錦糸南天(キンシナンテン)の育て方:繊細な葉が美しい南天


 
錦糸南天 育て方
錦糸南天(キンシナンテン)は、メギ科ナンテン属の常緑、または半常緑性低木です。

学名は、Nandina domestica var.capillarisで、関東地方より西の本州、四国地方、九州地方に自生しています。

ナンテン(南天)の園芸品種です。とても細く繊細なが、特徴になります。江戸時代から明治時代にかけて、100種類以上の品種が作られたといわれています。

錦糸南天は、ナンテンの矮性品種ですので、樹高は小さく、成長が遅いです。

が咲くことがなく、もつくことが、ほとんどありません。寒くなると、が鮮やか赤色に紅葉することが大きな特徴です

お正月の飾りに使われますので、ホームセンターや園芸店で、年末年始に錦糸南天の苗木が販売されています。

小さな苗木は、価格が安く、気軽に購入できます。錦糸南天の苗木を小さな鉢に、植え付け・植え替えをしてミニ盆栽を作ります。



錦糸南天の苗木

錦糸南天 苗木
錦糸南天の苗木のラベルで、品種を確認して購入しましょう。

ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。

植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。

「遠州錦糸」は、細かい紅葉が美しく、春に少し大きなが出る品種。


樹高
錦糸南天の苗木の樹高は、10センチぐらい


ポット
直径7.5センチ、2.5号のプラスチック製のポットに植えられています。

錦糸南天の苗木の選び方は、に傷みがなく、元気で状態がよく、節の間隔が小さいことです。

ミニ盆栽を作りますので、小さな苗木でよいです。価格が安く、失敗しても大丈夫です。


錦糸南天 葉
錦糸南天は、とても細長く、繊細です。春に芽吹いたが少し大きくなりますので、剪定するとよいです。


オタフクナンテン
左の鉢は、オタフクナンテンです。樹高は同じぐらいですが、の大きさが大きく異なります。


錦糸南天のミニ盆栽

錦糸南天 ミニ盆栽
錦糸南天は、小さなミニ盆栽がおすすめです。

寂しくなる冬に、鮮やかな赤色に紅葉したを楽しめますので、小さなミニ盆栽は、いろいろな場所に飾ることができます。

日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、ミニ盆栽は簡単にできます。


3号
用意したの直径8.5センチぐらいと3号より少し小さいサイズです。


鉢の高さ
鉢の高さは7センチぐらい。深さがありますので、水切れの心配がありません


100均の陶器
100均の陶器に、穴を開けて、水が流れるように高台を削って作った鉢です。

100均の陶器に穴を開ける方法を詳しく書いた記事がありますので、参考にして下さい。
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雰囲気
錦糸南天をポットのまま、鉢に入れると、植え付け・植え替えしたときの雰囲気が確認できます。


倒れる
ミニ盆栽は、鉢が小さいですので、の量が少なくなります。

錦糸南天が、倒れたり、鉢から抜けないように、針金を使って固定します。


アルミ線
針金は直径1.2ミリのアルミ線です。30センチぐらいに切りました。


2つの穴
鉢の底から、針金を2つの穴に通します。


2つの先端
針金の2つの先端が鉢の底の穴から出る状態になります。


ペンチ
ペンチで針金を縛り、固定します。


鉢の準備
針金を鉢に固定でき、錦糸南天ミニ盆栽の鉢の準備ができました。



錦糸南天の用土

錦糸南天 用土
錦糸南天は、水もちがよい用土を好みます

ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土6:4の割合で混ぜた用土が適しています。

ミニ盆栽は、赤玉土の極小粒と軽石8:2の割合で混ぜた用土を使います。

盆栽の基本の用土は赤玉土です。環境や管理の方法によって、最適な用土が異なりますので、いろいろな配合を試すとよいです。


均一
赤玉土軽石が均一になるように混ぜます。


鉢底石
鉢の底に、水はけがよくなるように鉢底石の小粒を薄く敷きます。


土入れ
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。

園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。


3分目
鉢の高さの底から3分目ぐらいまで用土を入れました。植え付け植え替えのときに、株元の高さを確認して調整します。

植え付け・植え替えは、が乾かないように、手際よく作業したいですので、最初に鉢の準備をします。



錦糸南天の植え付け・植え替え

植え付け・植え替え
錦糸南天の苗木を、鉢に植え付け植え替えをします。

必要な道具は、ハサミピンセット竹串です。

鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。

鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け植え替え用に購入するとよいです。

錦糸南天植え付け植え替えに適した時期は、春の3月~4月、秋の9月~10月になります



ポットから取り出す

底 確認
最初に、ポットの底を確認します

底の穴からがたくさん出ていますと、ポットから取り出すことができません。

無理に取り出しますと、が切れますので、穴から伸びたはハサミで切ります。


横向き
錦糸南天の苗木を鉢受け皿の中に横向きに置きます。


底の角
ポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。

手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。


取り出す
錦糸南天の苗木をポットから取り出すことができました。



錦糸南天の根鉢

錦糸南天 根鉢
錦糸南天の苗木をポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。

根鉢は、苗を鉢やポットから取り出して、と土が固まって見えている状態のことです。


根鉢の状態
錦糸南天根鉢の状態を確認すると、の量は多いです。白いは新しく、茶色のは古く、黒いは腐敗しています。

鉢の底でが巻くサークリング現象が少し発生しています。根詰りに近い状態です。


三分の一
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け植え替えすることが基本です。



根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備

表面の土
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります

植え付け植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。


根元
竹串を使って、幹の周りを丁寧に、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。

公園などにある大きな樹は、の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります

も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。

鉢に植え付け植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう


根鉢の底
根鉢の底は、や土が固まった状態で、植え付け・植え替えをすると、の成長がよくありませんので、崩します。


竹串
根鉢の底を竹串を使って崩します。


伸びた根
長く伸びたがあります。


錦糸南天を小さな鉢に、植え付け・植え替えしますので、根鉢の土を取り除きます。

根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。

枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、不要なは取り除きます。


根だけ
錦糸南天根鉢から、すべての土を取り除き、だけになりました。


根 切る
用意した鉢にが入るように、を切ります。


根 半分
の長さが半分ぐらいなるように切りました。

根鉢を崩して、鉢に植え付け植え替えをする準備ができました。



鉢に植え付け・植え替えをする

鉢 入れる
根鉢を崩して、を短く切った錦糸南天用土を入れて準備した鉢に入れます。


根の量
鉢の大きさに対して、の量はちょうどよいぐらいです。


針金 押さえる
錦糸南天を、鉢に固定した針金で押さえるようにセットします。


用土 入れる
作った用土を鉢に入れます。


隙間なく
の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。

赤玉土軽石は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。


8分目
鉢の高さの8分目ぐらいまで用土を入れます。


軽石
仕上げに、表面の土は軽石を敷きます。

軽石は固く、水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。

盆栽用の化粧砂を敷くと、美しい仕上がりになります


完成
錦糸南天の苗木を鉢に植え付け・植え替えをすることができ、ミニ盆栽が完成しました。



錦糸南天の管理

水遣り
錦糸南天の苗木を鉢に植え付け植え替えした後は、すぐに水遣りをします。

鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます

錦糸南天水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。

春と秋は1日に1回、暑い夏は1日1~2回、寒い冬は完全に乾かないように、3~4日に1回ぐらいが目安になります。

暑い夏は、水切れに注意が必要です。半日陰で管理すると、水切れの心配がなくなります


明るい日陰
植え付け植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します

が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。

錦糸南天は、日が当たりがよい場所で育てます。午前中に日が当たり、午後からは日陰になる半日陰が最適です。

葉焼けを防ぐために、真夏は直射日光が当たらないように管理するとよいです。日陰でも育ちますが、日当たりが悪いと、美しく紅葉できないです

耐寒性は普通です。冷たい風や霜に当たると、枯れることがありますので、注意が必要です。寒さが厳しい地域は、保護すると安心できます。



錦糸南天の育て方のポイント

  • 日当たりの良い場所で育てる。真夏は直射日光を避ける。
  • 用土は市販の培養土。作る場合は赤玉土と腐葉土を6:4。
  • 水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
  • 肥料は、2月~3月に緩効性化成肥料を置き肥。
  • 植え付け植え替えは、春の3月~4月、秋の9月~10月。

錦糸南天は特別な育て方はなく、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。

鉢植え根詰りしないように、2~3年に1回、植え替えをします。



錦糸南天の今後

錦糸南天 今後
8月23日に、錦糸南天の苗木を鉢に植え付け植え替えして、ミニ盆栽を作りました。

九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候です。

錦糸南天ミニ盆栽今後の様子はこの記事を更新します

1年間の育てる様子を記録します。



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