ブラシノキは、フトモモ科マキバブラシノキ属(カリステモン属)の常緑性低木です。オーストラリアやニューカレドニアが原産地になります。
学名は、Callistemonで、ハナマキやカリステモン、キンポウジュ(金宝樹)、ボトルブラッシュ、ボトルブラシと呼ばれることがあります。
花が咲く時期は5月~6月頃で、ビンを洗うブラシに似た花が咲くことが大きな特徴です。
よく利用する激安園芸店で、ブラシノキの苗木が販売されていましたので、購入して育てます。
ブラシノキの苗木
ブラシノキの苗木のラベルで、
花の色や形を確認して購入しましょう。
「Callistemon citrinus」と記載されていますので、カリステモン・キトリヌスになります。和名がハナマキで、金宝樹(キンポウジュ)の別名があります。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単な説明があります。
生育温度 ー3℃~35℃
生育適温 15℃~25℃
お手入れ方法
用 土:排水性が良ければ、土質は選びません。
肥 料:春先と開花後に市販の緩効性肥料を与えてください。
水やり:鉢土の表面が乾いたら水を与えてください。
水切れに注意してください。
成長すると1~3メートルになりますので、庭植え(地植え)する場合は、スペースが必要になります。
直径10.5センチ、3.5号のビニールポットに植えられています。
花が咲く可能性が高く、よいタイミングで購入できました。葉の状態も良く、よい苗木です。
幹の太さは、直径1センチぐらいと太く、2つに分かれた双幹の樹形です。
2本の幹の太いほうは、直径6ミリぐらいあります。
ブラシノキの小さな鉢植え
ブラシノキは、樹高が1~3メートルぐらいまで成長する常緑性低木です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
苗木をビニールポットのまま、鉢に入れると植え付け・植え替えしたときの雰囲気が確認できます。
ビニールポットと同じくらいの大きさの鉢に植え付けます。
ブラシノキを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、ブラシノキを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは4号(直径12センチ)、CSM-120になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ブラシノキを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、ブラシノキを最適な環境で育てることができます。
準備したスリット鉢の直径12センチと4号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の4号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは10センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入してあります。左から3.5号(直径10.5センチ)、4号(直径12センチ)、4.5号(直径13.5センチ)
苗木を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
テラコッタ鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。花が咲いている時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段はスリット鉢のまま育てます。
テラコッタ鉢は、イタリアなどで生産される素焼きの鉢になります。サイズが日本の号数と異なりますので、鉢カバーとして使うことができます。
鉢カバーに入れると、立派な
鉢植えになります。
ブラシノキの用土
ブラシノキは、水はけよい用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を7:3の割合で混ぜた基本の用土が適しています。
赤玉土と
腐葉土が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、
水はけがよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目ぐらいまで用土を入れました。植え付け・植え替えのときに、株元の高さを確認して調整します。
植え付け・植え替えは、根が乾かないように、手際よく作業したいですので、最初に鉢の準備をします。
ブラシノキの肥料
ブラシノキは、3月頃と花が終わった後にお礼肥えとして、緩効性化成肥料を置き肥で与えます。
つぼみがあり、花が咲きますので、植え付け・植え替えをするときに、緩効性化成肥料を元肥として与えることにしました。
元肥は、苗木を植え付け・植え替えをするときに、用土に施す肥料のことです。
N(チッソ)、P(リン酸)、K(カリ)が5:8:5と、P(リン酸)が多めの花が咲く植物用の肥料です。
5:8:5で合計18、合計の数字が30未満ですので、低度化成肥料になります。30以上は高度化成肥料です。
強くありませんので、気軽に使うことができる肥料になります。
数字が大きいほうが得した気分になりますが、肥料に弱い植物がありますので、注意が必要です。
肥料は説明書をよく読み、適量を与えましょう。
100均のマドラースプーンに1杯で3グラム、少量の肥料を元肥として用土に混ぜます。
肥料の説明書の1株当たりの元肥の8グラムより少ないです。
肥料は少なく与えて、葉が黄色になったり、成長が悪かったりして、足りない場合は追肥します。
用土の上に
肥料を入れました。
根に肥料が直接、触れるとよくないですので、ピンセットを使って、軽く混ぜます。
肥料と
用土を軽く混ぜて、
元肥を施しました。
ブラシノキの植え付け・植え替え
ブラシノキの苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ブラシノキの植え付け・植え替えに適した時期は、4月中旬~9月になります。暑さが厳しい真夏は避けたほうがよいです。
ビニールポットから取り出す
最初に、ポットの底を確認します。
底の穴から根がたくさん出ていますと、ポットから取り出すことができません。
無理に取り出しますと、根が切れますので、穴から伸びた根はハサミで切ります
ブラシノキの苗木を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指で押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ブラシノキの苗木をビニールポットから取り出すことができました。
ブラシノキの根鉢
ブラシノキの苗をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
ブラシノキの根鉢の状態を確認すると、根鉢の状態は、根の量が多く、根詰りに近い状態です。
白い根は新しく、茶色の根は古く、黒い根は腐敗しています。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に
植え付け・
植え替えすることが基本です。
つぼみがあり、花が咲く直前ですので、根鉢をあまり崩さないほうがよいです。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。
ピンセットを使って、
根鉢の表面の土を崩し、土を取り除きました。
竹串を使って、幹の周りを丁寧に、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
上向きに伸びている
根をハサミで切ります。
苗木は、倒れることを防ぐために
深植えされていることが多く、
ブラシノキの苗木は、
根元が2センチぐらい土の中に埋まっていました。
根元が見えるまで、根鉢の表面の土を崩すと、根鉢の高さが小さくなりました。
根鉢の底は、
根が固まった状態で、
植え付け・植え替えをすると、
根の成長がよくありませんので、軽く崩します。
太い根がありますので、短く切ります。
根鉢の底を竹串を使って崩します。底で巻いている根をほぐします。
底の土と
根を軽くほぐしまして、太い
根を切りました。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
根鉢をたくさん崩すと、枯れることが心配になりますが、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、大丈夫です。
枯れる原因は、根詰りによる根腐れが多いですので、不要な根は取り除きます。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩した
ブラシノキを
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
少し離れて見ると、バランスよく
植え付け・植え替えできているか?確認できます。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。
鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、赤玉土の小粒だけの用土にしました。
根の間に
用土が隙間なく入るように
竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
スリット鉢の段差より少し下まで用土を入れます。
仕上げに、表面の土は
軽石を敷きます。
軽石は固く、水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
水流が強い散水ノズルで
水遣りしても、
赤玉土の粒が崩れることがありません。
ブラシノキの苗木を鉢に
植え付け・植え替えをすることができました。
深植えされていましたので、少し樹高が高くなりました。つぼみがありますので、風が強く吹くと倒れることがあります。
スリット鉢はプラスチック製で軽いですので、テラコッタ鉢の鉢カバーを使うと、倒れにくくなります。
ブラシノキの管理
ブラシノキの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ブラシノキの水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日に1回、暑い夏は1日1~2回、寒い冬は、完全に乾かないように、2~3日に1回ぐらいが目安になります。
つぼみができてから花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると。つぼみや花が傷みます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ブラシノキは、日当たりのよい場所で管理します。日陰でも枯れることはありませんが、花つきが悪くなります。
日差しが強く暑い夏は、西日が当たらない半日陰で、葉焼けを防ぎます。
耐寒性は、普通ですので、葉が傷まないように、冷たい風や霜が当たらない場所で管理します。
寒さが厳しい地域は、室内で保護すると安心できます。
ブラシノキの育て方のポイント
- 日当たり、風通しがよい場所で育てる。
- 用土は市販の培養土。作る場合は赤玉土と腐葉土を7:3で配合。
- 水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は、春と花後に緩効性化成肥料を置き肥。
- 植え付け・植え替えは、4月中旬~9月が適しています。
ブラシノキは特別な育て方はなく、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、植え替えをします。
ブラシノキの今後
5月5日に、ブラシノキの苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは簡単ですが、夏越しが難しいです。
ブラシノキの今後の様子はこの記事を更新します。
最初の目標は、美しい花を咲かせることです。つぼみがありますので、水切れだけに注意すれば、花が咲きます。
更新しました。
ブラシノキの花
5月21日、撮影。
ブラシノキの苗木を鉢に、植え付け・植え替えをしてから、2週間が経過しました。
状態がよく、順調に育てることができています。
ブラシノキの
つぼみが膨らみ始めました。赤色の
花びらが見えています。
ブラシノキの
花が咲き始めました。
枝に並ぶように付いている
つぼみの下の方から、
花が咲いています。
ブラシノキの
花は、鮮やかな赤色が、とても美しいです。
5月25日、撮影。
ブラシノキが、満開になりました。
ブラシノキの別名である「金宝樹」。名前の由来である花糸の先の金色(黄色)が、赤色によく似合います。
ブラシノキの美しい
花を楽しむことができました。
ブラシノキの花がら摘み
6月8日、撮影。
ブラシノキの花が終わり、萎れています。
つぼみが膨らみ、開花して、満開になり、花が萎れるまでの期間は10日間ぐらいでした。
見た目が悪く、病害虫の原因になりますので、取り除くことをおすすめします。
花びらが散ると、掃除をする必要がありますので、散る前に取り除きました。
花がら摘みは、
花が終わり、
結実して種を作ることで樹が弱ることを防ぎます。
花をキレイに取り除く必要があります。
ブラシノキの種ができるか?確認するために、ガクを残しました。
花がら摘みは、ガクまで取り除く必要があります。
ブラシノキの剪定
ブラシノキの樹高は、40センチ以下です。
ブラシノキの
剪定に適した時期は、新梢が伸び始める前の3月上旬です。
花が咲き終わった6月は、剪定の時期ではありませんが、コンパクトな小さな鉢植えで育てますので、剪定してみることにしました。
先端に葉がありますので、この部分から芽吹くと、樹高が大きくなります。
細い枝ですので、
剪定することで、枯れる心配はありません。
株元にある細い枝は、付け根でハサミで切り、
剪定しました。
ブラシノキを
剪定することで、樹高が小さくなり、スッキリしました。
花が咲いていた枝を1本だけ残しました。来シーズンに、どのように芽吹くか?確認するためです。
剪定した枝を捨てることは、もったいないですので、挿し木にチャレンジしました。
ブラシノキの挿し木について別の記事で詳しく書きましたので、参考にして下さい。
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取り木の様子は、別の記事で詳しく書きました。
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次の更新は、夏越しの様子を予定しています。
更新しました。
ブラシノキの夏越し後の秋の様子
11月5日、撮影。
ブラシノキの小さな鉢植えは、暑さが厳しい夏でも日当たりの良い場所で管理しましたが、葉焼けすることなく、夏越しできました。
葉の色が少し薄くなっているぐらいです。ブラシノキの夏越しは、簡単であることが確認できました。
11月になり、九州地方の福岡県でも、朝晩は冷え込むようになりました。
根元の葉が赤色に色づいています。紅葉だろうか?古い葉が枯れているだけ?
もっと寒くなり、全体が赤色に色づくようであれば、紅葉になります。
ブラシノキの実
ブラシノキの
種を作るために、
花がら摘みをしないでガクを残し、
剪定をしなかった枝。
3個だけ実ができています。ブラシノキの実は、ずっと枝に付いたまま状態です。山火事で、周りの植物がなくなると、種を散布します。
しばらく様子をみて、実を採取して、中に種があるか?確認します。
次の更新は、ブラシノキの冬越しの様子を予定しています。
いろいろなフトモモ科の植物を育てています。
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