オタフクナンテン(お多福南天)は、メギ科ナンテン属の常緑性低木です。原産地は日本になります。
学名は、Nandina domestica cv. Otafukunantenで、ナンテン(南天)の園芸品種です。丸みを帯びた葉が、真っ赤に紅葉すると、頬が丸く張り出した女性の顔である「お多福」に似ていることが名前の由来になります。
オタフクナンテンは、ナンテンの矮性品種ですので、樹高は大きく成長しても80センチぐらいまでと小さく、成長が遅いです。
花が咲くことがなく、実もつくことが、ほとんどありません。寒くなると、葉が鮮やか赤色に紅葉することが大きな特徴です。
お正月の飾りに使われますので、ホームセンターや園芸店で、年末年始にオタフクナンテンの苗木が販売されています。
小さな苗木は、価格が安く、気軽に購入できます。オタフクナンテンの苗木を小さな鉢に、植え付け・植え替えをしてミニ盆栽を作ります。
オタフクナンテンの苗木
オタフクナンテンの苗木のラベルで、
葉の色や形を確認して購入しましょう。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に、簡単に用途や栽培方法が記載されています。
オタフクナンテン
メギ科の低木
用 途
庭植 鉢植 ロックガーデン 切り花
観賞期:周年
草丈:30cm~40cm
栽培のポイント
日当り(半日陰)と排水の良いところを好みます。定植する場合は土を崩さない様にします。水やりは土の表面が乾いたら適度に与えて下さい。
肥料:市販の肥料を適量に与えて下さい。
オタフクナンテンの苗木の樹高は、15センチぐらい。
地植え(庭植え)して成長すると、80センチぐらいまで大きくなります。
直径7.5センチ、2.5号のビニールポットに植えられています。
オタフクナンテンの苗木の選び方は、葉に傷みがなく、元気で状態がよく、節の間隔が小さいことです。
ミニ盆栽を作りますので、小さな苗木でよいです。価格が安く、失敗しても大丈夫です。
オタフクナンテンのミニ盆栽
オタフクナンテンは、庭植えや寄せ植えなどに利用できますが、小さなミニ盆栽がおすすめです。
寂しくなる冬に、鮮やかな赤色に紅葉した葉を楽しめますので、小さなミニ盆栽は、いろいろな場所に飾ることができます。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、ミニ盆栽は簡単にできます。
用意した
鉢の直径6センチぐらいと2号のサイズです。
鉢の高さは3.5センチぐらい。とても小さいですので、ベランダや玄関、室内など、好きな場所に飾ることができます。
100均の陶器に、穴を開けて、水が流れるように高台を削って作った鉢です。
100均の陶器に穴を開ける方法を詳しく書いた記事がありますので、参考にして下さい。
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ミニ盆栽は、鉢が小さいですので、
根の量が少なくなります。
オタフクナンテンが、倒れたり、鉢から抜けないように、針金を使って固定します。
針金は直径1.2ミリのアルミ線です。20センチぐらいに切りました。
針金を鉢に固定できました。
オタフクナンテンの用土
オタフクナンテンは、水もちがよい用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を6:4の割合で混ぜた用土が適しています。
ミニ盆栽は、赤玉土の極小粒と軽石を8:2の割合で混ぜた用土を使います。
盆栽の基本の用土は赤玉土です。環境や管理の方法によって、最適な用土が異なりますので、いろいろな配合を試すとよいです。
赤玉土と軽石が均一になるように混ぜます。
鉢の底に、水はけがよくなるように、赤玉土の小粒をゴロ土として、薄く敷きます。
ゴロ土の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目ぐらいまで用土を入れました。植え付け・植え替えのときに、株元の高さを確認して調整します。
植え付け・植え替えは、根が乾かないように、手際よく作業したいですので、最初に鉢の準備をします。
オタフクナンテンの植え付け・植え替え
オタフクナンテンの苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
オタフクナンテンの植え付け・植え替えに適した時期は、春の3月~4月、秋の9月~10月になります。
ビニールポットから取り出す
最初に、ビニールポットの底を確認します。
底の穴から根がたくさん出ていますと、ポットから取り出すことができません。
無理に取り出しますと、
根が切れますので、穴から伸びた
根はハサミで切ります。
オタフクナンテンの苗木を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
オタフクナンテンの苗木をポットから取り出すことができました。
オタフクナンテンの根鉢
オタフクナンテンの苗木をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
オタフクナンテンの根鉢の状態を確認すると、根の量は多いです。白い根は新しく、茶色の根は古く、黒い根は腐敗しています。
鉢の底で根が巻くサークリング現象が少し発生しています。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
竹串を使って、幹の周りを丁寧に、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
根元に、向きが悪い
根がありますので、ハサミで切ります。
根元は、ミニ盆栽で大切な部分ですので、根の向きをよく確認して、不要な根を切ると、よい雰囲気になります。
オタフクナンテンを小さな鉢に、
植え付け・植え替えしますので、
根鉢の土を取り除きます。
根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。
枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、不要な根は取り除きます。
オタフクナンテンの
根鉢から、すべての土を取り除き、
根だけになりました。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩して、
根を短く切った
オタフクナンテンを
用土を入れて準備した鉢に入れます。
鉢が小さく、
根が入りませんので、さらに短く切りました。
オタフクナンテンの
根を、鉢に固定した針金で押さえるようにセットします。
幹を手で持ち、鉢が宙に浮くぐらい、しっかり固定できています。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。
赤玉土や軽石は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
鉢の高さの8分目ぐらいまで
用土を入れます。
仕上げに、表面の土は軽石を敷きます。
軽石は固く、水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
盆栽用の化粧砂を敷くと、美しい仕上がりになります。
オタフクナンテンの苗木を鉢に植え付け・植え替えをすることができ、ミニ盆栽が完成しました。
オタフクナンテンの管理
オタフクナンテンの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
オタフクナンテンの水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日に1回、暑い夏は1日1~2回、寒い冬は完全に乾かないように、3~4日に1回ぐらいが目安になります。
暑い夏は、水切れに注意が必要です。半日陰で管理すると、水切れの心配がなくなります。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
オタフクナンテンは、日が当たりがよい場所で育てます。午前中に日が当たり、午後からは日陰になる半日陰が最適です。
葉焼けを防ぐために、真夏は西日が当たらないように管理するとよいです。日当たりが悪いと、美しく紅葉できないです。
耐寒性は普通です。冷たい風や霜に当たると、枯れることがありますので、注意が必要です。寒さが厳しい地域は、保護すると安心できます。
オタフクナンテンの剪定
オタフクナンテンは成長が遅いですので、
剪定することがあまりありません。
オタフクナンテンの
ミニ盆栽を作りますので、大きな
葉をハサミで切り、
剪定をします。
樹高と
葉の大きさのバランスが大切ですので、大きな
葉はすべて取り除きました。
オタフクナンテンは、
葉が落ちて枯れた枝が残りますので、ハサミで切り、キレイにします。
苗木を鉢に、植え付け・植え替えしただけのオタフクナンテンのミニ盆栽。
丈夫で育てやすいですので、枯れる心配が少なく、初心者の方におすすめです。
オタフクナンテンの育て方のポイント
- 日当たりの良い場所で育てる。真夏は西日を避ける。
- 用土は市販の培養土。作る場合は赤玉土と腐葉土を6:4。
- 水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は、2月~3月に緩効性化成肥料を置き肥。
- 植え付け・植え替えは、春の3月~4月、秋の9月~10月。
オタフクナンテンは特別な育て方はなく、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、植え替えをします。
オタフクナンテンの今後
8月22日に、オタフクナンテンの苗木を鉢に植え付け・植え替えして、ミニ盆栽を作りました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候です。
オタフクナンテンのミニ盆栽の今後の様子はこの記事を更新します。
1年間の育てる様子を記録します。
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