ヒサカキ(姫榊)は、ツバキ科ヒサカキ属の常緑小高木です。学名は
Eurya japonica、本州から沖縄までに自生しています。
葉は互生で、長さ3~8センチ、幅は2~3センチの大きさです。葉の表は光沢のある濃緑色、裏は淡緑色になります。縁に細かい鋸歯があることが特徴です。
1~4月ぐらいに、小さな花も咲きます。花は花びらは5枚、直径5ミリぐらいと小さく、雄花は白く、雌花は薄い紫色です。
花が終わった後に実がなります。実は直径4ミリぐらいで、黒色に熟します。
ヒサカキの園芸品種である「残雪」がホームセンターで販売されていました。斑入りの葉が美しい品種ですので、観葉植物としても楽しめます。
緑が少なくなり、寂しくなる冬に楽しめる樹を探していましたので、購入して小さな鉢植えで育てます。
ヒサカキの苗木
ラベルに、
ヒサカキの園芸品種である「
残雪」とあり、「半日陰から日陰までシェードプランツ」と記載されています。
シェードプランツは、半日陰から日陰で育てることができる植物です。
小さな花が咲きますので、花の写真がないことが残念です。
ヒサカキ
残 雪
Eurya japonica
常緑小高木
用途
庭植え、鉢植え、寄せ植え
特徴と育て方
名前の通り、葉の上に雪が積もっているような斑入りの葉が美しい常緑木です。日陰でも元気に育ち、シェードプランツとしておすすめです。半日陰から日陰の場所で、水はけの良い用土を好みます。植え付け時に元肥を施し、表土が乾いたら水をたっぷりと与えてください。
ラベルは保管しますが、必要なときに、見つからないことがよくありますので、写真で管理しています。
植物のラベル用のアルバムやフォルダーを作り、保存すると便利です。
ヒサカキの苗木の樹高は、20センチを超えています。
節の間隔が小さく、樹高は小さいですが、葉が多くありますので、小さい鉢植えに適した苗木です。
直径7.5センチ、2.5号のビニールポットに植えられています。
右に小さな株があります。
株分けして、別の鉢で育てる予定です。
ヒサカキの小さな鉢植え
ヒサカキは、樹高が30~100センチぐらいまで大きく成長します。
大きく成長すると、管理が大変になりますので、ヒサカキを小さな鉢植えで育てます。
鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
日当たりを調節するために場所を移動したり、植え替えをしたり、小さな鉢植えは簡単にできます。
花が咲かなければ、鉢を大きくして、育てることにします。
ヒサカキの苗木をビニールポットのままの状態で、鉢に入れると、
植え付け・
植え替えしたときの
雰囲気が確認できます。
少し樹高が高いですが、剪定することでバランスのよい鉢植えになります。
ヒサカキの鉢は、アップルウェアーのプレステラ105型にします。
ホームセンターや園芸店で10ヶ組で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
苗木の植え付け・植え替えをするときは、予備の鉢を用意します。株分けしたほうがよい場合や鉢のサイズを変更することがあります。
一回り小さなプレステラ90型もあり、いつでも植え付け・植え替えができるように、購入して鉢の予備を用意しています。
プレステラは、底に特許番号が記載されています。
プレステラの大きな特徴は、側面から底にスリットが多く設置されていることです。
スリットにより根の先端が光を浴びて、伸びることができなくなります。
鉢の底で根が巻くサークリング現象を防ぎ、根詰りすることなく、用土を有効に利用でき、植物が元気に成長できる鉢です。
小さな鉢植えで、ヒサカキを元気に育てることができ、根詰りを防止しますので、植え替えの頻度も少なくなります。
正方形の角に長い
スリット、4つの辺の中央に短い
スリット、合計8ヵ所に設置されています。
1辺に2ヶ所、合計8ヵ所に仕切りがあり、根が鉢の底に沿って伸びることを防ぎます。
スリットだけでなく、仕切りを設置することで、完全に鉢の底で根が巻くことを防ぎます。
段差まで用土を入れると、ウォータースペースができ、水遣りが簡単になります。
プレステラは、生産者向けの商品で、実績がありますので、ヒサカキを健康で丈夫に育てることが期待できます。
デメリットは、デザイン性がよくないことです。プラスチック製の鉢ですが、日本製ですので耐久性が高く、よい鉢です。
プレステラ105型は、1辺9センチぐらいの正方形の鉢です。
普通の円形の鉢の3号(直径9センチ)より、少し大きなサイズになります。
ヒサカキの植え付け・植え替え
ヒサカキの苗木を、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ヒサカキの植え付け・植え替えに適した時期は、春と秋です。
11月下旬と秋の植え付け・植え替え時期に少し遅いですが、ビニールポットのままで、冬越しさせることは負担になりますので、鉢に植え付け・植え替えをします。
ビニールポットから取り出す
最初に、底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから取り出すことができません。
根がビニールポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
ヒサカキの苗木を
鉢受け皿の中に横向きに置きます。
ビニールポットの底の角を指でつまむように押すと、簡単に取り出すことができます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
ヒサカキの苗木をビニールポットから取り出すことができました。
ヒサカキの根鉢
ヒサカキの苗木をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
ヒサカキの根鉢を観察すると、根の量が多く、底で根が巻くサークリング現象が起きています。
根詰りに近い状態ですので、植え付け・植え替えに適したタイミングです。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に植え付け・植え替えすることが基本です。
11月下旬と寒くなる時期ですので、底を軽く崩して、植え付け・植え替えをします。
株分け
ヒサカキの苗木の右に、
小さな株があります。
根元の位置が違いますので、根がつながっている可能性は小さいです。
株分けして、
小さな株を別の鉢に
植え付け・
植え替えすることにします。
根鉢の表面の土を崩して、
小さな株の
根を確認します。
苗木の根とつながってなく、株分けできそうです。
小さな株の根は、とても短く、成長できるか?心配になります。
根鉢を崩す
株分けするために、
根鉢の表面の土を崩しました。
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
上向きに伸びた根は、ハサミで切り剪定します。
育てているときに、表面の土を崩すことを「中耕(ちゅうこう)」と言います。雑草を取り除き、水通りと通気性が改善しますので、おすすめです。
サークリング現象で、底で巻いている
根をほぐします。
根鉢を崩して、鉢に
植え付け・
植え替えをする準備ができました。
根元が見えるまで、根鉢の表面の土を崩しました。根元は、幹から根が生えている部分です。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
苗木は、倒れることを防ぐために深植えされていることが多く、ヒサカキの苗木も根元が2センチぐらい土の中に埋まっていました。
鉢に植え付け・植え替えをするときに、根元の位置を地表にしてあげましょう。
ヒサカキの用土
プレステラは、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
ヒサカキの用土は、ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土で大丈夫です。
用土を作る場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を7:3の割合で混ぜた用土が適しています。
赤玉土の小粒と
腐葉土が均一になるように混ぜます。
鉢の高さの底から3分目まで用土を入れて、ヒサカキの鉢の準備ができました。
鉢に植え付け・植え替えをする
軽く崩した
根鉢を鉢に入れます。
プレステラの段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差になるように調節します。
高い場合は、3分目まで入れた用土を減らします。低い場合は用土を増やします。
根鉢と鉢に隙間がありますので、
赤玉土の小粒を入れました。
軽石を敷くことで、水遣りや雨で赤玉土の粒が崩れることを防ぎます。
ヒサカキの小さな鉢植えが完成しました。
土の中に埋まっていた幹を出しましたので、樹高が少し高くなりました。
小さな鉢植えですので、いろいろな場所に飾ることができ、斑入りの美しい葉を楽しめます。
ヒサカキの管理
ヒサカキの苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
ヒサカキの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
寒い冬でも、乾いた風で1日で乾いたり、小春日和で暖かい日があったりしますので、1日1回は、乾き具合を確認するようにしましょう。
水遣りができないときは、鉢受け皿に水を入れて腰水で管理するとよいです。
長時間、腰水をすると根腐れの原因になりますので、夜は水の中から鉢を出します。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
ヒサカキは、日陰から半日陰で管理します。暑い夏は、日差しが強いですので、特に注意が必要です。
小さな株の植え付け・植え替え
ヒサカキの苗木から
株分けした
小さな株を鉢に
植え付け・
植え替えをします。
株を固定するために、針金を使います。針金は100均で販売されているアルミ線です。
小さな株の幹の根元に針金を2~3回ぐらい巻きます。
小さな株は、2号(直径6センチ)のスリット鉢に植え付け・植え替えをします。
針金を鉢の底から出し、側面を沿わせ、上のフチで折り曲げて固定します。
小さな株が自立しています。
鉢底石を敷きます。
用土は、
根鉢を崩した土を使いました。
小さな株ですので、環境が大きく変化すると、樹の負担が大きいです。
水はけがよくなるように、
赤玉土の小粒を入れました。
葉が少ない小さい樹ですが、鉢植えができました。小さいですので、注意して管理します。
小さな株でミニ盆栽を作ることにチャレンジします。
節の間隔が小さいですので、枝が増えれば、樹形ができます。
ヒサカキの育て方のポイント
- 日陰から半日陰で、風通しがよい場所で育てる。
- 用土は普通の培養土でよいです。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は春と秋に緩効性化成肥料を置き肥で与えます。
- 植え付け・植え替えは、春と秋が適しています。
ヒサカキは基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、春か秋に植え替えをします。
耐寒性は、-5度までですので、寒い地域は冬は室内で管理が安心できます。
ヒサカキは、春から夏に枝がよく伸びますので、伸びすぎた枝はハサミで切って剪定します。
枝の先端から三分の一ぐらいで剪定すると、脇から新しい芽が出て、枝が増えて樹形がよくなります。
病害虫に強いですが、アブラムシなどの害虫がつくことがありますので、暖かい時期は注意が必要です。
ヒサカキの今後
11月29日に、ヒサカキの苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てていますので、温暖な気候です。本格的に寒くなるのは、12月中旬です。
ヒサカキの今後の様子はこの記事を更新します。
ヒサカキの小さな鉢植えで、斑入りの美しい葉を楽しみます。たくさん花が咲くことを期待します。
1年間の育てる様子を記録します。
更新しました。
ヒサカキのつぼみ
1月10日、撮影。
ヒサカキの苗木を鉢に植え付け・植え替えしてから、1ヶ月が経過しました。
ヒサカキのつぼみは、緑色から紫色に変わりました。開花が近づいているようです。
ヒサカキの葉が、寒さで変色しています。
ヒサカキの花が咲きました。
ヒサカキの
花は、5ミリぐらいと小さく、ツボ状で丸みがあります。花びらはクリーム色です。
枝に並ぶように咲き、小さく可愛らしい雰囲気になります。
ヒサカキの株を増やす
7月10日、撮影。
ヒサカキの鉢植えは、順調です。成長は、あまりしていません。
気温が高くなり、葉の色が濃い緑色からライムグリーンに変化しました。
ヒサカキの株を増やすために、挿し木を予定していましたが、枝が大きくなっていませんので、取り木で増やすことにしました。
長く伸びた幹の真ん中ぐらいで、取り木することで、ヒサカキの鉢植えの樹高が小さくなり、株を増やすことができます。
ヒサカキの取り木の様子は、別の記事で詳しく書きましたので、参考にして下さい。
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取り木をしている間は、カッコ悪いですが、成功すれば、
ヒサカキの株が増えます。
次の更新は、ヒサカキの秋の様子を予定しています。
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