ネコヤナギ(猫柳)は、ヤナギ科ヤナギ属の落葉性低木です。日本や中国、朝鮮半島が原産地になります。
学名はSalix gracilistylaで、カワヤナギ、エノコロヤナギと呼ばれることがあります。
ネコヤナギは、日当たりよく、湿り気のある土壌に自生しますので、北海道から九州の河川や渓流などの水辺で見ることができます。
春の3~4月頃に、銀白色の綿毛に覆われたふっくらした花穂をつけます。花穂が猫のシッポのように見えることが名前の由来です。
雌雄異株ですので、雌株に雌花、雄株に雄花が咲きます。
激安園芸店で、ネコヤナギの苗木が販売されていましたので、購入して育てます。
ネコヤナギの苗木
激安園芸店ですので、写真があるキレイなラベルはなく、手書きです。
園芸品種のピンクネコヤナギになります。花穂がピンク色で、美しい品種。
花が咲き始めると、普通のネコヤナギと同じ黄色の花粉がある雄しべが現れます。
ピンクネコヤナギは、雌株はなく、雄株のみのようです。
ネコヤナギの苗木の樹高は90センチぐらい。
樹高がとても大きい苗木です。地植えすれば、樹高が3メートルぐらいまで大きく成長します。
小さいほうが管理が簡単ですので、大きく成長しないように、小さな鉢植えで育てます。
樹高が大きい苗木でしたが、価格が安いので、購入しました。剪定すれば、小さくすることができます。
直径13.5センチ、4.5号のビニールポットに植えられています。
樹高の大きさに対して、ビニールポットが小さいです。土の量が少なく、少し心配になります。
購入した
ネコヤナギの苗木は、2つの株があります。
樹高が大きく、2つの株で、小さなビニールポットに土の量は半分くらい。初心者は購入しないほうがよいです。
ネコヤナギの苗木は、
花穂から
雄しべが現れています。
下半分に雄しべが現れている花穂を見ると、上半分は、ピンク色ですので、ピンクネコヤナギであることが確認できます。
雄しべが現れる前の状態ですと、美しい花穂を見ることができます。
ネコヤナギの苗木は、葉が芽吹き始めています。
樹高が大きく、少し心配な苗木ですが、葉が芽吹いていますので、枯れることはないと判断しました。
ネコヤナギの小さな鉢植え
ネコヤナギは、樹高が3メートルぐらいまで成長する落葉性低木です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
ネコヤナギを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、ネコヤナギを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは5号(直径15センチ)、CSM-150になります。
スリット鉢の大きな特徴は、六角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
六角形の頂点に、側面から底にスリットが6つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
3ヵ所に仕切りがあり、根が鉢の底に沿って伸びることを防ぎます。
スリットだけでなく、仕切りを設置することで、完全に鉢の底で根が巻くことを防ぎます。
六角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
ガーデニングや園芸で、「鉢のフチより2~3センチ下まで用土を入れて、ウォータースペースを作りましょう。」とありますが、段差がありますので、簡単です。
準備したスリット鉢の直径15センチと5号のサイズですが、六角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の5号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは12センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ネコヤナギを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、最適な環境で育てることができます。
ネコヤナギの用土
ネコヤナギは、水はけ、水もちがよい用土が適しています。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜた基本の用土が適しています。
赤玉土と腐葉土が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
ネコヤナギの鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
ネコヤナギの植え付け・植え替え
ネコヤナギの苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ネコヤナギの植え付け・植え替えに適した時期は落葉期です。寒さが厳しい時期を避けて、11~12月と2月下旬~3月がおすすめです。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
ネコヤナギの苗木を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指で押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ネコヤナギの苗木をポットから取り出すことができました。
ネコヤナギの根鉢
ネコヤナギの苗木をポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、根が少ないです。白い根は新しく、茶色の根は腐敗しています。
根がとても少なく、ビニールポットから出しただけで、根鉢の土が崩れています。
ビニールポットに植え付けてから、日数が経過していないことが予想されます。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、株分け
ネコヤナギの苗木は、2つの株がありますので、
株分けをします。
根鉢を動かすだけで、土が崩れます。根がほとんどない状態?かなり心配になってきました。
竹串は素材が竹ですので、適度な硬さで幹や根を傷つけにくく、使いやすいです。
根が少ないですので、簡単に株分けできました。
植え付け・植え替えの準備
苗木は、倒れることを防ぐために深植えされていることが多く、ネコヤナギの苗木は、根元が3センチぐらい土の中に埋まっていました。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
ピンセットで指しているところが
根元になります。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
苗木を挿し木で作ると、深植えされた状態になりますので、植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を確認することが大切です。
深植えされている期間が長くなると、底の
根は伸びるスペースがありませんので、幹から
根が生えます。
このような現象を二段根と呼びます。
根鉢を崩して、株分けして、鉢に
植え付け・
植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩して
株分けした
ネコヤナギを
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。低いですので、用土を足します。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
用土は、一度に多く入れないで、少しずつ入れて、竹串で突き、隙間をなくします。
表面は、
腐葉土を入れないで、
赤玉土だけにしました。
軽石を敷くことによって、水遣りや雨で赤玉土の粒が崩れることを防ぎます。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、大丈夫です。
ネコヤナギの小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
支柱で支える
植え付け・
植え替えをした後は、
根が張っていませんので、
風が強く吹くと倒れることがあります。
小さな鉢植えですので、割りばしを支柱として使うことができます。
根の量が少なく、深植えされていましたので、とても倒れやすい状態です。
割りばしを鉢の底まで深く挿します。
素材が竹の割りばしが、腐りにくく、長持ちします。100均で販売されていますので、おすすめです。
園芸用のビニールタイで幹と固定します。
ネコヤナギの管理
ネコヤナギの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ネコヤナギの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は落葉していますので、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ネコヤナギは、日当たり・風通しのよい場所で管理します。暑い夏は、西日が当たらない、風通しのよい場所で管理します。
耐寒性・耐暑性が強いですので、育てやすい樹です。
ネコヤナギの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。
- 水はけ、水もちのよい用土。市販の培養土が適しています。作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3で配合。
- 水遣りは表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は、冬の2月頃に寒肥として、緩効性化成肥料を置き肥。
- 植え付け・植え替えは、落葉期の11~12月、2~3月。
ネコヤナギは、基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
花が終わった後の生育期は、水切れに注意して下さい。耐寒性・耐暑性が強く、特別な保護は必要ありません。
剪定は、花が終わった後が適した時期です。花芽が夏に形成されていますので、夏以降に剪定すると花が咲きません。
鉢植えは、2~3年ぐらいに1回、植え替えをします。水遣りのときに水が抜けなくなったり、葉の色が悪くなったりしますので、分かりやすいです。
ネコヤナギの今後
3月22日に、ネコヤナギの苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
花が終わり、
葉が芽吹き始めている苗木ですので、
植え付け・
植え替えをした後の成長が少し心配です。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは保護の必要がなく簡単ですが、夏はとても暑く、水切れに注意が必要です。
ネコヤナギの今後の様子はこの記事を更新します。
最初の目標は、葉をたくさん芽吹かせ、枯らさないことです。
小さな鉢植えですので、暑い夏の水切れが心配です。1年間の育てる様子を記録します。
ネコヤナギの剪定
5月21日、撮影。
花が終わったネコヤナギに、葉が芽吹きました。
長く伸びた枝の節に、すべてに葉がありませんので、剪定する必要があります。
ネコヤナギの剪定に適した時期は、花が終わった後です。
夏に、翌シーズンに咲く花芽ができますので、剪定する時期が遅くなると、花芽がある枝を切ることになります。
剪定して枝が短くなりましたので、芽吹いて
葉が増える可能性があります。
樹高が小さくなり、コンパクトな鉢植えになりました。
ネコヤナギの大きな苗木を購入しましたが、
剪定をすることで、ある程度小さくなりました。
今後は、樹形を考えながら、樹高を小さくします。
剪定した枝で挿し木
剪定した枝を捨てることは、もったいないですので、
ネコヤナギの
挿し木にチャレンジしました。
ネコヤナギの
挿し木の様子路詳しく別の記事に買いましたので、参考にして下さい。
関連記事
ネコヤナギの取り木でミニ盆栽を作る
ネコヤナギの美しい花穂を小さな
ミニ盆栽で、楽しみたいので、
取り木にチャレンジしました。
鉢植えの樹高を小さくすることができます。
取り木をすると、そのすぐ下の芽が動き、葉が芽吹くことが多いです。
ビニールポットに用土を入れて
取り木していますので、カッコ悪いですが、順調に
発根すれば、秋には、親木から切り離すことができます。
取り木の様子を詳しく説明した記事を書きました。
関連記事
次の更新は、挿し木と取り木の様子や夏越しについてになります。
0 件のコメント :
コメントを投稿