早春の2月頃から、美しい濃いピンク色の花が咲き始める河津桜(カワヅザクラ)。
河津桜を鉢植えで育てています。コンパクトな株で、小さな鉢植えを目指していますので、剪定をする必要があります。
剪定した枝を挿し穂に使い、河津桜の挿し木にチャレンジします。
河津桜の発根率は、どのくらいか?不明ですので、挿し木が簡単にできるか?確認します。
河津桜の鉢植え
河津桜を鉢植えで育てています。
苗木を植え付け・植え替えをする様子を詳しく記事に書きました。
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河津桜の鉢植えの樹高は、1メートルぐらいです。
枝が長く伸びますので、先端を剪定する必要があります。
長く伸びた先端の枝をハサミで切り、を剪定します。
剪定した枝を捨てることは、もったいないですので、
挿し穂にして、挿し木にチャレンジします。
河津桜の挿し木の時期
河津桜の挿し木に適した時期は6~7月です。
前年に伸びた枝を使う挿し木は、「古枝挿し」と呼ばれます。暖かくなり始めた3月から4月にすることから「春挿し」と呼ぶこともあります。
新しく芽吹いて伸びた枝を使う挿し木は、「緑枝挿し」になります。
「古枝挿し」と「緑枝挿し」、それぞれにメリットとデメリットがあり、樹種によって成功率が異なります。
挿し木に適した時期は、その植物がよく成長する時期の少し前です。挿し穂の発根がよく、剪定で切った枝の回復も早くなります。
河津桜を剪定した今シーズンに伸びた枝を使いますので、「緑枝挿し」の挿し木です。
挿し穂の水揚げ
河津桜を剪定した枝から挿し穂を作りますので、水につけて水揚げをします。
水揚げする時間は、30分から2時間ぐらいが基本です。
水揚げをする時間は、一晩などといろいろな情報がありますが、2時間ぐらいで十分です。
葉と枝がたっぷり水分を含むことで、萎れて枯れることを防ぎます。葉と枝が水に漬かるように、水揚げは大きな容器が適しています。
河津桜の挿し穂を作る
河津桜の鉢植えを
剪定した枝を使って、
挿し穂を作ります。
挿し穂の作り方
挿し穂の下の方は、土に挿しますので、葉を取り除きます。
手で取り除くと、樹皮が剥がれることがありますので、葉の付け根をハサミで切るとよいです。
先端の葉を2~4枚ぐらい残します。
挿し穂は、残した葉をハサミを使って半分に切ります。
大きな葉は2/3ぐらいを切り、小さくします。
葉から蒸散する水の量を減らす効果があります。植物は、葉で蒸散することで、根から水を吸収します。
根から水を吸収することができませんので、蒸散する量を減らします。
河津桜を剪定した枝が、挿し穂になりました。
大きな挿し穂の長さは、8センチぐらいあります。
挿し穂の切り口
挿し穂の一番下の部分は、水を吸収しますので、枯れることなく、発根するために、大切になります。
剪定したときにハサミで切っていますので、よく切れる刃物でキレイな切り口を作ります。
よく切れる刃物は、カッターやカミソリがおすすめです。
新品の刃を使うことで、切れ味がよく、清潔な刃で切ることができます。
切り口を作るときは、水の中で切る水切りをします。
水が通る管である道管に、空気が入ることを防ぐためです。道管に空気が入ると、水の通りが悪くなります。
花屋さんなどでも、切り花を作るときに水切りすることが基本ですので、実績のある方法です。
切り口を斜めにすることで、断面積を大きくして、水を吸収しやすくします。
太い枝は、反対側も斜めに切り、クサビ形の
切り口にするとよいです。
すべての挿し穂を水切りで、切り口を作りました。
刃物を使う作業ですので、ケガに注意します。
発根促進剤ルートンを塗る
植物の発根を助ける発根促進剤ルートン。発根する可能性が高くなります。
ホームセンターなどで購入できます。価格が安いですので、使うことをおすすめします。
発根促進剤ルートンは、粉末ですので、鉢受け皿などの容器に出して使います。
使い方は、水で溶いてルートン液を作り、挿し穂を漬けたり、少量の水でペースト状にして切り口に塗ったりします。
粉末のまま使う簡単な方法を紹介します。
挿し穂は
水揚げで
水に濡れていますので、粉末の
発根促進剤ルートンが簡単に付着します。
挿し穂の
切り口を、粉末の
発根促進剤ルートンの中に入れるだけで、簡単に付着できました。
発根促進剤ルートンの挿し穂の準備ができました。
挿し穂は、8本あります。すべての挿し穂が、発根することは難しいですが、半分の4本が発根して、挿し木が成功することを目標にします。
河津桜の挿し床の準備
挿し木で、用土を入れた容器のことを挿し床と呼びます。
河津桜の挿し床は、プラスチック製の鉢を使います。
挿し穂の長さの半分から2/3ぐらいを土の中に埋めますので、挿し穂の長さから鉢のサイズを決めます。
鉢底石を薄く敷きます。
暑い夏は、水切れしないように、腰水で管理しますので、鉢底石を厚く敷くと用土が水に漬かりません。
発根した後は、そのままの状態で、翌シーズンの春に
鉢上げするまで育てる予定ですので、水はけがよくなるように
鉢底石を敷きます。
河津桜の挿し木の用土は、赤玉土の極小粒(細粒)を使います。
粒が小さいほうが保水性がよく、挿し穂と接する面積が多いですので、乾きにくいです。
鉢の高さの3分目ぐらいまで
用土を入れます。
用土に水を与えて、十分に湿らせます。河津桜の挿し床が準備できました。
河津桜の挿し木
挿し木は、
挿し穂を
挿し床に挿しますが、簡単な方法があります。
鉢の高さの3分目まで用土を入れて準備した挿し床に、河津桜の挿し穂を並べます。
長い挿し穂は、斜めに並べるとよいです。
斜めに挿すと、しっかり固定されて、風が吹いても動きませんので、おすすめです。
8本、すべての挿し穂を並べました。
並べた挿し穂の上から、用土である赤玉土の極小粒(細粒)を入れます。
河津桜の挿し木が完成しました。
挿し床に割りばしなどの棒で穴を開けて、1本ずつ挿すことは大変です。
挿し穂が長いと、深い穴を作る必要がありますので、挿すより用土を入れるほうが簡単になります。
挿し穂の数が多いときも、並べて用土を入れるほうが簡単になります。
河津桜の挿し木の管理
挿し木した後は、すぐに水遣りをします。たっぷり水を与えます。
用土が水を含むことで、挿し穂がしっかり固定されます。
河津桜の挿し木は、毎日、水遣りをして、用土が湿った状態を維持します。
水遣りができないときは、鉢受け皿に水を入れて、腰水で管理するとよいです。
霧吹きで葉に水を与える葉水は、根がなくなり水の吸収が少なくなっていますので、葉が萎れることを防ぐ効果が高いです。
河津桜の
挿し木は、直射日光が当たらない
明るい日陰で管理します。
風が強く吹くと挿し穂が動きますので、風が当たらない場所が適しています。
河津桜の挿し木は、発根するまで時間が掛かりますので、葉が枯れないように、ビニール袋を使って「密閉挿し」にします。
ビニール袋やペットボトルを使った「密閉挿し」は、葉が枯れること防ぎますが、カビが発生しやすいデメリットがあります。
用土は、雑菌が少なくなるように新品を使い、枯れた葉はカビが発生する原因になりますので、すぐに取り除く必要があります。
河津桜の
挿し木に、ビニール袋をかぶせます。
ビニール袋が風で飛ばないように、ビニールタイで固定します。
水遣りができませんので、水を入れた鉢受け皿に入れて、腰水にするとよいです。
ビニール袋をかぶせやすいように、縦に長い鉢を使いました。
挿し穂が鉢の高さより上に、あまり出ていませんので、ビニール袋をかぶせやすくなります。
河津桜の挿し木のポイント
- 30分から2時間ぐらい水につけて水揚げ
- 水の中で切る水切りで切り口を斜めに切る
- 発根促進剤ルートンを塗る
- 挿し床の用土は赤玉土の極小粒(細粒)
- 乾かないように腰水で管理
河津桜の挿し木のポイントは5つだけです。難しいことはありませんので、気軽にチャレンジできます。
河津桜の挿し木の今後
今後の河津桜の挿し木の様子は、この記事を更新します。
発根の様子、暑い夏の管理、涼しい秋に成長、冬越し、翌シーズンの春に鉢上げするまでを記録します。
5月22日に、河津桜の挿し木をしました。
九州地方の福岡県の平野部で栽培しています。6月上旬に梅雨入りして、梅雨明けは、例年並みなら7月下旬になります。
梅雨の時期は、雨の日が多く、挿し木の管理が簡単です。
梅雨が明けると、本格的な夏になり、気温が上昇します。発根に適した温度を超えますので、梅雨の間に発根できるか?が大きなポイントになります。
更新しました。
河津桜の挿し木の発根
10月16日、撮影。
河津桜の
挿し木をしてから、約5ヶ月が経過。
10日に1回ぐらいビニール袋を取り外して、水遣りをして、枯れた葉を取り除いて、発根できるように管理しました。
8本の挿し穂を挿し木しましたが、葉が残っている挿し穂は2本です。
葉が残っている挿し穂は、新しい葉が芽吹いていますので、発根している可能性が高いです。
ポットの底を確認しましたが、根が少し出ていますので、発根できています。
挿し床のポットから取り出す
必要な道具は、ピンセットと竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
河津桜の挿し木を鉢受け皿の中に横向きに置きます。
発根した根を傷つけないように、竹串で慎重に用土を崩します。
河津桜の根が見えます。
発根した根は、とても細いですので、切らないように注意して、挿し木を取り出します。
河津桜の挿し木をポットから取り出すことができました。
葉がなく、枯れた挿し木が1本ありました。
よく見ると発根していますので、途中までは成功していたので、残念です。
河津桜の発根
河津桜の挿し木は、2本の挿し穂が発根して、根が伸びています。
発根していますので、河津桜の挿し木は成功です。
8本の挿し穂を挿し木して、2本が発根しましたので、成功率は25%と高くないですが、株を増やすことができました。
挿し穂の発根している場所を確認すると、切り口にカルスが発生して、発根しています。
河津桜の挿し木の鉢上げ
河津桜の
挿し木を
鉢上げする鉢は、ビニールポットを使います。価格が安いことが大きなメリットです。
ビニールポットのサイズは、2.5号(直径7.5センチ)になります。
鉢を置くスペースに限りがありますので、小さなビニールポットで育てます。
ビニールポットは、底に穴があり、
用土が流れ出ますので、鉢底ネットを敷きます。
ビニールポットの底から3分目ぐらいまで用土を入れます。
河津桜は、水はけ、水もちがよい用土が適しています。ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜるとよいです。
再利用している用土ですので、汚れていますが、問題なく育てることができます。
発根した
河津桜の
挿し木を用意したビニールポットに入れます。
ビニールポットの高さの底から8分目ぐらいまで
用土を入れました。
発根した河津桜の2本の挿し木をビニールポットに鉢上げしました。
河津桜を鉢上げした後は、すぐに水遣りをします。鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
鉢上げした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。河津桜は、日当たり・風通しのよい場所で管理します。
河津桜は、寒い冬は落葉しますので、ラベルを付けました。
10月16日と、九州地方の福岡県も、朝晩は寒さを感じるようになりました。
河津桜の挿し木が成長して、花が咲くまでの様子を記録します。
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