沈丁花の寿命は、樹としては長くなく、20~30年です。10年ぐらいで枯れることがあります。
剪定により樹が弱り、枯れることもありますので、挿し木で株を増やすことをおすすめします。
沈丁花の鉢植えの剪定
沈丁花を鉢植えで育てています。
沈丁花の鉢植えの樹高は40センチぐらいです。
沈丁花は、枝が増えていますので、枝を減らす剪定します。透かし剪定や間引き剪定と呼ばれる方法です。
沈丁花の剪定に適した時期は、花が咲き終わった後から5月までになります。
6月~7月には、翌シーズンに咲く花芽ができますので、遅くならないように注意が必要です。
新しく伸びた枝を根元で切ります。
剪定することにより、樹高が小さくなりますので、コンパクトな鉢植えができます。
沈丁花の挿し木の時期
沈丁花の挿し木する時期は、4月と7月~8月です。
4月頃にする挿し木は、前年の伸びた枝を使いますので、「古枝挿し」と呼ばれます。「春挿し」と呼ぶこともあります。
7月~8月は、新しく芽吹いて伸びた枝を使いますので、「緑枝挿し」になります。
「古枝挿し」と「緑枝挿し」、それぞれにメリットとデメリットがあり、樹種によって成功率が異なります。
挿し木に適した時期は、その植物がよく成長する時期の少し前です。挿し穂の発根がよく、剪定で切った枝の回復も早くなります。
沈丁花の挿し穂の水揚げ
沈丁花を剪定した枝を水につけて水揚げをします。
水揚げする時間は、2時間くらいが基本です。
水揚げをする時間は、30分や一晩などといろいろな情報がありますが、2時間くらいで十分です。
葉と枝がたっぷり水分を含むことで、萎れて枯れることを防ぎます。葉と枝が水に漬かるように、水揚げは大きなバケツが適しています。
沈丁花の挿し穂を作る
挿し穂の下の方は、土に挿しますので、
葉を取り除きます。
手で取り除くと、樹皮が剥がれることがありますので、
葉の付け根をハサミで切るとよいです。
葉をハサミを使って半分に切ります。
葉から蒸散する水の量を減らす効果があります。植物は、葉で蒸散することで、根から水を吸収します。
根から水を吸収することができませんので、蒸散する量を減らします。
挿し穂の長さは、10センチぐらいです。
挿し穂の切り口
挿し穂の一番下の部分は、水を吸収しますので、枯れることなく、発根するために、大切になります。
剪定したときにハサミで切っていますので、よく切れる刃物でキレイな切り口を作ります。
よく切れる刃物は、カッターやカミソリがおすすめです。
新品の刃を使うことで、切れ味がよく、清潔な刃で切ることができます。
切り口を作るときは、水の中で切る水切りをします。
水が通る管である道管に、空気が入ることを防ぐためです。道管に空気が入ると、水の通りが悪くなります。
花屋さんなどでも、切り花を作るときに水切りすることが基本ですので、実績のある方法です。
切り口を斜めにすることで、断面積を大きくして、水を吸収しやすくします。
太い枝は、反対側も斜めに切り、クサビ形の切り口にするとよいです。
沈丁花の
挿し穂が完成しました。
発根促進剤ルートンを塗る
植物の発根を助ける発根促進剤ルートン。発根する可能性が高くなります。
ホームセンターなどで購入できます。価格が安いですので、使うことをおすすめします。
発根促進剤ルートンは、粉末ですので、鉢受け皿などの容器に出して使います。
使い方は、水で溶いてルートン液を作り、挿し穂を漬けたり、少量の水でペースト状にして切り口に塗ったりします。
粉末のまま使う簡単な方法を紹介します。
挿し穂は
水揚げで
水に濡れていますので、粉末の
発根促進剤ルートンが簡単に付着します。
挿し穂の
切り口を、粉末の
発根促進剤ルートンの中に入れるだけで、簡単に付着できました。
発根促進剤ルートンを切り口に付着させた2本の挿し穂ができました。
沈丁花の挿し床の準備
挿し木で用土を入れた容器のことを
挿し床と呼びます。
沈丁花の挿し床は、プラスチック製の鉢を使います。
挿し穂の長さの半分から2/3ぐらいを土の中に埋めますので、挿し穂の長さから鉢のサイズを決めます。
鉢底石を薄く敷きます。
暑い夏は、水切れしないように、腰水で管理しますので、鉢底石を厚く敷くと用土が水に漬かりません。
発根した後は、そのままの状態で、翌シーズンの春に
鉢上げするまで育てる予定ですので、水はけがよくなるように
鉢底石を敷きます。
沈丁花の挿し木の用土は、赤玉土の極小粒を使います。
粒が小さいほうが保水性がよく、挿し穂と接する面積が多いですので、乾きにくいです。
用土に水を与えて、十分に湿らせます。
沈丁花の
挿し床が準備できました。
沈丁花の挿し穂を挿す
挿し木は、
挿し穂を
挿し床に挿しますが、簡単な方法があります。
鉢の高さの3分目まで用土を入れて準備した挿し床に、沈丁花の挿し穂を並べます。
並べた
挿し穂の上から、
用土である赤玉土の極小粒を入れます。
沈丁花の挿し木が完成しました。
挿し床に割りばしなどの棒で穴を開けて、1本ずつ挿すことは大変です。
挿し穂が長いと、深い穴を作る必要がありますので、挿すより用土を入れるほうが簡単になります。
挿し穂の数が多いときも、並べて用土を入れるほうが簡単になります。
沈丁花の挿し木の管理
挿し木した後は、すぐに水遣りをします。たっぷり水を与えます。
用土が水を含むことで、挿し穂がしっかり固定されます。
沈丁花の挿し木は、毎日、水遣りをします。用土が湿った状態を維持します。
水遣りができないときは、鉢受け皿に水を入れて、腰水で管理するとよいです。
沈丁花の
挿し木は、直射日光が当たらない
明るい日陰で管理します。
風が強く吹くと挿し穂が動きますので、風が当たらない場所が適しています。
沈丁花の挿し木のポイント
- 2時間くらい水につけて水揚げ
- 水の中で切る水切りで切り口を斜めに切る
- 発根促進剤ルートンを塗る
- 挿し床の用土は赤玉土の極小粒
- 乾かないように腰水で管理
沈丁花の挿し木のポイントは5つだけです。難しいことはありませんので、気軽にチャレンジできます。
沈丁花の挿し木の今後
今後の沈丁花の挿し木の様子は、この記事を更新します。
発根の様子、暑い夏の管理、涼しい秋に成長、冬越し、翌シーズンの春に鉢上げするまでを記録します。
5月21日に沈丁花の挿し木をしました。
九州地方の福岡県の平野部で栽培しています。6月上旬に梅雨入りして、梅雨明けは、例年並みなら7月下旬になりますので、1ヶ月間ぐらいあります。
梅雨の時期は、雨の日が多く、挿し木の管理が簡単です。
梅雨が明けると、本格的な夏になり、気温が上昇します。発根に適した温度を超えますので、梅雨の間に発根できるか?が大きなポイントになります。
更新しました。
沈丁花の挿し木の発根
9月7日、撮影。
沈丁花の挿し木をしてから、3ヶ月半が経過しました。
暑さが厳しい夏は、日陰に置き、水遣りができないときは、鉢受け皿に水を入れて、腰水で管理することで、枯らすことなく、夏を越すことができました。
葉は枯れていませんので、
沈丁花の
挿し木は、
発根している可能性が高いです。
鉢の底を確認しましたが、根は出ていません。
土の表から
根が出ています。
沈丁花の挿し木が発根して成功しました。
沈丁花の挿し木の鉢上げ
沈丁花の挿し木は、挿し穂の長さの半分以上が土に埋まっていますので、鉢上げをします。
鉢上げは、鉢に丁寧に1株ずつ、植え付け・植え替えをすることです。
沈丁花の挿し木を、鉢に植え付け・植え替えをして、鉢上げします。
必要な道具は、ハサミとピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ポットから取り出す
沈丁花の
挿し木を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
どのくらいの量の
根が
発根しているか?わかりません。
根を傷つけないように、
用土を取り除きます。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
沈丁花の
挿し木をポットから取り出すことができました。
沈丁花の根の状態
沈丁花の
根は、細いですが長く伸びています。
2本の挿し穂が発根していますので、沈丁花の挿し木の成功率は100%です。
2本の
挿し穂の
根の量に大きな差はなく、鉢上げして大丈夫な量があります。
左の
挿し穂、先端の切り口にカルスが発生して、
発根しています。
右の挿し穂。
茎から発根することなく、カルスから発根するタイプは、時間がかかります。
鉢に
植え付け・植え替えをして、
鉢上げするまで、
根が乾かないように水に浸けます。
ビニールポットの用意
沈丁花の挿し木を鉢上げする鉢は、ビニールポットを使います。
価格が安いことが大きなメリットです。
ビニールポットの大きさは、直径7.5センチ、2.5号になります。
沈丁花の挿し木は、親株が枯れたときの予備になりますので、小さな鉢で育てます。
ビニールポットの高さは、7センチぐらい。
ビニールポットは、底に穴があり、用土が流れ出ますので、鉢底ネットを敷きます。
底に、鉢底ネットを敷き、ビニールポットの用意ができました。
鉢に植え付け・植え替え
ビニールポットの高さの底から3分目ぐらいまで、用土を入れます。
沈丁花は、水はけ、水もちがよい用土が適しています。ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜるとよいです。
沈丁花の挿し木を用意したビニールポットに入れます。
用土を入れます。
土入れに入れると、
用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
ビニールポットの高さの底から8分目ぐらいまで用土を入れて、沈丁花の鉢上げが完成しました。
鉢上げ後の管理
沈丁花を鉢上げした後は、すぐに水遣りをします。鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
沈丁花の水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
鉢上げした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。沈丁花は、日当たり・風通しのよい場所で管理します。
沈丁花は、
根の量が多くないですので、風が強く吹くと、倒れる可能性がありますので、
支柱で支えます。
小さなビニールポットですので、割りばしを支柱に使い、ビニールタイで固定します。
樹が倒れないように、幹を土の中に埋める「深植え」をすると、成長が悪く、
根詰りしやすくなります。
2つの株を鉢上げしましたので、沈丁花を挿し木で株を増やすことは成功です。
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