ビバーナム「ティヌス」は、レンプクソウ科ガマズミ属の常緑性低木です。地中海沿岸が原産地になります。
学名は、Viburnum tinusで、トキワガマズミやジョウリョクガマズミと呼ばれることがあります。
花が咲く時期は4月~5月です。枝の先端に花序ができ、たくさんの小さな花を咲かせます。
つぼみはピンク色ですが、花の色は白色になります。花序の大きさは直径7~10センチの傘形で、花の形は、基部が筒状で花冠は、5裂に開きます。
花が終わると、楕円形の実がなり、秋に熟すと青紫色に変化します。
常緑の葉は光沢があり、大きさは、長さが5~13センチ、幅が2~6センチで、楕円形です。
園芸店で、ビバーナム「ティヌス」の苗木が販売されていましたので、購入して育てます。
ビバーナム「ティヌス」の苗木
ビバーナム「ティヌス」の苗木のラベルで、
花の色や形を確認して購入しましょう。
ラベルの写真は、上に
花が咲いた様子、下に青紫色に熟した
実です。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単な説明があります。
ビバーナムティヌス
学名 Viburnum tinus
スイカズラ科/常緑低木
花の特徴
ピンクのつぼみから白い花が咲きます。秋には濃い青色の実が付きます。
置き場所
日当たり、風通しの良い所
水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと与えて下さい。
肥料
開花後、緩効性肥料を与えて下さい。
ビバーナム「ティヌス」の苗木の樹高は、30センチぐらい。
大きく成長すると1~3メートルになります。
苗木を選ぶときは、葉の状態を確認します。
黄色に変色したり、枯れたりした葉が少なく、萎れてなく元気がよい葉の苗木を選ぶとよいです。
直径9センチ、3号のビニールポットに植えられています。
2つに枝分かれした双幹の樹形になります。
バランスのよい樹形の苗木になります。
ビバーナム「ティヌス」の苗木は、
花が咲き終わっています。太い幹の先端になります。
4月中旬に、園芸店で購入しましたが、少し遅かったようです。
秋に青紫色に熟す実が楽しめますので、花がら摘みをしません。
花が咲く時期は4月~5月ですので、花が咲く可能性があります。
オオデマリを育てる様子の記事があります。
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花の形状は似ていますが、葉の形が異なります。
ビバーナムは、いろいろな品種がありますので、花の色や形が気に入ったものを育てましょう。
ビバーナム「ティヌス」の小さな鉢植え
ビバーナム「ティヌス」は、樹高が1~3メートルぐらいまで成長する常緑性低木です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
ビニールポットのままの状態で、鉢に入れると、
植え付け・植え替えしたときの雰囲気が確認できます。
ビバーナム「ティヌス」を小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、ビバーナム「ティヌス」を元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは3.5号(直径10.5センチ)、CSM-105になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ビバーナム「ティヌス」を小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、最適な環境で育てることができます。
準備した
スリット鉢の直径10.5センチと3.5号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、
普通の3.5号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは9センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入してあります。左から3号(直径9センチ)、3.5号(直径10.5センチ)、4号(直径12センチ)。
苗木を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
100均の4号の陶器の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。花が咲いている時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段はスリット鉢のまま育てます。
苗木の樹高と鉢のサイズのバランスは問題ないようです。
ビバーナム「ティヌス」の用土
ビバーナム「ティヌス」は、水はけよい用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を7:3の割合で混ぜた基本の用土が適しています。
赤玉土と腐葉土が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけがよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目ぐらいまで用土を入れました。植え付け・植え替えのときに、株元の高さを確認して調整します。
植え付け・植え替えは、根が乾かないように、手際よく作業したいですので、最初に鉢の準備をします。
ビバーナム「ティヌス」の植え付け・植え替え
ビバーナム「ティヌス」の苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ビバーナム「ティヌス」の植え付け・植え替えに適した時期は、春の3月~5月と秋の9月~10月になります。
春に花が咲きますので、花が咲き終わった後や秋の植え付け・植え替えがおすすめです。
ビニールポットから取り出す
最初に、ビニールポットの底を確認します。
底の穴から根がたくさん出ていますと、ビニールポットから取り出すことができません。
無理に取り出しますと、根が切れますので、穴から伸びた根はハサミで切ります。
ビバーナム「ティヌス」の苗木を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を、指先でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ビバーナム「ティヌス」の苗木をビニールポットから取り出すことができました。
ビバーナム「ティヌス」の根鉢
ビバーナム「ティヌス」の苗木をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
ビバーナム「ティヌス」の根鉢の状態を確認すると、根の量が多いです。
白い根は新しく、茶色の根は古く、黒い根は腐敗しています。
底で根が巻くサークリング現象が起き、根詰りに近い状態です。太い根が長く伸びていますので、根を剪定する必要があります。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根元の
葉は不要ですので、ハサミで切り、取り除きます。
土に近い葉は、病害虫になりやすいですので、取り除きましょう。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。
竹串を使って、幹の周りを丁寧に、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
苗木は、倒れることを防ぐために
深植えされていることが多く、
ビバーナム「ティヌス」の苗木は、
根元が2センチぐらい土の中に埋まっていました。
根元が見えるまで、根鉢の表面の土を崩すと、根鉢の高さが小さくなりました。
根鉢の底は、
根が固まった状態で、
植え付け・植え替えをすると、
根の成長がよくありませんので、崩します。
太い根が長く伸びると、徒長枝ができやすくなります。
根鉢の底を竹串を使って崩します。底で巻いている根をほぐします。
根をほぐしました。長く伸びた太い根がたくさんあります。
長く伸びた
根をハサミで切って剪定します。
根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。
枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、不要な根は取り除きます。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩したビバーナム「ティヌス」を用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。
鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、腐葉土を入れずに、赤玉土の小粒だけの用土にしました。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
スリット鉢の
段差より少し下まで
用土を入れます。
仕上げに、表面の土は軽石を敷きます。
軽石は固く、水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
水流が強い散水ノズルで
水遣りしても、
赤玉土の粒が崩れることがありません。
ビバーナム「ティヌス」の苗木を鉢に
植え付け・植え替えをすることができ、
小さな鉢植えが完成しました。
ビバーナム「ティヌス」の管理
ビバーナム「ティヌス」の苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ビバーナム「ティヌス」の水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日に1回、暑い夏は1日1~2回、寒い冬は、完全に乾かないように、2~3日に1回ぐらいが目安になります。
つぼみができてから花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると。つぼみや花が傷みます。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ビバーナム「ティヌス」は、日当たりのよい場所で管理します。日差しが強く暑い夏は、西日が当たらない半日陰で、葉焼けを防ぎます。
耐寒性は強く、ー10℃ぐらいまで大丈夫です。
ビバーナム「ティヌス」の育て方のポイント
- 日当たり、風通しがよい場所で育てる。夏は西日が当たらない半日陰。
- 用土は市販の培養土。作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3で配合。
- 水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は、春先、花後のお礼肥え、秋に緩効性化成肥料を置き肥。
- 植え付け・植え替えは、春と秋が適しています。
ビバーナム「ティヌス」は特別な育て方はなく、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、植え替えをします。
剪定は、花が咲き終わった後に、伸びすぎた枝や樹形を乱す枝を切ります。
肥料は、2月~3月頃の春先、花が咲き終わった後、涼しくなり始めた秋に、緩効性化成肥料を与えます。
ビバーナム「ティヌス」の今後
4月19日に、ビバーナム「ティヌス」の苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは簡単ですが、夏越しが難しいです。
ビバーナム「ティヌス」の今後の様子はこの記事を更新します。
花が咲き終わった後ですので、次の目標は、美しい実を楽しむことです。つぼみがありますので、花が咲く可能性があります。
夏越し、秋の美しい実、冬越しなど、1年間の育てる様子を記録します。
更新しました。
ビバーナム「ティヌス」の花
5月11日、撮影。
ビバーナム「ティヌス」の苗木を鉢に植え付け・植え替えしてから、3週間が経過しました。
芽吹いて、葉の数が増えて、順調に成長しています。
先端に芽吹いた新しい葉は大きく、株元の方は日当たりが悪くなった影響です。
5月17日、撮影。
ビバーナム「ティヌス」の花が咲きました。
花が咲き終わった苗木でしたが、小さなつぼみが開花して、花を見ることができましたので、大満足です。
つぼみがピンク色ですが、花びらの外側になります。
ビバーナム「ティヌス」の苗木を鉢に植え付け・植え替えしてから、1ヶ月が経過。
花が満開になりました。
ビバーナム「ティヌス」の花が終わりました。花が咲いている期間は、長くないです。
結実すれば、秋に青紫色の実を楽しめますので、花がら摘みは、しません。
苗木のときに、咲き終わっていた
花が結実して
実がなっています。
実の数が少ないことが残念です。
3個ある実の状態は、1個はキレイですが、残りの2個はよくないです。
ビバーナム「ティヌス」のお礼肥え
ビバーナム「ティヌス」は、2月~3月頃の春先、
花が咲き終わった後、涼しくなり始めた秋に、緩効性化成肥料を与えます。
花が咲き終わりましたので、お礼肥えを与えます。
チッソ10、リン酸10、カリ10、クド1で、ホームセンターや園芸店で販売されている普通の肥料です。
肥料の袋に記載されている使用量を確認して、適切な量を与えます。
ビバーナム「ティヌス」は、3.5号(直径10.5センチ)の鉢ですので、4粒ぐらいになります。
ビバーナム「ティヌス」に3粒の
肥料を置き肥で与えました。
肥料は少なく与えて、様子をみるとよいです。
成長が悪かったり、葉の全体が緑色が薄く、黄色に変色したりして、
肥料が不足しているようであれば、追肥をします。
ビバーナム「ティヌス」の剪定
ビバーナム「ティヌス」は、
花が咲き終わった後に、伸びすぎた枝や樹形を乱す枝を切る
剪定をします。
苗木のときに咲き終わっていた
花の
実は、青紫色になっています。
ビバーナム「ティヌス」は、実を楽しむことができますので、実が付いている枝は剪定をしないで、残します。
枝の付け根の節を1つ残しました。新芽が芽吹けば、枝が増えます。
ビバーナム「ティヌス」は、枝を減らしたので、スッキリしました。
ビバーナム「ティヌス」を
6月12日に
剪定しました。
剪定した枝を挿し穂に使い、挿し木をするために適した時期になります。
ビバーナム「ティヌス」の挿し木については、別の記事で詳しく書きましたので、参考にして下さい。
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取り木の方法について、別の記事で詳しく書きました。
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