に、根がたくさんあります。
イボタの根鉢の底を観察すると、底で根が巻くサークリング現象が発生しています。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の底は、土が固まった状態で、
植え付け・植え替えをすると、
根の成長がよくありませんので、崩します。
根鉢の底を竹串を使って崩して、長い根はハサミで切り、取り除きました。
根の量が少なくなりますので、心配になりますが、鉢の大きさに適した量ですので、枯れることはありません。
根鉢の底を崩して、鉢に
植え付け・
植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩して、根を剪定したイボタを用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。プレステラの段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
鉢に、作った
用土を入れます。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
仕上げに軽石を敷きます。軽石を敷くことによって、水遣りや雨で赤玉土の粒が崩れることを防ぎます。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
イワシデの小さな鉢植えが完成しました。小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
イボタの管理
イボタの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
イボタの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
イボタは水を好む樹で、乾きが早いですので、水切れに注意して管理します。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
イボタは、日当たり・風通しの良い場所で管理します。日差しが強い夏は、葉焼けしないように、直射日光を避けるとよいです。
耐寒性は強いですが、枝が枯れないように、冷たい風の当たらないところで保護します。
イボタの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。夏は西日に注意。
- 水はけのよい用土を好む。市販の培養土、または赤玉土と桐生砂を8:2で配合。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は、春と秋に緩効性化成肥料を与えます。
- 夏は水切れに注意。冬は枝が枯れないように保護。
- 植え付け・植え替えは、春の3~4月が適しています。
イボタは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。鉢植えは根詰りしないように、1年に1回、春に植え替えをします。
暑い夏は半日陰で管理すると、水切れの心配が少なくなります。
耐暑性・耐寒性が強く、病害虫も少ないですので、育てやすい樹です。
剪定は長く伸びた枝を切り戻します。花が終わった後の6月と落葉している11月~3月が適しています。
イボタの今後
4月19日に、イボタの苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、管理が簡単です。
イボタの今後の様子はこの記事を更新します。
1年間の育てる様子を記録します。
同じモクセイ科の樹を他にも育てていますので、参考にして下さい。
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