ハマナデシコ(浜撫子)の育て方:夏に美しい花を楽しむ


 
ハマナデシコ 育て方
ハマナデシコ(浜撫子)は、ナデシコ科ナデシコ属の常緑の耐寒性多年草です。日本の本州、四国地方、九州地方、沖縄の海岸に自生しています。

学名は、Dianthus japonicusで、フジナデシコ(藤撫子)やベニナデシコ(紅撫子)、ナツナデシコ(夏撫子)と呼ばれることがあります。

が咲く時期は7月~10月で、の大きさは、直径1.5センチぐらいで、茎の先端に集まって、たくさん咲きます。

は濃い緑色で、ツヤがあり厚く、卵形から長楕円形で、フチに毛があります。

7月下旬に、ホームセンターでハマナデシコの苗が、広告の品で安く販売されていましたので、購入しました。

夏に咲くは少ないですので、寂しくなります。たくさんが咲くハマナデシコで、明るい雰囲気を楽しみます。



ハマナデシコの苗

ハマナデシコ 苗
ハマナデシコの苗のラベルで、の色や形を確認して購入しましょう。

購入した苗は、「ふじなでしこ」と記載されています。

ハマナデシコは、海岸に自生していることが名前の由来です。の色が紫色(藤色)ですので、「ふじなでしこ」の別名があります。

ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。

植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。


ラベルの裏
ラベルの裏に簡単に、特徴や管理方法が記載されています。

ふじなでしこ
サマーラベンダー
Dianthus japonicus 'Summer Lavender'

ナデシコ科
開花期:7月~9月

特徴
爽やかな青色の花を咲かせ、濃緑色のつやのある茎葉との対比が美しい品種です。切花やアレンジメントはもちろん、花壇や寄せ植えの植え込み材料としても幅広く利用できます。

管理方法
日当たりと水はけの良い場所に植えます。土の表面の乾きを見ながら水を与えてください。春から初秋にかけての生育期には月1回程度、化学肥料などを与えてください。花がらが目立ってきたら房ごと摘み取り、次の開花を促してください。







草丈
ハマナデシコの苗の草丈は、18センチぐらい

ハマナデシコ草丈は20~50センチです。地植えや大きな鉢なら大きく成長します。


ビニールポット
直径10.5センチ、3.5号のビニールポットに植えられています。


先端
購入した苗はが咲き、少し萎れて、もう少しで終わりそうです。

ハマナデシコは、茎の先端に集まって、たくさん咲きますので豪華な雰囲気になります。


花の大きさ
の大きさは、直径1.5センチぐらい。


花びら
花びらの外側がキレイな藤色で、中心部分は白色になります。


葉の長さ
ハマナデシコの長さは、2~3センチぐらい。


葉の幅
の幅は、1.5センチと小さいです。

多年草ですが、ツヤがあり厚く、濃い緑色が美しいです。



ハマナデシコの小さな鉢植え

ハマナデシコ 鉢植え
ハマナデシコは、草丈が50センチぐらいまで成長する多年草です。

大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます

日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。


雰囲気
ビニールポットのままの状態で、鉢に入れると、植え付け・植え替えしたときの雰囲気が確認できます。


スリット鉢
ハマナデシコ小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。

スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。

スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。

MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます

根詰りすることがなく、ハマナデシコを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。


3.5号
スリット鉢のサイズは3.5号(直径10.5センチ)、CSM-105になります。ハマナデシコの苗のビニールポットと同じサイズです。

スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。

ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。


スリット
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。

スリットにより、が光を浴びて伸びなくなることで、底でを巻くサークリング現象を防ぎます


ウォータースペース
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。

段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。

植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ハマナデシコ小さな鉢植えで育てることができます。

日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、ハマナデシコ最適な環境で育てることができます


10.5センチ
準備したスリット鉢の直径10.5センチと3.5号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の3.5号の鉢より少し小さい容量になります


鉢の高さ
鉢の高さは9センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。


サイズ
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入しています。左から3号(直径9センチ)、3.5号(直径10.5センチ)、4号(直径12センチ)。

苗木を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。


デザイン性
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。


鉢カバー
100均の4号(直径12センチ)の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。が咲いている時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段はスリット鉢のまま育てます。



ハマナデシコの用土

ハマナデシコ 用土
ハマナデシコは、水はけ(排水性)がよい用土が適していますので、ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土に2割ぐらいパーライトなどを混ぜるとよいです

作る場合は、赤玉土腐葉土軽石5:3:2の割合で混ぜた用土を使います。


均一
赤玉土腐葉土軽石が均一になるように混ぜます。


鉢底石
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけがよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。


土入れ
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。

園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。


3分目
鉢の高さの底から3分目ぐらいまで用土を入れました。植え付け植え替えのときに、株元の高さを確認して調整します。


ハマナデシコ用土は、酸性を嫌う性質がありますので、石灰を使って中和します。

石灰は、100均でも販売されていますので、使う量が少ないときは便利です。

園芸に使う石灰は、苦土石灰と有機石灰があります。使いやすい有機石灰がおすすめです。


有機石灰
有機石灰は、効果が強くないですので、植え付け植え替えをするときに、混ぜることができます。

苦土石灰は、植え付け植え替えをする10日前ぐらいに、用土と混ぜてから使用します。


スプーン
100均のマドラースプーンに1杯ぐらいの有機石灰を用土に混ぜます。小さじより小さいですので、3グラムになります。

説明書では、「1㎡あたり150g」と記載されています。

鉢は3.5号ですので、直径10.5センチになりますので、面積は0.0525×0.0525×3.14=0.00865…となり、およそ0.009㎡。

1.5グラムぐらいが適量になります。量が多いですが、有機石灰ですので、強いアルカリ性になることはありません。


中和
有機石灰で、用土を中和します。



ハマナデシコの植え付け・植え替え

植え付け・植え替え
ハマナデシコの苗を、鉢に植え付け植え替えをします。

必要な道具は、ハサミピンセット竹串です。

鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。

鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け植え替え用に購入するとよいです。

ハマナデシコ植え付け植え替えに適した時期は、春の3月ごろになります

ハマナデシコの苗を7月下旬に購入しました。植え付け・植え替えの時期ではありませんので、根鉢を軽く崩すだけにします。



ビニールポットから取り出す

底 確認
最初に、ビニールポットの底を確認します

底の穴からがたくさん出ていますと、ビニールポットから取り出すことができません。

無理に取り出しますと、が切れますので、穴から伸びたはハサミで切ります。


横向き
ハマナデシコの苗を鉢受け皿の中に横向きに置きます。


底の角
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。

手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。


取り出す
ハマナデシコの苗をビニールポットから取り出すことができました。



ハマナデシコの根鉢

根鉢
ハマナデシコの苗をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。

根鉢は、苗を鉢やビニールポットから取り出して、と土が固まって見えている状態のことです。


根鉢の状態
ハマナデシコ根鉢の状態を確認すると、の量は普通で、細いになります。

白いは新しく、茶色のは古く、黒いは腐敗しています。


サークリング現象
底でが巻くサークリング現象が発生しています根腐れの原因になりますので、取り除きます。


三分の一
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け植え替えすることが基本です。



根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備

表面の土
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れ、汚れますので、水通りと通気性が悪くなります

植え付け植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。


竹串
竹串を使って、根鉢の表面の土を崩します。根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。

根元より周りの土が高くなっていることが多いですので、根元が一番高くなるように根鉢の肩の土を崩します。

も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。

鉢に植え付け植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう


株元 葉
株元に黄色に変色したがあります。


ハサミ
株元のをハサミで切って、取り除きました。


葉
株元のがなくなり、スッキリしました。

風通しがよくなりますので、病害虫の発生を防ぐことができます。


根鉢の底
根鉢の底は、水はけが悪く、根腐れしやすい場所になります。


根腐れ
竹串をほぐし、土を取り除き、新しい用土になることで、水はけがよくなり、根腐れの心配がなくなります。


固まった根
根鉢の底を崩して、固まったをほぐしました。


根詰り
根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。

枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、不要なは取り除きます。


準備
ハマナデシコ根鉢を崩して、鉢に植え付け植え替えをする準備ができました。



鉢に植え付け・植え替えをする

鉢に入れる
用土を入れて準備した鉢に、根鉢を崩したハマナデシコを入れます。


根元の位置
スリット鉢段差まで用土を入れますので、根元の位置を確認します。高い場合は、用土を減らします。低い場合は用土を増やします。


用土
根鉢と鉢の間に隙間がありますので、苗の周りに用土を入れます。

根鉢の土が保水性が高いので、赤玉土の小粒だけを入れました。


隙間
用土に隙間ができないように、竹串で突きます。赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。


水通り
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります

鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。


段差 用土
スリット鉢段差より少し下まで用土を入れます。


軽石
仕上げに、表面の土は軽石を敷きます。軽石は固く、水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。


完成
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。

雨や水遣りで土が跳ねて、に付着しますと、病気の原因になりますので、表面の土を軽石にするとよいです。

ハマナデシコ植え付け植え替えが終わり、小さな鉢植えが完成しました。



ハマナデシコの管理

水遣り
ハマナデシコの苗を鉢に植え付け植え替えした後は、すぐに水遣りをします。

鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます

ハマナデシコ水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。

過湿に弱い性質ですので、いつも土が湿っていますと根腐れすることがあります。

鉢を手に持って、重さで土の乾き具合を確認するとよいです。

春と秋は1日に1回、暑い夏は1日1~2回、寒い冬は落葉して休眠していますので、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。

つぼみができてからが咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると。つぼみが傷みます

寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。


明るい日陰
植え付け植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します

が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。

ハマナデシコは、日当たりのよい場所で管理します。日当たりが悪いとが咲きません。

暑い夏は、日差しが強いですので、西日に注意して管理します。



ハマナデシコの育て方のポイント

  • 日当たりがよい場所で育てる。
  • 用土は水はけが良い培養土。酸性を嫌うので中和する。
  • 水遣りは鉢の土が乾いたら水を与えます。
  • 肥料は春から夏に、月に1回ぐらい与える。
  • 植え付け植え替えは、3月ごろが適しています。

ハマナデシコは特別な育て方はなく、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。

鉢植え根詰りしないように、1~2年に1回、春の3月頃に植え替えをします。



ハマナデシコの今後

ハマナデシコ 今後
7月30日に、ハマナデシコの苗を鉢に植え付け植え替えしました。

九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは簡単ですが、夏越しが難しいです。

ハマナデシコ今後の様子はこの記事を更新します。1年間の育てる様子を記録します。

暑さが厳しいですが、夏越しできるように管理して、秋まで美しいが楽しめるように育てます。


普通のナデシコも育てています。別の記事で詳しく書きましたので、参考にして下さい。
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