ヒュウガミズキ(日向水木)はマンサク科トサミズキ属の落葉性の低木です。学名はCorylopsis pauciflora。
トサミズキより枝が細く、花が小さいことからヒメミズキと呼ばれることもあります。
名前に日向(宮崎県)が付きますが、石川県から兵庫県の日本海側が自生地です。
少し暖かくなる3月下旬に、黄白色の丸みのある小さな花が、1つのつぼみから2~3個、花序になって咲きます。
枝分かれがよく、たくさん細い枝ができますので、刈り込むことで、半球の美しい樹形を作ることができます。
よく利用する激安園芸店で、ヒュウガミズキの苗木が販売されていましたので、鉢植えで育て、美しい花を楽しみます。
ヒュウガミズキの苗木
ヒュウガミズキの苗木を購入しました。激安園芸店ですので、ラベルは手書きです。
価格が安いことが魅力です。
購入した
ヒュウガミズキの苗木の
樹高は、30センチ以上あります。成長すると2~3メートルぐらいの大きさになります。
枝が徒長して長く伸びていますので、樹形はよくありません。
幅が60センチぐらいありますので、庭に地植えするためには、広いスペースが必要になります。
コンパクトな樹形のヒュウガミズキですが、枝が伸びますので、剪定が必要になります。
直径13.5センチ、4.5号のビニールポットに植えられています。
ビニールポットが劣化していますので、2~3年ぐらい、この状態で育てられていることが予想されます。
ヒュウガミズキの苗木をトサミズキ(土佐水木)と比べると、枝が細く、コンパクトなことがわかります。
トサミズキのつぼみは開花直前です。
ヒュウガミズキは、つぼみの大きさが小さく、花が咲く時期はトサミズキより少し遅れます。
トサミズキ(土佐水木)を鉢植えで育てています。記事がありますので、参考にしてください。
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ヒュウガミズキの鉢植え
ヒュウガミズキは、鉢植えで育てます。
日当たりを調節するために場所を移動したり、冬の寒さから保護したり、鉢植えは簡単にできます。
ヒュウガミズキを鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、ヒュウガミズキを元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは5号(直径15センチ)、CSM-150になります。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
スリット鉢の大きな特徴は、六角形の形状と側面から底に
スリットが設置されていることです。
六角形の頂点に、側面から底に
スリットが6つあります。
スリットにより、根が光を浴びて伸びなくなります。
根が鉢の底で巻くサークリング現象を防ぐために、
仕切りが3か所にあります。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、ヒュウガミズキを鉢植えで育てることができます。
準備したスリット鉢の直径は15センチと5号のサイズですが、六角形に部分は、一回り小さくなりますので、普通の5号の鉢より少し小さい容量になります。
鉢の高さは12.5センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、ヒュウガミズキを最適な環境で育てることができます。
ヒュウガミズキの用土
スリット鉢は、
スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、
スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
ヒュウガミズキの
用土は、ホームセンターや園芸店で販売されている
普通の培養土で大丈夫です。
用土を作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を7:3の割合で混ぜた用土が適しています。
赤玉土の小粒と
腐葉土が均一になるように混ぜます。
鉢底石の上に、用土を入れます。一度、土入れに入れると、用土がよく混ざりますのでおすすめです。
園芸用品のスコップ(ショベル)は、実用的ではありません。土入れのほうが使いやすいです。土入れは100均で大と小の2個セットで販売されています。
鉢の高さの底から3分目くらいまで、用土を入れました。
植え付け・
植え替えは、
最初に鉢の準備をします。
土の中にある根は乾燥しやすいですので、短時間で植え付け・植え替えをする必要があります。
ヒュウガミズキの植え付け・植え替え
ヒュウガミズキの苗木は、ビニールポットに植えられていますので、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ナイフ、フォーク、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ヒュウガミズキの植え付け・植え替えに適した時期は、落葉している11月から3月。寒さが厳しい1月と2月を避けるとよいです。
ヒュウガミズキの苗木は、3月下旬~4月に花が咲きますので、年明けぐらいからホームセンターや園芸店で販売されています。
3月になり、つぼみが少し膨らみ始めましたので、植え付け・植え替えをします。九州地方の福岡県で育てていますので、花が咲く時期が早い可能性があります。
根をあまり切らないように、根鉢を軽く崩し、一回り大きな鉢や庭に植え付け・植え替えをすれば、大丈夫です。
ビニールポットから取り出す
最初に、ビニールポットの底を確認します。
穴から根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから苗木を取り出すことができません。
無理に取り出すと途中で
根が切れますので、
出ている根は、ハサミで切ります。
ビニールポットと土の隙間にナイフを入れ、そのまま1周させます。
根詰まりしていますと、ナイフを1周させることができませんので、一度抜き、別の場所に入れます。
園芸用の専用の道具である「植え替えナイフ」「スパチュラ」がありますが、食器のナイフで代用できます。
ステンレス製ですので、さびにくく、強度があります。
ヒュウガミズキの苗木を鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ヒュウガミズキの苗木をビニールポットから取り出すことができました。
ヒュウガミズキの根鉢
ヒュウガミズキの苗木をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです
根の状態は、普通です。ビニールポットで育てると外側に根が多くなります。
根鉢の底を観察すると、太い根が長く伸びているようです。「走り根」と呼ばれ、枝が徒長する原因になります。
根は、四方八方に広がるように細い根がたくさんある状態が理想です。
長く伸びた太い根は、植え付け・植え替えのときに、短く切ります。
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
竹串を使って、ヒュウガミズキの根鉢の表面の土を崩します。
表面の土が固まっている場合は、フォークが役に立ちます。
食器のフォークは、「根さばき」「根かき」の代用品として使えます。
フォークを使って、
ヒュウガミズキの
根鉢の表面の土を取り除きました。
根が見えるまで、根鉢の表面の土を崩します。根元は幹や根を傷つけないように、竹串を使って、丁寧に土を崩します。
竹串は、素材が竹ですので、適度な硬さで幹や根を傷つけにくい特徴があります。
ちょっとした作業に使えますので、園芸用に100均で購入するとよいです。
根鉢の端に、違う樹の
根があります。少しだけ幹がありますが、樹種はわかりません。
根鉢を崩して取り除きました。
ヒュウガミズキの株分け
樹種がわからない樹は、
根が長く伸びていましたので、
ヒュウガミズキの
根鉢の大部分を崩すことになりました。
根鉢を崩すと、ヒュウガミズキは2つの株があることが判明しました。
株分けすることができましたので、樹種がわからない樹に感謝です。
右側の幹は、2つに分かれた双幹の株。
ヒュウガミズキの苗木は、深植えされていました。
挿し木で苗木を作りますので、深植えの状態になります。根元を地表に出すことで、水はけ(排水性)と通気性がよくなり、成長や状態がよくなります。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
根元を地表にすることで、鉢の用土を有効に利用できます。深植えされていますと、根元より下の部分に根を張りますので、鉢の高さが低くなった状態になります。
根元の位置は、ピンセットがあるところです。
ヒュウガミズキの苗木は、ピンセットの位置まで土があり、深植えされていました。
根元より下に
根が伸びますので、鉢の高さの半分くらいしか有効に利用できていない状態です。
土に埋まっていましたので、幹から
根が生えています。
「二段根」と呼ばれ、根元より下の根が通気性が悪く、成長できないため、幹から根を伸ばします。
不要になりますので、ハサミ切り取ります。
土に埋まっていましたので、幹を歯ブラシで掃除しました。
ヒュウガミズキの苗木を
株分けした双幹の株。鉢に
植え付け・
植え替えする準備ができました。
直径15センチ、5号の鉢を準備していましたが、
株分けしましたので、小さな鉢に変更しました。
直径10.5センチ、3.5号のスリット鉢です。
スリット鉢は価格が安いですので、いろいろなサイズを購入して、家に用意することができます。
急なサイズの変更ができますので、おすすめです。
鉢底石を敷き、用土を入れて準備しました。
ヒュウガミズキを鉢に植え付け・植え替え(双幹の株)
根鉢を崩して株分けしたヒュウガミズキの双幹の株を準備した鉢に入れて、根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差にあるように調整します。
高い場合は、用土を減らし、低い場合は用土を足します。少し低いですので、用土を足しました。
根元の位置がちょうどよくなりました。根が四方八方に広がるように、竹串で整えます。
根の周りの
用土を入れます。
赤玉土は粒状ですので、入れただけでは隙間が多くあります。竹串で突くことで用土が減ります。
段差の少し下まで、
赤玉土の小粒を入れます。表面は
赤玉土だけにしました。
仕上げに軽石を敷きます。
水遣りや雨で、表面の赤玉土の粒が崩れなくなりますので、水はけ(排水性)と通気性がよい状態を維持できます。
水流の強い散水ノズルで
水遣りをしても、
赤玉土が崩れる心配がありません。
苗木を鉢に植え付け・植え替えが終わり、ヒュウガミズキの鉢植えが完成しました。
ヒュウガミズキを鉢に植え付け・植え替え(直幹の株)
ヒュウガミズキの苗木を
株分けした直幹の株。幹から枝が左右に3本ずつ伸びています。
幹がまっすぐに伸びて、少し曲がり、樹形が悪いです。
ヒュウガミズキの苗木の土は、保水性が高いので、赤玉土だけを入れました。
直幹の株のヒュウガミズキの鉢植えが完成しました。
樹形が悪いですので、花が終わった後に剪定して整えます。
ヒュウガミズキの管理
ヒュウガミズキの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
最初は、鉢の底から泥水が流れます。赤玉土の表面に付着した微塵が水に溶けて流れます。
微塵が鉢の中で固まると、水はけ(排水性)が悪くなります。固まる前の最初の水遣りでキレイに流し出すことが大切です。
ヒュウガミズキの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
花が咲く期間である春は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
水遣りができないときは、鉢受け皿に水を入れて腰水で管理するとよいです。
長時間、腰水をすると根腐れの原因になりますので、夜は水の中から鉢を出します。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
つぼみの状態に異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ヒュウガミズキは、日当たりのよい場所で管理しますが、鉢植えですので、水切れしないように、水遣りの時刻や回数によって、日当たりを調節します。
暑い夏は、西日が当たる場所は避けてください。強い日差しで葉焼けや葉先が枯れることがあります。夏は半日陰がおすすめです。
半日陰でも育てることができますが、枝が徒長して、花が咲かないことがあります。
ヒュウガミズキの育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。
- 湿り気のある土壌を好みます。用土は市販の培養土、または赤玉土と腐葉土を7:3。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 花柄摘みは厳禁。葉が芽吹かなくなります。
- 肥料は花が咲く前に寒肥。花後と秋に油粕などを与えます。
- 剪定は花後の5月ごろ、花芽ができる夏以降は避けましょう。
- 植え付け・植え替えは、落葉している11月から3月。
ヒュウガミズキは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
耐暑性・耐寒性は普通ですので、暑い夏の西日は避け、冬は寒い地域は保護が必要になります。
鉢植えは根詰りしないように、1~2年に1回、落葉している11月~3月に植え替えをします。
ヒュウガミズキの今後
3月8日に、ヒュウガミズキの苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てていますので、温暖な気候です。花が咲く時期は3月下旬からになっていますが、少し早く咲くでしょう。
最初の目標は、美しい花を咲かせることです。
ヒュウガミズキの鉢植えの今後の様子はこの記事を更新します。
1年間の育てる様子を記録します。
おまけ
樹種がわからない
根。
捨てることができないので、元のビニールポットで育てることにしました。
葉が芽吹けば、樹種がわかりますので、楽しみです。
ヒュウガミズキの花
3月16日、撮影。
ヒュウガミズキの苗木を鉢に植え付け・植え替えしてから8日が経過しました。
ヒュウガミズキは、1つの芽から2~3個の
つぼみができます。
3月23日、撮影。
ヒュウガミズキが満開になりました。
黄白色の丸みのある小さな花が、2~3個の花序になって咲きます。
ヒュウガミズキの
花は、近づいてみると、花びらが広がらないで、少し開いているだけです。
葉が芽吹く前に、たくさんの花が咲きますので、豪華の雰囲気を楽しめます。
ヒュウガミズキの肥料
4月6日、撮影。
ヒュウガミズキは、花が咲き終わり、葉が芽吹き始めました。
ヒュウガミズキの
葉は、
花が咲き終わった横から芽吹きますので、
花がら摘みをしてはいけません。
肥料は、チッソ10、リン酸10、カリ10、クド1の普通の肥料です。
ヒュウガミズキの鉢は、5号(直径15センチ)ですので、4~10粒が使用量になります。
初めて肥料を与えますので、少なく与えて、様子を確認します。
葉の成長が悪かったり、葉の色が黄色になったりする場合は、追肥します。
肥料は、追肥できますので、少なく与えることをおすすめします。
ヒュウガミズキは、葉が増えて、順調に成長しています。
ヒュウガミズキの樹高は、40センチ以上ありますので、
剪定をして小さくします。
剪定をする時期は、花後の5月ごろ、花芽ができる夏以降は避けます。
剪定は、難しいことはなく、ハサミで枝を切るだけです。
葉がある上で切るとよいです。
ヒュウガミズキの小さな鉢植えにしたいですが、一度に小さくすると枯れることがありますので、少しずつ小さくするとよいです。
もう1つの鉢は、25センチぐらいの樹高になりました。
結実して実ができると、樹は多くのエネルギーを使いますので、小さな鉢植えは実を取り除きます。
実から種ができる可能性がありますので、残して観察します。
挿し木の様子は、別の記事で詳しく書きましたので、参考にして下さい。
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ヒュウガミズキの取り木について詳しく書いた記事があります。
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次の更新は、夏越しや秋の紅葉を予定しています。
更新しました。
ヒュウガミズキの紅葉
11月7日、撮影。
ヒュウガミズキの小さな鉢植えは、暑さが厳しい夏を枯れることなく、夏越しできました。
水切れしないように、午後からは日陰になる場所で管理して、朝と夕方の1日2回の水遣りをしました。
小さな鉢植えは、
水切れしやすいですので、夏の管理が大切です。
11月上旬ですので、九州地方の福岡県も、朝晩は冷え込むようになり、ヒュウガミズキの葉が黄色の紅葉しました。
ヒュウガミズキのハート形の
葉がキレイに黄色になり、美しい
紅葉が楽しめます。
葉焼けしやすいですので、美しい紅葉を楽しむためには、夏の管理が大切です。暑さが厳しい夏は、風通しの良い半日陰で、葉焼けを防ぎます。
花が咲くまで4ヵ月ぐらいありますので、花芽を傷つけないように注意して管理します。
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