イワシデ(岩四手)は、カバノキ科クマシデ属の落葉性高木です。中国地方や四国地方、九州地方、朝鮮半島が原産地になります。
学名は、Carpinus turczaninoviiで、コシデや朝鮮ソロと呼ばれることがあります。
葉の形は、円形から広いくさび形で、互生です。葉縁に重鋸歯があります。アカシデやカナシデなどに比べて、葉の大きさが小さいですので、ミニ盆栽に適しています。
春の新緑や秋の紅葉を楽しむことができる樹です。古くなると、幹が白くなり、縦に割れる幹肌が大きな特徴になります。
園芸店で、イワシデの苗木が販売されていましたので、購入して育てます。
イワシデの苗木
イワシデの苗木の樹高は、12センチぐらいです。
葉は小さいですが、地植えすれば、4メートルぐらいまで大きく成長します。
小さいほうが管理が簡単ですので、大きく成長しないように、小さな鉢植えで育てます。
直径6センチ、2号の小さなビニールポットに植えられています。
イワシデの小さな鉢植え
イワシデは、樹高が4メートルぐらいまで成長する樹です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
イワシデの鉢は、アップルウェアーのプレステラ90型にします。
ホームセンターや園芸店で10ヶ組で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
プレステラ90型は、1辺7.5センチの正方形の鉢です。
普通の円形の鉢の3号(直径9センチ)より、少し小さなサイズになります。
プレステラの大きな特徴は、側面から底にスリットが多く設置されていることです。
スリットにより根の先端が光を浴びて、伸びることができなくなります。
鉢の底で根が巻くサークリング現象を防ぎ、根詰りすることなく、用土を有効に利用でき、植物が元気に成長できる鉢です。
小さな鉢植えで、イワシデを元気に育てることができ、根詰りを防止しますので、植え替えの頻度も少なくなります。
鉢の高さは8センチぐらい。
段差まで用土を入れると、ウォータースペースができ、水遣りが簡単になります。
プレステラは、生産者向けの商品で、実績がありますので、イワシデを健康で丈夫に育てることが期待できます。
デメリットは、デザイン性がよくないことです。プラスチック製の鉢ですが、日本製ですので耐久性が高く、よい鉢です。
イワシデの用土
イワシデは、水はけのよい用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
盆栽などの小さな鉢で育てる場合は、赤玉土と桐生砂を8:2の割合で混ぜた用土が適しています。
プレステラは、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、
鉢底石の必要がありません。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
イワシデの鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
イワシデの植え付け・植え替え
イワシデの苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
イワシデの植え付け・植え替えに適した時期は、葉が芽吹く前の2月~3月です。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから取り出すことができません。
根がビニールポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
イワシデの苗木を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
イワシデの苗木をビニールポットから取り出すことができました。
イワシデの根鉢
イワシデの苗木をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、普通です。白い根は新しく、茶色の根は腐敗しています。小さいビニールポットですので、土のない外側に、根がたくさんあります。
イワシデの根鉢の底を観察すると、底で根が巻くサークリング現象が発生しています。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。
竹串を使って、
根鉢の表面の土を崩します。
根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。根元は、幹から根が生えている部分です。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
苗木は、倒れることを防ぐために深植えされていることが多く、イワシデの苗木も根元が2センチぐらい土の中に埋まっていました。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
イワシデの
根の状態を確認するために、土をすべて取り除きました。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩して、根を剪定した
イワシデを
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。プレステラの段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
鉢に、作った
用土を入れます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
用土をプレステラの段差まで入れて、イワシデの小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
イワシデの管理
イワシデの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
イワシデの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
イワシデの根は細く、乾燥に弱いですので、水切れに注意して管理します。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
イワシデは、日当たり・風通しの良い場所で管理します。日差しが強い夏は、葉焼けしないように、直射日光を避けるとよいです。
耐寒性は強いですが、枝が枯れないように、冷たい風の当たらないところで保護します。
イワシデの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。
- 水はけのよい用土を好む。市販の培養土、または赤玉土と桐生砂を8:2で配合。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は、春と秋に緩効性化成肥料を与えます。
- 夏は水切れに注意。冬は枝が枯れないように保護。
- 植え付け・植え替えは、春の2~3月が適しています。
イワシデは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、春に植え替えをします。
暑い夏は半日陰で管理すると、水切れの心配が少なくなります。
耐暑性・耐寒性が強く、病害虫も少ないですので、育てやすい樹です。
剪定は長く伸びた枝を切り戻します。春の葉が芽吹く前の3月頃が適しています。
イワシデの今後
4月18日に、イワシデの苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、管理が簡単です。
イワシデの今後の様子はこの記事を更新します。
1年間の育てる様子を記録します。
更新しました。
イワシデの剪定
6月20日、撮影。(前回の写真と左右が逆になっています。)
イワシデの植え付け・植え替えをして、約2ヶ月が経過して、枝が少し伸びて、葉が増えました。
枝を増やすために、イワシデの剪定します。
植物は、先端が成長しますので、枝を切り戻すことで、下の枝から葉が芽吹きやすくなります。
小さな
ミニ盆栽を作りますので、樹高10センチぐらいで、
枝を増やして、樹形をよくします。
剪定した
枝を使って、
イワシデの挿し木にチャレンジします。
小さな挿し穂ですので、成長するまで時間が掛かりますが、植物は枯れることがありますので、株を増やすことができれば、予備になります。
小さな鉢に、5本の挿し穂を挿し木しました。
イワシデの挿し木の様子は別に記事に詳しく書きましたので、参考にして下さい。
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次の更新は、夏越しや秋の紅葉の様子を予定しています。
いろいろな樹を小さな鉢植えやミニ盆栽で育てています。
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