ピラカンサは、バラ科トキワサンザシ属の常緑性低木です。原産地は、中国やヨーロッパになります。
学名は、Pyracanthaで、トキワサンザシ、タチバナモドキ、ピラカンサスと呼ばれることがあります。
ピラカンサは、育てやすく、丈夫ですので、生け垣などによく利用されている樹です。
春には、小さな白色の花が咲き、花が終わった後に、たくさんの実をつけます。秋には実が色づき、美しくなります。
葉は、ツヤのある濃い緑色で、常緑ですので、1年中、楽しむことができます。
ホームセンターで、ピラカンサの苗木が販売されていましたので、購入して育てます。
小さな苗木は、価格が安く、気軽に購入できます。ピラカンサの苗木を小さな鉢に、植え付け・植え替えをしてミニ盆栽を作ります。
ピラカンサの苗木
ピラカンサの苗木のラベルで、
葉の色や形を確認して購入しましょう。
ラベルの実が赤色ですので、ヨーロッパ南部からアジア南西部に自生するトキワサンザシ(Pyracantha coccinea)であることが分かります。
実がオレンジ色のタチバナモドキ(P. angustifolia)は、中国西部に自生します。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に、簡単に用途や栽培方法が記載されています。
ピラカンサス
開花は5月。
実が赤く色づくのは10月中旬です。
水やり
鉢底まで水がしみるまでたっぷりかけて下さい。
(12月~2月)3日に1回 (3月~4月)1日に1回
(5月~9月)朝夕2回 (10月~11月)1日に1回
置場所 日当たりのよい所
肥料
2月、6月、9月の年3回
化成肥料、油粕等少量
剪定
最終の剪定は8月に行う。秋芽の先に翌年の花を付けます。
ピラカンサの苗木の樹高は、10センチぐらい。
地植え(庭植え)して成長すると、3~4メートルぐらいまで大きくなります。
直径7.5センチ、2.5号のビニールポットに植えられています。
ピラカンサの苗木の選び方は、葉に傷みがなく、元気で状態がよく、節の間隔が小さいことです。
ミニ盆栽を作りますので、小さな苗木でよいです。価格が安く、失敗しても大丈夫です。
ピラカンサのミニ盆栽
ピラカンサは、生け垣や庭植えなどに利用できますが、小さなミニ盆栽がおすすめです。
寂しくなる冬に、鮮やかな赤色の美しい実を楽しめますので、小さなミニ盆栽は、いろいろな場所に飾ることができます。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、ミニ盆栽は簡単にできます。
用意した
鉢の直径7センチぐらいと2.5号より少し小さいサイズです。
鉢の高さは4センチぐらい。とても小さいですので、ベランダや玄関、室内など、好きな場所に飾ることができます。
100均の陶器に、穴を開けて作った鉢です。
100均の陶器に穴を開ける方法を詳しく書いた記事がありますので、参考にして下さい。
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水が流れるように高台を削ります。
ミニ盆栽は、鉢が小さいですので、根の量が少なくなります。
ピラカンサが、倒れたり、鉢から抜けないように、針金を使って固定します。
針金は直径1.5ミリのアルミ線です。30センチぐらいに切りました。
鉢の底から、
針金を2つの穴に通します。
ペンチで
針金を縛り、固定します。
針金を鉢に固定することができました。
ピラカンサの用土
鉢の底に、水はけがよくなるように、鉢底石を薄く敷きます。
ピラカンサは、水もちがよく、腐植質に富んだ用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を7:3の割合で混ぜた用土が適しています。
ミニ盆栽は、赤玉土の極小粒と軽石を8:2の割合で混ぜた用土を使います。
盆栽の基本の用土は赤玉土です。環境や管理の方法によって、最適な用土が異なりますので、いろいろな配合を試すとよいです。
ピラカンサの植え付け・植え替え
ピラカンサの苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ピラカンサの植え付け・植え替えに適した時期は、春の3月~4月、秋の10月~11月になります。
ビニールポットから取り出す
最初に、ビニールポットの底を確認します。
底の穴から根がたくさん出ていますと、ポットから取り出すことができません。
無理に取り出しますと、
根が切れますので、穴から伸びた
根はハサミで切ります。
ピラカンサの苗木を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ンの苗木をポットから取り出すことができました。
ピラカンサの根鉢
ピラカンサの苗木をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
ピラカンサの根鉢の状態を確認すると、根の量は多いです。白い根は新しく、茶色の根は古く、黒い根は腐敗しています。
鉢の底で根が巻くサークリング現象が発生しています。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
竹串を使って、幹の周りを丁寧に、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
根元に、向きが悪い根がありますので、ハサミで切ります。
根元は、ミニ盆栽で大切な部分ですので、根の向きをよく確認して、不要な根を切ると、よい雰囲気になります。
不要な根がなくなり、キレイになりました。
根鉢の底は、サークリング現象で、長く伸びた根があります。
長く伸びた
根をハサミで短く切ります。
根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。
枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、不要な根は取り除きます。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
根鉢を崩して、
根を短く切った
ピラカンサを準備した鉢に入れます。
ピラカンサの
根を、鉢に固定した針金で押さえるようにセットします。
ミニ盆栽は、鉢が小さいですので、
根の量が少なく、鉢から抜けやすくなります。
作った
用土を鉢に入れます。鉢の高さの8分目ぐらいまで
用土を入れます。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。
赤玉土や軽石は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
仕上げに、表面の土は軽石を敷きます。
軽石は固く、水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
盆栽用の化粧砂を敷くと、美しい仕上がりになります。
ピラカンサの管理
ピラカンサの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ピラカンサの水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日に1回、暑い夏は、朝と夕方の1日1~2回、寒い冬は完全に乾かないように、3~4日に1回ぐらいが目安になります。
暑い夏は、水切れに注意が必要です。半日陰で管理すると、水切れの心配がなくなります。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ピラカンサは、日が当たりがよい場所で育てます。午前中に日が当たり、午後からは日陰になる半日陰が最適です。
葉焼けを防ぐために、真夏は西日が当たらないように管理するとよいです。
耐暑性、耐寒性が強く、育てやすい樹になります。
ピラカンサの育て方のポイント
- 日当たりの良い場所で育てる。真夏は西日を避ける。
- 用土は市販の培養土。作る場合は赤玉土と腐葉土を7:3。
- 水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は、2月~3月に緩効性化成肥料を置き肥。
- 植え付け・植え替えは、春の3月~4月、秋の10月~11月。
ピラカンサは特別な育て方はなく、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、植え替えをします。
ピラカンサの今後
5月31日に、ピラカンサの苗木を鉢に植え付け・植え替えして、ミニ盆栽を作りました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候です。
ピラカンサのミニ盆栽の今後の様子はこの記事を更新します。
1年間の育てる様子を記録します。
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