スズラン(鈴蘭)は、キジカクシ科(クサスギカズラ科)スズラン属の多年草です。原産地は、ヨーロッパ、東アジア、北アジアになります。
君影草(きみかげそう)と呼ばれることもあり、春に伸ばした花茎の先端に、鈴のような形の白い花が咲きます。
花の直径は1センチぐらいですが、1本の花茎に10個ぐらいの花が連なって咲きます。
ホームセンターで、スズランの苗(球根)が販売されていましたので、購入して育てます。
スズランは、毒を含みますので注意が必要です。特に花と根に毒を多く含みます。
スズランの年間スケジュール
- 春の4月頃の新芽が芽吹き、葉が展開。
- 4~5月に花が咲き、6月に赤い実ができる。
- 初夏から秋まで、葉を茂らせます。
- 晩秋に、葉が枯れて休眠します。
- 寒い冬は球根で冬越しします。
毎年、
花を楽しめますので、おすすめの植物です。
スズランの苗(球根)
スズランの苗のラベルで、
花の色や形を確認して購入しましょう。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に詳しく説明があります。
スズラン
1茎より10数輪の鈴を重ねた様な雪白色の清楚で可憐な花が咲き、甘く匂うゆかしい香りは愛の花です。
用 途
花壇 鉢植 切花
草丈 15cm~20cm
栽培のポイント
日当りと排水の良いところを好みます。定植する場合は土をくずさない様にします。水やりは土の表面が乾いたらタップリと与えて下さい。
肥料:油かす・化成肥料等を適量与えて下さい。
購入した
スズランの苗は、土から少し
芽が出ていますが、ほとんど
球根の状態です。
直径9センチ、3号の小さなビニールポットに植えられています。
スズランの小さな鉢植え
スズランは、草丈が20センチぐらいまで成長する多年草です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
苗をビニールポットのまま、鉢に入れると植え付け・植え替えしたときの雰囲気が確認できます。
ビニールポットと同じくらいの大きさですので、あまり変化がありません。
スズランの鉢は、アップルウェアーのプレステラ105型にします。
ホームセンターや園芸店で10ヶ組で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
苗の植え付け・植え替えをするときは、予備の鉢を用意します。株分けしたほうがよい場合や鉢のサイズを変更することがあります。
一回り小さなプレステラ90型もありますので、いつでも植え付け・植え替えができるように、購入して鉢の予備を用意しています。
プレステラの大きな特徴は、側面から底にスリットが多く設置されていることです。
スリットにより根の先端が光を浴びて、伸びることができなくなります。
鉢の底で根が巻くサークリング現象を防ぎ、根詰りすることなく、用土を有効に利用でき、植物が元気に成長できる鉢です。
小さな鉢植えで、スズランを元気に育てることができ、根詰りを防止しますので、植え替えの頻度も少なくなります。
スズランは、1~2年で植え替えをします。鉢の底から根が出て根詰りをすると生育が悪くなりますので、注意が必要です。
プレステラを使うことで、2~3年ぐらいは大丈夫になります。
プレステラは、底に特許番号が記載されています。
正方形の4つの角に長いスリット。
4つの辺の中央に短い
スリット、合計8ヵ所に設置されています。
1辺に2ヶ所、合計8ヵ所に仕切りがあり、根が鉢の底に沿って伸びることを防ぎます。
スリットだけでなく、仕切りを設置することで、完全に鉢の底で根が巻くことを防ぎます。
段差まで用土を入れると、ウォータースペースができ、水遣りが簡単になります。
プレステラは、生産者向けの商品で、実績がありますので、スズランを健康で丈夫に育てることが期待できます。
デメリットは、デザイン性がよくないことです。プラスチック製の鉢ですが、日本製ですので耐久性が高く、よい鉢です。
プレステラ105型は、1辺9センチの正方形の鉢です。
普通の円形の鉢の3号(直径9センチ)より、少し大きなサイズになります。
鉢の高さは8センチぐらい。
スズランの鉢の大きさは、5~6号(直径15~18センチ)の鉢に1株が基本です。
プレステラ105型は、3.5号より少し大きいぐらいのサイズですので、基本の半分くらいになります。
小さな鉢植えは、コンパクトで、いろいろな場所に飾ることができますので、メリットは多いですが、成長が悪いことがあれば、大きな鉢に植え替えをします。
スズランの用土
スズランは、水はけ・通気性がよく、適度な保水性がある用土をが適しています。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土に1割ぐらい軽石を混ぜるとよいです。
用土を作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土、軽石を6:3:1の割合で混ぜた用土が適しています。
赤玉土と
腐葉土、
軽石が均一になるように混ぜます。
プレステラは、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
スズランの鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
スズランの肥料
スズランは、植え付け・植え替えをするときに、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜます。
元肥は、苗を植え付け・植え替えをするときに、用土に施す肥料のことです。
花が咲き終わった5月下旬ごろに、追肥として緩効性化成肥料、または、液体肥料を与えるとよいです。
N(チッソ)、P(リン酸)、K(カリ)が5:8:5と、P(リン酸)が多めの花が咲く植物用の肥料です。
5:8:5で合計18、合計の数字が30未満ですので、低度化成肥料になります。30以上は高度化成肥料です。
強くありませんので、気軽に使うことができる肥料になります。
数字が大きいほうが得した気分になりますが、肥料に弱い植物がありますので、注意が必要です。
肥料は説明書をよく読み、適量を与えましょう。
小さじに三分の一ぐらい、少量の肥料を元肥として用土に混ぜます。小さじは5ミリリットルですので、水であれば5グラムになります。
肥料の説明書の1株当たりの元肥の8グラムより少ないです。
肥料は少なく与えて、葉が黄色になったり、成長が悪かったりして、足りない場合は追肥します。
元肥が不足したら、追肥をすればよいです。肥料をすぐに効かせたい場合は、液体肥料が適しています。
スズランの植え付け・植え替え
スズラン苗を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
スズランの植え付け・植え替えに適した時期は、秋の10~11月と春の4月になります。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから取り出すことができません。
根がビニールポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
スズランの苗を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
スズランの苗をビニールポットから取り出すことができました。
スズランの根鉢
スズランの苗をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、根が少ないように感じます。白い根は新しく、茶色の根は腐敗しています。
土が新しいですので、球根をビニールポットに植え付けて、日数があまり経過していない可能性があります。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に
植え付け・
植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
スズランの苗は、土の表面に
根があります。
土の表面に伸びたのではなく、植え付けたときに土に中に入らなかった根のようです。
根は枯れていますので、ハサミで切り、取り除きます。
根をハサミで切っていると、根鉢が崩れました。球根の植物は、根が太いですので、根鉢が崩れやすいです。
土が崩れて、スズランの根が見えるようになりました。根の量は少なく、上向きに伸びている根が多いです。
状態がよくありませんので、このまま鉢に植え付け・植え替えをします。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢が崩れた
スズランを
用土を入れて準備した鉢に入れました。
芽が鉢の中心の位置であることを確認します。
崩れた根鉢の土を追加して、芽が少しだけ出ているようにしました。
1月下旬で、植え付け・植え替えの時期ではありませんので、無理をしないほうがよいです。
暖かくなる春に芽吹いてくれることを祈ります。
スズランの管理
スズランの苗を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
スズランの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
冬は水遣りを控えめにするとよいです。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
芽が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
スズランは、日当たり・風通しの良い場所で管理します。
耐暑性は少し弱いですので、暑い夏は半日陰で、風通しのよい場所で管理します。
耐寒性は強いですので、保護の必要はありません。
スズランの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。
- 用土は、市販の培養土に1割ぐらい軽石を混ぜる、または、赤玉土、腐葉土、軽石を6:3:1で配合。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は緩効性化成肥料を元肥として与えます。花後に追肥。
- 夏は半日陰で風通りの良い場所で管理。
- 植え付け・植え替えは、春の4月と秋の10~11月。
スズランは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。鉢植えは根詰りしないように、1~2年に1回、春か秋に植え替えをします。
暑い夏は半日陰で管理すると、水切れの心配が少なくなります。耐暑性が少し弱いですので、管理に注意が必要です。
病害虫の心配は、ほとんどありませんので安心できます。
スズランの今後
1月28日に、スズランの苗を鉢に植え付け・植え替えしました。
寒い時期ですが、ビニールポットで
冬越しさせることが心配になりましたので、
根鉢を軽く崩すだけにすれば、大丈夫だろうと考えました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、管理が簡単です。
スズランの今後の様子はこの記事を更新します。
最初の目標は、枯らすことなく冬越しさせ、春に芽吹くことです。
1年間の育てる様子を記録します。
育て方が簡単な蘭であるシラン(紫蘭)も育てています。
関連記事
0 件のコメント :
コメントを投稿