プリムラ・オブコニカは、サクラソウ科サクラソウ属(プリムラ属)の多年草。高温多湿に弱いことから、一年草として扱われることが多いです。
中国湖北省が原産地で、学名はPrimula obconicaです。トキワザクラ(常盤桜)、シキザキサクラソウ(四季咲き桜草)と呼ばれることがあります。
プリムラ・オブコニカは花の色がたくさんあり、冬の始まりの12月から春の4月まで、長期間、花が咲き続けることが大きな特徴です。
日当たりが悪くても、花が咲きますので、北側のスペースや日陰で育てることができます。
注意することは、プリミンというアルカロイドを多く含みますので、触れるとかぶれることがあります。
プリミンが分泌しないように改良された品種があります。「タッチミー」シリーズや「プリミンフリー」と記載されているので、確認して購入するとよいです。
皮膚が過敏な方は、手袋(園芸用グローブ)をして手入れをするようにしましょう。
プリムラ・オブコニカの苗
プリムラ・オブコニカの苗の草丈は10センチぐらい、花は15センチぐらいまで高く伸びています。
葉が大きいですので、地植えすれば、草丈が20~30センチぐらいまで大きくなります。
小さいほうが管理が簡単ですので、大きく成長しないように、小さな鉢植えで育てます。
直径9センチ、3号の小さなビニールポットに植えられています。
草丈や花の高さが同じくらいですが、プリムラ・オブコニカが、葉も花も大きいサイズになります。
プリムラ・マラコイデスは、
葉の裏に白い粉をつけますので、見分けることは簡単です。
プリムラ・マラコイデスの育てる様子の記事があります。参考にしてください。
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右の鉢は、プリムラ・ジュリアンです。
プリムラ・ジュリアンは小型の品種ですので小さく、プリムラ・オブコニカとサイズが大きく異なります。
花の雰囲気は少し似ていますので、同じプリムラであることが分かります。
プリムラ・ジュリアンを育てる様子の記事です。
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プリムラ・オブコニカの小さな鉢植え
プリムラ・オブコニカは、草丈が20~30センチぐらいまで成長する多年草です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
プリムラ・オブコニカは、耐寒性が弱いですので、保護が必要になります。小さな鉢植えなら室内に取り込むことができます。
ビニールポットのままの状態で、鉢に入れると
植え付け・
植え替え後の雰囲気を確認できます。
プリムラ・オブコニカを小さな鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、プリムラ・オブコニカを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは4号(直径12センチ)、CSM-120になります。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底にスリットが設置されていることです。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
八角形の頂点に、側面から底にスリットが8つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなることで、底で根を巻くサークリング現象を防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、プリムラ・オブコニカを小さな鉢植えで育てることができます。
準備した
スリット鉢の直径12センチと4号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、
普通の4号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは10センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
日差しが強く暑い夏は日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、プリムラ・オブコニカを最適な環境で育てることができます。
プリムラ・オブコニカの用土
プリムラ・オブコニカは、水はけと水もちのよい用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
用土を作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を7:3の割合で混ぜた基本の用土が適しています。
赤玉土と
腐葉土が均一になるように混ぜます。
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
鉢底石の上に用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
プリムラ・オブコニカの鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
プリムラ・オブコニカの肥料
プリムラ・オブコニカの花が咲く時期ですので、元肥を与えます。
元肥は、苗木を植え付け・植え替えをするときに、用土に施しておく肥料のことです。
N(チッソ)、P(リン酸)、K(カリ)が5:8:5と、P(リン酸)が多めの花が咲く植物用の肥料です。
5:8:5で合計18、合計の数字が30未満ですので、低度化成肥料になります。30以上は高度化成肥料です。
あまり強くありませんので、気軽に使うことができる肥料になります。
肥料は説明書をよく読み、適量を与えましょう。
小さじに三分の一ぐらい、少量の肥料を元肥として用土に混ぜます。小さじは5ミリリットルですので、水であれば5グラムになります。
肥料の説明書の1株当たりの元肥の8グラムより少ないです。
肥料は少なく与えて、葉が黄色になったり、成長が悪かったりして、足りない場合は、置き肥や液体肥料で追肥します。
プリムラ・オブコニカは、長期間、
花が咲き続けますので、
肥料切れに注意が必要です。
プリムラ・オブコニカの植え付け・植え替え
プリムラ・オブコニカの苗を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
プリムラ・オブコニカの植え付け・植え替えに適した時期は、少し涼しくなる秋の9月頃です。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから取り出すことができません。
根がビニールポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
プリムラ・オブコニカの苗を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
プリムラ・オブコニカの苗をビニールポットから取り出すことができました。
プリムラ・オブコニカの根鉢
プリムラ・オブコニカの苗をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、たくさん新しい白い根がありますので、株は元気です。小さいビニールポットですので、土のない外側に、根がたくさんあります。
プリムラ・オブコニカの根鉢の底を観察すると、底で根が巻くサークリング現象が発生しています。
土がなく、根の塊になっていますので、水や栄養を吸収することができません。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に
植え付け・
植え替えすることが基本です。
株を大きく成長させたい場合は、
鉢増しをします。
鉢増しは「一回り大きな鉢に植え替えすること」です。
植え替えと、何が違うのか?
根鉢を崩さないで、鉢のサイズを大きくする場合に使われています。植え付け・植え替えが適していない時期でもできることがメリットです。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の状態ですので根元がよく見えます。
根元にある枯れた
葉や黄色に変色した
葉を取り除きます。
黄色に変色した
葉がたくさんありました。原因は日当たり、または
肥料切れです。
肥料切れは、株全体の葉が黄色になりますので、分かりやすいです。
根元がスッキリして、風通しがよくなりました。
プリムラ・オブコニカは多湿に弱い性質ですので、
風通しは大切です。
病害虫を防ぐことができますので、植え付け・植え替えのときに、根元をキレイにします。
竹串を使って、根鉢の表面の土を崩します。
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。
根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。
根元より周りの土が高くなっていることが多いですので、根元が一番高くなるように根鉢の肩の土を崩します。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
根鉢の底は、根がたくさんあります。
このままの状態で、植え付け・植え替えをすると、根の成長がよくありませんので、軽く崩します。
竹串で
根鉢の底の土を崩します。
底で巻いている
根をほぐして、長く伸びた
根を
ハサミで切ります。
根鉢を崩して、鉢に
植え付け・
植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩した
プリムラ・オブコニカを
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
根鉢と鉢に隙間があります。
根鉢と鉢に隙間に用土を入れます。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、腐葉土を入れないで、赤玉土の小粒だけを隙間に入れました。
根の間に
用土が隙間なく入るように
竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
根鉢の中心部分を竹串で挿すと、水通りや通気性がよくなります。鉢の中に入れていますので、
根鉢が崩れる心配がありません。
竹串で突くことで、用土が減りますので、追加して、スリット鉢の段差の少し下まで入れました。
仕上げに軽石を敷きます。
軽石を敷くことによって、水遣りや雨で赤玉土の粒が崩れることを防ぎます。
プリムラ・オブコニカは葉が大きく、根元は影になり、風通しが悪くなります。軽石は乾燥しやすいですので、根元の多湿を防ぐ役割があります。
プリムラ・オブコニカの小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
プリムラ・オブコニカの管理
プリムラ・オブコニカの苗を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
プリムラ・オブコニカの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
大きな葉が密に茂っていますので、水差しを使って用土に直接、水を与えます。株の中心部分に水が溜まらないようにしましょう。
ジョウロを使うと、葉や花に水がかかります。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
鉢の乾き具合は、鉢を手に持ち、重さで判断するとよいです。小さな鉢植えは簡単にできます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
プリムラ・オブコニカは、半日陰で風通しの良い場所で管理します。
耐暑性は弱いですので、暑い夏は雨が当たらない日陰で、風通しのよい場所で管理します。
耐寒性も弱く、氷点下になると花が傷みますので、保護が必要になります。温暖な地域でも霜にあたると枯れますので、寒い冬は軒下などで管理してください。
冬が冷たい風にあたると、傷みやすいですので、注意しましょう。室内で5℃以上あると安心できます。
寒くなる冬になると、灰色かび病が発生しやすくなります。根元で葉が混み合うと多湿になりますので、雨に当たらないように管理します。
育苗トレーに、100均のU字型支柱を使い、霜除けを作りました。ビニールは100均のテーブルクロスです。
雨よけにもなりますので、花が咲く植物や寒さに弱い植物の管理に便利です。
製作した様子を記事に書いていますので、参考にして下さい。
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ビニールハウスのように密閉されていませんので、株元の風通しがよいです。雨や霜にあたりませんので、花を長く楽しむことができます。
プリムラ・オブコニカの育て方のポイント
- 半日陰で風通しがよい場所で育てる。
- 水はけと水もちのよい用土を好む。市販の培養土、または赤玉土と腐葉土を7:3で配合。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、水差しで土に直接、たっぷり水を与えます。
- 肥料は花が咲く時期に、緩効性化成肥料を与えます。
- 冬は枯れないように保護。夏越しは難しいです。
- 植え付け・植え替えは、秋の9月が適しています。
プリムラ・オブコニカは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、秋に植え替えをします。
耐暑性が弱く、夏越しが難しいですので、花が咲く晩秋から春までの一年草として育てるほうが簡単です。
株を大きく成長させたい場合は、二回り大きな鉢に鉢増しをするとよいです。
プリムラ・オブコニカの今後
1月29日に、プリムラ・オブコニカの苗を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、植え付け・植え替え後の管理をしっかりすれば大丈夫です。
プリムラ・オブコニカの今後の様子はこの記事を更新します。
最初の目標は、春まで美しい花を楽しめるように育てることです。
1年間の育てる様子を記録します。
プリムラ・オブコニカ以外のプリムラも育てています。
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