緋寒桜・寒緋桜を鉢植えで育てる
桜は花が美しく、新緑や紅葉を楽しめる樹ですが、シンボルツリーや庭木にすると、管理が大変ですので、あまり好まれません。
成長して樹高が大きくなると、病害虫対策や剪定、落ち葉の掃除などが大変になります。
鉢植えで育てることで、管理が簡単になります。
植え替えが必要になりますが、2~3年に1回ですので、大変ではありません。
緋寒桜を鉢植えで育てるために、KANEYA(兼弥産業)のスリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、緋寒桜を元気に育てることができます。植え替えも2~3年に1回で大丈夫になります。
スリット鉢のサイズは6号、CSM-180になります。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いですので、おすすめの鉢です。
スリット鉢の大きな特徴は、八角形の形状と側面から底に
スリットが設置されていることです。
仕切りが4ヵ所に設置され、根が鉢の底に沿って伸びることを防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、緋寒桜を鉢植えで育てることができます。
生産者向けの商品ですので、デザイン性がよくないことがデメリットです。鉢カバーを使うことで、見た目がよくなります。
鉢の直径は18センチと6号のサイズですが、八角形に部分は、一回り小さくなりますので、5.5号(直径16.5)センチの鉢と同じくらいの容量です。
鉢の高さは15センチ。大きくありませんので、移動が簡単になります。
日差しが強く暑い夏は半日陰、霜が降りる寒い冬は軒下などに移動させることで、緋寒桜をよい状態で育てることができます。
緋寒桜・寒緋桜の植え付け・植え替え
寒緋桜の苗木は、ビニールポットですので、鉢に植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ、ピンセット、竹串、食器のフォークです。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
鉢受け皿は、100均でも販売されていますので、大きなサイズを植え付け・植え替え用に購入するとよいです。
ビニールポットから取り出す
ビニールポットの中の落ち葉を取り除きます。
緋寒桜の苗木は、接ぎ木です。
接いだ部分がキレイな苗木を選ぶとよいです。
接ぎ木テープが残っていましたので、ピンセットで取り除きました。
最初に、ビニールポットの底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから取り出すことができません。
根がビニールポットの底の穴から出ている場合は、ハサミで切ります。
緋寒桜の苗木を鉢受け皿の中で横向きに置きます。
手で引っ張り上向きに、ビニールポットから取り出すと、根鉢が崩れて落としたり、土がこぼれたりしますので、置いて作業すると失敗なくできます。
緋寒桜の苗木をビニールポットから取り出すことができました。
寒緋桜の根鉢を崩す
緋寒桜の苗木をビニールポットから取り出すことができ、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗木を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
根の状態は悪くはないです。根詰りまでは到達してないくらいになります。
根鉢の底も
根が多くありません。
根鉢の底を三分の一ぐらいを崩して、一回り大きな鉢に
植え付け・
植え替えすることが基本です。
根鉢の表面の土は、水遣りで土の粒が崩れると、水通りと通気性が悪くなります。
植え付け・植え替えのときに、表面の土を崩すと状態がよくなり、見た目も改善します。
ピンセットを使って、緋寒桜の根鉢の表面の土をく崩します。
表面の土がとても硬い場合は、食器のフォークを使うとよいです。
100均のフォークは、ステンレス製でサビにくく、強度があります。
園芸用品に専用の道具である、「根さばき」や「根かき」がありますが、フォークで代用できます。
根が見えるまで、
根鉢の表面の土を崩します。
根元は幹や根を傷つけないように、竹串を使って、丁寧に土を崩します。
竹串は、素材が竹ですので、適度な硬さで幹や根を傷つけにくい特徴があります。
ちょっとした作業に使えますので、園芸用に100均で購入するとよいです。
根元が見えてきました。
根元は、幹から根が生えている部分です。
公園などにある大きな樹は、根の一部が地表に見える状態です。根元の位置が地表になると、樹の成長がよくなります。
根も呼吸をしていますので、水はけ(排水性)と通気性が大切です。
緋寒桜の
根鉢は、表面の土を崩しただけで半分くらいの高さになりました。
緋寒桜は、土壌は特に選びませんが、苗木の土は、水はけ(排水性)や通気性がよくないですので、
根鉢の土をすべて崩して、取り除きます。
すべての土を取り除き、
根がキレイに見えるようになりました。
太い幹が接ぎ木の台木になります。ハサミより下の根が台木の根です。
台木の根がビニールポットの底にあり、成長することが難しいので、接いだ部分の近くに新しい根があります。
「2段根」と呼ばれる状態です。
上の接いだ部分の近くの根が増えれば、台木が必要なくなりますが、少ないですので、このままの状態で、植え付け・植え替えをします。
樹種によっては、台木の根が必要になりますので、次の植え替えまでに、緋寒桜について詳しく調べて確認します。
鉢に植え付け・植え替えをする
スリット鉢は、スリットが多く設置され、水はけ(排水性)がよいですので、
鉢底石の必要がありませんが、スリットから
用土が流れ出ることを防ぐために、
鉢底石を敷きました。
緋寒桜は、
水はけ(排水性)がよく、有機物を多く含む用土が適しています。
ホームセンターや園芸店で販売されている普通の培養土でも育てることができます。
用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜるとよいです。
鉢が6号(直径18センチ)と小さいですので、赤玉土は小粒を使いました。
粒が小さいほうが保水性がよくなりますので、小さな鉢でも水切れしにくいです。
赤玉土と
腐葉土が均一になるように混ぜます。
鉢の高さの底から3分目くらいまで
用土を入れますが、台木の幹の長さがありますので、少なくして2分目くらいまで入れました。
緋寒桜を入れて、根元の位置を確認します。
スリット鉢の段差まで用土を入れますので、根元の位置が段差にあるように調整します。
高い場合は、用土を減らし、低い場合は用土を足します。
用土は一度にすべてを入れずに、半分くらいまで入れて、隙間なく
根の間に
用土が入るように
竹串で突きます。
スリット鉢の
段差より少し少ない位置まで用土を入れ、竹串で突きます。
水遣りや雨で、表面の赤玉土の粒が崩れなくなりますので、水はけ(排水性)と通気性がよい状態を維持できます。
緋寒桜を鉢に植え付け・植え替えが完成しました。
緋寒桜・寒緋桜の管理
緋寒桜の苗木を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
緋寒桜の水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は落葉していますので、完全に乾かないように3~4日に1回ぐらいが目安になります。
花が咲く期間は、水切れに注意が必要です。
水遣りができないときは、鉢受け皿に水を入れて腰水で管理するとよいです。
長時間、腰水をすると根腐れの原因になりますので、夜は水の中から鉢を出します。
植え付け・植え替えした後の1週間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
落葉していますので、芽を確認して、異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
緋寒桜は、日当たりのよい場所で管理しますが、鉢植えですので、水切れしないように、水遣りの時刻や回数によって、日当たりを調節します。
暑い夏は、西日が当たる場所は避けてください。
乾燥を嫌いますので、根元を「敷きわら」などで、マルチングするとよいです。
半日陰でも育てることができますが、花が少なくなります。
緋寒桜・寒緋桜の育て方のポイント
- 日当たりがよい場所で育てる。
- 肥沃で、水はけがよい用土。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は3月に化成肥料を置き肥で与えます。
- 病害虫が発生しますので、適期的に消毒をする。
- 植え付け・植え替えは、11月~1月が適しています。
緋寒桜は基本を大切にすれば、初心者の方でも育てることができます。
緋寒桜は、耐暑性・耐寒性が強いですので、育てやすい樹です。
鉢植えは根詰りしないように、2~3年に1回、11月から1月に植え替えをします。
桜は剪定を嫌いますので、枝が細い段階で短く剪定して、大きさを調整します。
緋寒桜・寒緋桜の今後
11月15日に、
緋寒桜の苗木を鉢に
植え付け・
植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てていますので、温暖な気候です。本格的に寒くなるのは、12月中旬ですので、1ヵ月間ぐらいで状態がよくなり、冬越しできることを期待します。
緋寒桜の今後の様子はこの記事を更新します。
緋寒桜の鉢植えが、無事に冬越しして、2月頃に花が咲くことを期待します。
1年間の育てる様子を記録します。
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