ボロニアは、ミカン科ボロニア属の常緑低木です。オーストラリア原産になります。
学名はBoroniaで、春の3~5月に小さな花がたくさん咲く樹です。
よく利用する激安園芸店で、ボロニア「ピナータ」の苗木が販売されていましたので、購入して育てます。
ボロニア「ピナータ」(Boronia pinnata)は、オーストラリア東部のニューサウスウェールズ州の砂地や森林、乾燥気味の場所に自生しています。
葉はとても小さく、細い羽状複葉で柑橘系の香りがあり、花の直径は2センチぐらいの星形で、ピンク色、小さな樹でもたくさんの花が咲く特徴があります。
地植えすれば、樹高が1.5メートルぐらいまで成長します。
ホームセンターや園芸店で販売されるボロニアは、「ピナータ」が多いですが、育て方が難しいとされています。
ボロニアの苗木
ボロニアの苗木のラベルで、
花の色や形を確認して購入しましょう。購入した苗木のラベルはシンプルで、写真がありません。
花が咲いている開花苗ですので、現物を確認できました。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単に説明が記載されています。
ボロニア
ピナータ
ミカン科
原産地/オーストラリア
日当たりが良く、風通しの良い場所を好みます。鉢土が乾かない様、たっぷりと水を与えて下さい。2~3週間に一度程度、液肥を与えて下さい。伸び過ぎた枝は適度に切り戻しをして下さい。冬は霜の当たらない、凍らない場所で管理して下さい。
ボロニアの苗木の樹高は20センチぐらい。
苗木は小さいですが、地植えすれば、樹高が1.5メートルぐらいまで大きく成長します。
小さいほうが管理が簡単ですので、大きく成長しないように、小さな鉢植えで育てます。
ボロニアは品種によって、樹高が異なりますので、購入するときに確認しましょう。大きく成長する品種は2メートルになります。
直径9センチ、3号のビニールポットに植えられています。
花が咲いている開花苗は、花の数や状態で選ぶことが多いですが、葉に変色がなく、濃い緑色で元気な苗木を選びましょう。
苗木の状態がよいと、花は次々と咲きます。つぼみがたくさんある苗木を選びました。
1輪だけ
花が咲いています。小さな星形の
花が美しく、
小さな鉢植えによく似合う樹です。
小さな細長い葉も気に入りました。
ボロニアは、水切れすると、葉が落ちて、復活が難しい樹になりますので、枯れた葉がないか?確認しましょう。
小さな樹ですが、枝がたくさんありますので、樹形がよいです。
ボロニアの小さな鉢植え
ボロニア「ピナータ」は、樹高が1.5メートルぐらいまで成長する常緑性低木です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
ボロニアを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
スリット鉢のサイズは3.5号(直径10.5センチ)、CSM-105になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
根詰りすることがなく、ボロニアを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ボロニアを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、最適な環境で育てることができます。
準備したスリット鉢の直径10.5センチと3.5号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の3.5号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは9センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
100均の4号(直径12センチ)の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。
花が咲いている時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段は
スリット鉢のまま育てます。
ボロニアの用土
ボロニアは、水はけ、通気性がよい酸性の用土が適しています。
多湿を嫌いますので、水はけをよくするために、市販のサボテン用の培養土で育てることができます。
用土を作る場合は、鹿沼土の小粒、ピートモス、軽石を5:3:2の割合で混ぜた用土が適しています。
鹿沼土は、ミニ盆栽でもよく使いますので、硬質小粒を使いました。
ピートモスは、使う量が少なく、あまり使うことがありませんので、容量の小さな100均の商品を使っています。
いろいろな植物に使いましたが、問題なく使えています。
鹿沼土の小粒、
ピートモス、
軽石が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
ボロニアは、多湿を嫌いますので、鉢底石を敷くことをおすすめします。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
ボロニアの鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
ボロニアは、植え付け・植え替えをするときに、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜます。
花が咲いている開花苗ですので、元肥を入れませんでした。
ボロニアの植え付け・植え替え
ボロニアの苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ボロニアの植え付け・植え替えに適した時期は、春の花が終わった後と秋の9月です。
つぼみがある状態や花が咲いている苗木は、根鉢を崩さないで、一回り大きい鉢に植え替えます。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
ボロニア「ピナータ」の苗木を鉢受け皿の中に、横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指で押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ボロニアの苗木をポットから取り出すことができました。
ボロニアの根鉢
ボロニア「ピナータ」の苗木をポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、
根がたくさんあります。白い
根は新しく、茶色の
根は腐敗しています。小さいポットですので、土のない外側に、
根がたくさんあります。
ボロニアの根鉢の底を観察すると、鉢の底で根が巻くサークリング現象が発生しています。
根詰りに近い状態です。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
花が咲き始めている開花苗ですので、根鉢を崩さないほうがよいです。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、汚れて、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。
幹から根が生える根元まで、竹串を使って、表面の土を取り除きます。
竹串を使って、根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
竹串は素材が竹ですので、適度な硬さで幹や根を傷つけにくく、使いやすいです。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
苗木は、倒れることを防ぐために深植えされていることが多く、ボロニア「ピナータ」の苗木は、根元が3センチぐらい土の中に埋まっていました。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
根元が見えるまで、根鉢の表面の土を崩すと、根鉢の高さが半分ぐらいまで小さくなりました。
根鉢の底は、軽く崩すだけにします。
根鉢の底は、根が密になり固まった状態で、植え付け・植え替えをすると、根の成長がよくありませんので、軽く崩します。
根鉢の底を
竹串を使って崩します。固まっている
根をほぐします。
鉢の底で巻いて、長く伸びた
根を
ハサミで切りました。
根鉢を崩して、鉢に
植え付け・
植え替えをする準備ができました。
花が咲き始めている開花苗は、根鉢を崩さないで、一回り大きい鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば、根鉢を崩しても大丈夫になります。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩した
ボロニア「ピナータ」を
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、鹿沼土の小粒だけにしました。
根の間に
用土が隙間なく入るように
竹串で突きます。
鹿沼土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。
用土を
スリット鉢の
段差の少し下まで入れました。
仕上げに軽石を敷きます。
軽石を敷くことによって、水遣りや雨で鹿沼土の粒が崩れることを防ぎます。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、鹿沼土の粒が崩れることがありません。
ボロニア「ピナータ」の小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
ボロニアの管理
ボロニアの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ボロニアの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
多湿と乾燥に弱いため、水切れ、水の与え過ぎに注意が必要です。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
水切れさせると、葉が落ちます。復活することはないですので、ボロニアは育て方が難しいとされます。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ボロニアは、日当たり・風通しのよい場所で管理します。
暑い夏は、西日が当たらない半日陰で、風通しのよい場所で管理します。
耐寒性は、3度ぐらいまでになりますので、寒さが厳しい地域は、室内で保護すると安心できます。
暖地でも、南向きの日当たりのよい、冷たい風が当たらない場所で、管理して下さい。
ボロニアは常緑性ですが、耐寒性・耐暑性が弱いですので、管理をしっかりする必要があります。
支柱で支える
植え付け・植え替えをした後は、根が張っていませんので、風が強く吹くと倒れることがあります。
つぼみがたくさんあり、花が咲きますので、倒れやすいです。深植えされていましたので、樹高が少し高くなりました。
小さな鉢植えですので、
割りばしを
支柱として使うことができます。
正面を決めて、裏側に
割りばしを挿せば、あまり目立ちません。
鉢カバーに入れると。立派なボロニア「ピナータ」の鉢植えになります。
苗木が深植えされていましたので、少し樹高が高くなりました。花が咲き終わった後に剪定をして、コンパクトな樹高にします。
雨よけ・霜よけで保護する
育苗トレーに、100均のU字型支柱を使い、雨よけ・霜よけを作りました。透明ビニールは100均のテーブルクロスです。
最近の家は軒下がありませんので、雨よけ・霜よけがあると、花が咲く植物や寒さに弱い植物の管理に便利です。
製作した様子を記事に書いていますので、参考にして下さい。
関連記事
ビニールハウスのように密閉されていませんので、
株元の風通しがよいです。
雨や
霜にあたりませんので、
花を長く楽しむことができます。
天気がよい日は、スライドさせて風通しをよくします。
ボロニアの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。
- 水はけ、通気性のよい酸性の用土。市販のサボテン用の培養土が適しています。作る場合は、鹿沼土、ピートモス、軽石を5:3:2で配合。
- 水遣りは表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は元肥に緩効性化成肥料。液体肥料で追肥。
- 植え付け・植え替えは、花後の春と秋の9月。
ボロニアの育て方は、難しいとされますが、特別な方法はありません。
水切れ、水の与え過ぎによる多湿に、注意すれば枯れることはありません。水切れすると、復活できません。
耐寒性・耐暑性が弱く、冬は室内で保護、夏は半日陰の涼しい場所で管理します。
鉢植えは、2年ぐらいに1回、植え替えをします。水遣りのときに水が抜けなくなったり、葉の色が悪くなったりしますので、分かりやすいです。
花が終わったら、すぐに花柄摘みをします。同時に剪定をします。枝を半分ぐらいに切り戻します。
ボロニアの今後
4月1日に、ボロニア「ピナータ」の苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
花が咲いている
開花苗ですので、
根鉢を崩さないで、
植え付け・
植え替えをすることが基本です。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、冬越しは保護の必要がなく簡単ですが、夏はとても暑く、水切れに注意が必要です。
ボロニア「ピナータ」の今後の様子はこの記事を更新します。
最初の目標は、ピンク色の星形の小さな花で、満開にすることです。
水切れに弱いですので、夏越しが心配です。1年間の育てる様子を記録します。
更新しました。
ボロニアの花
4月8日、撮影。
ボロニアの苗木を鉢に植え付け・植え替えしてから、1週間が経過しました。
葉が萎れるなどの異常はなく、たくさんあるつぼみが少しずつ開花しています。
ボロニアは、花びらが4枚で、星形の小さな
花が、たくさん咲きます。
花の直径は2センチ以下と小さく、鮮やかなピンク色が可愛らしいです。
4月18日、撮影。
ボロニアの小さな鉢植えは、満開になりました。
1輪だけ花が咲いた苗木でしたので、鉢に植え付け・植え替えをしてから、花が咲き始め、満開になるまでを楽しめて、大満足です。
ボロニアの小さな鉢植えは、満開から、約1ヶ月が経過しました。
ボロニアの
花は、萎れることが少なく、花びらが閉じて枝に付いたままの状態です。
結実して種を作ると、樹が弱りますので、花がら摘みをします。
ボロニアの
花がら摘みは、花柄をハサミで切るだけです。
※花柄(かへい)は、茎や花軸から枝分かれして花に至るまでの柄の部分のこと。
ボロニアの
花は、たくさんありますので、1つずつハサミで切ることは大変です。
時間が掛かりましたが、
ボロニアの小さな鉢植えの
花がら摘みが完了しました。
ハサミで切った花は、鉢受け皿などの容器に入れるとよいです。
ボロニアの剪定
ボロニアは、花が終わった時期に剪定をします。
小さな鉢植えで育てますので、枝を半分くらいに切る「切り戻し剪定」が最適です。
切り戻すことによって、脇芽が出て、翌シーズンに花が咲きます。
夏に花芽ができます。夏を過ぎて剪定をすると、花が咲きませんので、注意が必要です。
幹から伸びた枝を半分ぐらいに、ハサミで切りました。
スッキリして風通しがよくなりました。多湿に弱いボロニアですが、蒸し暑い梅雨を過ごせるようになりました。
剪定した枝を捨てることは、もったいないですので、挿し穂に使い、挿し木にチャレンジします。
ボロニアの挿し木について別の記事で詳しく書きましたので、参考にして下さい。
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次の更新は、梅雨時期や夏越しの様子を予定しています。
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