フレンチラベンダーは、シソ科ラバンデュラ属の常緑性低木です。地中海沿岸が原産地になります。
学名は、Lavandula stoechasで、ストエカスラベンダーやイタリアンラベンダーと呼ばれることがあります。
フレンチラベンダーの特徴は、ウサギの耳のように見える花穂の先端についている葉です。
緑色でなく、白色や紫色ですので、葉であることが分かりにくく、長細い花びらに見えます。
花が咲く時期は5月~7月で、花の色は、紫色、青色、ピンク色、白色と豊富です。
耐暑性・耐寒性があるラベンダーですので、蒸れ対策をすれば、夏越しでき、毎年、美しい花を楽しむことができます。
4月中旬に園芸店で、フレンチラベンダーの苗木が安く販売されていましたので、購入しました。
美しい花を楽しみ、夏越し・冬越しにチャレンジします。
フレンチラベンダーの苗木
フレンチラベンダーの苗木のラベルで、花の色や形を確認して購入しましょう。
ラベルの写真で
花を確認すると。
花の色は濃い紫色で、花序は小さな花が穂状に集まり、穂状花序に花を咲かせます。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単に説明が記載されています。
沢山のお花を咲かせる新しいラベンダーです。
爽やかな香りとかわいいお花が6月頃まで楽しめます。
冬場は霜よけをするとより越冬しやすくなります。
フレンチラベンダーの苗木の
樹高は、15センチぐらいです。
地植えすると大きく成長して、樹高が1メートルぐらいになります。
直径9センチ、3号のビニールポットに植えられています。
枯れたり、黄色に変色したりした葉が少ない苗を選びます。
花が咲いている苗より、つぼみがたくさんある苗は、開花から長く楽しむことができます。
フレンチラベンダーの花は、小さな花が集まって穂状になっています。
先端の白い葉が、フレンチラベンダーの特徴です。
1つ1つの小さな花は、唇状の合弁花で、花びらは5裂しています。唇形で上唇は2裂して下唇は3裂です。
花が咲き始めている苗木です。
左の鉢は、
花が咲き始めたレースラベンダーです。レースのように見える
葉が大きな特徴で、
フレンチラベンダーと見分けることができます。
関連記事
左の鉢は、イングリッシュラベンダーです。小さい品種の長崎ラベンダー「リトルマミー」ですので、コンパクトな樹形です。
長崎ラベンダー「リトルマミー」の育て方について、詳しく書いた記事があります。参考にして下さい。
関連記事
フレンチラベンダーの小さな鉢植え
フレンチラベンダーは耐寒性があります。耐寒温度は、ー5度ですが、霜に当たると傷みますので、保護が必要になります。
耐暑性は強いですが、多湿を嫌いますので、梅雨時期など長雨に当たらないように管理する必要があります。
小さな鉢植えは、簡単に移動でき、置くスペースが小さいですので、寒い冬や梅雨時期の管理しやすいです。
フレンチラベンダーの鉢は、アップルウェアーの
プレステラ105型を使います。
アップルウェアーのプレステラ105型は、ホームセンターや園芸店で10ヶ組で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
プレステラの大きな特徴は、側面から底にスリットが多く設置されていることです。
スリットにより根の先端が光を浴びて、伸びることができなくなります。
鉢の底で根が巻くサークリング現象を防ぎ、根詰りすることなく、用土を有効に利用でき、植物が元気に成長できる鉢です。
小さな鉢植えで、フレンチラベンダーを元気に育てることができ、根詰りを防止しますので、植え替えの頻度も少なくなります。
4つの辺の中央に短い
スリット、合計8ヵ所に設置されています。
1辺に2ヶ所、合計8ヵ所に仕切りがあり、根が鉢の底に沿って伸びることを防ぎます。
スリットだけでなく、仕切りを設置することで、完全に鉢の底で根が巻くことを防ぎます。
段差まで用土を入れると、ウォータースペースができ、水遣りが簡単になります。
プレステラは、生産者向けの商品で、実績がありますので、フレンチラベンダーを健康で丈夫に育てることが期待できます。
デメリットは、デザイン性がよくないことです。プラスチック製の鉢ですが、日本製ですので耐久性が高く、よい鉢です。
プレステラ105型は、1辺9センチぐらいの正方形の鉢です。
鉢の大きさは、普通の円形の鉢の3号(直径9センチ)より、少し大きなサイズになります。
鉢の高さは8センチぐらい。
フレンチラベンダーの用土
フレンチラベンダーは多湿を嫌いますので、水はけ・通気性がよいアルカリ性の用土が適しています。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で大丈夫です。ハーブ用やラベンダー専用の土も販売されています。
用土を作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土、パーライトを5:3:2の割合で配合します。
パーライトの代わりに軽石を使いました。
赤玉土の小粒と
腐葉土、
軽石が均一になるように混ぜます。
鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
フレンチラベンダーは多湿を嫌いますので、蒸れを防ぐために鉢底石を敷くことをおすすめします。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目ぐらいまで
用土を入れました。
植え付け・
植え替えのときに、株元の高さを確認して調整します。
フレンチラベンダーは、地中海沿岸が自生地ですので、酸性の土壌を嫌い、アルカリ性を好みます。
日本の土壌は酸性ですので、有機石灰や苦土石灰を使って、中和するとよいです。
有機石灰は、効果がゆっくりですが、植え付け・植え替えをするときに、混ぜることができますので、簡単に使えます。
苦土石灰は、植え付け・植え替えをする10日前ぐらいに混ぜてから使用します。
100均のマドラースプーンに半分ぐらいの有機石灰を用土に混ぜます。小さじより小さいですので、1杯で3グラムになります。
説明書では、「1㎡あたり150g」と記載されています。
鉢は1辺9センチですので、面積は
0.09×0.09=0.0081となり、およそ0.01㎡で、100分の一である1.5グラムぐらいが適量になります。
有機石灰で、用土を中和します。
フレンチラベンダーの肥料
フレンチラベンダーは、植え付け・植え替えをするときに、緩効性化成肥料を元肥として施します。
元肥は、苗木を植え付け・植え替えをするときに、用土に施す肥料のことです。
N(チッソ)、P(リン酸)、K(カリ)が5:8:5と、P(リン酸)が多めの花が咲く植物用の肥料です。
5:8:5で合計18、合計の数字が30未満ですので、低度化成肥料になります。30以上は高度化成肥料です。
強くありませんので、気軽に使うことができる肥料になります。
数字が大きいほうが得した気分になりますが、肥料に弱い植物がありますので、注意が必要です。
肥料は説明書をよく読み、適量を与えましょう。
100均のマドラースプーンに半分ぐらいの1.5グラム、少量の肥料を元肥として用土に混ぜます。
肥料の説明書の1株当たりの元肥の8グラムより少ないです。
肥料は少なく与えて、葉が黄色になったり、成長が悪かったりして、足りない場合は追肥します。
フレンチラベンダーは花が咲く期間が長いですので、春と秋に肥料を与えます。緩効性化成肥料を月に1回、置き肥、または、月に3回ぐらい、液体肥料を与えます。
肥料と
用土を軽く混ぜて、
元肥を施しました。
植え付け・植え替えは、根が乾かないように、手際よく作業したいですので、最初に鉢の準備をします。
フレンチラベンダーの植え付け・植え替え
フレンチラベンダーの苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
フレンチラベンダーの植え付け・植え替えに適した時期は、春の3月~5月になります。
花が咲く前で、最低気温が5度より高くなる頃がよいです。
ビニールポットから取り出す
最初に、ビニールポットの底を確認します。
底の穴から根がたくさん出ていますと、ビニールポットから取り出すことができません。
無理に取り出しますと、根が切れますので、穴から伸びた根はハサミで切ります。
フレンチラベンダーの苗木を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
フレンチラベンダーの苗木をビニールポットから取り出すことができました。
フレンチラベンダーの根鉢
フレンチラベンダーの苗木をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
フレンチラベンダーの
根鉢を観察すると、
根の量は普通で、
底で根が巻くサークリング現象があります。
白い根は新しく、茶色の根は古く、黒い根は腐敗しています。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に
植え付け・
植え替えすることが基本です。
花が咲いている苗木は、根鉢を崩さないで、植え付け・植え替えをします。
根元の近くにある
葉を
ピンセットを使って、取り除きます。
根鉢の状態のときは、根元がよく見えますので、不要な枝や葉を取り除き、根元が多湿にならないようにします。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れ、汚れますので、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
竹串を使って、根鉢の表面の土を崩して、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
苗木は、倒れることを防ぐために深植えされていることが多く、フレンチラベンダーの苗木は、根元が2センチぐらい土の中に埋まっていました。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
根元が見えるまで、根鉢の表面の土を崩すと、根鉢の高さが小さくなりました。
根鉢の底は、軽く崩すだけにします。
根鉢の底は、水はけが悪く、
根腐れしやすい場所になります。
竹串で、土を取り除き、新しい用土になることで、水はけがよくなり、根腐れの心配がなくなります。
黒色の根は、腐れていますので、取り除きます。
根鉢の底を崩して、固まった根を取り除きました。
フレンチラベンダーの根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩した
フレンチラベンダーを
用土を入れて準備した鉢に入れます。
プレステラの段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差にあるように調整します。
高い場合は、用土を減らし、低い場合は用土を足します。少し低いですので、用土を足しました。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。
根鉢の周りに
用土を入れます。
根鉢の
用土が保水性が高いですので、
赤玉土の小粒だけにしました。
用土に隙間ができないように、
竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
仕上げに、表面の土は軽石にします。軽石は固く、水遣りをしても崩れませんので、キレイな状態が長持ちします。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
雨や水遣りで土が跳ねて、葉に付着しますと、病気の原因になりますので、表面の土を軽石にするとよいです。
フレンチラベンダーの
植え付け・
植え替えが終わり、
小さな鉢植えが完成しました。
フレンチラベンダーの管理
フレンチラベンダーの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
フレンチラベンダーの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
葉や花に水がかからないように、水差しで土に直接、水を与えます。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
フレンチラベンダーは、乾燥に強く、多湿に弱い性質です。水の与えすぎに注意して、梅雨時期など雨の日が続くときは、雨が当たらない場所で管理します。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
フレンチラベンダーは、日当たりのよい場所で管理します。半日陰でも育ちますが、花の数が少なくなります。
暑い夏は、日差しが強いですので、風通しの良い半日陰で管理します。
雨よけ・霜よけで保護する
フレンチラベンダーは、耐寒性はー5度までですが、積雪や霜から保護する必要があります。
多湿を嫌いますので、梅雨時期などの長雨に当てないように管理します。
育苗トレーに100均のU字型支柱で作った簡易ビニールハウス。ビニールは100均のテーブルクロスです。
雨や霜から花を保護できますので、花持ちがよくなります。
製作した様子を詳しく書いた記事があります。
関連記事
ビニールハウスのように密閉していないので、通気性があります。
開閉できますので、普段は風通しの良い環境になります。
フレンチラベンダーは、多湿を嫌いますので、
雨よけがあると便利です。
支柱で支える
植え付け・植え替えをした後は、根が張っていませんので、風が強く吹くと倒れることがあります。
つぼみがたくさんありますので、倒れやすいです。
小さな鉢植えですので、
竹串を
支柱として使うことができます。
2本の
竹串で、幹を挟むようにすると、しっかり固定できます。
深植えされていた幹を地表に出したので、倒れやすい状態です。
支柱で支えることで、安心して育てることができます。
フレンチラベンダーの育て方のポイント
- 日当たり、風通しがよい場所で育てる。
- 耐寒性はー5度、積雪や霜から保護します。
- 用土は普通の培養土、または、赤玉土と腐葉土、パーライトを5:3:2で配合。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は元肥、春と秋に緩効性化成肥料を少量、与えます。
- 植え付け・植え替えは、3月~5月が適しています。
フレンチラベンダーは特別な育て方はなく、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、花が咲き始める前の3月~5月に、植え替えをします。
春の花が咲き終わった5月下旬~6月の梅雨の前に剪定をします。
切り戻しや間引きをすることで、風通しがよくなり、多湿を防ぎますので、夏越しが簡単になります。
水の与えすぎに注意して、乾燥気味で育てます。
フレンチラベンダーの今後
4月18日に、フレンチラベンダーの苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは簡単ですが、夏越しが心配です。
フレンチラベンダーの今後の様子はこの記事を更新します。
最初の目標は、美しい花を咲かせることです。つぼみがたくさんありますので、花が楽しみです。
1年間の育てる様子を記録します。
更新しました。
フレンチラベンダーの花
4月22日、撮影。
フレンチラベンダーの苗木を鉢に植え付け・植え替えしてから、4日が経過しました。
葉が萎れるなどの異常はなく、順調です。
紫色の小さな花が穂状に、たくさん咲いています。
フレンチラベンダーの特徴である花穂の先端にあるウサギの耳のような葉は、白色になります。
4月27日、撮影。
フレンチラベンダーが満開になりました。
樹高が15センチぐらいの小さな鉢植えでも、
花がたくさん咲き、満開の
フレンチラベンダーを楽しむことができました。
フレンチラベンダーの花がら摘み
5月9日、撮影。
フレンチラベンダーの小さな鉢植えは、花が終わり、萎れています。
萎れた花は、種を作ると株が弱ります。
雨に濡れて腐敗すると病害虫の原因になりますので、「花がら摘み」をすることで防ぎます。
「花がら摘み」は、
花をハサミで切り、取り除くだけです。
フレンチラベンダーの剪定
6月4日、撮影。
フレンチラベンダーの小さな鉢植えは、順調です。
6月になり、梅雨入りが近づいていますので、
フレンチラベンダーの
剪定をします。
過湿に弱い性質がありますので、
梅雨入りする前に、剪定をして、風通しをよくします。
フレンチラベンダーの
剪定は、
枝を付け根で切る「透かし剪定」をして、枝を減らします。
フレンチラベンダーは、小さな鉢植えで育てますので、大きくならないように、枝を短く
剪定しました。
樹高は、10センチぐらい、半分ぐらいに小さくなりました。
剪定した枝を挿し穂に使い、
フレンチラベンダーの挿し木にチャレンジしました。
フレンチラベンダーの挿し木について、別の記事で詳しく書きましたので、参考にして下さい。
関連記事
梅雨入り前に、
剪定しましたので、多湿で枯れる心配がありません。
0 件のコメント :
コメントを投稿