ブラキカムは、キク科ヒメコスモス属(ブラキスコメ属)の半耐寒性多年草です。
品種によっては、耐寒性や耐暑性が弱い性質がありますので、一年草に分類されることがあります。
原産地はオセアニア地域です。学名はBrachyscome。ブラキスコメ、ヒメコスモスと呼ばれることがあります。
ブラキカム「チェリッシュ」の特徴は、色鮮やかな濃いピンク色の花が長く咲くことです。葉はあまり広がりませんので、コンパクトな株になります。
春から晩秋までと長期間、直径2センチぐらいの美しい濃いピンク色の花が咲きます。
中心部分は黄色の筒状花(つつじょうか)、濃いピンク色の花びらの部分は舌状花(ぜつじょうか)、2種類の花からできているキク科特有の花になります。
葉は幅が広く、切れ込みがあり、草丈は30センチぐらいまで成長して、幅も30センチぐらいの株になります。
ブラキカム「チェリッシュ」は、アングスティフォリア種の園芸品種です。
ブラキカム「チェリッシュ」の苗
ブラキカム「
チェリッシュ」の苗のラベルで、
花の色や形を確認して購入しましょう。
ラベルは保管していますが、よく紛失しますので、写真に撮るようにしています。
植物のラベル用のアルバム(フォルダ)を作り、保存すると便利です。
ラベルの裏に詳しく説明があります。
ブラキカム
チェリッシュ
農林水産省品種登録番号 第22387号
【学 名】 Brachyscome angustifolia hybrid
( Brachyscome Cass. )
【原産地】 オーストラリア
【用 途】 花壇・コンテナ・ハンギング
【花 期】 3~11月
【特 性】 半耐寒性多年草
管理のしかた
【場 所】 日当たりの良いところ。コンテナの場合は夏は半日陰、冬は霜よけできる場所に移動すると良いでしょう。
【 土 】排水性の良い用土 (赤玉土6:腐葉土4)
【水やり】表面が乾いたらたっぷり与えます。過湿を嫌います。冬は控えめに。
【肥 料】植え付け時に元肥として緩効性の肥料を入れて、開花が旺盛なとき2週間に一度液肥を与えます。
ワンポイントアドバイス
花柄が多くなったり、姿が乱れてきたら、株全体を軽く刈り込むと、再びきれいにまとまり花が咲き始めます。
ブラキカム「チェリッシュ」の苗の草丈は、5センチぐらいです。葉は小さいですが、地植えすれば、草丈が30センチぐらいまで大きくなります。
小さいほうが管理が簡単ですので、大きく成長しないように、小さな鉢植えで育てます。
直径9センチ、3号の小さなビニールポットに植えられています。
同じ
ブラキカムの「ブラスコ バイオレット」を育てていますので比べてみました。
葉は形状が似ていますが、「チェリッシュ」の方が幅が広いです。
ブラキカム「ブラスコ バイオレット」の育て方を詳しく書いた記事があります。参考にして下さい。
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ブラキカム「スープリームホワイト」と並べると、葉の幅が大きく違います。
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ブラキカム「チェリッシュ」の小さな鉢植え
ブラキカム「チェリッシュ」は、草丈が30センチぐらいまで成長する多年草です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
苗をビニールポットのまま、鉢に入れると植え付け・植え替えしたときの雰囲気が確認できます。
ビニールポットと同じくらいの大きさですので、あまり変化がありません。
ブラキカム「チェリッシュ」の鉢は、アップルウェアーのプレステラ105型にします。
ホームセンターや園芸店で10ヶ組で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
苗の植え付け・植え替えをするときは、予備の鉢を用意します。株分けしたほうがよい場合や鉢のサイズを変更することがあります。
一回り小さなプレステラ90型もありますので、いつでも植え付け・植え替えができるように、購入して鉢の予備を用意しています。
プレステラの大きな特徴は、側面から底にスリットが多く設置されていることです。
スリットにより根の先端が光を浴びて、伸びることができなくなります。
鉢の底で根が巻くサークリング現象を防ぎ、根詰りすることなく、用土を有効に利用でき、植物が元気に成長できる鉢です。
小さな鉢植えで、ブラキカム「チェリッシュ」を元気に育てることができ、根詰りを防止しますので、植え替えの頻度も少なくなります。
プレステラは、底に特許番号が記載されています。
正方形の角に長いスリット。
4つの辺の中央に短いスリット、合計8ヵ所に設置されています。
1辺に2ヶ所、合計8ヵ所に仕切りがあり、根が鉢の底に沿って伸びることを防ぎます。
スリットだけでなく、仕切りを設置することで、完全に鉢の底で根が巻くことを防ぎます。
段差まで用土を入れると、ウォータースペースができ、水遣りが簡単になります。
プレステラは、生産者向けの商品で、実績がありますので、ブラキカム「チェリッシュ」を健康で丈夫に育てることが期待できます。
デメリットは、デザイン性がよくないことです。プラスチック製の鉢ですが、日本製ですので耐久性が高く、よい鉢です。
ブラキカム「チェリッシュ」の用土
ブラキカム「チェリッシュ」は、水はけのよい用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土を6:4の割合で混ぜた用土が適しています。
赤玉土と
腐葉土が均一になるように混ぜます。
プレステラは、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、鉢底石の必要がありませんが、スリットから用土が流れ出ることを防ぐために、鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
ブラキカム「
チェリッシュ」の鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
ブラキカム「チェリッシュ」の肥料
ブラキカム「チェリッシュ」は、花が咲く期間が長いですので、植え付け・植え替えをするときに、元肥を施します。
元肥は、苗木を植え付け・植え替えをするときに、用土に施す肥料のことです。
N(チッソ)、P(リン酸)、K(カリ)が5:8:5と、P(リン酸)が多めの花が咲く植物用の肥料です。
5:8:5で合計18、合計の数字が30未満ですので、低度化成肥料になります。30以上は高度化成肥料です。
強くありませんので、気軽に使うことができる肥料になります。
数字が大きいほうが得した気分になりますが、肥料に弱い植物がありますので、注意が必要です。
ブラキカム「チェリッシュ」は、肥料が強いと根を傷めることがあります。
肥料は説明書をよく読み、適量を与えましょう。
小さじに三分の一ぐらい、少量の肥料を元肥として用土に混ぜます。小さじは5ミリリットルですので、水であれば5グラムになります。
肥料の説明書の1株当たりの元肥の8グラムより少ないです。
肥料は少なく与えて、葉が黄色になったり、成長が悪かったりして、足りない場合は追肥します。
ブラキカム「チェリッシュ」は、花がたくさん咲く時期は、2週間に一度、液肥を与えます。
ブラキカム「チェリッシュ」の植え付け・植え替え
ブラキカム「チェリッシュ」の苗を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ブラキカム「チェリッシュ」の植え付け・植え替えに適した時期は、春の3月になります。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから取り出すことができません。
根がビニールポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
ブラキカム「
チェリッシュ」の苗を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ブラキカム「
チェリッシュ」の苗をビニールポットから取り出すことができました。
ブラキカム「チェリッシュ」の根鉢
ブラキカム「チェリッシュ」の苗をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、根が少ないように感じます。白い根は新しく、茶色の根は腐敗しています。小さいビニールポットですので、土のない外側に、根がたくさんあります。
ブラキカム「チェリッシュ」の根鉢の底を観察すると、新しい白い根がありませんので、少し心配です。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に
植え付け・
植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。
竹串を使って、根鉢の表面の土を崩します。根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
根元より周りの土が高くなっていることが多いですので、根元が一番高くなるように根鉢の肩の土を崩します。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
根鉢の底は、土が固まった状態で、植え付け・植え替えをすると、根の成長がよくありませんので、軽く崩します。
根鉢の底を竹串を使って崩します。底で巻いている根をほぐします。
根鉢を崩して、鉢に
植え付け・
植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩した
ブラキカム「
チェリッシュ」を
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
プレステラの段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。鉢の中に入れていますので、
根鉢が崩れる心配がありません。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、腐葉土を入れないで、赤玉土だけの用土を隙間に入れました。
根の間に
用土が隙間なく入るように
竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
仕上げに軽石を敷きます。
軽石を敷くことによって、水遣りや雨で赤玉土の粒が崩れることを防ぎます。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
ブラキカム「チェリッシュ」は、日本の夏の高温多湿に弱いですので、根元の風通しを良くすることが大切です。
軽石は乾きやすいので、根元の多湿を防ぐ効果があります。
ブラキカム「チェリッシュ」の小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
ブラキカム「チェリッシュ」の管理
ブラキカム「チェリッシュ」の苗を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ブラキカム「チェリッシュ」の水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
葉が密に茂っていますので、水差しを使って用土に水を与えます。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
ブラキカム「チェリッシュ」は過湿を嫌いますので、鉢が乾いてから水遣りをします。
乾き具合は、鉢を手に持ち重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
冬は水遣りを控えめにするとよいです。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ブラキカム「チェリッシュ」は、日当たり・風通しの良い場所で管理します。
耐暑性は少し弱く、暑い夏の乾燥や高温多湿は苦手です。半日陰で、風通しのよい場所で管理します。
耐寒性は弱く、氷点下になると枯れることがありますので、保護が必要になります。温暖な地域でも霜にあたると枯れますので、寒い冬は軒下などで管理してください。
雨よけ・霜よけで保護する
育苗トレーに、100均のU字型支柱を使い、雨よけ・霜よけを作りました。透明ビニールは100均のテーブルクロスです。
最近の家は軒下がありませんので、雨よけ・霜よけがあると、花が咲く植物や寒さに弱い植物の管理に便利です。
製作した様子を記事に書いていますので、参考にして下さい。
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ビニールハウスのように密閉されていませんので、
株元の風通しがよいです。雨や霜にあたりませんので、
花を長く楽しむことができます。
花柄摘みと葉の整理
花が萎れたら、花柄摘みをします。
萎れた花をそのままにしておくと、種を作ろうとして、株が弱りますので、次の花が咲きにくくなります。
花柄摘みは、花を長く咲かせ続けるために大切な作業です。ハサミで、花茎を根元で切ります。
できるだけ根元で切るほうがよいです。
萎れた花や花茎は、カビや病気の発生源になります。「灰色かび病」などが発生しやすくなりますので、花茎は残さないように根元で切ります。
株元の不要な
葉を取り除くことで、
根元の風通しがよくなります。
影になり、日が当たりませんので、葉を取り除いても影響はありません。
葉が萎れて、カビや病気が発生することがありますので、根元はキレイにするとよいです。
ブラキカム「チェリッシュ」の育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。
- 水はけのよい用土を好む。市販の培養土、または赤玉土と腐葉土を6:4で配合。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は緩効性の肥料を元肥として与えます。
- 夏は高温多湿に注意。冬は寒さで枯れないように保護。
- 植え付け・植え替えは、春の3月が適しています。
ブラキカム「チェリッシュ」は基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、春に植え替えをします。
暑い夏は半日陰で管理すると、水切れの心配が少なくなります。耐暑性・耐寒性が弱いですので、管理に注意が必要です。
ブラキカム「チェリッシュ」の今後
1月3日に、ブラキカム「チェリッシュ」の苗を鉢に植え付け・植え替えしました。
寒い時期ですが、ビニールポットで
冬越しさせることが心配になりましたので、
根鉢を軽く崩すだけにすれば、大丈夫だろうと考えました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、屋外で冬越しにチャレンジします。
ブラキカム「チェリッシュ」の今後の様子はこの記事を更新します。
最初の目標は、枯らすことなく冬越しさせることです。春に美しい花を楽しめるように頑張ります。
1年間の育てる様子を記録します。
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