宿根カスミソウは、ナデシコ科カスミソウ属(ギプソフィラ属)の多年草です。地中海沿岸からアジアが原産地になります。
学名はGypsophila paniculataです。5~7月に美しい花が咲きます。
よく利用する園芸店で、宿根カスミソウの苗が販売されていました。カスミソウの花は知っていますが、苗は始めて見ました。
この苗からどのようにして、とても細く繊細な花茎が伸びて、小さな花がたくさん咲くのか?不思議になり、価格が安かったので、購入して育てることにチャレンジします。
宿根カスミソウの苗
宿根カスミソウの苗のラベルで、
花の色や形を確認して購入しましょう。
「八重咲」と記載されていましたので、美しい花が咲くことを期待していましたが、カスミソウについて調べると、宿根カスミソウの八重咲き品種が、切り花としてよく利用されることが分かりました。
花束などで見る普通のカスミソウが咲くようです。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単な説明があります。
宿根カスミ草
花は八重咲で、茎葉は固くほっそりしていて非常に美しい宿根草です。
用途
花壇 鉢植 切花
草丈:80cm~100cm
栽培のポイント
日当りと排水の良いところを好みます。定植する場合は土をくずさない様にします。水やりは土の表面が乾いたらタップリと与えて下さい。
肥料:市販の肥料を適量与えて下さい。
宿根カスミソウの苗の草丈は10センチぐらい。
苗は小さいですが、地植えすれば、草丈が1メートルぐらいまで大きくなります。
小さいほうが管理が簡単ですので、大きく成長しないように、小さな鉢植えで育てます。
直径9センチ、3号のビニールポットに植えられています。
苗木の選び方は、葉の状態をよく確認して下さい。葉に変色がなく、濃い緑色で元気な苗木を選びましょう。
宿根カスミソウの小さな鉢植え
宿根カスミソウは、草丈が1メートルぐらいまで成長する多年草です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
苗をビニールポットのまま、鉢に入れると植え付け・植え替えしたときの雰囲気が確認できます。
ビニールポットより一回り大きいサイズが基本です。
カスミソウの鉢植えは、5号(直径15センチ)の鉢に3株の苗を植え付けるとよいです。
宿根カスミソウを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、宿根カスミソウを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは3.5号(直径10.5センチ)、CSM-105になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、宿根カスミソウを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、宿根カスミソウを最適な環境で育てることができます。
準備したスリット鉢の直径10.5センチと3.5号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の3.5号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは9センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、宿根カスミソウを小さな鉢植えで育てることができます。
宿根カスミソウの用土
宿根カスミソウは、水はけがよく、肥沃な用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土に、パーライトや軽石などを1割ぐらい混ぜて、水はけをよくした用土が適しています。
用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土を、パーライト(軽石)を6:3:1の割合で混ぜるとよいです。
パーライトは、あまり使わないですので、家に在庫がなく、軽石を使いました。
赤玉土と
腐葉土、
軽石が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
宿根カスミソウは、多湿に弱い性質ですので、鉢底石を敷くことをおすすめします。蒸れて枯れたり、根腐れしたりしますので、水遣りに注意が必要です。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
宿根カスミソウの鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
宿根カスミソウは酸性の用土を嫌います。日本の土壌は弱酸性ですので、苦土石灰や有機石灰で中和するとよいです。
苦土石灰は、植え付け・植え替えをする10日~2週間前に用土に混ぜるとよいです。
有機石灰は、効果はゆっくりですが、混ぜてすぐに植え付け・植え替えができますので、おすすめです。
説明書を確認して、適切な量を用土に混ぜます。
100均のステンレス製マドラースプーンです。小さじより小さいですので、1杯で3グラムぐらいになります。
説明書では、「1㎡あたり150g」と記載されています。
3.5号ですので、直径10.5センチになりますので、面積は0.0525×0.0525×3.14=0.00865…となり、およそ0.01㎡。
1.5グラムぐらいが適量になります。
有機石灰を
用土に混ぜて、中和させます。
宿根カスミソウの植え付け・植え替え
宿根カスミソウの苗を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
宿根カスミソウの植え付け・植え替えに適した時期は、2月~4月と10月~11月になります。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
宿根カスミソウの苗を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指で押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
宿根カスミソウの苗をポットから取り出すことができました。
宿根カスミソウの根鉢
宿根カスミソウの苗をポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗を鉢やポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、あまりよくないようです。白い根は新しく、茶色の根は腐敗しています。
新しい白い根が少ないです。苗の土が保水性が高く、湿った状態ですので、多湿を嫌う宿根カスミソウは、根が傷みやすくなります。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
宿根カスミソウは、根鉢を崩さないで、植え付け・植え替えをします。根が傷つくことに弱い性質ですので、注意して下さい。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は汚れています。水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。
竹串を使って、根鉢の表面の土を崩します。根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
根元より周りの土が高くなっていることが多いですので、根元が一番高くなるように根鉢の肩の土を崩します。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
根元の枯れた
葉や黄色に変色した
葉は、
ハサミで切って、取り除きます。
植え付け・植え替えのときは、根元がよく見えますので、作業がしやすいです。
根鉢の底は、土が固まった状態で、
植え付け・植え替えをすると、
根の成長がよくありませんので、軽く崩します。
根鉢の底を
竹串を使って崩します。底で巻いている
根をほぐします。
宿根カスミソウは根鉢を崩さないことが基本ですが、土の湿り気が多く、多湿になりますので、根腐れします。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を軽く崩した
宿根カスミソウを
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
少し離れて見て、バランスよく植え付けられているか?確認します。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、赤玉土だけを隙間に入れました。
根の間に
用土が隙間なく入るように
竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。鉢の中に入れていますので、
根鉢が崩れる心配がありません。
仕上げに軽石を敷きます。
軽石を敷くことによって、水遣りや雨で赤玉土の粒が崩れることを防ぎます。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
軽石は乾燥しやすいですので、根元の多湿を防ぐ役割があります。
水遣りのときに、土の跳ね返りがなく、葉の裏に土が付きません。葉に土が付着すると病害虫の原因になりますので、注意してください。
宿根カスミソウの小さな鉢植えが完成しました。小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
宿根カスミソウの管理
宿根カスミソウの苗を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
宿根カスミソウの水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
多湿を嫌いますので、鉢の土が乾いてから水遣りをします。乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は休眠しますので、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
宿根カスミソウは、日当たり・風通しの良い場所で管理します。
多湿が苦手ですので、雨の当たらない場所がよいです。暑い夏は、日陰で、風通しのよい場所で管理します。
耐寒性は強く、霜にも耐えますが、秋に植え替えをした場合は、根の張りが十分でないですので、保護すると安心できます。
植え付け・
植え替え後は、
根が張っていませんので、
強く風が吹くと倒れることがあります。
支柱で支えると安心できます。草丈がまだ小さいですので、竹串を支柱に使います。
宿根カスミソウは、草丈が1メートルぐらいまで大きく成長しますので、長い支柱を準備します。
宿根カスミソウの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。
- 水はけのよい用土を好む。市販の培養土にパーライトを1割ぐらいを混ぜた用土。酸性を嫌うので石灰で中和。
- 水遣りは表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は、春と秋に、緩効性化成肥料を少なめに与える。
- 植え付け・植え替えは、春の2~4月、秋の10~11月。
宿根カスミソウは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、春か秋に植え替えをします。
草丈が1メートルぐらいまで大きくなりますので、支柱を立てて倒れない様にします。
花が咲き終わったら、花茎を根元で切ります。
宿根カスミソウの今後
4月3日に、宿根カスミソウの苗を鉢に植え付け・植え替えをしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、夏はとても暑く、夏越しに注意が必要です。
宿根カスミソウの今後の様子はこの記事を更新します。
目標は、花を咲かせることです。開花期は5月~7月ですので、小さな苗が大きく成長して、花が咲くか?少し心配です。
1年間の育てる様子を記録します。
0 件のコメント :
コメントを投稿