ヒメヒイラギ(姫柊)は、モチノキ科モチノキ属の常緑低木です。学名はIlex dimorphophyllaになります。原産地は奄美大島。
トゲのある葉がヒイラギ(柊)によく似て、葉が小さいですので、ヒメヒイラギと呼ばれますが、ヒイラギはモクセイ科で、ヒメヒイラギはモチノキ科ですので、科が異なります。
ヒメヒイラギは、クリスマスホーリーと呼ばれる西洋ヒイラギの仲間です。雄株と雌株がある雌雄異株ですので、赤い実がなるのは雌株になります。
トゲのある小さな葉、コンパクトな樹形ですので、寄せ植えなどによく利用されます。
園芸店で、ヒメヒイラギの苗木が安く販売されていましたので、購入して育てます。
ヒメヒイラギの苗木
ヒメヒイラギの苗木の樹高は、20センチぐらいです。葉は小さいですが、地植えすれば、樹高2メートルぐらいまで大きくなります。
小さいほうが管理が簡単ですので、大きく成長しないように、小さな鉢植えで育てます。
直径9センチ、3号の小さなビニールポットに植えられています。
ヒメヒイラギは、トゲがある
葉が特徴ですが、
大きく成長して葉が古くなるとトゲがなくなります。
大きく成長した樹でも、新芽の葉はトゲがありますので、定期的に剪定して刈り込むとよいです。
根元近くから枝がたくさん伸びていますので、コンパクトな樹形が作れます。
左の鉢は、本物のモクセイ科の
ヒイラギ(柊)です。矮性品種の「香姫」ですので、
ヒメヒイラギより
葉が小さくなります。
本物の
ヒイラギの
葉は濃い緑色ですが、ツヤが少なく、
ヒメヒイラギのほうがツヤが強く、トゲがはっきりしています。
ヒイラギ「香姫」は冬に芳香がある白い花が咲く樹です。
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右の鉢は、赤い実が美しいクリスマスホーリー(西洋ヒイラギ)です。ヒメヒイラギと同じモチノキ科になります。
赤い実は美しいですが、葉のトゲが少なく、同じ種類であることが分かりにくいです。
クリスマスホーリー(西洋ヒイラギ)を小さな鉢植えで育てます。
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ヒメヒイラギの小さな鉢植え
ヒメヒイラギは、樹高が2メートルぐらいまで成長する樹です。大きく成長すると、管理が大変になりますので、小さな鉢植えで育てます。
小さな鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
ヒメヒイラギの苗木をビニールポットのまま、鉢に入れると
植え付け・
植え替えしたときの雰囲気が確認できます。
ヒメヒイラギの鉢は、アップルウェアーのプレステラ105型にします。
ホームセンターや園芸店で10ヶ組で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
苗木の植え付け・植え替えをするときは、予備の鉢を用意します。株分けしたほうがよい場合や鉢のサイズを変更することがあります。
一回り小さなプレステラ90型もありますので、いつでも植え付け・植え替えができるように、購入して鉢の予備を用意しています。
プレステラの大きな特徴は、側面から底にスリットが多く設置されていることです。
スリットにより根の先端が光を浴びて、伸びることができなくなります。
鉢の底で根が巻くサークリング現象を防ぎ、根詰りすることなく、用土を有効に利用でき、植物が元気に成長できる鉢です。
小さな鉢植えで、ヒメヒイラギを元気に育てることができ、根詰りを防止しますので、植え替えの頻度も少なくなります。
プレステラは、底に特許番号が記載されています。
正方形の角に長い
スリット、4つの辺の中央に短い
スリット、合計8ヵ所に設置されています。
1辺に2ヶ所、合計8ヵ所に仕切りがあり、根が鉢の底に沿って伸びることを防ぎます。
スリットだけでなく、仕切りを設置することで、完全に鉢の底で根が巻くことを防ぎます。
段差まで用土を入れると、ウォータースペースができ、水遣りが簡単になります。
プレステラは、生産者向けの商品で、実績がありますので、ヒメヒイラギを健康で丈夫に育てることが期待できます。
デメリットは、デザイン性がよくないことです。プラスチック製の鉢ですが、日本製ですので耐久性が高く、よい鉢です。
プレステラ105型は、1辺9センチの正方形の鉢です。
普通の円形の鉢の3号(直径9センチ)より、少し大きなサイズになります。
鉢の高さは8センチぐらい。
ヒメヒイラギの用土
プレステラは、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
ヒメヒイラギは、水はけのよい用土を好みます。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で育てることができます。
用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜた用土が適しています。
赤玉土と腐葉土が均一になるように混ぜます。
鉢底石の上に
用土を入れます。一度、
土入れに入れると、
用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目まで
用土を入れて、
ヒメヒイラギの鉢の準備ができました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
ヒメヒイラギの植え付け・植え替え
ヒメヒイラギの苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ヒメヒイラギの植え付け・植え替えに適した時期は、春の3月~5月です。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから取り出すことができません。
根がビニールポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
ヒメヒイラギの苗木を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ヒメヒイラギの苗木をビニールポットから取り出すことができました。
ヒメヒイラギの根鉢
ヒメヒイラギの苗木をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根鉢の状態は、普通です。白い根は新しく、茶色の根は腐敗しています。小さいビニールポットですので、土のない外側に、根がたくさんあります。
ヒメヒイラギの根鉢の底を観察すると、底で根が巻くサークリング現象が少し発生しています。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に
植え付け・
植え替えすることが基本です。
根鉢を崩して、植え付け・植え替えの準備
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。
竹串を使って、
根鉢の表面の土を崩します。
根元が見えるまで、根鉢の表面の土を取り除きました。根元は、幹から根が生えている部分です。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
苗木は、倒れることを防ぐために深植えされていることが多く、ヒメヒイラギの苗木も根元が2センチぐらい土の中に埋まっていました。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
表面の土を根元が見えるようになるまで崩したので、根鉢の高さが半分ぐらいになりました。
根元より上にある土は不要で、水通りや通気性が悪くなります。
根鉢の底は、根がたくさんあります。
このままの状態で、植え付け・植え替えをすると、根の成長がよくありませんので、軽く崩します。
根鉢の底を
竹串を使って崩します。
根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩した
ヒメヒイラギを
用土を入れて準備した鉢に入れます。
根元の位置を確認します。
プレステラの段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。少し低いですので、用土を足しました。
根元の位置が
プレステラの
段差と同じになりました。
段差があることで、根元の位置を合わせることが簡単になります。
根鉢と鉢に隙間がありますので、赤玉土を入れました。
根鉢の土が細かく、保水性が高いですので、腐葉土を入れないで、赤玉土だけの用土にしました。
根の間に
用土が隙間なく入るように
竹串で突きます。
赤玉土は粒状ですので、隙間ができやすくなりますので、注意が必要です。
用土を足します。
用土をプレステラの段差まで入れました。
仕上げに軽石を敷きます。
軽石を敷くことによって、水遣りや雨で赤玉土の粒が崩れることを防ぎます。
水流が強い散水ノズルで水遣りしても、赤玉土の粒が崩れることがありません。
ヒメヒイラギの小さな鉢植えが完成しました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、管理も簡単です。
ヒメヒイラギの管理
ヒメヒイラギの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ヒメヒイラギの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。ヒメヒイラギは乾燥に強いですが、水切れすると株の下の方の葉が枯れます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ヒメヒイラギは、日当たり・風通しの良い場所で管理します。
耐寒性は強いですが、新芽は霜にあたると枯れますので、寒い冬は軒下などで保護してください。
ヒメヒイラギの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。
- 水はけのよい用土を好む。市販の培養土、または赤玉土と腐葉土を7:3で配合。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は2月の寒肥、花後の6月にお礼肥え。緩効性化成肥料を与えます。
- 夏は水切れに注意。冬は新芽が枯れないように保護。
- 植え付け・植え替えは、春の3~5月が適しています。
ヒメヒイラギは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、春に植え替えをします。
暑い夏は半日陰で管理すると、水切れの心配が少なくなります。
耐暑性・耐寒性が強く、病害虫も少ないですので、育てやすい樹です。
剪定は長く伸びた枝を切り戻します。花が終わってから9月までが適しています。
ヒメヒイラギの今後
3月12日に、
ヒメヒイラギの苗木を鉢に
植え付け・
植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、管理が簡単です。
ヒメヒイラギの今後の様子はこの記事を更新します。
最初の目標は、花を咲かせることです。雌花であれば、実がなります。
1年間の育てる様子を記録します。
更新しました。
ヒメヒイラギの剪定
6月10日、撮影。
ヒメヒイラギの苗木を、鉢に
植え付け・植え替えをして、3ヵ月が経過しました。
ヒメヒイラギは、春の4月~5月に花が咲くらしいですが、花は咲きませんでした。
樹が小さいから花が咲かないのか?育て続けて、確認します。
ヒメヒイラギの樹高は、20センチぐらいで、先端から新芽が芽吹き始めました。
ヒメヒイラギは、小さな鉢植えで、コンパクトな株で育てますので、
剪定をします。
花や実を楽しむためには、冬の12月頃に剪定するとよいです。
ヒメヒイラギの
剪定は、
伸びた枝を途中で切って形を整える切り戻し剪定をします。
枝を途中で切ることで、
葉の付け根から芽吹き、新しい枝ができます。
ヒメヒイラギの葉は成長すると、トゲがなくなり、丸くなります。
トゲのある葉を楽しむためには、剪定をして、新芽を芽吹かせる必要があります。
長く伸びた枝を
剪定しましたので、
ヒメヒイラギはコンパクトになりました。
ヒメヒイラギの樹高は小さくなり、15センチぐらいです。
剪定した枝を挿し穂に使い、
ヒメヒイラギの挿し木にチャレンジしました。
ヒメヒイラギの挿し木をする様子は、別の記事で詳しく書きましたので、参考にして下さい。
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次回の更新は、剪定した後の芽吹きの様子を予定しています。
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