ランタナは、クマツヅラ科シチヘンゲ属(ランタナ属)の常緑性低木です。熱帯植物ですので、熱帯のアメリカ、ブラジル、ウルグアイなどが原産地になります。
学名は、Lantanaで、ランタナ・カマラ(Lantana camara)系の園芸品種は、花の色が変化することから、七変化(しちへんげ)と呼ばれることがあります。
花が咲く期間が、5月~10月と長く、丈夫ですので、鉢植えとしてホームセンターや園芸店で販売されています。
耐寒性は、やや弱いですが、関東地方より西の温暖な地域では、屋外で冬越しできます。
寒くなり始めた年末に、ホームセンターで、在庫処分で値引き販売されているランタナの小さな鉢植えを見つけました。
九州地方の福岡県ですので、寒さが厳しくなく、屋外で冬越しできますので、購入しました。
ランタナの苗木
ランタナの苗木のラベルで、
花の色や形を確認して購入しましょう。
「ブルーミファイ」と記載されています。ブルーミファイは、カマラ種の園芸品種になり、不稔性で種を作らないことが大きな特徴です。
種が作らないため、開花に多くのエネルギーを使うことができます。花もちがよくなり、花がたくさん咲きます。
ランタナ(カマラ種)は、繁殖力が強く、侵略的外来生物になります。種がなく、繁殖できないので、環境への悪影響がありません。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単に説明が記載されています。
ランタナ ブルーミファイ
クマツヅラ科 ランタナ属)
学名:Lantana camara
開 花 期 :5~10月
用 途 :花壇、寄せ植え、プランター
日当たり:ひなた
水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えてください。冬期は乾かしぎみに。
肥料
元肥…植え付け時に緩効性肥料を株元に適量
追肥…春から秋にかけて株元に緩効性肥料を少量
育て方のポイント
水はけの良い土に植えてください。種が出来ないので開花が長く続きます。伸びすぎたら切り戻してください。同色系で彩りよい小さなお花がボール状にまとまって、とても可愛い草姿です。
ランタナの苗木の樹高は15センチぐらい。
苗木は小さいですが、地植えすれば、樹高が1.5メートルぐらいまで大きく成長します。
小さいほうが管理が簡単ですので、大きく成長しないように、小さな鉢植えで育てます。
直径12センチ、4号のプラスチック製の鉢に植えられています。
暖かい4月になり、
葉が芽吹き始めましたので、
ランタナの
植え替えをします。
小さな鉢植えで育てますので、伸びすぎた枝を剪定します。
枝の芽吹きの一番下の位置でハサミで切る
切り戻しをしました。
ランタナの小さな鉢植え
ランタナは、樹高が1.5メートルぐらいまで成長する常緑性低木です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
ランタナを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、ランタナを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは3.5号(直径10.5センチ)、CSM-105になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ランタナを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、最適な環境で育てることができます。
準備した
スリット鉢の直径10.5センチと3.5号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、
普通の3.5号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは9センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢は価格が安いので、いろいろな鉢のサイズを購入してあります。左から3号(直径9センチ)、3.5号(直径10.5センチ)、4号(直径12センチ)。
苗木を購入するときは、鉢のサイズ選びで悩む必要がありません。
スリット鉢は生産者向けの商品ですので、デザイン性がよくないことがデメリットです。
100均の4号の鉢が、3.5号(直径10.5センチ)の
スリット鉢の鉢カバーとして使えます。
花が咲いているときは、鉢カバーに入れると、美しい鉢植えになります。
ランタナの用土
ランタナは、水はけ、通気性がよい用土が適しています。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜた基本の用土が適しています。
赤玉土と
腐葉土が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
ランタナの鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
ランタナの肥料
ランタナは、植え付け・植え替えをするときに、緩効性化成肥料を元肥として施します。
元肥は、苗木を植え付け・植え替えをするときに、用土に施す肥料のことです。
N(チッソ)、P(リン酸)、K(カリ)が5:8:5と、P(リン酸)が多めの花が咲く植物用の肥料です。
5:8:5で合計18、合計の数字が30未満ですので、低度化成肥料になります。30以上は高度化成肥料です。
強くありませんので、気軽に使うことができる肥料になります。
数字が大きいほうが得した気分になりますが、肥料に弱い植物がありますので、注意が必要です。
肥料は説明書をよく読み、適量を与えましょう。
100均のマドラースプーンに1杯、約3グラム、少量の肥料を元肥として用土に混ぜます。
肥料の説明書の1株当たりの元肥の8グラムより少ないです。
肥料は少なく与えて、葉が黄色になったり、成長が悪かったりして、足りない場合は追肥します。
ランタナは花が咲く期間が長いですので、春から秋に肥料を与えます。緩効性化成肥料を月に1回、置き肥、または、月に3回ぐらい、液体肥料を与えます。
肥料と
用土を軽く混ぜて、
元肥を施しました。
ランタナの植え付け・植え替え
ランタナの苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串、食器のフォークとナイフです。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ランタナの植え付け・植え替えに適した時期は、4~10月です。寒い冬に苗木を購入しましたので、4月になるまで保管(放置)していました。
苗木を鉢から取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、
ハサミで切ります。
鉢と土の隙間にナイフを入れ、そのまま1周させます。
根詰まりしていますと、ナイフを1周させることができませんので、一度抜き、別の場所に入れます。
園芸用の専用の道具である「植え替えナイフ」「スパチュラ」がありますが、食器のナイフで代用できます。
ステンレス製ですので、さびにくく、強度があります。
苗木を鉢受け皿の中に横向きに置きます。
底から竹串で押すと鉢から苗木を取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ランタナの苗木をポットから取り出すことができました。
ランタナの根鉢
ランタナの苗木を鉢から取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の半分より下にしか根がないことが気になります。
根鉢の状態は、根がたくさんあります。白い根は新しく、茶色の根は古く、黒色の根は腐敗しています。
根は新しいですが、土がなく根だけで、根詰りしている状態です。
太い根が長く伸びています。徒長枝の原因になり、樹形が悪くなりますので、短く切ります。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に
植え付け・
植え替えすることが基本です。
ランタナは、根の成長がよく、根詰りしやすいですので、1~2年に1回、植え替えをする必要があります。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、汚れて、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。
根鉢の表面の土が硬い場合は、
フォークが役に立ちます。
食器のフォークは、「根さばき」「根かき」の代用品として使えます。
幹から根が生える根元まで、フォークを使って、表面の土を取り除きます。
幹の周りは、竹串を使って、丁寧に表面の土を取り除き、根をほぐします。
竹串は素材が竹ですので、適度な硬さで幹や根を傷つけにくく、使いやすいです。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
たくさんの枝は一ヵ所でつながっています。
ピンセットで指しているところが、
根元に位置になります。
土の中に、太い幹がありました。
苗木は、倒れることを防ぐために深植えされていることが多く、ランタナの苗木は、根元が3センチぐらい土の中に埋まっていました。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
根鉢の半分より下にしか根がない原因は、深植えでした。根元から下に向かって根は伸びます。
根鉢の底を崩します。
根鉢の底は、根が密になり固まった状態で、植え付け・植え替えをすると、根の成長がよくありませんので、崩します。
根鉢の底は、
根が密集して硬く、崩すことが難しいですので、
ハサミで切り取ります。
ハサミで切った断面を見ると、
根は外側だけで、断面に
根は少ない状態です。
根鉢の側面も、
根が密集していますので、
竹串で崩します。
ランタナの根鉢は小さくなりました。崩して取り除いた根や土が多いです。
根をたくさん取り除くと、枯れることが心配になります。
根詰りした状態の方が根腐れで枯れることが多いですので、長く伸びた根はしっかり取り除きます。
根鉢を崩して、鉢に
植え付け・
植え替えをする準備ができました。
植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、たくさん根を取り除いて根鉢を崩しても大丈夫です。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩した
ランタナを
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。低いですので、用土を足します
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、赤玉土の小粒だけにしました。
根の間に
用土が隙間なく入るように
竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
軽石を敷くことによって、水遣りや雨で赤玉土の粒が崩れることを防ぎます。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、大丈夫です。
ランタナの小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
ランタナの管理
ランタナの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ランタナの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、冬は、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。冬は乾かし気味に管理するとよいです。
水遣りができないときは、鉢受け皿に水を入れて、腰水で管理します。長時間、腰水をすると、根腐れの原因になりますので、注意が必要です。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ランタナは、日当たり・風通しのよい場所で管理します。日当たりがよいと、花がたくさん咲きます。
耐暑性が強いですので、育てやすい樹です。水切れだけに注意すれば、枯れることはありません
耐寒性はやや弱く、寒い地域は保護が必要になります。温暖な地域でも、冷たい風や霜から保護すると安心できます
ランタナの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。
- 水はけのよい用土。市販の培養土が適しています。作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3で配合。
- 水遣りは表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は緩効性肥料を元肥、春から秋に追肥。
- 植え付け・植え替えは、4~10月。
ランタナは、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
水切れに、注意すれば枯れることはありません。
鉢植えは、1~2年に1回、植え替えをします。水遣りのときに水が抜けなくなったり、葉の色が悪くなったりしますので、分かりやすいです。
剪定は、伸びすぎた枝があれば、短く切り戻しをします。春から秋まで剪定することができます。
ランタナの今後
4月9日に、ランタナの苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
太い幹が、土の中に埋まっていましたので、地表の出して大丈夫か?心配です。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは保護の必要がなく簡単ですが、夏はとても暑く、水切れに注意が必要です。
ランタナの今後の様子はこの記事を更新します。
目標は、芽吹いている葉が成長して、美しい花を咲かせることです。
小さな鉢植えですので、暑い夏の水切れが心配です。1年間の育てる様子を記録します。
同じクマツヅラ科のデュランタを育てています。
関連記事
1 件のコメント :
コメントを投稿