ギボウシ(ホスタ)は、キジカクシ科ギボウシ属の落葉性多年草で、日本や東アジアが原産地です。
学名はHostaで、ホスタ、ウルイ、コーライ、ホーライなどと呼ばれることがあります。
ギボウシは、根元から伸びた葉が美しい多年草で、園芸品種が多くあり、葉の幅や長さによって、大型(オオバギボウシ)、中型(コバギボウシ)、小型(オトメギボウシ)に分類されます。
葉は、ツヤがあるタイプとツヤ消しタイプがあり、斑入りや白粉を帯びるものなどがあります。
花が咲く時期は7月~8月で、花茎がまっすぐに伸びて、白色から淡紫色の花をたくさん咲かせます。
耐暑性・耐寒性が強く、日陰で育てることができますので、初心者の方でも育てやすいです。
7月中旬に、園芸店で、ギボウシの苗が販売されていましたので、購入して育てます。花が咲くことが目標になります。
ギボウシの苗
ギボウシの苗のラベルは手作りで、文字だけですので、花の色や形を確認することができません。
品種が不明ですが、葉が美しいですので、購入しました。
ギボウシの苗の草丈は、15センチぐらいです。
ギボウシは、大型、中型、小型がありますので、草丈から中型であることが分かります。
大型は草丈が1.5メートルになる品種があり、小型は10センチぐらいとコンパクトな株になります。
直径9センチ、3号のビニールポットに植えられています。
左の鉢は、イワギボウシです。深山谷沿いの岩の上に生える多年草で、草丈が10~30センチとコンパクトな株になります。
イワギボウシの育て方を別の記事で詳しく書いていますので、参考にして下さい。
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ギボウシの小さな鉢植え
ギボウシは、大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
ビニールポットのままの状態で、鉢に入れると、
植え付け・植え替えしたときの雰囲気が確認できます。
ギボウシを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、ギボウシを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは3.5号(直径10.5センチ)、CSM-105になります。ギボウシの苗は、3号(直径9センチ)のビニールポットですので、一回り大きな鉢です。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ギボウシを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、ギボウシを最適な環境で育てることができます。
準備した
スリット鉢の直径10.5センチと3.5号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、
普通の3.5号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは9センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入しています。左から3号(直径9センチ)、3.5号(直径10.5センチ)、4号(直径12センチ)。
苗木を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
100均の4号(直径12センチ)の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。
花が咲いている時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段は
スリット鉢のまま育てます。
ギボウシの立派な鉢植えになる予定です。
ギボウシの用土
ギボウシは、水はけ(排水性)、水もちがよい用土が適していますので、ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
作る場合は、赤玉土と腐葉土、川砂を5:3:2の割合で混ぜた用土を使います。
盆栽風に育てますので、山野草の用土である赤玉土と鹿沼土、軽石の小粒を1:1:1の割合で混ぜた用土で植え付け・植え替えをします。
赤玉土と
鹿沼土、
軽石が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、
水はけがよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目ぐらいまで用土を入れました。植え付け・植え替えのときに、株元の高さを確認して調整します。
ギボウシの植え付け・植え替え
ギボウシの苗を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ギボウシの植え付け・植え替えに適した時期は、暖かくなり始める春の2~3月ごろになります。
ギボウシの苗を7月中旬に購入しました。植え付け・植え替えの時期ではありませんので、根鉢を軽く崩すだけにします。
ビニールポットから取り出す
最初に、ビニールポットの底を確認します。
底の穴から根がたくさん出ていますと、ビニールポットから取り出すことができません。
無理に取り出しますと、根が切れますので、穴から伸びた根はハサミで切ります。
ギボウシの苗を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ギボウシの苗をビニールポットから取り出すことができました。
ギボウシの根鉢
ギボウシの苗をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
ギボウシの根鉢の状態を確認すると、根の量は普通で、太い根が長く伸びています。
白い根は新しく、茶色の根は古く、黒い根は腐敗しています。白い根が多いですので、状態はよいです。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に
植え付け・
植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れ、汚れますので、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
竹串を使って、根鉢の表面の土を崩します。根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
根元より周りの土が高くなっていることが多いですので、根元が一番高くなるように根鉢の肩の土を崩します。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
根鉢の底は、水はけが悪く、
根腐れしやすい場所になります。
竹串で根をほぐし、土を取り除き、新しい用土になることで、水はけがよくなり、根腐れの心配がなくなります。
ギボウシの根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。
枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、不要な根は取り除きます。
鉢に植え付け・植え替えをする
用土を入れて準備した鉢に、
根鉢を崩した
ギボウシを入れます。
スリット鉢の
段差まで
用土を入れますので、
根元の位置を確認します。高い場合は、
用土を減らします。低い場合は
用土を増やします。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。
鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。
根鉢と鉢の間に隙間がありますので、苗の周りに
用土を入れます。
用土に隙間ができないように、
竹串で突きます。
赤玉土や
鹿沼土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
仕上げに、表面の土は軽石を敷きます。軽石は固く、水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
雨や水遣りで土が跳ねて、葉に付着しますと、病気の原因になりますので、表面の土を軽石にするとよいです。
ギボウシの植え付け・植え替えが終わり、小さな鉢植えが完成しました。
ギボウシの管理
ギボウシの苗を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ギボウシの水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日に1回、暑い夏は1日1~2回、寒い冬は落葉して休眠していますので、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
つぼみができてから花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると。つぼみや花が傷みます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ午前中に日が当たる場所に移動させます。
ギボウシは、明るい日陰や午後から日陰になる半日陰で管理します。
ギボウシの育て方のポイント
- 明るい日陰、または、午後から日陰になる半日陰で育てる。
- 用土は普通の市販の培養土。
- 水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は春と秋に、固形の油かすを与える。
- 植え付け・植え替えは、2~3月ごろが適しています。
ギボウシは特別な育て方はなく、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2年に1回、春の2~3月頃に植え替えをします。
株が大きく成長したら、植え替えのときに株分けをするとよいです。
ギボウシの今後
7月17日に、ギボウシの苗を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは簡単ですが、夏越しが難しいです。
ギボウシの今後の様子はこの記事を更新します。1年間の育てる様子を記録します。
暑さが厳しいですが、夏越しできるように管理して、美しい花が楽しめるように育てます。
更新しました。
花が咲かなかったギボウシ
11月8日、撮影。
ギボウシの苗を鉢に
植え付け・植え替えをしてから、約4ヵ月が経過しました。
ギボウシの花が咲く時期は、7月~8月ですので、花が咲くことを楽しみしていましたが、花は咲きませんでした。
原因はわかりませんが、来シーズンは花が咲くように育てます。
ギボウシの冬越しの準備
ギボウシは、落葉性多年草ですので、寒い冬は、地上部の葉や茎が枯れて、土の中の根だけで冬越しします。
冬越しして、暖かくなった春に芽吹くように、ギボウシの冬越しの準備をします。
枯れ葉をそのままにしておくと、カビや病害虫の発生の原因になり、株が傷むことがあります。
萎れた葉や枯れ葉をハサミで付け根で切り、キレイに取り除きます。
萎れた葉と
枯れ葉をすべて取り除きました。
ギボウシの鉢植えは、キレイな状態になりました。
11月上旬と、まだ昼は暖かいですので、葉が少し残っています。枯れたら、また取り除きます。
ギボウシは、寒い冬は地上部が枯れてなくなりますので、分からなくならないように、ラベルを付けました。
ラベルは、ハサミで縦に半分に切って使うと、枚数が2倍になりますので、お得です。
マジックより、鉛筆で書いたほうが、字が消えにくいですので、試してみてください。
ギボウシの冬越しの準備ができました。
寒い冬の間は、葉や茎がありませんので、鉢の土が完全に乾かないように、3~4日に1回ぐらい水遣りします。
鉢の土が凍結すると、株が傷みますので、寒さが厳しい地域では、保護すると安心できます。
次の更新は、春の芽吹きを予定しています。
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