花桃(ハナモモ)は、
花を観賞するために品種改良された桃(モモ)ですので、食べることができない小さな実がなります。
花が咲く時期が3月中旬から4月中旬と、桜と同じくらいですので、注目されることが少なく、人気が高くないようです。
桃の節句である3月3日だけは、桃の花が注目されます。
桃の花は、古来より中国では災いを除き、福を招くとされてきましたので、ひな祭りには必要なアイテムになります。
花桃の樹が植えらている場所は、限定され、切り花として、花屋さんで桃の花を見ることのほうが多いです。
花桃の苗木をホームセンターで購入しました。
桃の花は、赤色や白色、ピンクがありますので、あでやかな花を楽しむことができます。
大きくなると管理が大変になりますので、鉢植えでコンパクトに育てます。
いろいろな樹を鉢植えで育てています。春に花が咲く樹は、たくさんあるほうが楽しめます。
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花桃の苗木
購入した
花桃の苗木は、樹高65センチ。
5号(直径15センチ)のビニールポットに植えられています。
ビニールポットの中は、落ち葉や雑草で汚れています。
ホームセンターの在庫処分で、値引き販売されていた苗木です。
枝は緑色で、芽も生きていますので、復活できると確信して、購入しました。
ラベルはなく、品種が不明の花桃ですが、鉢植えで育てることにチャレンジするには、お買い得な苗木です。
根元から、2本の「ひこばえ」が伸びています。
「ひこばえ」は、「ヤゴ」や「シュート」と呼ばれることもあり、根元から生えている枝のことです。
そのままにしておくと、水分・養分が「ひこばえ」に取られて、苗木が弱るため、剪定することが基本になります。
在庫処分の苗木ですので、状態が悪くなり、枯れる可能性がありますので、「ひこばえ」を残します。
花桃を鉢植えで育てる
花桃は花が美しく、新緑や紅葉を楽しめる樹ですが、シンボルツリーや庭木にすると、大きく成長して管理が大変になりますので、あまり好まれません。
成長して樹高が大きくなると、病害虫対策や剪定、落ち葉の掃除などが大変になります。
鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
植え替えが必要になりますが、2~3年に1回ですので、大変ではありません。
花桃を鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、花桃を元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは6号、CSM-180になります。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底に
スリットが設置されていることです。
仕切りが4ヵ所に設置され、
根が鉢の底に沿って伸びることを防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、花桃を鉢植えで育てることができます。
生産者向けの商品ですので、デザイン性がよくないことがデメリットです。鉢カバーを使うことで、見た目がよくなります。
鉢の直径は18センチと6号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、5.5号(直径16.5センチ)の鉢と同じくらいの容量です。
鉢の高さは15センチ。大きくありませんので、移動が簡単になります。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、花桃をよい状態で育てることができます。
花桃の植え付け・植え替え
花桃の苗木は、ビニールポットですので、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串、食器のフォークです。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ビニールポットの中の雑草や落ち葉を取り除きます。
花桃の苗木は、接ぎ木です。接いだ部分がキレイな苗木を選ぶとよいです。
ビニールポットから取り出す
最初に、ビニールポットの底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから取り出すことができません。
根がビニールポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
花桃の苗木を鉢受け皿の中で横向きに置きます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
花桃の苗木をビニールポットから取り出すことができました。
花桃の根鉢を崩す
花桃の苗木をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根の状態は悪くはないです。根詰りまでは到達してないくらいになります。
根鉢の底は、
根が巻くサークリング現象が発生しています。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に
植え付け・
植え替えすることが基本です。
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
ピンセットを使って、花桃の根鉢の表面の土をく崩します。
表面の土がとても硬い場合は、食器のフォークを使うとよいです。
100均のフォークは、ステンレス製でサビにくく、強度があります。
園芸用品に専用の道具である、「根さばき」や「根かき」がありますが、フォークで代用できます。
根が見えるまで、
根鉢の表面の土を崩します。
根元は幹や根を傷つけないように、竹串を使って、丁寧に土を崩します。
竹串は、素材が竹ですので、適度な硬さで幹や根を傷つけにくい特徴があります。
ちょっとした作業に使えますので、園芸用に100均で購入するとよいです。
根元が見えてきました。
根元は、幹から根が生えている部分です。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
花桃の根鉢は、表面の土を崩しただけで半分くらいの高さになりました。
花桃は、土壌は特に選びませんが、苗木の土は、水はけ(排水性)や通気性がよくないですので、根鉢の土をすべて崩して、取り除きます。
すべての土を取り除き、
根がキレイに見えるようになりました。
太い幹が接ぎ木の台木になります。台木の根がありません。
台木の根がビニールポットの底にあり、成長することが難しいので、接いだ部分の近くの幹に新しい根があります。
上の接いだ部分の近くの根が増えれば、台木が必要なくなりますが、台木の根がなくなっている状態を初めて見ました。
台木の幹から生えている根は細く、樹を支えることができませんので、このままの状態で、植え付け・植え替えをします。
樹の状態も悪い可能性がありますので、負担にならないように台木を切りません。
2~3年後は、根が増えて太くなっていますので、次の植え替えで、切って取り除きます。
鉢に植え付け・植え替え
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
花桃は、
水はけ(排水性)がよく、有機物を多く含む用土が適しています。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土でも育てることができます。
用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜるとよいです。
鉢が6号(直径18センチ)と小さいですので、赤玉土は小粒を使いました。
粒が小さいほうが保水性がよくなりますので、小さな鉢でも水切れしにくいです。
赤玉土と
腐葉土が均一になるように混ぜます。
鉢の高さの底から3分目くらいまで
用土を入れますが、台木の幹の長さがありますので、少なくして2分目くらいまで入れました。
花桃を入れて、根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差にあるように調整します。
高い場合は、用土を減らし、低い場合は用土を足します。
花桃の
根の上に
用土を入れます。
用土は一度にすべてを入れずに、半分くらいまで入れます。
スリット鉢の段差より少し少ない位置まで用土を入れ、竹串で突きます。
表面は
赤玉土だけにすると見た目がよくなります。
仕上げに軽石を敷きます。
水遣りや雨で、表面の赤玉土の粒が崩れなくなりますので、水はけ(排水性)と通気性がよい状態を維持できます。
苗木を鉢に植え付け・植え替えが終わり、花桃の鉢植えが完成しました。
花桃の管理
花桃の苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
花桃の水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は落葉していますので、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
花が咲く期間である春は、水切れに注意が必要です。水切れすると花が傷みます。
水遣りができないときは、鉢受け皿に水を入れて腰水で管理するとよいです。
長時間、腰水をすると根腐れの原因になりますので、夜は水の中から鉢を出します。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
落葉していますので、芽を確認して、異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
花桃は、日当たりのよい場所で管理しますが、鉢植えですので、水切れしないように、水遣りの時刻や回数によって、日当たりを調節します。
暑い夏は、西日が当たる場所は避けてください。
半日陰でも育てることができますが、枝が徒長して、花が咲かないことがあります。
花桃の育て方のポイント
- 日当たりがよい場所で育てる。
- 肥沃で、水はけがよい用土。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は2~3月に緩効性化成肥料を置き肥で与えます。
- 剪定は花後に、2~3芽を残して枝を切る。
- 植え付け・植え替えは、11月~12月が適しています。
花桃は基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
花桃は、耐暑性・耐寒性が強いですので、育てやすい樹です。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、11月から12月に植え替えをします。
花桃は、新しく伸びた枝に花が咲きますので、花後の剪定が大切です。
剪定する時期が遅くなると、枝の成長が遅れますので、花芽ができにくくなります。
花桃の今後
11月16日に、花桃の苗木を鉢に植え付け・植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てていますので、温暖な気候です。本格的に寒くなるのは、12月中旬ですので、1ヵ月間ぐらいで状態がよくなり、冬越しできることを期待します。
花桃の今後の様子はこの記事を更新します。
花桃の鉢植えが、無事に冬越しして、3月頃に花が咲くことを期待します。
1年間の育てる様子を記録します。
更新しました。
花桃の花が咲きました
2月20日、撮影。
花桃の苗木を鉢に植え付け・植え替えしてから、3か月が経過しました。
暖かくなり、
花桃の
花が咲く時期になりました。
八重咲きの濃い赤色の美しい花が咲きました。
花桃の
花は、3輪だけですが咲くことができましたので、嬉しいです。
右の鉢は、梅の「鹿児島紅梅」です。同じ時期に似た花が咲きますので、見分けがつきません。
梅と花桃は、とても似ています。
花桃の花が萎れています。
萎れた花をそのまま残していますと、結実して実を作ろうとします。
実を作るときに、樹のエネルギーをたくさん使いますので、樹勢が弱ります。
樹勢が弱ることを防ぐために、花がら摘みをします。
花がら摘みは、ピンセットで、萎れた
花を取り除くだけです。
もう少し暖かくなり、
葉が芽吹くと、完全に復活できます。
花後のお礼肥え
花桃の
肥料は、
花が咲く前の落葉している2~3月に緩効性化成肥料を置き肥で与えます。
ホームセンターで値引き販売されていた苗木でしたので、状態が悪く、花が咲く前の肥料は与えませんでした。
状態が悪いと、元気になるように肥料を与えたほうがよさそうですが、弱っている樹に肥料を与えると枯れることがあります。
少し回復してから肥料を与えるとよいです。
花が咲きましたので、状態がよくなっていると判断して
肥料を与えます。
花が咲き終わった後ですので、花後のお礼肥えになります。肥料は、説明書をよく読み、少ない量で与えます。
花桃の鉢は、直径18センチと6号になりますので、10粒~15粒ぐらいになります。
説明書より少ない6粒の
肥料を花後のお礼肥えとして、
置き肥で与えました。
葉がたくさん芽吹くことを期待します。
次の更新は、葉が芽吹いた様子を予定しています。
更新しました。
花桃の芽吹き
5月29日、撮影。
花が咲き終わった花桃は、葉が芽吹きました。
鉢植えですので、コンパクトな株にするために、剪定するとよいです。
ホームセンターで値引き販売されていた苗木で、回復している途中ですので、剪定をしないで、枝を伸ばしたままにします。
樹高が大きくなり過ぎると、風が強いときに、倒れることがあります。
樹高を維持するために、先端の枝を
剪定するとよいです。
剪定をしないで、花桃の取り木にチャレンジしました。
取り木が成功すれば、
花桃の小さな株ができますので、ミニ盆栽を作ることができます。
取り木の様子は、別の記事で詳しく書きましたので、参考にして下さい。
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花桃は鉢植えですので、
水切れが心配ですが、
日当たりのよい場所で育てます。
枝の徒長を防ぎ、花がたくさん咲くようにするためには、日光が大切です。
6月になると梅雨入りします。
次の更新は、花桃の夏の様子を予定しています。
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