ロウバイ(蠟梅)は、まだ寒い新春の1月から2月に、香りがある美しい黄色い
花が咲く落葉性低木です。
ロウバイを鉢植えで育てていますので、大きくならないように剪定をする必要があります。
ロウバイは、春に伸びた新しい枝に花が付きます。
幹から短く伸びる枝に花が付きやすく、長く伸びる枝には、花が付きにくいですので、根元で剪定をします。
剪定した枝を捨てることが、もったいないですので、成功率が低く、難しいを言われるロウバイの挿し木にチャレンジします。
ロウバイの剪定
ロウバイを鉢植えで育てています。
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花が付く可能性が小さいですので、剪定します。
大きく成長させたい場合は、
葉を2~3枚残して剪定します。
ロウバイの鉢植えは大きすぎますので、枝の根元でハサミで切ります。
下の方にある短い枝に花が咲きます。
剪定した枝を挿し穂にして、ロウバイの挿し木にチャレンジします。
ロウバイの挿し木の時期
ロウバイの挿し木する時期は、芽出し前の3月頃と6月の梅雨の時期の2つがあります。
芽出し前の3月頃にする挿し木は、前年の伸びた枝を使いますので、「古枝挿し」と呼ばれます。「春挿し」と呼ぶこともあります。
6月の梅雨時期は、春に芽吹いて伸びた枝を使いますので、「緑枝挿し」になります。
「古枝挿し」と「緑枝挿し」、それぞれにメリットとデメリットがあり、樹種によって成功率が異なります。
ロウバイは挿し木が難しいとされていますので、情報が少なく、どちらのほうが成功率が高いか?不明です。
長く伸びた枝を使った「緑枝挿し」で、ロウバイの挿し木にチャレンジします。
ロウバイの挿し穂の水揚げ
ロウバイを剪定した枝を水につけて水揚げをします。
水揚げする時間は、2時間くらいが基本です。
水揚げをする時間は、30分や一晩などといろいろな情報がありますが、2時間くらいで十分です。
葉と枝がたっぷり水分を含むことで、萎れて枯れることを防ぎます。
ロウバイは、葉が大きいですので、水揚げは大きなバケツが適しています。
ロウバイの挿し穂を作る
剪定した
ロウバイの枝を10センチぐらいの長さに切り、
挿し穂を作ります。
挿し穂の下の方は、土に挿しますので、
葉を取り除きます。
葉が4枚残るようにしました。
葉から蒸散する水の量を減らす効果があります。植物は、葉で蒸散することで、根から水を吸収します。
根から水を吸収することができませんので、蒸散する量を減らします。
ロウバイの挿し穂の長さは、10センチぐらいにしました。
挿し穂の切り口
挿し穂の一番下の部分は、水を吸収しますので、枯れることなく、発根するために、大切になります。
剪定したときにハサミで切っていますので、よく切れる刃物でキレイな切り口を作ります。
よく切れる刃物は、カッターやカミソリがおすすめです。
新品の刃を使うことで、切れ味がよく、清潔な刃で切ることができます。
切り口を作るときは、水の中で切る水切りをします。
水が通る管である道管に、空気が入ることを防ぐためです。道管に空気が入ると、水の通りが悪くなります。
花屋さんなどでも、切り花を作るときに水切りすることが基本ですので、実績のある方法です。
切り口を斜めにすることで、断面積を大きくして、水を吸収しやすくします。
ロウバイの挿し穂が完成しました。
発根促進剤ルートンを塗る
植物の発根を助ける発根促進剤ルートン。発根する可能性が高くなります。
ホームセンターなどで購入できます。価格が安いですので、使うことをおすすめします。
発根促進剤ルートンは、粉末ですので、鉢受け皿などの容器に出して使います。
使い方は、水で溶いてルートン液を作り、挿し穂を漬けたり、少量の水でペースト状にして切り口に塗ったりします。
粉末のまま使う簡単な方法を紹介します。
挿し穂は
水揚げで
水に濡れていますので、粉末の
発根促進剤ルートンが簡単に付着します。
挿し穂の
切り口を、粉末の
発根促進剤ルートンの中に入れるだけで、簡単に付着できました。
普通の「緑枝挿し」でなく、根元に木質化した前年の枝の残した挿し穂を3本作りました。
木質化した部分が、
発根しやすい樹種がありますので、試してみます。
普通の「緑枝挿し」が6本、根元が木質化している挿し穂が3本の合計9本の挿し穂で、ロウバイの挿し木にチャレンジします。
ロウバイの挿し床の準備
挿し木で用土を入れた容器のことを
挿し床と呼びます。
ロウバイの
挿し床は、プラスチック製の鉢を使います。
ホームセンターや園芸店で、購入した苗木が植えられていた鉢です。洗って保管しています。
鉢底石を薄く敷きます。
暑い夏は、水切れしないように、腰水で管理しますので、鉢底石を厚く敷くと用土が水に漬かりません。
発根した後は、そのままの状態で、翌シーズンの春に
鉢上げするまで育てる予定ですので、水はけがよくなるように
鉢底石を敷きます。
ロウバイの
挿し木の
用土は、赤玉土の極小粒を使います。
粒が小さいほうが保水性がよく、挿し穂と接する面積が多いですので、乾きにくいです。
ロウバイの挿し床が完成しました。
ロウバイの挿し穂を挿す
挿し木は、
挿し穂を挿し床に挿しますが、
挿し穂の数が多い場合は、簡単な方法があります。
鉢の高さの3分目まで
用土を入れて準備した
挿し床に、
ロウバイの
挿し穂を並べます。
並べた
挿し穂の上から、
用土である赤玉土の極小粒を入れます。
挿し床に割りばしなどの棒で穴を開けて、1本ずつ挿すことは大変です。
挿し穂の数が多いときは、並べて用土を入れるほうが簡単になります。
ロウバイの挿し木の管理
挿し木した後は、すぐに
水遣りをします。たっぷり水を与えます。
用土が水を含むことで、挿し穂がしっかり固定されます。
ロウバイの挿し木は、毎日、水遣りをします。用土が湿った状態を維持します。
水遣りができないときは、腰水で管理するとよいです。
ロウバイの
挿し木は、直射日光が当たらない
明るい日陰で管理します。
風が強く吹くと挿し穂が動きますので、風が当たらない場所が適しています。
ロウバイの挿し木のポイント
- 2時間くらい水につけて水揚げ
- 水の中で切る水切りで切り口を斜めに切る
- 発根促進剤ルートンを塗る
- 挿し床の用土は赤玉土の極小粒
- 乾かないように腰水で管理
ロウバイの挿し木のポイントは5つだけです。難しいことはありませんので、気軽にチャレンジできます。
ロウバイの挿し木の今後
今後のロウバイの挿し木の様子は、この記事を更新します。
発根の様子、暑い夏の管理、涼しい秋に成長、冬越し、翌シーズンの春に鉢上げするまでを記録します。
5月20日にロウバイの挿し木をしました。
九州地方の福岡県の平野部で栽培しています。6月上旬に梅雨入りして、梅雨明けは、例年並みなら7月下旬になりますので、1ヶ月間ぐらいあります。
梅雨の時期は、雨の日が多く、挿し木の管理が簡単です。
梅雨が明けると、本格的な夏になり、気温が上昇します。発根に適した温度を超えますので、梅雨の間に発根できるか?が大きなポイントになります。
更新しました。
ロウバイの挿し木の発根
ロウバイの
挿し木は、毎日、
水遣りを続けて、
用土が湿った状態を維持することが大切です。
水遣りができないときがありますので、容器に水を入れて、腰水にすれば、暑い夏を
水切れさせることなく、管理することができます。
9月20日、撮影。挿し木をしてから4か月が経過しました。
鉢の底から根が出るぐらいに発根しています。ロウバイの挿し木は成功です。
ロウバイの挿し木の鉢上げ
ロウバイの挿し木は、暑さが厳しい夏を水切れすることなく、無事に夏越しできました。
1つの鉢にたくさんの挿し穂がありますので、鉢上げをします。鉢上げは、鉢に丁寧に1株ずつ、植え付け・植え替えをすることです。
必要な道具は、ハサミとピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ポットから取り出す
ロウバイの
挿し木を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
発根した
根を傷つけないように、
竹串で
用土を崩します。
挿し木の
用土である
赤玉土は、粒状ですので、簡単に
用土を崩すことができます。
ロウバイの
挿し木をポットから取り出すことができました。
ロウバイの発根の状態
ロウバイの
根が長く伸びていることが確認できます。
「緑枝挿し」が6本、根元が木質化している
挿し穂が3本の合計9本の
挿し穂で、
ロウバイの
挿し木をしました。
途中で、完全に枯れた挿し穂が1本ありましたので、取り除き、8本の挿し穂があります。
発根している挿し穂は3本で、すべてが「緑枝挿し」になります。6本を挿し木して、3本が発根しましたので、発根率は50%。
挿し木が難しいとされるロウバイですので、成功です。
ロウバイの根は太く、長く伸びています。
根の量が、ある程度ありますので、鉢上げしても枯れる心配が少ないです。
ビニールポットの用意
ロウバイの挿し木を鉢上げする鉢は、ビニールポットを使います。価格が安いことが大きなメリットです。
ビニールポットのサイズは、2.5号(直径7.5センチ)になります。
ビニールポットは、底に穴があり、
用土が流れ出ますので、鉢底ネットを敷きます。
ビニールポットの底から3分目ぐらいまで用土を入れます。
ロウバイは、水はけ、水もちがよい用土が適しています。ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜるとよいです。
ロウバイの挿し木を鉢に植え付け・植え替え
ロウバイの
挿し木を用意したビニールポットに入れます。
ビニールポットの高さの底から8分目ぐらいまで用土を入れました。
用土に隙間ができないように、竹串で突きます。
鉢上げ後の管理
ロウバイを鉢上げした後は、すぐに水遣りをします。鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ロウバイの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は落葉していますので、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
鉢上げした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。ロウバイは、日当たり・風通しのよい場所で管理します。
3本の挿し穂を鉢上げしましたので、ロウバイを挿し木で増やすことは成功です。
葉が枯れてなく、
発根していない3本の
挿し穂を1つのビニールポットに入れました。
発根する可能性は小さいですが、水遣りを続けます。
鉢上げした
ロウバイを育て、
ミニ盆栽を作ります。
9月20日に、ロウバイの挿し木を鉢上げしました。次の更新は、落葉している冬の様子を予定しています。
ロウバイの挿し木の1年後
1年後の
10月1日、撮影。
発根した
ロウバイの
挿し木を
鉢上げして、1年間が経過しました。九州地方の福岡県は温暖な気候ですので、冬の寒さは大丈夫でしたが、夏の厳しい暑さで
発根した3のうち1つが水切れで枯れて、残念です。
生き残ったロウバイの2つの株は、1年前より成長していることが分かります。
左の鉢の
ロウバイは、樹高が13センチぐらい。
幹の太さは直径5ミリと小さな苗のような樹です。
大きく成長しないように、小さなビニールポットで育て、小さなロウバイでも花が咲くか?確認します。
ロウバイの肥料
ロウバイの
肥料は、成長する時期である春の4月から5月と寒くなり始めた12月頃に寒肥として、緩効性の化成肥料を与えます。
まだ花が咲いたことがない未開花株には、涼しくなり始めた秋の9月頃に追肥をするとよいです。
草花用のN5、P8、K5の化成肥料、粒が小さいですので、小さなビニールポットでも
置き肥で与えやすいです。
マドラースプーンに1杯。3グラムぐらいを与えました。
100均のマドラースプーンですが、ステンレス製ですので、屋外に置いてもサビにくく、1杯で約3グラムぐらいと小さいですので、使いやすいです。
2号(直径6センチ)のビニールポットに、マドラースプーン1杯の
肥料で適量になります。
根元から離れたところに、
肥料を与えます。土の上に
肥料を撒く
置き肥は、
水遣りをすると少しずつ
肥料が溶けますので、
肥料の影響が少ないです。
挿し木から鉢上げをして1年間が経過した小さなロウバイですが、冬に美しい黄色の花が咲くことを期待します。
九州地方の福岡県で育てていますので、
ロウバイの
花が咲く時期は、1月中旬ぐらいです。
小さな樹でも花が咲くことができたら、キレイな鉢に植え替えをして、ロウバイの盆栽を作る予定です。
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