オオデマリを鉢植えで育てていますが、小さなミニ盆栽を作ることにチャレンジします。
株を増やす方法は、種まき(実生)、挿し木、取り木の3つがあります。
種まき(実生)は、大きく成長して、花が咲くまで時間が掛かることがデメリットです。
挿し木は、小さな細い枝を使いますので、ミニ盆栽ができるまで時間が必要になります。
取り木は、オオデマリの樹が必要になります。
育てていないとできませんが、成功する可能性が高く、ある程度の太さがある株を手に入れることができます。
成功すれば、翌シーズンに花を楽しめるミニ盆栽ができます。
オオデマリの鉢植え
オオデマリを鉢植えで育てています。
苗木を植え付け・植え替えから花が咲くまでの様子を詳しく記事に書きました
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オオデマリの鉢植えの樹高は50センチを超えています。
購入した苗木は、樹高が40センチぐらいでしたので、花が終わった後に、枝の先端に、葉が芽吹いて、枝が伸びて、大きく成長しました。
小さな鉢植えで、コンパクトな株で育てたいので、剪定をします。
樹形を小さくしたり、樹高を維持したりするために、伸びた枝を途中で切る切り戻し剪定をします。
オオデマリの剪定に適した時期は、花が咲き終わった後から6月までになります。
夏の7月~8月に、翌シーズンに咲く花芽ができますので、遅くならないように注意が必要です。
剪定して、オオデマリの鉢植えは、樹高が30センチを少し超えるくらいになりました。
一番長く伸びている枝の先端部分を取り木することで、鉢植えの樹高が小さくなります。
取り木をすることでミニ盆栽ができて、鉢植えの樹高も小さくなりますので、一石二鳥です。
先端から3節ぐらいの位置で、取り木をします。
枝が太いですので、挿し木では発根が難しくなります。
取り木に必要な道具
取り木に必要な道具
- ナイフ(カッターや小刀)
- 発根促進剤ルートン
- ビニールポット
- ホッチキス
- 針金とニッパーなど
- ハサミ
- 赤玉土の極小粒(細粒)
ホームセンターや100均で購入できるものになります。
オオデマリの取り木
取り木をする幹の太さは、直径5ミリぐらい。
5ミリより細くなると、樹皮を剥がしにくくなり、折れることがあります。
取り木の方法は、「針金巻き」、「環状剝皮」、「削ぎ上げ」の3つがあります。
取り木について詳しく書いた記事がありますので、参考にして下さい。
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環状剝皮で取り木をする
幹の太さは、直径5ミリぐらいですので、環状剝皮(かんじょうはくひ)で取り木をします。
幹の太さの1.5~2倍くらいの長さの樹皮を剥ぎます。
取り木は、カッターナイフが安くて使いやすいです。
刃を交換すれば、切れ味がよく、清潔な新品の刃で取り木ができます。
幹に上と下の2ヶ所に、幹の周りに1周、切れ込みを入れます。
幹を横向きにすると、作業しやすくなります。
切れ込みの幅は、幹の太さの1.5~2倍ぐらいですので、余裕をもって1.5センチぐらいにしました。
樹皮を剥ぎます。
外側の茶色い部分は表皮、その下の緑色の部分が皮層と内皮になります。
白っぽい部分が木部です。
環状剝皮は、維管束にある師管までを削ります。
木質部が現れるまで、甘皮(形成層)を残さないようにキレイに剥ぎます。
木質部は、少し硬いですので削っていると、分かります。
道管は、細胞が死んで細胞質がなくなり、水が流れることができます。木質部は、死んだ組織である道管があるため硬さに違いがあります。
1.5センチの長さを
環状剝皮しました。
削った部分の一番下に、針金を強く巻きます。保険になります。
甘皮(形成層)が残っていた場合、針金を強く巻くことで切断することができます。
先が尖ったペンチ(ラジオペンチ)で、針金が少し食い込むぐらい、強く巻きます。
発生したカルスが下の部分とつながると発根しませんので、カルスがつながることも防ぎますので、おすすめです。
カルスは、植物の細胞が、増殖して無定形の細胞塊のことです。未分化な状態ですので、芽や根や枝に成長できます。
発根促進剤ルートンを塗る
発根して取り木が成功できるように、発根促進剤ルートンを塗ります。
ホームセンターや園芸店で販売されています。価格も安いですので、使うことをおすすめします。
発根促進剤ルートンは、少量の水でペースト状にして塗る方法がありますが、大変ですので、粉のまま上の切り口に付着させます。
綿棒を使うと付着させやすいです。
ビニールポットをセットする
環状剝皮した部分は、発根できるように水を与える必要があります。
ビニールポットをセットして用土で環状剝皮した部分を埋めます。
水苔を使って、ビニールで包む方法は、乾きにくいですので、水を与える頻度が減ります。
ビニールポットは、乾きますので水遣りが必要です。
オオデマリは、鉢植えですので、水遣りをします。水遣りをするときに、取り木のビニールポットにも水を与えますので、手間は増えません。
ビニールポットをハサミで底の穴まで縦に切り、幹にセットできるようにします。
環状剝皮で
取り木した部分に、ビニールポットをセットします。
ホッチキスでビニールポットの重ねた部分を固定します
切った部分を重ねることで、ビニールポットの底の穴が幹の太さと同じくらいになるように調節できます。
ビニールポットが動かないように、針金で固定します。
ビニールポットのフチに、針金を通します。
環状剝皮した上の部分が、ビニールポットの高さの真ん中ぐらいに来るようにセットします。
オオデマリの幹を環状剝皮した部分に、ビニールポットをセットすることができました。
取り木の用土は赤玉土
オオデマリの取り木に使う用土は、赤玉土の極小粒(細粒)です。
セットしたビニールポットに、赤玉土の極小粒(細粒)を入れます。粒が小さいほうが乾きにくいです。
ビニールポットの8分目ぐらいまで赤玉土を入れました。
用土は、量が多いほうが乾きにくくなります。満タンに入れると強風などでこぼれますので、8分目ぐらいまでにします。
オオデマリの取り木の管理
オオデマリの取り木をしたビニールポットの赤玉土を水で湿らせて、発根するまで管理します。
水差しやジョウロで水を与えるだけです。
水遣りができないときは、日陰に移動して、用土が乾かないように管理します。
取り木したビニールポットが強風で揺れて、
用土がこぼれないように
支柱で補強しました。
オオデマリの取り木のポイント
- 取り木の時期は梅雨入り前
- 環状剝皮で幹に樹皮を剥ぐ
- 幹の太さの1.5~2倍ぐらいの幅で樹皮を剥ぐ
- 切れ味によい、清潔な刃物を使う
- 発根促進剤ルートンを塗る
- ビニールポットで赤玉土の極小粒を使う。
- 発根するまで、乾かさないように管理
オオデマリの取り木は、難しいことはなく、樹皮を剥ぎ、水を与えるだけです。
発根しなければ、もう一度、削り、やり直すことができます。
オオデマリの取り木の今後
5月22日に、オオデマリの取り木をしました。
6月になり梅雨入りすれば、発根しやすい環境になります。
九州地方の福岡県の平野部ですので、梅雨入りは6月上旬、梅雨明けは7月下旬です。
梅雨明けすると、とても暑くなりますので、梅雨時期に発根して、ある程度、根が成長する必要があります。
梅雨入りの10日前ぐらいがおすすめの時期です。
毎日の水遣りが大変ですが、乾燥すると、発根したばかりの根が枯れてしまいますので、注意が必要です。
オオデマリの取り木の今後の様子は、この記事を更新します。
涼しくなった秋に、親木から取り外すことができれば、来シーズンの春に、花を楽しめる可能性があります。
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