まだ寒い新春の1月~2月に、美しい黄色い
花が咲く
ロウバイ(蠟梅)。
鉢植えで育てていますが、小さなミニ盆栽を作ることにチャレンジします。
株を増やす方法は、種まき(実生)、挿し木、取り木の3つがあります。
種まき(実生)は、大きく成長して花が咲くまで時間が掛かることがデメリットです。
挿し木は、ロウバイは成功率が低く、たくさんの挿し穂が必要になります。
取り木は、ロウバイの樹が必要になりますので、育てていないとできませんが、成功する可能性が高いです。
ロウバイの鉢植え
ロウバイを鉢植えで育てています。
よく利用する激安の園芸店で、苗木が安く販売されていましたので、購入して鉢植えにしました。
苗木を鉢に植え付ける様子を詳しく書いた記事があります。
関連記事
ロウバイの苗木は樹高が大きく、
剪定をしましたが、まだ大きすぎます。
花が終わり、暖かくなった春の新芽が芽吹き枝ができました。
ロウバイは短い枝に花が咲きます。幹の先端にある左に伸びた枝です。
幹の右にある斜めに長く伸びた枝は、花が咲きにくくなります。
短い枝がある幹の先端部分を取り木して、ロウバイのミニ盆栽を作ります。
取り木に必要な道具
取り木に必要な道具
- ナイフ(カッターや小刀)
- 発根促進剤ルートン
- ビニールポット
- ホッチキス
- 針金とニッパーなど
- ハサミ
ホームセンターや100均で購入できるものになります。
ロウバイの取り木
ロウバイの鉢植えの幹の先端部分を
取り木します。
短い枝が左に2本、右に1本あり、取り木が成功すれば、1年目から花が咲く可能性が高いです。
幹が真っすぐですが、ミニ盆栽にして針金で少し曲げれば、10センチぐらいの樹高になります。
幹の太さは、長径7ミリぐらい。
環状剝皮で取り木
幹の太さは、直径7ミリぐらいですので、環状剝皮(かんじょうはくひ)で取り木をします。
幹の太さの1.5~2倍くらいの長さの樹皮を剥ぎます。
取り木は、カッターナイフが安くて使いやすいです。
刃を交換すれば、切れ味がよく、清潔な新品の刃で取り木ができます。
幹に上と下の2ヶ所に、幹の周りに1周、切れ込みを入れます。
切れ込みの幅は、幹の太さの1.5~2倍ぐらいですので、1.5センチぐらいにしました。
樹皮を剥ぎます。
外側の茶色い部分は表皮、その下の緑色の部分が皮層と内皮になります。
白っぽい部分が木部です。
上の部分は、斜めに切り込みを入れています。
取り木が成功して、鉢に植え付けるときに、幹を斜めにするためです。
取り木でミニ盆栽を作ると、よい根張りができますが、真っ直ぐに植え付けることになります。
切れ込みを斜めにすることで、幹を斜めに植え付けることができるようになります。
木質部が現れるまで、
甘皮(形成層)を残さないようにキレイに剥ぎます。
木質部は、少し硬いですので削っていると、分かります。
道管は、細胞が死んで細胞質がなくなり、水が流れることができますので、木質部は死んだ組織であるため硬さに違いがあります。
削った部分の一番下に、針金を強く巻きます。保険になります。
甘皮(形成層)が残っていた場合、強く針金を巻くことで切断することができます。
先が尖ったペンチ(ラジオペンチ)で、針金が食い込むぐらい、強く巻きます。
発生したカルスが下の部分とつながると発根しませんので、カルスがつながることも防ぎますので、おすすめです。
発根促進剤ルートンを塗る
発根して
取り木が成功できるように、
発根促進剤ルートンを塗ります。
ホームセンターや園芸店で販売されています。価格も安いですので、使うことをおすすめします。
発根促進剤ルートンは、少量の水でペースト状にして塗る方法がありますが、大変ですので、粉のまま上の切り口に付着させます。
綿棒を使うと付着させやすいです。
ビニールポットをセットする
環状剝皮した部分は、発根できるように水を与える必要があります。
ビニールポットをセットして用土で環状剝皮した部分を埋めます。
水苔を使って、ビニールで包む方法は、乾きにくいですので、水を与える頻度が減ります。
ビニールポットは、乾きますので水遣りが必要です。
ロウバイは、鉢植えですので、水遣りをします。水遣りをするときに、取り木のビニールポットにも水を与えますので、手間は増えません。
ビニールポットをハサミで底の穴まで縦に切り、幹にセットできるようにします。
環状剝皮で
取り木した部分に、ビニールポットをセットします。
ホッチキスでビニールポットの重ねた部分を固定します
切った部分を重ねることで、ビニールポットの底の穴が幹の太さと同じくらいになるように調節できます。
ロウバイの幹を
環状剝皮した部分に、ビニールポットをセットすることができました。
ビニールポットが動かないように、針金で固定します。
ビニールポットのフチに、針金を通します。
ビニールポットのフチに2ヶ所、針金をつけて、幹に固定します。
環状剝皮した上の部分が、ビニールポットの高さの真ん中ぐらいに来るようにセットします。
取り木の用土は赤玉土
セットしたビニールポットに、赤玉土の極小粒(細粒)を入れます。
粒が小さいほうが乾きにくいです。
ビニールポットの8分目ぐらいまで
赤玉土を入れました。
用土は、量が多いほうが乾きにくくなります。満タンに入れると強風などでこぼれますので、8分目ぐらいまでにします。
ロウバイの取り木の管理
ロウバイの
取り木をしたビニールポットの赤玉土を水で湿らせて、
発根するまで管理します。
水差しやジョウロで水を与えるだけです。
ロウバイの鉢植えは大きくて、樹高が高いです。
取り木したビニールポットが強風で揺れて、用土がこぼれないように支柱で補強しました。
ロウバイの取り木のポイント
- 取り木の時期は梅雨入り前
- 環状剝皮で幹に樹皮を剥ぐ
- 幹の太さの1.5~2倍ぐらいの幅で樹皮を剥ぐ
- 切れ味によい、清潔な刃物を使う
- 発根促進剤ルートンを塗る
- ビニールポットで赤玉土の極小粒を使う。
- 発根するまで、乾かさないように管理
ロウバイの取り木は、難しいことはなく、樹皮を剥ぎ、水を与えるだけです。
発根しなければ、もう一度、削り、やり直すことができます。
ロウバイの取り木の今後
5月20日に、ロウバイ(蠟梅)の取り木をしました。
6月になり梅雨入りすれば、発根しやすい環境になります。
九州地方の福岡県の平野部ですので、梅雨入りは6月上旬、梅雨明けは7月下旬です。
梅雨明けすると、とても暑くなりますので、梅雨時期に発根して、ある程度、根が成長する必要があります。
梅雨入りの10日前ぐらいがおすすめの時期です。
毎日の水遣りが大変ですが、乾燥すると、発根したばかりの根が枯れてしまいますので、注意が必要です。
ロウバイの取り木の今後の様子は、この記事を更新します。
涼しくなった秋に、親木から取り外すことができれば、新春に花を楽しめる可能性がります。
ロウバイの取り木の発根
10月15日、撮影。
ロウバイの取り木をして、約5ヵ月が経過しました。
ロウバイを鉢植えで育てていますので、水遣りのときに、取り木のビニールポットに水を与え、乾かさないように注意して管理を続けました。
10月中旬になり、九州地方の福岡県でも、朝晩は冷え込み、寒さを感じるようになりました。
取り木をしたロウバイの葉は少し枯れ、右の枝は落葉しています。
ロウバイは落葉樹ですので、発根していれば、落葉する前に親木から切り離すとよいです。
ビニールポットの底を確認しますが、
根がありません。
ビニールポットの中を見ると、
根が見えますので、
発根して取り木が成功しています。
根の量は多くないようですが、発根しています。
ロウバイの取り木の切り離し
ロウバイの
取り木が
発根していることが確認できましたので、
親木から切り離します。
ビニールポットの底のところで、ハサミで切ります。
ロウバイの
取り木を親木から切り離すことができました。
土がこぼれますので、鉢受け皿などの容器の中が作業するとよいです。
ロウバイの
取り木からビニールポットを取り外しました。
根の量は多くはないですが、
発根して伸びている
根があります。
根が傷つかないように水で洗い流すとよいです。
取り木で樹皮を剥いだところに、
カルスが発生して、
発根していることが分かります。
根の量が多くありませんが、ロウバイの取り木は成功です。
ロウバイの取り木の鉢上げ
親木から切り離したロウバイの取り木を鉢上げします。
取り木で樹皮を剥いだ部分の下をハサミで切りました。
鉢上げをするために、2.5号(直径7.5センチ)の
スリット鉢を使います。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
スリット鉢の底から3分目ぐらいまで用土を入れます。
ロウバイは、水はけ、水もちがよい用土が適しています。ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜるとよいです。
ロウバイの
取り木を準備した
スリット鉢に入れます。
スリット鉢の高さの底から8分目ぐらいまで
用土を入れました。
ロウバイの取り木を鉢上げした後は、すぐに水遣りをします。鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ロウバイの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は、落葉していますので、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
鉢上げした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。ロウバイは、日当たり・風通しのよい場所で管理します。
10月15日に、ロウバイの取り木を鉢上げしました。成長して花が咲くまでの様子を記録します。
0 件のコメント :
コメントを投稿