エレモフィラ「グラブラ」は、ゴマノハグサ科エレモフィラ属の常緑低木です。(ハマジンチョウ科に分類されることがあります。)
学名は、Eremophila glabraで、オーストラリアが原産地になります。
花の咲く時期は、3月~5月頃で、花の色は、黄色と橙色、赤色があります。花の形は筒状の唇形で、直径が1センチぐらい、長さが2~3センチ、上唇が浅く4裂しています。
葉や枝は、白い毛に覆われている白銀色ですので、1年中、美しい姿が楽しめます。
5月上旬に、園芸店で、花が咲き終わったエレモフィラ「グラブラ」の苗木が、販売されていましたので、購入しました。
花が咲くまで、1年近くありますが、美しい葉と枝を楽しみながら育てます。
エレモフィラ「グラブラ」の苗木
エレモフィラ「グラブラ」の苗木のラベルで、
花の色や形を確認して購入しましょう。
ラベルは文字が金色で豪華ですが、
花の写真がありません。
花の色が分からないので、残念です。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単な説明があります。
Eremophila
エレモフィラ・グラブラ
原産地/オーストラリア
開花時期/春~初夏
栽培のポイント
乾燥に強く、加湿を嫌いますので、土の表面が乾いたら、鉢底から水がしみる程度にお水をあげてあげましょう。冬場のお水やりは天気の良い午前中にあげると良いでしょう。肥料は緩効性肥料を月に一回あげると良いでしょう。
エレモフィラ「グラブラ」の苗木の樹高は、12センチぐらい。
大きく成長すると1~2メートルになります。
直径7.5センチ、2.5号のビニールポットに植えられています。
黄色に変色したり、枯れたりした葉が少なく、萎れてなく元気がよい葉の苗木を選ぶとよいです。
エレモフィラ「グラブラ」の苗木に、緑色のキレイな
実があります。
種ができたら、種まきにチャレンジします。
エレモフィラのいろいろな品種
左の鉢は、紫色の花で、銀白色の葉が特徴のエレモフィラ「ニベア」。人気が高い樹になります。
花や葉の形が大きく異なりますので、同じエレモフィラであることは分かりにくいです。葉が、白い毛に覆われている白銀色であることが同じです。
黄色の花が咲くエレモフィラ「ゴールドラッシュ」は、「グラブラ」と花の形が、とてもよく似ています。
「ゴールドラッシュ」は冬に花が咲きますので、春に咲く「グラブラ」と時期が異なります。
「スイートルビー」と花の形が似ていますが、葉の特徴が大きく異なります。花が咲く時期は同じです。
関連記事
冬に黄色の花が咲く「ウィンターゴールド」は、あまり似ていません。
エレモフィラ「グラブラ」の小さな鉢植え
エレモフィラ「グラブラ」は、樹高が1~2メートルぐらいまで成長する常緑性低木です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
ビニールポットのままの状態で、鉢に入れると、植え付け・植え替えしたときの雰囲気が確認できます。
エレモフィラ「グラブラ」を小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、エレモフィラ「グラブラ」を元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは3号(直径9センチ)、CSM-90になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、エレモフィラ「グラブラ」を小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、最適な環境で育てることができます。
準備したスリット鉢の直径9センチと3号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の3号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは7.5センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入してあります。左から2.5号(直径7.5センチ)、3号(直径9センチ)、3.5号(直径10.5センチ)。
苗木を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
100均の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。花が咲いている時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段はスリット鉢のまま育てます。
苗木の樹高と鉢のサイズのバランスは問題ないようです。
エレモフィラ「グラブラ」の用土
エレモフィラ「グラブラ」は、水はけよい用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土に、赤玉土の小粒を2割ぐらい配合して、水はけをよくした用土が適しています。
作る場合は、赤玉土の小粒とピートモス(酸度調整済)、パーライトを5:2:3の割合で混ぜた基本の用土が適しています。
ピートモスの代わりに腐葉土、パーライトの代わりに軽石の小粒を使いました。
赤玉土と
腐葉土、
軽石が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけがよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
エレモフィラ「グラブラ」は、多湿に弱く、根腐れしやすいですので、鉢底石を敷くことをおすすめします。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目ぐらいまで用土を入れました。植え付け・植え替えのときに、株元の高さを確認して調整します。
植え付け・植え替えは、根が乾かないように、手際よく作業したいですので、最初に鉢の準備をします。
エレモフィラ「グラブラ」の植え付け・植え替え
エレモフィラ「グラブラ」の苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
エレモフィラ「グラブラ」の植え付け・植え替えに適した時期は、春の3月~5月と秋の9月~10月になります。
春に花が咲きますので、秋の植え付け・植え替えがおすすめです。
ビニールポットから取り出す
最初に、ビニールポットの底を確認します。
底の穴から根がたくさん出ていますと、ビニールポットから取り出すことができません。
無理に取り出しますと、根が切れますので、穴から伸びた根はハサミで切ります。
エレモフィラ「グラブラ」の苗木を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を、指先でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
エレモフィラ「グラブラ」の苗木をビニールポットから取り出すことができました。
エレモフィラ「グラブラ」の根鉢
エレモフィラ「グラブラ」の苗木をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
エレモフィラ「グラブラ」の根鉢の状態を確認すると、根の量が多いです。
白い根は新しく、茶色の根は古く、黒い根は腐敗しています。
底で根が巻くサークリング現象が起き、根詰りに近い状態です。花が咲き終わった後ですが、植え付け・植え替えをする必要があります。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
エレモフィラ「グラブラ」は、根が繊細で弱く、傷つけると枯れる原因になりますので、根鉢をあまり崩さないで、植え付け・植え替えをします。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。
竹串を使って、幹の周りを丁寧に、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
ピンセットで先端が根元の位置になります。
苗木は、倒れることを防ぐために
深植えされていることが多く、
エレモフィラ「グラブラ」の苗木は、
根元が2.5センチぐらい土の中に埋まっていました。
上向きに伸びる
根など、向きが悪い
根をハサミで切ります。
根元が見えるまで、根鉢の表面の土を崩すと、根鉢の高さが小さくなりました。
根鉢の底は、
根が固まった状態で、
植え付け・植え替えをすると、
根の成長がよくありませんので、軽く崩します。
根鉢の底を
竹串を使って崩します。底で巻いている
根をほぐします。
根は外側が多いですが、内側は土があり、根が少ないです。
根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。
枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、不要な根は取り除きます。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩した
エレモフィラ「グラブラ」を
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
少し離れて見ることで、バランスがよく
植え付け・植え替えできているか?確認できます。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。
鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、腐葉土を入れずに、赤玉土と軽石の小粒だけの用土にしました。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。
赤玉土や軽石は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
スリット鉢の
段差より少し下まで
用土を入れます。
仕上げに、表面の土は軽石を敷きます。
軽石は固く、水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
エレモフィラ「グラブラ」の苗木を鉢に
植え付け・植え替えをすることができ、
小さな鉢植えが完成しました。
鉢カバーに入れると、立派な鉢植えになります。
エレモフィラ「グラブラ」の管理
エレモフィラ「グラブラ」の苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
エレモフィラ「グラブラ」の水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日に1回、暑い夏は1日1~2回、寒い冬は、完全に乾かないように、2~3日に1回ぐらいが目安になります。
つぼみができてから花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると。つぼみや花が傷みます。
エレモフィラ「グラブラ」は、乾燥に強く、多湿に弱い特徴があります。
梅雨時期などの長雨に当たると、根腐れの原因になりますので、軒下など、雨の当たらない場所で管理します。
水を与え過ぎると、根腐れで枯れることがありますので、注意が必要です。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
エレモフィラ「グラブラ」は、日当たりのよい場所で管理します。日差しが強く暑い夏は、西日が当たらない半日陰で、葉焼けを防ぎます。
耐寒性は弱く、0℃以下にならないように管理します。葉が傷まないように、冷たい風や霜が当たらない場所で管理します。
寒さが厳しい地域は、室内で保護すると安心できます。
支柱で支える
植え付け・植え替えをした後は、根が張っていませんので、風が強く吹くと倒れることがあります。
深植えされていた幹を地表に出したので、倒れやすい状態です。支柱で支えることで、安心して育てることができます。
小さな鉢植えですので、竹串を支柱として使うことができます。
幹を挟むように、2本の竹串を鉢の底まで深く挿します。
幹を竹串に、ビニールタイを使って固定します。
雨よけ・霜よけで保護する
エレモフィラ「グラブラ」は、耐寒性は0℃以上ですので、葉が傷まないように、積雪や霜から保護する必要があります。
多湿を嫌いますので、梅雨時期などの長雨に当てないように管理します。
育苗トレーに100均のU字型支柱で作った簡易ビニールハウス。ビニールは100均のテーブルクロスです。
雨や霜から花や葉を保護できますので、花持ちがよくなります。
製作した様子を詳しく書いた記事があります。
関連記事
ビニールハウスのように密閉していないので、通気性があります。
開閉できますので、普段は風通しのよい環境になります。
エレモフィラ「グラブラ」は、多湿を嫌いますので、
雨よけがあると便利です。
白い毛に覆われている白銀色の葉は、長期間、雨に濡れると、黒く汚れますので、注意が必要になります。
花がら摘みをする
エレモフィラ「グラブラ」の苗木には、
花が咲き終わり、
花のガクの部分が残っています。
花がら摘みは、萎れた
花を取り除くことですが、ガクも取り除いたほうがよいです。
カビ(糸状菌)によって引き起こされる伝染性の病気である灰色かび病の原因になりますので、萎れた花は、小まめに花がら摘みをします。
結実して、種を作ろうとすると、株が弱りますので、花がら摘みは、小まめにすることが必要です。
ガクは、花びらの外側にある部分で、1枚1枚を萼片(ガクヘン)と呼び、
花を支えたり、保護したりする働きがあります。
ガクは小さいですので、ピンセットを使って、取り除くとよいです。
エレモフィラ「グラブラ」の
小さな鉢植えは、キレイな状態になりました。
エレモフィラ「グラブラ」の育て方のポイント
- 日当たり、風通しがよい場所で育てる。夏は半日陰。
- 用土は市販の培養土に、赤玉土を2割ぐらい配合して、水はけをよくする。
- 水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は、春と秋に緩効性化成肥料を置き肥。
- 植え付け・植え替えは、春と秋が適しています。
エレモフィラ「グラブラ」は特別な育て方はなく、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、植え替えをします。
耐寒性が弱く、0℃までですので、寒い冬は室内で管理すると安心できます。
エレモフィラ「グラブラ」の今後
5月6日に、エレモフィラ「グラブラ」の苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは簡単ですが、夏越しが難しいです。
エレモフィラ「グラブラ」の今後の様子はこの記事を更新します。
花が咲き終わった後ですので、次の目標は、多湿が苦手ですので、梅雨時期の管理になります。
夏越し、冬越しなど、1年間の育てる様子を記録します。
いろいろな品種のエレモフィアを育てています。
関連記事
関連記事
0 件のコメント :
コメントを投稿