ポットカーネーションは、カーネーションを鉢植えに適したサイズになるように改良された園芸品種。
実生系と栄養系の品種がありますが、栄養系の品種が、ホームセンターや園芸店で、販売されていることが多いです。
特徴は、普通のカーネーションより、節の間隔が小さく、葉が密に茂り、草丈が10~30センチと小さく、つぼみが丸く膨らみ、たくさんの花が咲くことです。花の色は、赤色とピンクが主流になります。
カーネーションは、ナデシコ科ナデシコ属(ダイアンサス属)の常緑性多年草です。南ヨーロッパや西アジアが原産地になります。
学名は、Dianthus caryophyllusで、オランダセキチクやジャコウナデシコ、クローブピンクなどと呼ばれることがあります。
花が咲く時期は、四季咲き性で、4月~6月がよく咲きます。
ホームセンターで、花が終わりかけたポットカーネーションの苗が、安く販売されていましたので、購入しました。
4月下旬ですので、切り戻しをすれば、花が咲く時期です。小さな鉢植えで、ポットカーネーションの美しい花を楽しみます。
ポットカーネーションの苗
ポットカーネーションの苗のラベルで、花の色や形を確認して購入しましょう。
花が咲いている苗ですので、現物を確認して購入することができました。花の色はローズになります。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単に説明が記載されています。
Dianthus
栄養系・多年草ナデシコ
ダイアンサス
花つきが非常に良く色が鮮やかです。
徒長枝にくく、しっかりとした株も特徴です。
存在感があり単独でも、また寄せ植えの素材としても最適です。
開花期:4月~11月 ※主に春と秋
草 丈:10~25cm
用 途:地植え、鉢植え
置き場:日当り、風通し良好な場所 ※真夏は半日陰
水やり:表土が乾いたらタップリ
肥 料:春と秋に固形肥料を適量与えて下さい
ポットカーネーションの苗の
草丈は、10センチぐらい。
花は、
葉と同じくらいの高さで咲きます。
直径10.5センチ、3.5号のプラスチック製のポットに植えられています。
ポットカーネーションの花がら摘み
萎れた花は、種を作ろうとしますので、株が弱ります。株が弱らないように、萎れた花を取り除く花がら摘みをします。
ポットカーネーションは、花茎を伸ばして先端に花が咲きますので、花茎の付け根をハサミで切ります。
花茎の付け根に、
つぼみがあることがありますので、傷つけないように注意します。
萎れた花を取り除き、キレイな状態になりました。
日当たりがよくなり、次の花が咲きやすくなりますので、こまめに花がら摘みをします。
ポットカーネーションの切り戻し
ポットカーネーションは、茎を伸ばして先端に
花が咲きます。
花が咲き続けると、草丈が大きくなりますので、切り戻しをします。
茎を
葉の少し上で切ると、
葉の付け根から新芽が芽吹きます。
ポットカーネーションは、コンパクトな株でも、たくさん
花が咲きますので、
切り戻しをして、バランスがよくなるようにします。
苗の状態がよくなりました。
花が一通り咲き終わった梅雨前と秋に、草丈が半分になるくらいまで、切り戻しをします。株が混んでいる場合は、茎を根元で切り、風通しをよくすることで、確実に、夏越しや冬越しができます。
ポットカーネーションの小さな鉢植え
ポットカーネーションは、草丈が20~30センチぐらいまで成長する常緑性多年草です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
ポットカーネーションを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、ポットカーネーションを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは3号(直径9センチ)、CSM-90になります。ポットカーネーションの苗は、3.5号(直径10.5センチ)ですので、2つに株分けします。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ポットカーネーションを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、ポットカーネーションを最適な環境で育てることができます。
準備したスリット鉢の直径9センチと3号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の3号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは7.5センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入してあります。左から2.5号(直径7.5センチ)、3号(直径9センチ)、3.5号(直径10.5センチ)
苗木を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
100均の3号(直径9センチ)の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。花が咲いている時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段はスリット鉢のまま育てます。
ポットカーネーションの用土
ポットカーネーションは、水はけ(排水性)がよい用土が適していますので、ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土に、1~2割ぐらい鹿沼土や山砂を混ぜると水はけがよくなり最適です。
作る場合は、赤玉土と腐葉土、鹿沼土を5:3:2の割合で混ぜた用土を使います。
赤玉土と
腐葉土、
鹿沼土が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけがよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目ぐらいまで用土を入れました。植え付け・植え替えのときに、株元の高さを確認して調整します。
ポットカーネーションの生育期間中の適正な土壌は、pHが6.5前後ですので、酸性の土壌を嫌い、弱アルカリ性を好みます。
日本の土壌は酸性ですので、有機石灰や苦土石灰を使って、中和するとよいです。
苦土石灰は、
植え付け・
植え替えをする10日前ぐらいに混ぜてから使用します。
事前に準備が必要になります。
有機石灰は、効果がゆっくりですが、
植え付け・
植え替えをするときに、混ぜることができますので、簡単に使えます。
100均のマドラースプーンに半分ぐらいの有機石灰を用土に混ぜます。小さじより小さいですので、1杯で3グラムになります。
説明書では、「1㎡あたり150g」と記載されています。
鉢は直径9センチですので、面積は
0.045×0.045×3.14=0.006358…となり、およそ0.01㎡で、100分の一である1.5グラムぐらいが適量になります。
有機石灰で、
用土を中和します。
植え付け・植え替えは、
根が乾かないように、手際よく作業したいですので、最初に鉢の準備をします。
ポットカーネーションの植え付け・植え替え
ポットカーネーションの苗を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串、食器のナイフです。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ポットカーネーションの植え付け・植え替えに適した時期は、春の3月~5月と秋の10月~11月になります。
ポットから取り出す
最初に、ポットの底を確認します。
底の穴から根がたくさん出ていますと、ポットから取り出すことができません。
無理に取り出しますと、根が切れますので、穴から伸びた根はハサミで切ります。
鉢と土の隙間にナイフを入れ、そのまま1周させます。
根詰まりしていますと、ナイフを1周させることができませんので、一度抜き、別の場所に入れます。
園芸用の専用の道具である「植え替えナイフ」「スパチュラ」がありますが、食器のナイフで代用できます。
ステンレス製ですので、さびにくく、強度があります。
ポットカーネーションの苗を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ポットカーネーションの苗をポットから取り出すことができました。
ポットカーネーションの根鉢
ポットカーネーションの苗をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
ポットカーネーションの根鉢の状態を確認すると、根の量は多く、細い根になります。
白い根は新しく、茶色の根は古く、黒い根は腐敗しています。白い根が多いですので、状態はよいです。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れ、汚れますので、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
竹串を使って、根鉢の表面の土を崩します。根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
根元より周りの土が高くなっていることが多いですので、根元が一番高くなるように根鉢の肩の土を崩します。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
ポットカーネーションの株分け
ポットカーネーションの根鉢をよく見ると、2つに株分けできそうです。
株分けすることで、風通りがよくなり、株が元気に成長します。
竹串を使って、根鉢を2つに分けます。根鉢の側面を崩します。
竹串は素材が竹ですので、適度な硬さで根を傷つけにくく、使いやすいです。
根を傷つけないように注意して、
根鉢を2つに分けます。
できるだけ
根を切らないように、ゆっくり、少しずつ、
根鉢を分けます。
根が少し切れましたが、株分けすることができました。左の大きな株と右の小さな株の2つに、株分けすることができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
大きな株を鉢に植え付け・植え替えします。長く伸びた根はハサミで切りました。
用土を入れて準備した鉢に、根鉢を崩して株分けしたポットカーネーションの大きな株を入れます。
段差まで用土を入れますので、根元の位置を確認します。高い場合は、用土を減らします。低い場合は用土を増やします。
根鉢と鉢の間に隙間がありますので、苗の周りに
用土を入れます。
用土に隙間ができないように、竹串で突きます。赤玉土や鹿沼土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
仕上げに、表面の土は軽石を敷きます。軽石は固く、水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
雨や水遣りで土が跳ねて、葉に付着しますと、病気の原因になりますので、表面の土を軽石にするとよいです。
ポットカーネーションの植え付け・植え替えが終わり、小さな鉢植えが完成しました。
ポットカーネーションの管理
ポットカーネーションの苗を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ポットカーネーションの水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
葉や花に水がかからないように、水差しで、直接、土に水を与えます。
春と秋は1日に1回、暑い夏は1日1~2回、寒い冬は3~4日に1回ぐらいが目安になります。
つぼみができてから花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると。つぼみや花が傷みます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ポットカーネーションは、日当たりのよい場所で管理します。日当たりが悪いと花が咲きません。
葉が密集していますので、カビなどが原因で、病気が発生しやすいです。風通しの良い場所で管理して、梅雨時期など雨が続くときは、雨が当たらないように、軒下などで管理します。
暑い夏は、日差しが強いですので、風通しのよい半日陰で管理、寒い冬は、冷たい風が当たらない場所で管理します。
ポットカーネーションの育て方のポイント
- 日当たり、風通しがよい場所で育てる。夏は半日陰。
- 用土は普通の培養土に、鹿沼土を1~2割混ぜる。作る場合は、赤玉土と腐葉土、鹿沼土を5:3:2で配合。
- 水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は開花期に緩効性化成肥料を置き肥で与えます。
- 植え付け・植え替えは、3~5月と10月~11月が適しています。
ポットカーネーションは特別な育て方はなく、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、植え替えをします。根詰りすると、つぼみが開花できずに枯れたり、下の方の葉が枯れたりします。
株が込み合ってきたら、植え替えのときに株分けをするとよいです。
ポットカーネーションの今後
4月28日に、ポットカーネーションの苗を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは簡単ですが、夏越しが難しいです。
ポットカーネーションの今後の様子はこの記事を更新します。1年間の育てる様子を記録します。
同じナデシコ科ナデシコ属(ダイアンサス属)のナデシコも育てています。
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