ネコヤナギ(猫柳)を鉢植えで育てていますが、小さなミニ盆栽を作ることにチャレンジします。
株を増やす方法は、種まき(実生)、挿し木、取り木の3つがあります。
種まき(実生)は、大きく成長して花が咲くまで時間が掛かることがデメリットです。
挿し木は、小さな細い枝を使いますので、ミニ盆栽ができるまで時間が必要になります。
取り木は、ネコヤナギの樹が必要になります。育てていないとできませんが、成功する可能性が高く、ある程度の太さがある株を手に入れることができます。
ネコヤナギの鉢植え
ネコヤナギの鉢植えが2鉢ありますが、樹形が悪く、剪定する必要があります。
剪定する枝を取り木して、新しい株を作ります。
花が終わり、暖かくなった春の新芽が芽吹き、葉が増えましたので、取り木にチャレンジします。
ネコヤナギの鉢植えを育てる様子を書いた記事がありますので、参考にして下さい。
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左の鉢は、枝が多くありますので、
取り木した後に、すぐに
ミニ盆栽が出来上がりそうです。
樹高は30センチぐらい。
取り木をすることで、鉢植えの樹高も小さくなるメリットがあります。
幹から3本の枝が伸びている部分を取り木します。
取り木に必要な道具
取り木に必要な道具
- ナイフ(カッターや小刀)
- 発根促進剤ルートン
- ビニールポット
- ホッチキス
- 針金とニッパーなど
- ハサミ
ホームセンターや100均で購入できるものになります。
ネコヤナギの取り木
ネコヤナギの鉢植えの幹の先端部分を
取り木します。
取り木が成功すれば、1年目から
花が咲く可能性が高いです。
幹の太さは、直径5ミリぐらい。
環状剝皮で取り木
幹の太さは、直径5ミリぐらいですので、環状剝皮(かんじょうはくひ)で取り木をします。
幹の太さの1.5~2倍くらいの長さの樹皮を剥ぎます。
取り木は、カッターナイフが安くて使いやすいです。
刃を交換すれば、切れ味がよく、清潔な新品の刃で取り木ができます。
幹に上と下の2ヶ所に、幹の周りに1周、切れ込みを入れます。
幹を横向きにすると、作業しやすくなります。
切れ込みの幅は、幹の太さの1.5~2倍ぐらいですので、余裕をもって1.5センチぐらいにしました。
樹皮を剥ぎます。
外側の赤茶色い部分は表皮、その下の緑色の部分が皮層と内皮になります。
白っぽい部分が木部です。
環状剝皮は、維管束にある師管までを削ります。
木質部が現れるまで、甘皮(形成層)を残さないようにキレイに剥ぎます。
木質部は、少し硬いですので削っていると、分かります。
道管は、細胞が死んで細胞質がなくなり、水が流れることができますので、木質部は死んだ組織であるため硬さに違いがあります。
1.5センチの長さを
環状剝皮しました。
削った部分の一番下に、針金を強く巻きます。保険になります。
甘皮(形成層)が残っていた場合、針金を強く巻くことで切断することができます。
先が尖ったペンチ(ラジオペンチ)で、針金が少し食い込むぐらい、強く巻きます。
発生したカルスが下の部分とつながると
発根しませんので、カルスがつながることも防ぎますので、おすすめです。
カルスは、植物の細胞が、増殖して無定形の細胞塊のことです。未分化な状態ですので、芽や根,枝に成長できます。
発根促進剤ルートンを塗る
発根して取り木が成功できるように、発根促進剤ルートンを塗ります。
ホームセンターや園芸店で販売されています。価格も安いですので、使うことをおすすめします。
発根促進剤ルートンは、少量の水でペースト状にして塗る方法がありますが、大変ですので、粉のまま上の切り口に付着させます。
綿棒を使うと付着させやすいです。
ビニールポットをセットする
環状剝皮した部分は、発根できるように水を与える必要があります。
ビニールポットをセットして用土で環状剝皮した部分を埋めます。
水苔を使って、ビニールで包む方法は、乾きにくいですので、水を与える頻度が減ります。
ビニールポットは、乾きますので水遣りが必要です。
ネコヤナギは、鉢植えですので、水遣りをします。水遣りをするときに、取り木のビニールポットにも水を与えますので、手間は増えません。
ビニールポットをハサミで底の穴まで縦に切り、幹にセットできるようにします。
環状剝皮で
取り木した部分に、ビニールポットをセットします。
ホッチキスでビニールポットの重ねた部分を固定します
切った部分を重ねることで、ビニールポットの底の穴が幹の太さと同じくらいになるように調節できます。
ネコヤナギの幹を
環状剝皮した部分に、ビニールポットをセットすることができました。
ビニールポットが動かないように、針金で固定します。
ビニールポットのフチに、針金を通します。
環状剝皮した上の部分が、ビニールポットの高さの真ん中ぐらいに来るようにセットします。
取り木の用土は赤玉土
セットしたビニールポットに、赤玉土の極小粒(細粒)を入れます。
粒が小さいほうが乾きにくいです。
ビニールポットの8分目ぐらいまで赤玉土を入れました。
用土は、量が多いほうが乾きにくくなります。満タンに入れると強風などでこぼれますので、8分目ぐらいまでにします。
取り木したビニールポットが強風で揺れて、用土がこぼれないように支柱で補強しました。
ネコヤナギの取り木の管理
ネコヤナギの取り木をしたビニールポットの赤玉土を水で湿らせて、発根するまで管理します。
水差しやジョウロで水を与えるだけです。
ネコヤナギの取り木のポイント
- 取り木の時期は梅雨入り前
- 環状剝皮で幹に樹皮を剥ぐ
- 幹の太さの1.5~2倍ぐらいの幅で樹皮を剥ぐ
- 切れ味によい、清潔な刃物を使う
- 発根促進剤ルートンを塗る
- ビニールポットで赤玉土の極小粒を使う。
- 発根するまで、乾かさないように管理
ネコヤナギの取り木は、難しいことはなく、樹皮を剥ぎ、水を与えるだけです。
発根しなければ、もう一度、削り、やり直すことができます。
ネコヤナギの取り木の今後
5月21日に、ネコヤナギ(猫柳)の取り木をしました。
6月になり梅雨入りすれば、発根しやすい環境になります。
九州地方の福岡県の平野部ですので、梅雨入りは6月上旬、梅雨明けは7月下旬です。
梅雨明けすると、とても暑くなりますので、梅雨時期に発根して、ある程度、根が成長する必要があります。
梅雨入りの10日前ぐらいがおすすめの時期です。
毎日の水遣りが大変ですが、乾燥すると、発根したばかりの根が枯れてしまいますので、注意が必要です。
ネコヤナギの取り木の今後の様子は、この記事を更新します。
涼しくなった秋に、親木から取り外すことができれば、春に花穂を楽しめる可能性がります。
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