早春の3月上旬から咲き始めるおかめ桜(オカメザクラ)。一般的な桜であるソメイヨシノよりも1ヵ月ぐらい早く咲きます。
ソメイヨシノと同じように、葉が芽吹く前に花が咲きますので、美しい桜を見ることができます。
おかめ桜の花は、濃い紅紫色で、下向きに咲きます。花は小さく、直径2センチぐらい、花びらは5枚、一重咲きで、完全に花びらが開かず半開きになります。
コンパクトな樹形ですので、自宅の庭木に適しています。
おかめ桜は、バラ科サクラ属の落葉高木で、学名はPrunus incamp cv. Okameになります。
寒緋桜と豆桜(富士桜)の交雑種で、1930年頃、イギリスで、園芸家のコリングウッド・イングラムにより品種改良され、日本に逆輸入されました。
おかめ桜の苗木は、植え付け・植え替えをする時期の11月ぐらいから、ホームセンターや園芸店で販売されます。
園芸店で、おかめ桜の苗木を見つけましたので、購入しました。
庭植え(地植え)すると、大きく成長しますので、おかめ桜を鉢植えで育てることにチャレンジします。
いろいろな桜を育てています。
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おかめ桜の苗木
おかめ桜の苗木は、よく利用する激安園芸店で購入しました。
値段がとても安く、びっくりするほどです。安く販売できる理由は、苗木の状態があまりよくないからです。
苗木は、接ぎ木が多いですが、接いだ部分の形が悪かったり、徒長した枝があり樹形が悪かったりします。
購入したおかめ桜の苗木も、接いだ部分はキレイではなく、幹が2本あります。ラベルもなく手書きです。
おかめ桜の苗木の大きさ
購入した
おかめ桜の苗木は、枝が長く伸びていますので、樹高が70センチぐらいと大きな苗木です。
幹の長さは50センチ以下ですので、枝を
剪定すれば、コンパクトになり、
鉢植えで育てることができそうです。
桜の双幹は、ほとんど見ませんので、剪定したほうがよいですが、太いので枯れることが心配です。
直径13.5センチ、4.5号のビニールポットに植えられています。
台木の太さは、直径2センチ以上あり、太いです。
長いほうの幹は、根元で直径1センチぐらいの太さがあります。
短いほうの幹は直後7ミリぐらいです。
おかめ桜の苗木の状態
枝の先端の芽を確認すると、
花芽があるようです。
一番先端にある芽は、葉芽になります。残りの2つは膨らんでいますので花芽です。2月上旬に、おかめ桜の苗木を購入しましたので、葉芽と花芽が分かります。
花芽がありますので、1年目から花を楽しむことができそうです。
12月ぐらいまで、葉芽と花芽の区別が分かりにくいです。あまり大きくない苗木は1年目は花が咲かないことがありますので、注意しましょう。
葉が芽吹き枝ができると、懐枝(ふところえだ)になります。
枝元から伸びる弱い枝を懐枝と呼びます。病害虫の原因になったり、枯れたりしますので、根元で剪定する必要があります。
芽ですので、手で簡単にとることができますので、すべての枝元を確認します。
桜は病気に弱い性質がありますので、剪定はできるだけ少ないほうがよいです。芽や細い枝の段階で対処することにより、剪定が少なくなります。
苗木の接いだ部分
おかめ桜を購入するときは、接いだ部分がキレイな苗木を選びましょう。
落葉して葉がありませんので、枯れた枝がなく、芽がたくさん付いている苗木がよいです。
接ぎ木テープが残っていますので、取り除きます。
接ぎ木テープは取り除けましたが、接いだ部分は樹の根元になりますので、少しでもキレイな状態の苗木がよいです。
接いだ部分の形が悪いと害虫がつくことがありますので、歯ブラシを使ってキレイにします。
少しキレイになりました。成長して、台木の切り口がふさがるまでは、長い年月が必要です。
土の中に埋める方法もありますが、樹勢が悪くなることがありますので、おすすめできません。
おかめ桜の鉢植え
桜は花が美しく、新緑や紅葉を楽しめる樹ですが、シンボルツリーや庭木にすると、大きく成長して管理が大変になりますので、あまり好まれません。
成長して樹高が大きくなると、病害虫対策や剪定、落ち葉の掃除などが大変になります。鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
おかめ桜は、大きくなりませんので、庭植えや鉢植えに、適した桜の品種になります。
桜は剪定を嫌いますので、枝が太くなる前に剪定することで、サイズが大きくならないように管理します。
植え替えが必要になりますが、2~3年に1回ですので、大変ではありません。
おかめ桜を鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、おかめ桜を元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
ビニールポットのままの状態で、
おかめ桜の苗木を鉢に入れると、
植え付け・植え替えしたときの雰囲気が確認できます。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底に
スリットが設置されていることです。
スリット鉢のサイズは6号(直径18センチ)、CSM-180になります。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
6号までのサイズなら、移動が簡単にできます。暑い夏は西日が当たらない場所に移動させるとよいです。
八角形の頂点に、長い
スリットと短い
スリットが交互に設置されています。
仕切りが4ヵ所に設置され、根が鉢の底に沿って伸びることを防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、おかめ桜を鉢植えで育てることができます。
生産者向けの商品ですので、デザイン性がよくないことがデメリットです。鉢カバーを使うことで、見た目がよくなります。
鉢の直径18センチと6号のサイズですが、八角形に部分は一回り小さくなりますので、6号(直径18センチ)の鉢より少しだけ小さいの容量です。
鉢の高さは16センチぐらい。大きくありませんので、移動が簡単になります。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、おかめ桜をよい環境で育てることができます。
おかめ桜の用土
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
おかめ桜は、
水はけ(排水性)がよく、肥沃な土壌の用土が適しています。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土でも育てることができます。
用土を作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を7:3の割合で混ぜるとよいです。
赤玉土と
腐葉土が均一になるように混ぜます。
鉢の高さの底から3分目くらいまで
用土を入れます。
おかめ桜の鉢の準備ができました。
植え付け・植え替えは、根が乾燥しないように、素早く作業する必要がありますので、鉢の準備を最初にしましょう。
おかめ桜の植え付け・植え替え
おかめ桜の苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、割りばし、竹串、食器のフォークとナイフです。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ビニールポットから取り出す
最初にビニールポットの底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかって鉢から取り出すことができません。根が鉢の底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
おかめ桜の苗木をビニールポットから取り出すために、鉢と土に隙間を作ります。
食器の
ナイフはステンレス製で、サビにくく、強度がありますので、便利です。
底に届くまで深く挿します。根があまり張ってなければ、挿したナイフを横方向に動かして1周させます。
根が張っていますと、ナイフを横方向に動かすことが難しいですので、挿して、抜くを繰り返して、鉢を1周します。
園芸用品で、専用の道具である「植え替え用ナイフ」「植え替え用スパチュラ」がありますが、100均のナイフで代用できます。
専用の道具は、使いやすくて便利ですが、価格が高いことがデメリットです。
使用頻度が高い場合は、専用の道具を購入しますが、時々しか使わない道具は、代用品がよいです。
鉢を鉢受け皿の中で横向きに置き、おかめ桜の苗木を鉢から取り出します。
手で引っ張り上向きに、鉢から取り出すと、
根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
おかめ桜をビニールポットから取り出すことができました。
おかめ桜の根鉢
おかめ桜の苗木を鉢から取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
おかめ桜の根鉢は、根の量が少なく、少し心配です。根の量が少ないですので、太い根や走り根などがなく、根詰りもしていません。
根鉢の底も根が巻くことがなく、よい状態です。
幹の長さや太さ、枝の数からすると、もっと根が多くて普通です。
根鉢を崩す
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に
植え付け・
植え替えすることが基本です。
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
竹串を使って、おかめ桜の根鉢の表面の土を崩します。
表面の土がとても硬い場合は、食器のフォークを使うとよいです。
100均のフォークは、ステンレス製でサビにくく、強度があります。
園芸用品に専用の道具である、「根さばき」や「根かき」がありますが、フォークで代用できます。
根が見えるまで、根鉢の表面の土を崩します。
根元は幹や根を傷つけないように、竹串を使って、丁寧に土を崩します。
竹串は、素材が竹ですので、適度な硬さで幹や根を傷つけにくい特徴があります。
ちょっとした作業に使えますので、園芸用に100均で購入するとよいです。
根元が見えてきました。根元は、幹から根が生えている部分です。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
幹から伸びる根が少ないです。植え付け・植え替え後の管理に注意する必要があります。
おかめ桜の根鉢は、表面の土を崩しただけで三分の一くらい高さが減りました。
深植えされて、根の成長が悪くなった可能性があります。
根鉢の底は軽く崩して、
根を確認します。
根鉢の底は、水はけが悪く、根腐れしやすい場所になります。
土を取り除き、新しい用土になることで、水はけがよくなり、根腐れの心配がなくなります。
おかめ桜の根鉢を崩して、鉢に植え付け・植え替えをする準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
根鉢を崩した
おかめ桜を準備した鉢に入れて、根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差にあるように調整します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らし、低い場合は用土を足します。少し高いですので、用土を減らしました。
根鉢と鉢に隙間がありますので、赤玉土の小粒を入れます。
おかめ桜の苗木の用土が、保水性が高いですので、腐葉土を入れないで、赤玉土だけにしました。
粒が小さいほうが保水性がよくなりますので、鉢植えでも水切れしにくいです。
用土に隙間ができないように割りばしで突きます。
おかめ桜の根鉢を竹串で深く突き、固まった土を崩して、水はけ(排水性)・通気性がよくなるようにします。
鉢の中ですので、根鉢があまり崩れませんので、おすすめです。
鉢植えで育てているときも、水遣りしたときに、水通りが悪いと感じたら、竹串で深く突くとよいです。
段差の少し下まで、赤玉土の小粒を入れます。
仕上げに軽石を敷きます。
水遣りや雨で、表面の赤玉土の粒が崩れなくなりますので、水はけ(排水性)と通気性がよい状態を維持できます。
雑草が生えにくく、見た目もよくなります。
苗木を鉢に
植え付け・
植え替えが終わり、
おかめ桜の
鉢植えが完成しました。
幹が2本あり、枝が長く伸びていますが、おかめ桜の鉢植えができました。
おかめ桜の管理
おかめ桜の苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
最初は、鉢の底から泥水が流れます。赤玉土の表面に付着した微塵が水に溶けて流れます。
微塵が鉢の中で固まると、水はけ(排水性)が悪くなります。固まる前の最初の水遣りでキレイに流し出すことが大切です。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
おかめ桜の水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は落葉していますので、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
花が咲く期間である春は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
水遣りができないときは、鉢受け皿に水を入れて腰水で管理するとよいです。
長時間、腰水をすると根腐れの原因になりますので、夜は水の中から鉢を出します。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
落葉していますので、芽を確認して、異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
おかめ桜は、日当たりのよい場所で管理しますが、鉢植えですので、水切れしないように、水遣りの時刻や回数によって、日当たりを調節します。
暑い夏は、西日が当たる場所は避けてください。
半日陰でも育てることができますが、枝が徒長して、花が咲かないことがあります。
おかめ桜の育て方のポイント
- 日当たりがよい場所で育てる。
- 肥沃で、水はけがよい用土。普通の培養土で大丈夫です。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は4月と7月に緩効性化成肥料を置き肥で与えます。
- 剪定は花後の5月頃に、2~3芽を残して枝を切る。
- 植え付け・植え替えは、11月~12月、または2月下旬~3月中旬が適しています。
おかめ桜は基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
耐暑性が強く、丈夫ですので、育てやすい樹です。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、11月~12月、または2月下旬~3月中旬に植え替えをします。
おかめ桜は、新しく伸びた枝に花が咲きますので、花後の剪定が大切です。
剪定する時期が遅くなると、枝の成長が遅れますので、花芽ができにくくなります。
少し寒さに弱いですので、東北地方より南が栽培に適しています。
おかめ桜の今後
2月12日に、おかめ桜の苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。根の量が少なく、少し心配ですが、最初の目標は、花が咲くことです。
花芽がありますので、暖かくなる3月には花が咲く可能性が高くなります。
九州地方の福岡県の平野部で育てていますので、温暖な気候です。ソメイヨシノの開花が3月20日頃ですので、早ければ3月上旬におかめ桜が開花します。
おかめ桜の今後の様子はこの記事を更新します。1年間の育てる様子を記録します。
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