ユリオプスデージーは、キク科ユリオプス属の常緑性低木です。
原産地は南アフリカで、学名はEuryops pectinatus(ユリオプス・ペクチナータス)になります。
黄色の花を晩秋から春まで、長期間、咲かせ、葉や茎に細毛がありますので、全体が灰白色に見えることが特徴です。
ユリオプスデージーの苗木
ユリオプスデージーの苗木のラベルで、
花の色や形を確認して購入しましょう。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に簡単な説明があります。
ユリオプスデージー
学名 Euryops pectinatus
キク科/常緑低木
開花期 9月~6月
置き場所 日当たり、風通しの良い所
水やり 土の表面が乾いたら、たっぷりと与えて下さい。
肥料 液肥または固形肥料を月に1回程度与えて下さい。
ユリオプスデージーの苗木の樹高は15センチぐらい。花茎が長く伸びて、花が咲きますので、花の先端で18センチぐらいになります。
苗木は小さいですが、地植えすれば、樹高が1メートルぐらいまで大きくなります。
小さいほうが管理が簡単ですので、大きく成長しないように、小さな鉢植えで育てます。
1辺が7.5センチの四角いプラスチック製のポットに植えられています。
ユリオプスデージーとマーガレットコスモスの違い
左はマーガレットコスモスです。
花の色や形が、ほとんど同じですので、ユリオプスデージーと、よく間違えられることがあります。
マーガレットコスモスも、ユリオプスデージーと同じユリオプス属ですが、違いは葉です。
ユリオプスデージーの葉は細毛があり灰白色ですが、マーガレットコスモスは光沢のある緑色の葉になります。
ユリオプスデージーの花柄摘み
購入したユリオプスデージーの苗木は、1輪だけ花があります。萎れた花がありますので、花柄摘みをします。
花柄摘みをする理由は、萎れた花をそのままにしておくと、種を作ろうとして、株が弱りますので、次の花が咲きにくくなることです。
ユリオプスデージーは、種ができませんので、株は弱りませんが、見た目が悪いですので、花柄摘みをします。
できるだけ根元で切るほうがよいです。
萎れた花や花茎は、カビや病気の発生源になります。「灰色かび病」などが発生しやすくなりますので、花茎は残さないように根元で切ります。
ユリオプスデージーのつぼみと葉
ユリオプスデージーの苗木には、
つぼみがたくさんあります。
苗木を選ぶときは、咲いている花の数や状態より、つぼみがたくさんあるものを選ぶとよいです。
株元の枯れている葉を取り除くことで、根元の風通しがよくなります。
影になり、日が当たりませんので、葉を取り除いても影響はありません。
葉が萎れて、カビや病気が発生することがありますので、根元はキレイにするとよいです。
ユリオプスデージーの小さな鉢植え
ユリオプスデージーは、樹高が1メートルぐらいまで成長する常緑性低木です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
苗木をポットのまま、鉢に入れると植え付け・植え替えしたときの雰囲気が確認できます。
ポットと同じくらいの大きさですので、あまり変化がありません。剪定をして、今ぐらいの樹高で育てたいです。
ユリオプスデージーを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、ユリオプスデージーを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは3.5号(直径10.5センチ)、CSM-105になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ユリオプスデージーを小さな鉢植えで育てることができます。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、ユリオプスデージーを最適な環境で育てることができます。
ユリオプスデージーの用土
ユリオプスデージーは、水はけがよく、有機質が豊富な用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜた基本の用土が適しています。
赤玉土と
腐葉土が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
ユリオプスデージーの鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
ユリオプスデージーの肥料
ユリオプスデージーは、花が咲く期間が長いですので、植え付け・植え替えをするときに、元肥を施します。
元肥は、苗木を植え付け・植え替えをするときに、用土に施す肥料のことです。
N(チッソ)、P(リン酸)、K(カリ)が5:8:5と、P(リン酸)が多めの花が咲く植物用の肥料です。
5:8:5で合計18、合計の数字が30未満ですので、低度化成肥料になります。30以上は高度化成肥料です。
強くありませんので、気軽に使うことができる肥料になります。
数字が大きいほうが得した気分になりますが、肥料に弱い植物がありますので、注意が必要です。
肥料は説明書をよく読み、適量を与えましょう。
小さじに三分の一ぐらい、少量の肥料を元肥として用土に混ぜます。小さじは5ミリリットルですので、水であれば5グラムになります。
肥料の説明書の1株当たりの元肥の8グラムより少ないです。
ユリオプスデージーは、肥料が強かったり、量が多かったりすると、葉が茂りすぎることがあります。
肥料は少なく与えて、葉が黄色になったり、成長が悪かったりして、足りない場合は追肥します。
ユリオプスデージーは、春と秋の花がたくさん咲く時期は、2週間に一度、液肥を与えます。
用土に肥料を入れて軽く混ぜてから、植え付け・植え替えをします。
ユリオプスデージーの植え付け・植え替え
ユリオプスデージーの苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ユリオプスデージーの植え付け・植え替えに適した時期は、春の3~5月、秋の9~10月になります。
ポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってポットから取り出すことができません。
根がポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
ユリオプスデージーの苗を鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ポットの底の穴に竹串を挿して、苗木を上に押します。
手で引っ張り上向きに、ポットから取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ユリオプスデージーの苗木をポットから取り出すことができました。
ユリオプスデージーの根鉢
ユリオプスデージーの苗木をポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、根が多く元気な株です。白い根は新しく、茶色の根は腐敗しています。小さいポットですので、土のない外側に、根がたくさんあります。
ユリオプスデージーの根鉢の底を観察すると、樹形を乱す太い根がありますので、短く切ります。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。
竹串を使って、根鉢の表面の土を崩します。根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
根元は、幹から根が生えている部分です。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
苗木は、倒れることを防ぐために深植えされていることが多く、ユリオプスデージーの苗木は、根元が2センチぐらい土の中に埋まっていました。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
根元が見えるまで、
根鉢の表面の土を崩すと、
根鉢の高さが小さくなりました。
根鉢の底は、軽く崩すだけにします。
根鉢の底は、土が固まった状態で、植え付け・植え替えをすると、根の成長がよくありませんので、軽く崩します。
根鉢の底を竹串を使って崩します。底で巻いている根をほぐします。
底で巻いている
根をほぐしました。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩したユリオプスデージーを用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
根鉢と鉢に隙間がありますので、用土を入れます。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、腐葉土を入れないで、赤玉土だけの用土を隙間に入れました。
根の間に用土が隙間なく入るように竹串で突きます。赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。鉢の中に入れていますので、根鉢が崩れる心配がありません。
用土を
スリット鉢の
段差の少し下まで入れました。
仕上げに軽石を敷きます。
軽石を敷くことによって、水遣りや雨で赤玉土の粒が崩れることを防ぎます。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
ユリオプスデージーの小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
ユリオプスデージーの管理
ユリオプスデージーの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ユリオプスデージーの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
寒さが厳しい真冬は、暖かい日の午前中に水遣りをします。午後に水遣りをすると鉢の中に残った水が夜間に凍ることがあります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ユリオプスデージーは、日当たり・風通しの良い場所で管理します。
耐暑性は普通ですが、過湿は苦手ですので、雨の当たらない場所がよいです。暑い夏は、半日陰で、風通しのよい場所で管理します。
耐寒性も普通ですので、凍らせることがなければ、冬越しできます。冬は南向きの日当たりのよい場所で管理してください。
育苗トレーに、100均のU字型支柱を使い、雨よけ・霜よけを作りました。透明ビニールは100均のテーブルクロスです。
最近の家は軒下がありませんので、雨よけ・霜よけがあると、花が咲く植物や寒さに弱い植物の管理に便利です。
製作した様子を記事に書いていますので、参考にして下さい。
関連記事
ビニールハウスのように密閉されていませんので、株元の風通しがよいです。雨や霜にあたりませんので、花を長く楽しむことができます。
ユリオプスデージーの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。
- 水はけのよい、有機質が豊富な用土を好む。市販の培養土、または赤玉土と腐葉土を7:3で配合。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は緩効性肥料を元肥、花が咲く時期は液肥を与えます。
- 多湿に注意、雨に当てないように管理。冬は凍らせないように保護。
- 植え付け・植え替えは、春と秋が適しています。
ユリオプスデージーは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
根がよく伸びますので、鉢植えは根詰りしないように、2年に1回、春か秋に植え替えをします。
暑い夏は半日陰で管理すると、水切れの心配が少なくなります。
ユリオプスデージーの今後
1月7日に、ユリオプスデージーの苗を鉢に植え付け・植え替えしました。
秋の
植え付け・
植え替えの時期を過ぎて、寒い時期ですが、ポットで
冬越しさせることが心配になりましたので、
根鉢を軽く崩すだけにすれば、大丈夫だろうと考えました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、屋外で冬越しも簡単です。
ユリオプスデージーの今後の様子はこの記事を更新します。
最初の目標は、枯らすことなく冬越しさせることです。5月頃まで美しい花を楽しめるように頑張ります。
1年間の育てる様子を記録します。
ユリオプスデージーの花
2月21日、撮影。
ユリオプスデージーの苗木を鉢に
植え付け・植え替えしてから1ヶ月半が経過しました。順調に成長して、美しい黄色の
花が咲いています。
花が少ない寒い冬に咲いてくれますので、ありがたいです。
花の大きさは、直径3~4センチぐらい、花茎を長く伸ばして先端に1輪咲きます。
4月18日、撮影。
ユリオプスデージーの小さな鉢植えに、たくさんの
花が咲き、満開の状態になりました。
つぼみがたくさんありますので、しばらくの間、鮮やかな黄色の花を楽しめます。
萎れた花を取り除く花がら摘みをすることで、キレイな状態を保ち、株を弱らせることなく管理できます。
ユリオプスデージーの剪定
6月4日、撮影。
6月になり、暑くなり始めましたので、ユリオプスデージーの花が終わりました。
ユリオプスデージーを小さな鉢植えで育てていますので、樹高が多くならないように、
剪定をする必要があります。
ユリオプスデージーの樹高は20センチぐらいです。
ユリオプスデージーの
剪定に適した時期は、初夏の5月~6月と秋の9月~10月になります。
枝を短く切る「切り戻し剪定」をするとよいです。強い剪定にも耐えますので、半分ぐらいまで樹高を小さくすることができます。
ユリオプスデージーは、大きな枝と小さな枝があります。
大きな枝を
剪定して、小さい枝を残しましたので、
ユリオプスデージーの樹高は10センチ以下になりました。
剪定した枝を挿し穂にして、挿し木にチャレンジしました。
ユリオプスデージーの挿し木の様子は、別の記事で詳しく書きましたので、参考にして下さい。
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ユリオプスデージーは過湿に弱い性質がありますので、雨が多くなる梅雨時期は、雨が当たらないように管理します。
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