スカシユリ(透百合)は、ユリ科ユリ属の耐寒性球根植物です。学名はLilium maculatum、英名がAsiatic Hybrid(アジアティック ハイブリッド)になります。
原産地は、日本や朝鮮半島など。花びらの間が透いていることが名前の由来です。
色鮮やかな花が、数輪、上を向いて咲くことが特徴。花の直径は10センチぐらいで、色は白色、黄色、赤色、ピンク色があり、覆輪の品種もあります。
江戸時代から品種改良され、たくさんの園芸品種がありますので、好みの花の色を選ぶことも楽しみの一つです。
耐寒性・耐暑性が強く、育てやすいユリになります。
ホームセンターで、スカシユリの芽出し苗が安く販売されていましたので、購入して育てます。
「芽出し苗」は、芽吹いている球根のことです。「芽出し球根」と呼ばれることがあります。
球根は安く販売されていますが、植え付けが心配な場合は、「芽出し苗」を使うと、普通のポット苗のように鉢に、植え付け・植え替えをして育てることができますので、便利です。
スカシユリの苗
スカシユリの苗のラベルの写真で、
花の色や形を確認して購入しましょう。
色鮮やかな赤色の花が咲く品種です。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単な説明があります。
ユリ
●科 名/ユリ科
●開花期/5~9月頃
●用 途/鉢植え、プランター、切り花など
管理方法
日当たりと、排水の良いところに植え、肥料は油かす、配合肥料を少しずつ与えます。
水やりは表土が乾いたら与えますが、露地植えの場合は、ひどく乾燥しないかぎり不要です。
寄せ植えで楽しんでください。
スカシユリの苗の草丈は10センチないくらいです。
スカシユリの草丈は、成長すると60~80センチまで、大きく成長します。
直径9センチ、3号のビニールポットに植えられています。
苗を選ぶときは、葉の黄色に変色することがなく、緑色で枚数が多い元気な株であることを確認します。
葉が開いていない状態の苗は、先端の成長点が守られていますので、寒い冬でも屋外で大丈夫です。
購入した苗は、葉が開いていますので、霜で先端が枯れることがありますので、軒下などで保護する必要があります。
購入して、2~3日ぐらい屋外に置いていましたので、葉先が赤くなっています。
スカシユリの小さな鉢植え
スカシユリは、草丈が80センチぐらいまで成長する球根植物です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
スカシユリは、寄せ植えで育てることが多いです。鉢植えなら6号(直径18センチ)に球根を3つ植え付けると、花が咲いたときに豪華になります。
スカシユリを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、スカシユリを元気に育てることができます。
スリット鉢のサイズは3.5号(直径10.5センチ)、CSM-105になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
準備したスリット鉢の直径10.5センチと3.5号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の3.5号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは9センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、スカシユリを小さな鉢植えで育てることができます。
スカシユリの用土
スカシユリは、水はけ・通気性がよく、適度な保水性がある用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を7:3の割合で混ぜた用土が適しています。
赤玉土と腐葉土が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
スカシユリの鉢の準備ができました。
植え付け・植え替えは、最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
スカシユリは弱酸性の
用土を好みます。pHが6~7が最適です。日本の
用土は酸性ですので、有機石灰を
用土に混ぜることで中和します。
有機石灰は、アルカリ性ですが、効果が弱く、苦土石灰のように植え付け・植え替えをする2週間前に土づくりをする必要がありません。
用土の準備ができました。
スカシユリの肥料
スカシユリは、花がたくさん咲きますので、植え付け・植え替えをするときに、緩効性化成肥料を元肥として施します。
元肥は、苗木を植え付け・植え替えをするときに、用土に施す肥料のことです。
N(チッソ)、P(リン酸)、K(カリ)が5:8:5と、P(リン酸)が多めの花が咲く植物用の肥料です。
5:8:5で合計18、合計の数字が30未満ですので、低度化成肥料になります。30以上は高度化成肥料です。
強くありませんので、気軽に使うことができる肥料になります。
数字が大きいほうが得した気分になりますが、肥料に弱い植物がありますので、注意が必要です。
肥料は説明書をよく読み、適量を与えましょう。
小さじに三分の一ぐらい、少量の肥料を元肥として用土に混ぜます。小さじは5ミリリットルですので、水であれば5グラムになります。
肥料の説明書の1株当たりの元肥の8グラムより少ないです。
肥料は少なく与えて、葉が黄色になったり、成長が悪かったりして、足りない場合は追肥します。
スカシユリの追肥は、緩効性化成肥料を2月に1回、置き肥で与えるか、2週間に一度、液体肥料を与えます。
肥料と用土を軽く混ぜて、元肥を施しました。
スカシユリの植え付け・植え替え
スカシユリの苗を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
スカシユリの植え付け・植え替えに適した時期は、球根は秋の9月~11月になります。芽出し苗は、購入して、すぐに鉢に植え替えをします。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
スカシユリの苗を鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
スカシユリの苗をビニールポットから取り出すことができました。
スカシユリの根鉢
スカシユリの苗をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は普通です。白い根は新しく、たくさんありますので元気な苗です。
芽出し苗ですので、根鉢を崩さないで、鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
写真を撮るために、移動させると、スカシユリの根鉢が崩れてしまいました。
球根植物は根が太く、根鉢が崩れやすいので、注意が必要です。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢が崩れた
スカシユリを
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
スリット鉢は、段差がありますので、分かりやすいです。
少し離れて見て、バランスがよくなっているか?確認しましょう。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
用土をスリット鉢の段差の少し下まで入れました。
仕上げに軽石を敷きます。
軽石を敷くことによって、水遣りや雨で用土の粒が崩れることを防ぎます。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、用土の粒が崩れることがありません。
水遣りで土が跳ね返り、葉に付着することも防ぎます。葉に土が付着すると、病害虫の原因になります。
スカシユリの小さな鉢植えが完成しました。株が1つだけで寂しいですが、分球で増やして、豪華な寄せ植えを作ります。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
スカシユリの管理
スカシユリの苗を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
スカシユリの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は3~4日に1回ぐらいが目安になります。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
水のやりすぎると、葉が徒長して弱くなりますので、注意が必要です。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
スカシユリは、日当たり・風通しの良い場所で管理します。
日当たりが悪いと、茎が弱くなりますので、折れることがあります。支柱を使って支えるとよいです。
スカシユリの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。
- 水はけ・通気性がよく、保水性がある用土。市販の培養土、または、赤玉土と腐葉土を7:3で配合。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は緩効性肥料を元肥。置き肥か液体肥料で追肥。
- 植え付け・植え替えは、秋の10月頃。
スカシユリは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
雨に当たらないように管理すれば、状態がよく、花を長く楽しめます。
花が萎れたら、子房の付け根を切って、取り除きます。結実すると株が弱ります。
涼しくなる秋になると、葉が黄色に変色します。黄色に変色した葉は、株元で切り、取り除きます。葉枯病菌が発生しますので、注意が必要です。
スカシユリの今後
3月8日に、スカシユリの苗を鉢に植え付け・植え替えしました。
まだ寒い時期ですが、九州地方の福岡県では、ホームセンターや園芸店で
芽出し苗が販売されています。
根鉢を軽く崩すだけにすれば、大丈夫です。
スカシユリの今後の様子はこの記事を更新します。
最初の目標は、初夏に美しい花を楽しむことです。1年間の育てる様子を記録します。
小さなユリのチゴユリを育てています。
関連記事
0 件のコメント :
コメントを投稿