ナルコユリ(鳴子百合)は、キジカクシ科ナルコユリ属の落葉性球根植物です。
学名は、Polygonatum falcatumになります。
日本、朝鮮半島、中国が原産地で、ナルコラン(鳴子蘭)と呼ばれることがあります。
4月から5月に、小さな白い花が咲きます。葉に白い覆輪がある斑入りの品種がよく販売されています。
ホームセンターで、ナルコユリの苗(芽出し苗)が販売されていましたので、購入して育てます。
ナルコユリは、アマドコロ(甘野老)とよく似ています。同じキジカクシ科ナルコユリ属になります。
違いは、ナルコユリは葉が長細く、茎が引っ掛かりがなく滑らかです。
大きな違いがありませんので、アマドコロがナルコユリとして、ホームセンターや園芸店で販売されていることがあります。
ナルコユリの苗(球根)
ナルコユリの苗のラベルの写真は、葉だけで、
花の色や形を確認することができませんでした。
「斑入鳴子百合」と記載されていますので、写真のように
覆輪タイプの葉の品種です。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単な説明があります。
斑入鳴子百合
用途
花壇 鉢植 コンテナガーデン
花期:4月~7月頃
草丈:40cm~50cm
栽培のポイント
日当りと排水の良いところを好みます。定植する場合は土をくずさない様にします。水やりは土の表面が乾いたらタップリと与えて下さい。
肥料:市販の肥料を適量与えて下さい。
直径9センチ、3号のビニールポットに植えられています。
ナルコユリの苗は、球根に近い状態です。球根植物は、「球根」・「芽出し苗」・「苗」の3つのタイプで販売されます。
「球根」は、乾燥した状態で販売されているタイプです。価格が安いことがメリットですが、どのくらいの深さに植え付けるか?など心配になることがデメリットです。
「芽出し苗」は、ビニールポットに球根が植え付けられて、少し芽吹いた状態です。普通の苗のように、植え付け・植え替えできますので、簡単です。
「苗」は、芽吹いて葉がある状態です。つぼみがあることが多く、確実に花が咲きますので、安心して購入できます。価格が高いことがデメリットです。
購入したナルコユリの苗は、まだ芽吹いていなく、球根がビニールポットに植え付けられた状態です。
球根を植え付けた直後だろうか?と考えましたが、土の表面が汚れていますので、植え付けてから日数が経過しています。
葉が芽吹くか?少し心配ですが、価格が安かったので、購入しました。
ナルコユリの小さな鉢植え
ナルコユリは、草丈が60センチぐらいまで成長する球根植物です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、草丈を小さくすることができますので、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
ナルコユリは、庭に地植えすることで、シェードガーデンの雰囲気を楽しむことができます。和風、洋風のどちらにも似合いますので、おすすめです。
ナルコユリを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、ナルコユリを元気に育てることができます。
スリット鉢のサイズは4号(直径12センチ)、CSM-120になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
準備したスリット鉢の直径12センチと4号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の4号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは9センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ナルコユリを小さな鉢植えで育てることができます。
ナルコユリの用土
ナルコユリは、水はけ・通気性がよく、適度な保水性がある用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を7:3の割合で混ぜた用土が適しています。
赤玉土と
腐葉土が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
ナルコユリの鉢の準備ができました。
植え付け・植え替えは、最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
ナルコユリの植え付け・植え替え
ナルコユリの苗を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ナルコユリの植え付け・植え替えに適した時期は、球根は、春の芽出し前である3月、秋の落葉後の11月頃になります。
芽出し苗は、購入して、すぐに鉢に植え替えをします。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
ナルコユリの苗を鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ナルコユリの苗をビニールポットから取り出すことができました。
ナルコユリの根鉢
ナルコユリの苗をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
普通は、根鉢の底を三分の一ぐらい崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えしますが、芽出し苗ですので、根鉢を崩さないで、鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。
芽出し苗ですが、表面の土が汚れていますので、竹串を使って取り除きます。
表面の土を取り除きました。
根鉢をよく観察しても、根がありそうにないです。
このままの状態で、
植え付け・
植え替えすると心配になりますので、
根鉢を崩して、根の状態を確認することにしました。
根鉢は簡単に崩れ、根がないことが分かりました。
購入したナルコユリの苗は、根がほとんどなく、球根の状態でした。
表面の土の汚れ具合から、ビニールポットに植え付けて日数が経過しているはずですが、根が少なく、心配です。
鉢に植え付け・植え替えをする
ナルコユリの球根を準備した鉢に植え付け・植え替えをします。
球根の状態が悪い可能性がありますので、環境を大きく変化させないように苗の土を再利用することにしました。
準備した鉢に、苗の土を入れます。
鉢の高さの半分くらいまで、苗の土を入れました。
ナルコユリについて調べると、球根は横向きに植え付け・植え替えすることが分かりました。
芽が曲がっていますので、芽を上向きにして横向きに植え付け・植え替えします。
もう少し
芽が隠れたほうがよいですので、赤玉土の小粒を入れます。
用土をスリット鉢の段差の少し下まで入れました。
仕上げに
軽石を敷きます。
軽石を敷くことによって、水遣りや雨で用土の粒が崩れることを防ぎます。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、用土の粒が崩れることがありません。
水遣りで土が跳ね返り、葉に付着することも防ぎます。葉に土が付着すると、病害虫の原因になります。
ナルコユリの小さな鉢植えが完成しました。球根が2つだけで寂しいですが、分球で増やして、豪華な寄せ植えを作ります。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
ナルコユリの管理
ナルコユリの球根を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ナルコユリの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、冬は落葉していますので、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
芽吹いて葉が成長する春は、水切れに注意が必要です。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
芽が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ナルコユリは、日当たり・風通しの良い場所で管理します。日陰でも育てることができます。
芽吹いて成長する春は、日当たりが良いほうが大きく成長します。暑い夏は日陰で管理すると、葉が瑞々しくなります。
耐寒性は強く、寒い冬も屋外で管理できます。春の成長に、一定の寒さに当たる必要があります。
ナルコユリの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。日陰でも大丈夫。
- 水はけ・通気性がよく、保水性がある用土。市販の培養土、または、赤玉土と腐葉土を7:3で配合。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は緩効性肥料を置き肥、または液体肥料。
- 植え付け・植え替えは、芽吹き前の春、または秋の落葉後。
ナルコユリは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
雨に当たらないように管理すれば、状態がよく、花を長く楽しめます。
肥料は、3~6月と9月に緩効性化成肥料を月に1回、置き肥するか、月に3~4回、液体肥料を与えます。
鉢植えは、2~3年に1回ぐらいに植え替えをします。植え替えのときに株分けするとよいです。
ナルコユリの今後
3月21日に、ナルコユリの苗を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県ですので、温暖な気候です。
ナルコユリの今後の様子はこの記事を更新します。
最初の目標は、葉が芽吹くことです。球根に根が少なく、状態がよくありませんので、芽吹くか?心配です。
葉が芽吹けば、5月頃に美しい花を楽しめます。1年間の育てる様子を記録します。
小さなユリのチゴユリを育てています。
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