アルメリアは、イソマツ科ハマカンザシ属(アルメリア属)の常緑性多年草です。ヨーロッパや北アフリカなどが原産地になります。
学名は、Armeriaで、ハマカンザシ(浜簪)やオオハマカンザシと呼ばれることがあります。
アルメリアの大きな特徴は、細い茎を長く伸ばして、先端に丸いボール状の花が咲きます。長く伸びた細い茎と花の形状が、カンザシ(簪)に似ていることが、和名のハマカンザシの由来です。
葉は常緑性で、細長く、密に茂ります。短い茎に、たくさんの葉がつきますので、株がコンパクトです。
地植えは、石垣やロックガーデンに似合います。
園芸店で、アルメリアの苗が安く販売されていましたので、購入して育てます。
アルメリアの苗
アルメリアの苗のラベルで、
花の色や形を確認します。
花が咲いている苗ですので、現物を見て確認することができました。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単な説明があります。
アルメリア
イソマツ科 多年草
用 途
強健で繁殖力が強く、花色も濃紅・鮮桃・ピンク・白とバラエティーに富んでいます。3月~4月ごろ、かわいい手まり状の花をつけた花茎をたくさん出すので、花壇の縁取りにピッタリですが、鉢植えにしてもおもしろい花です。
花壇 鉢植 コンテナガーデン
花 期:3月~4月頃
草 丈:15cm~30cm
栽培のポイント
日当たりと排水の良いところを好みます。定植する場合は土をくずさない様にします。水やりは土の表面が乾いたらタップリと与えて下さい。
肥料:市販の肥料を適量与えて下さい。
ポイント
花が終わったら株元から花茎を切り取ります。
アルメリアの苗の草丈は7センチぐらい。草丈がとても小さいです。花茎が長く伸びていますので、花までは15センチぐらいになります。
地植えすれば、草丈が30センチまで大きく成長します。大きくなると管理が大変ですので、小さな鉢植えで育てます。
直径9センチ、3号の小さなビニールポットに植えられています。
長細い葉が密に茂るコンパクトな株が美しいので、気に入りました。
アルメリアの花は、とても小さく、たくさんの花が集まり、丸いボール状で咲きます。
苗を選ぶときは、花より葉を確認します。黄色に変色した葉がなく、元気な葉がある苗を選びます。
花が咲いている苗より、つぼみがたくさんある苗が、開花から楽しめますので、おすすめです。
アルメリアの小さな鉢植え
アルメリアは、小さなビニールポットですので、鉢に植え付け・植え替えをします。
草丈が30センチぐらいまで、大きく成長しますので、小さな鉢植えでコンパクトに育てることにチャレンジします。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
苗木をビニールポットのままの状態で、鉢に入れると、
植え付け・
植え替えをしたときの雰囲気が確認できます。
アルメリアを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
スリット鉢のサイズは3号(直径9センチ)、CSM-90になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
根詰りすることがなく、アルメリアを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
準備したスリット鉢の直径9センチと3号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の3号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは7.5センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
100均の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。花が咲いている時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段はスリット鉢のまま育てます。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、アルメリアを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、最適な環境で育てることができます。
アルメリアの用土
アルメリアは、水はけ、通気性がよい用土が適しています。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。軽石などを2割ぐらい混ぜると、水はけがよくなり最適です。
作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土、軽石を5:3:2の割合で混ぜた用土が適しています。
赤玉土の小粒と腐葉土、軽石が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
アルメリアは多湿を嫌いますので、蒸れを防ぐために鉢底石を敷くことをおすすめします。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
アルメリアの鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
アルメリアの肥料
アルメリアは、植え付け・植え替えをするときに、緩効性化成肥料を元肥として施します。
元肥は、植え付け・植え替えをするときに、用土に施す肥料のことです。
N(チッソ)、P(リン酸)、K(カリ)が5:8:5と、P(リン酸)が多めの花が咲く植物用の肥料です。
5:8:5で合計18、合計の数字が30未満ですので、低度化成肥料になります。30以上は高度化成肥料です。
強くありませんので、気軽に使うことができる肥料になります。
数字が大きいほうが得した気分になりますが、肥料に弱い植物がありますので、注意が必要です。
肥料は説明書をよく読み、適量を与えましょう。
100均のマドラースプーンに半分ぐらい、少量の肥料を元肥として用土に混ぜます。小さじより小さく、1杯で3グラムぐらいのになります。
肥料の説明書の1株当たりの元肥の8グラムより少ないです。
肥料は少なく与えて、葉が黄色になったり、成長が悪かったりして、足りない場合は追肥します。
アルメリアは、春の3月~4月と秋の10月~11月に肥料を与えます。緩効性化成肥料を月に1回、置き肥、または、月に3回ぐらい、液体肥料を与えます。暑い夏と冬は肥料を与えません。
肥料と
用土を軽く混ぜて、
元肥を施しました。
アルメリアの植え付け・植え替え
アルメリアの苗を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
アルメリアの植え付け・植え替えに適した時期は、春の3月~5月と秋の10月~11月です。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
アルメリアの苗を鉢受け皿の中に、横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指で押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
アルメリアの苗をポットから取り出すことができました。
アルメリアの根鉢
アルメリアの苗をポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、
根は多いです。白い
根は新しく、茶色の
根は腐敗しています。
とても細い根が密にあります。根鉢の底で根を巻くサークリング現象が少し発生しています。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根鉢を崩す
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、汚れて、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。
竹串を使って、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きます。
竹串は素材が竹ですので、適度な硬さで幹や根を傷つけにくく、使いやすいです。
小さな苗は深植えが基本ですので、根元より周りの土が高くなっていることが多いです。根元が一番高くなるように根鉢の肩の土を崩します。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
アルメリアは夏の多湿による蒸れに弱いですので、根元の通気性をよくすると夏越しが簡単になります。
アルメリアの株分け
アルメリアは長細い
葉が密に茂る株が美しいですが、夏の多湿による蒸れを嫌いますので、株が大きくなったら、
株分けをします。
大きな株より、小さな株の方が風通しがよくなります。
根元をよく確認して、同じくらいの大きさで2つに
株分けします。
アルメリアを株分けすることができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩して、
株分けした
アルメリアを
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、赤玉土の小粒だけにしました。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
スリット鉢の段差の少し下まで
用土を入れました。
仕上げに
軽石を敷きます。
軽石を敷くことによって、水遣りや雨で赤玉土の粒が崩れることを防ぎます。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
水遣りのときに、土の跳ね返りがなく、葉の裏に土が付きません。葉に土が付着すると病害虫の原因になりますので、注意してください。
アルメリアの小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
アルメリアの管理
アルメリアの苗を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
アルメリアの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春の成長期から花が咲いている期間は、水切れに注意します。花が終わったら、鉢の用土が乾いてから水遣りをします。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
春と秋は1日1回、暑い夏は1日1~2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
アルメリアは、日当たり・風通しのよい場所で管理します。
暑い夏は、西日が当たらない半日陰で、風通しのよい場所で管理します。
アルメリアは、耐寒性・耐暑性が強いですので、管理が簡単です。
アルメリアの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。
- 用土は市販の培養土に軽石を2割混ぜる。作る場合は、赤玉土、腐葉土、軽石を5:3:2で配合。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は春と秋に、緩効性化成肥料または液体肥料を与える。
- 植え付け・植え替えは、春と秋が適しています。
アルメリアは、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
耐寒性・耐暑性が強いですので、暑い夏の多湿による蒸れに注意すればよいです。
鉢植えやプランターの場合、根詰りしないように、2~3年に1回、植え替えをします。株が大きくなったら、株分けをします。
アルメリアの今後
4月2日に、アルメリアの苗を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬の管理が簡単ですが、夏の暑さが心配です。
アルメリアの今後の様子はこの記事を更新します。
最初の目標は、美しい花を咲かせることです。
つぼみがありますので、花がたくさん咲きます。花が終わった後の管理や夏越しについて記事を更新します。
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