ミヤコワスレ(都忘れ)は、キク科ミヤマヨメナ属の多年草です。
日本の本州、四国、九州の自生するミヤマヨメナが品種改良されてできた園芸品種になります。
ミヤコワスレの花が咲く時期は、春の4月から6月。花の色は淡青色や青色、ピンク色、白色があります。
ホームセンターで、小さな苗が販売されていましたので、購入して育てます。
花が咲いていたり、つぼみがあったりする開花苗より、価格が安いですので、気軽に購入できます。
花が咲くまで育てる期間が長いですが、成長する過程を楽しめますので、おすすめです。
ミヤコワスレの苗
ミヤコワスレの苗のラベルで、
花の色や形を確認して購入しましょう。
「みのる紫」は、花のサイズが大きく、濃い青色の花が特徴です。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単な説明があります。
ミヤコワスレ
開花期
4月~6月
育て方のポイント
管理
水はけのよい半日陰で管理して下さい。
水やり
適度の湿り気を保つように、水を与えて下さい。
肥料
春から秋に少量与えて下さい。
ミヤコワスレの苗の草丈は5センチぐらい。寒さで葉が少し紅葉?変色しています。霜や凍結で葉が傷むことがあります。
ミヤコワスレの草丈は、品種によって異なりますが、地植えすれば、70センチぐらいまで成長します。
小さいほうが管理が簡単ですので、大きく成長しないように、小さな鉢植えで育てます。
直径9センチ、3号のビニールポットに植えられています。
苗をよく観察すると、株が3つあります。
ミヤコワスレの小さな鉢植え
ミヤコワスレは、草丈が70センチぐらいまで成長する多年草です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
苗をビニールポットのまま、鉢に入れると植え付け・植え替えしたときの雰囲気が確認できます。
ビニールポットと同じくらいの大きさですので、あまり変化がありません。
ミヤコワスレを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、ミヤコワスレを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは3.5号(直径10.5センチ)、CSM-105になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
準備した
スリット鉢の直径10.5センチと3.5号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、
普通の3.5号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは9センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ミヤコワスレを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、ミヤコワスレを最適な環境で育てることができます。
スリット鉢のデメリットは、デザイン性がないことです。価格が安く、生産者向けの商品ですので、仕方がありません。
100均の4号(直径12センチ)の鉢が、鉢カバーとしてピッタリのサイズです。花が咲いている時期は、鉢カバーに入れて飾り、普段はスリット鉢のまま育てます。
ミヤコワスレの用土
ミヤコワスレは、水はけがよく、弱酸性の用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
用土を作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土、鹿沼土を5:3:2の割合で混ぜた用土が適しています。
赤玉土と
腐葉土、
鹿沼土が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
ミヤコワスレの鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
ミヤコワスレの肥料
ミヤコワスレは肥料を多く必要としません。鉢植えは、植え付け・植え替えをするときに、少量の緩効性化成肥料を元肥として施します。
元肥は、苗木を植え付け・植え替えをするときに、用土に施す肥料のことです。
N(チッソ)、P(リン酸)、K(カリ)が5:8:5と、P(リン酸)が多めの花が咲く植物用の肥料です。
5:8:5で合計18、合計の数字が30未満ですので、低度化成肥料になります。30以上は高度化成肥料です。
強くありませんので、気軽に使うことができる肥料になります。
数字が大きいほうが得した気分になりますが、肥料に弱い植物がありますので、注意が必要です。
肥料は説明書をよく読み、適量を与えましょう。
小さじに三分の一ぐらい、少量の肥料を元肥として用土に混ぜます。小さじは5ミリリットルですので、水であれば5グラムになります。
肥料の説明書の1株当たりの元肥の8グラムより少ないです。
肥料は少なく与えて、葉が黄色になったり、成長が悪かったりして、足りない場合は追肥します。
ミヤコワスレは、花の咲き始め、花が終わった後、秋に、緩効性化成肥料を置き肥で与え、追肥するとよいです。
用土に肥料を入れて軽く混ぜてから、植え付け・植え替えをします。
ミヤコワスレの植え付け・植え替え
ミヤコワスレの苗を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ミヤコワスレの植え付け・植え替えに適した時期は、5~6月と9月~10月になります。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
ミヤコワスレの苗を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ミヤコワスレの苗をビニールポットから取り出すことができました。
ミヤコワスレの根鉢
ミヤコワスレの苗をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は普通です。白い根は新しく、茶色の根は腐敗しています。小さいポットですので、土のない外側に、根がたくさんあります。
冬ですので、新しい白い根は少ないです。
ミヤコワスレの根鉢の底を観察すると、鉢の底で根が巻くサークリング現象が少し起きています。
ミヤコワスレは根がよく伸び、根詰りしやすいですので、毎年、植え替えをします。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れて固まると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。
竹串を使って、根鉢の表面の土を崩します。根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
根元より周りの土が高くなっていることが多いですので、根元が一番高くなるように根鉢の肩の土を崩します。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
黄色に変色したり、枯れたりした葉は、ピンセットで取り除きます。
植え付け・植え替えをするときは、根元がよく見え、作業がしやすいです。
根鉢の底は、
根が巻き、土が固まっています。このままの状態で、
植え付け・植え替えをすると、
根の成長がよくありませんので、軽く崩します。
根鉢の底を
竹串を使って崩します。底の土を崩して、
根をほぐします。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩した
ミヤコワスレを
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
スリット鉢は、段差がありますので、分かりやすいです。
根鉢と鉢に隙間がありますので、
用土を入れます。
崩した根鉢の土は、状態がよかったですので、再利用することにしました。
軽石を敷くことによって、水遣りや雨で赤玉土の粒が崩れることを防ぎます。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
ミヤコワスレの小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
ミヤコワスレの管理
ミヤコワスレの苗を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ミヤコワスレの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ミヤコワスレは、半日陰で、風通しの良い場所で管理します。
耐暑性がやや弱いですので、夏越しに注意が必要です。強い日差しに当てないようにしましょう。
耐寒性は強いですが、霜や凍結で葉が傷むことがありますので、軒下などで管理しましょう。寒さが厳しい地域は保護したほうが安心です。
ミヤコワスレの育て方のポイント
- 半日陰で、風通しがよい場所で育てる。
- 水はけのよい、弱酸性の用土を好む。市販の培養土、または赤玉土と腐葉土、鹿沼土を5:3:2で配合。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は少量の緩効性肥料を元肥。花が咲く前、花後、秋に、緩効性化成肥料を置き肥で追肥。
- 植え付け・植え替えは、5~6月、または9~10月。
ミヤコワスレは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
根がよく伸びますので、鉢植えは根詰りしないように、毎年、植え替えをします。
花が萎れたら、花柄摘みをします。枯れた葉があれば、取り除きましょう。花が終わったら、花茎を地際で切り詰めます。
ミヤコワスレの今後
1月30日に、ミヤコワスレの苗を鉢に植え付け・植え替えしました。
寒い時期ですが、ビニールポットで
冬越しさせることが心配になりましたので、
根鉢を軽く崩すだけにすれば、大丈夫だろうと考えました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、屋外で冬越しも簡単です。
ミヤコワスレの今後の様子はこの記事を更新します。
最初の目標は、枯らすことなく冬越しさせることです。霜に当てないように注意します。
1年間の育てる様子を記録します。
花の雰囲気が似ている同じキク科のブルーデージーを育てています。参考にして下さい。
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