サギゴケ(鷺苔)は、ハエドクソウ科サギゴケ属の常緑性多年草です。ハエドクソウ科でなく、サギゴケ科として独立させることがあります。
学名はMazus miquelii、白い花のシロバナサギゴケまたはサギシバと区別して呼ぶために、ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)の別名があります。
原産地は、中国の東部から南部、朝鮮半島の南部、日本の本州から九州です。
サギゴケの特徴は、赤褐色の斑点がある花です。
花は紅紫色で長さ2センチぐらい、上唇は狭卵形で深く2裂しています。下唇は3裂して、中央が膨らみ、赤褐色の斑点があります。
ホームセンターで、サギゴケの苗が販売されていて、ちょっと変わった花が気に入りましたので、購入して育てます。
サギゴケの苗
サギゴケの苗の草丈は3センチぐらい。草丈は大きく成長しても10センチぐらいまでです。
直径9センチ、3号のビニールポットに植えられています。
ちょっと変わったサギゴケの花。
苗を選ぶときは、花よりも葉を大切にします。葉が黄色に変色することなく、濃い緑色で元気な苗を選びましょう。
状態がよい苗なら、たくさん花が咲きます。
サギゴケの花が咲く時期は、春の3~5月になります。1月下旬ですが、サギゴケの苗は花が咲いています。
ホームセンターや園芸店で販売されている苗は、花が咲いているほうが、よく売れますので、ビニールハウスなどで保護して、早く開花させています。
サギゴケの小さな鉢植え
サギゴケは、寄せ植え、グランドカバー、盆栽などに利用できます。
花を確実に咲かせるために、小さな鉢植えで育てます。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
プレステラ
サギゴケの鉢は、アップルウェアーのプレステラ105型にします。
ホームセンターや園芸店で10ヶ組で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
苗の植え付け・植え替えをするときは、予備の鉢を用意します。株分けしたほうがよい場合や鉢のサイズを変更することがあります。
一回り小さなプレステラ90型もありますので、いつでも植え付け・植え替えができるように、購入して鉢の予備を用意しています。
プレステラの大きな特徴は、側面から底にスリットが多く設置されていることです。
スリットにより根の先端が光を浴びて、伸びることができなくなります。
鉢の底で根が巻くサークリング現象を防ぎ、根詰りすることなく、用土を有効に利用でき、植物が元気に成長できる鉢です。
小さな鉢植えで、サギゴケを元気に育てることができ、根詰りを防止しますので、植え替えの頻度も少なくなります。
サギゴケの鉢植えは、毎年植え替えをします。鉢の底から根が出て根詰りをすると生育が悪くなりますので、注意が必要です。
プレステラを使うことで、2~3年ぐらいは大丈夫になります。
プレステラは、底に特許番号が記載されています。
4つの辺の中央に短いスリット、合計8ヵ所に設置されています。
1辺に2ヶ所、合計8ヵ所に仕切りがあり、根が鉢の底に沿って伸びることを防ぎます。
スリットだけでなく、仕切りを設置することで、完全に鉢の底で根が巻くことを防ぎます。
段差まで用土を入れると、ウォータースペースができ、水遣りが簡単になります。
プレステラは、生産者向けの商品で、実績がありますので、サギゴケを健康で丈夫に育てることが期待できます。
デメリットは、デザイン性がよくないことです。プラスチック製の鉢ですが、日本製ですので耐久性が高く、よい鉢です。
プレステラ105型は、1辺9センチの正方形の鉢です。
普通の円形の鉢の3号(直径9センチ)より、少し大きなサイズになります。
鉢の高さは8センチぐらい。
スズランの鉢の大きさは、5~6号(直径15~18センチ)の鉢に1株が基本です。
プレステラ105型は、3.5号より少し大きいぐらいのサイズですので、基本の半分くらいになります。
小さな鉢植えは、コンパクトで、いろいろな場所に飾ることができますので、メリットは多いですが、成長が悪いことがあれば、大きな鉢に植え替えをします。
スリット鉢
サギゴケを株分けして、小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
スリット鉢のサイズは2.5号(直径7.5センチ)、CSM-75になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
準備した
スリット鉢の直径7.5センチと2.5号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、
普通の2.5号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは7センチありません。
スリット鉢の上の円形の部分を切り取りました。
鉢の高さが小さくなり、100均の陶器が鉢カバーになります。底の穴を開けていますので、この状態で育てることができます。
100均の陶器に穴を開ける方法を詳しく書いた記事がありますので、参考にして下さい。
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サギゴケの用土
サギゴケは、水はけ・水もちのよい用土が適しています。
ホームセンターや園芸店で販売されている山野草の土、または普通の培養土で育てることができます。
用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜた基本の用土が適しています。
赤玉土と
腐葉土が均一になるように混ぜます。
プレステラやスリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
サギゴケの鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
サギゴケの肥料
サギゴケは肥料を多く必要としません。鉢植えは、植え付け・植え替えをするときに、少量の緩効性化成肥料を元肥として施します。
元肥は、苗木を植え付け・植え替えをするときに、用土に施す肥料のことです。
N(チッソ)、P(リン酸)、K(カリ)が5:8:5と、P(リン酸)が多めの花が咲く植物用の肥料です。
5:8:5で合計18、合計の数字が30未満ですので、低度化成肥料になります。30以上は高度化成肥料です。
強くありませんので、気軽に使うことができる肥料になります。
数字が大きいほうが得した気分になりますが、肥料に弱い植物がありますので、注意が必要です。
肥料は説明書をよく読み、適量を与えましょう。
小さじに三分の一ぐらい、少量の肥料を元肥として用土に混ぜます。小さじは5ミリリットルですので、水であれば5グラムになります。
肥料の説明書の1株当たりの元肥の8グラムより少ないです。
肥料は少なく与えて、葉が黄色になったり、成長が悪かったりして、足りない場合は追肥します。
サギゴケは、花が咲く春から夏まで、月に2~3回、薄めの液体肥料を与えます。
用土に肥料を入れて軽く混ぜてから、植え付け・植え替えをします。
サギゴケの植え付け・植え替え
サギゴケの苗を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
サギゴケの植え付け・植え替えに適した時期は、休眠している1~2月、または秋の9月になります。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
サギゴケの苗を鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
サギゴケの苗をビニールポットから取り出すことができました。
サギゴケの根鉢
サギゴケの苗をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、もう少しで根詰りぐらいです。白い根は新しく、茶色の根は腐敗しています。小さいポットですので、土のない外側に、根がたくさんあります。
サギゴケの根鉢の底を観察すると、鉢の底で根が巻くサークリング現象が起きています。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、株分け
株元にある枯れた
葉を
ピンセットを使って取り除きます。
サギゴケは、葉が密に茂りますので、普段は見ることができない枯れた葉を植え付け・植え替えのときに、取り除くとよいです。
竹串は、素材が竹ですので、適度な硬さで根を傷つけにくい特徴があります。
園芸用に、100均で購入しています。
根鉢の底も崩して、底で巻いている長く伸びた
根を
ハサミで切ります。
サギゴケの苗を
株分けするために、分けることができそうなところを
竹串で土を崩します。
根がたくさん切れると、回復するまでの時間が長くなりますので、できるだけ
根を切らないように、ゆっくり慎重に分けます。
バランスと大きさを考えて、3つに株分けしました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩して株分けしたサギゴケの小さな株を用土を入れて準備したスリット鉢に入れます。
小さな株は乾きやすいので、最初に植え付け・植え替えをしました。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、腐葉土を入れないで、赤玉土だけを隙間に入れました。
小さな株を
スリット鉢に
植え付け・
植え替えができました。
大きな株は、
プレステラに
植え付け・
植え替えをします。
大きな株には、花が咲いていますので、すぐに飾って楽しむことができます。
「鉢のフチから2~3センチぐらい下まで用土を入れてウォータースペースを作ります。」と園芸やガーデニングでよく聞きますが、鉢の大きさによって異なりますので、難しいです。
プレステラは段差がありますので、分かりやすいです。
軽石を敷くことによって、水遣りや雨で赤玉土の粒が崩れることを防ぎます。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
サギゴケの管理
サギゴケの苗を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
花が咲いている時期は、花に水がかかると傷みますので、水差しで直接、土に水を与えます。
サギゴケの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
暑い夏はすぐに乾きますので、半日陰で管理したり、二重鉢にしたりして、乾燥を防ぎます。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
サギゴケは、日当たり・風通しの良い場所で管理します。半日陰でも育ちますが、花が少なくなります。
耐暑性は強く、夏越しは簡単です。
耐寒性もあり、凍らせることがなければ、屋外で冬越しできます。
残った株は
プレステラに
植え付け・
植え替えをしました。
スリット鉢を陶器の鉢カバーに入れると、盆栽風になります。
サギゴケの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。
- 水はけ・水もちのよい用土。市販の山野草の土、または、培養土。作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3で配合。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は少量の緩効性肥料を元肥。春から夏まで、月に2~3回、液体肥料を与える。
- 鉢植えは、毎年植え替えをします。
- 植え付け・植え替えは、1~2月と9月が適しています。
サギゴケは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
根がよく伸びますので、鉢植えは根詰りしないように、毎年に1回、休眠している1~2月か秋の9月に植え替えをします。
サギゴケの今後
1月29日に、サギゴケの苗を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、屋外で冬越しも簡単です。
サギゴケの今後の様子はこの記事を更新します。
最初の目標は、枯らすことなく冬越しさせて、春に美しい花を楽しむことです。
1年間の育てる様子を記録します。
サギゴケと同じように、春に花が咲く山野草であるクモマグサ(雲間草)を育てていますので、参考にして下さい。
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