エリカは、伸びた細長い枝に、小さな
花がたくさん咲く常緑低木です。
品種が豊富にあり、花の色は、赤色、ピンク、オレンジ、黄色、白色などがあります。花の形は、壺状やベル形、細長い筒状などがあり、雄しべが黒く、花が蛇の目のように見えるジャノメエリカが有名です。
小さな花ですが、個性的な形の品種が多く、好みの花のエリカを探す楽しみがあります。
エリカ属は740種ぐらいがあり、ヨーロッパと南アフリカに自生しています。数は少ないですが、ヨーロッパのエリカは耐寒性が強く、寒冷地でも庭植え(地植え)することができます。
大部分の品種は、南アフリカが産地になり、耐暑性がありますが、耐寒性が少し弱く、寒い地域では冬に保護が必要になります。
花が咲く時期は、品種により異なり、「春咲き」、「夏~秋咲き」、「冬咲き」、「不定期咲き」があります。
小さな花が無数に咲くアワユキエリカも育てています。
関連記事
エリカの苗
エリカの苗をホームセンターで購入しました。
ラベルを見ると、「秋~冬咲き」と記載されています。冬に花が咲く樹が少ないので、育てることにしました。
エリカ セシリフローラ ホワイトスパークとあります。セシリフローラは品種名です。
エリカ セシリフローラは、ツツジ科エリカ属の常緑低木で、「冬咲きエリカ」と呼ばれることもあります。
英名は、green heathやwhite bottlebrush heathになり、学名が、Erica sessiliflora L.f.です。南アフリカ原産のエリカの品種になります。
枝が斜めに伸び、葉が蜜につきますので、サボテンのような雰囲気があります。葉は6個輪生や散在します。
花は、筒形やトランペット形で、基部が狭く、上部が広く、緑色や緑白色や黄緑色で、長さ2~3センチぐらいあります。
ホワイトスパークは、花が白い品種で、新潟の小林園芸の商品です。
生育温度:-3℃~35℃
生育適温:15℃~25℃
お手入れ方法
用土:排水性の良い酸性土を好みます。
肥料:春と秋に市販の緩効性肥料を適度に与えてください。
水やり:鉢植えの場合、鉢土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水を与えてください。
小林園芸オリジナル品種の為、営利目的での増殖はご遠慮願います。
水切れに注意してください。
直径7.5センチ、2.5号のビニールポットに植えられています。
エリカの花柄摘み
購入した
エリカの苗は、
花が萎れて茶色になり始めています。
花が終わり、
ホームセンターで値引き販売されていた苗です。
花は終わっていますが、葉の状態はよく、問題なく育てることができます。
萎れた
花をつけたままにしておくと、樹勢が弱りますので、
花柄摘みをします。
庭植え(地植え)の樹は、根が広く張っていますので、花をつけたままでも樹勢が弱ることはありませんが、鉢植えの樹は、根の量が少ないですので、花柄摘みをします。
エリカは、たくさんの葉があり、花だけを取り除くことが難しいので、ピンセットを使って、花柄摘みをしました。
葉を傷つけないように注意して、花だけを取り除きます。
つぼみがあります。開花できなかったか?これから開花するか?
つぼみは残して、開花できることを期待します。
花柄摘みが終わった
エリカの苗。
葉だけになりましたが、枝が多く、個性的な樹形を楽しめます。
種のようなものができていました。
園芸品種ですので、種から育てると同じような花が咲くことは難しいです。
キレイに枯れて、種を採取できれば、種まきにチャレンジします。
エリカの小さな鉢植え
エリカを
小さな鉢植えで育てます。
樹木のメリットは、枯れる心配が少なく、毎年、美しい花を楽しめることです。デメリットは、大きくなると剪定などの手入れが大変になることになります。
小さな鉢植えは、樹高が小さく、枝が少ないですので、手入れが簡単です。
小さいですので、移動が簡単で、いろいろな場所に飾ることができ、広いスペースが必要ありません。
エリカを
小さな鉢植えにするために、KANEYA(兼弥産業)の
スリット鉢を用意しました。
スリット鉢について、KANEYA(兼弥産業)のホームページで紹介してあります。
スリット鉢は、大地での根張りを鉢の中でも実現するために設計デザインされた理想的な植木鉢です。根のサークリング現象を防止するので、用土の90%以上が有効利用することができ、植物の生育に大きな効果があります。果樹・野菜・鑑賞用などあらゆる園芸に最適です。
MADE IN JAPAN、日本製ですので、耐久性が期待できます。
根詰りすることがなく、小さな鉢でも、エリカを元気に育てることができます。植え替えも2年に1回で大丈夫になります。
エリカの苗を
植え付け・
植え替えする
スリット鉢は、直径9センチ、3号の大きさです。
スリット鉢は八角形の形状が特徴です。
側面の下の方から底にスリットが多く設置されています。
スリットを設置することで、根が光を浴び、伸びなくなりますので、鉢の底で根が巻くサークリング現象を防ぎます。
仕切りが4ヵ所に設置され、
根が鉢の底に沿って伸びることを防ぎます。
八角形の形状が特徴のスリット鉢ですが、上部は普通の鉢のように円形になります。
段差まで用土を入れますと、ウォータースペースができますので、水遣りが簡単になります。
植物の成長によいスリット鉢を使うことで、エリカを小さな鉢植えで育てることができます。
生産者向けの商品ですので、デザイン性がよくないことがデメリットです。鉢カバーを使うことで、見た目がよくなります。
直径9センチ、3号の
スリット鉢の鉢カバーになる鉢を100均で見つけました。
直径9センチ、3号のスリット鉢を入れると、ちょうどよいサイズになります。
見た目がよくなり、鉢が重くなりますので、風で倒れることを防ぎます。
エリカの植え付け・植え替え
購入したエリカの苗を鉢に、植え付け・植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ・ピンセット・竹串です。
鉢受け皿の中で、作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
エリカの植え付け・植え替えに適した時期は、春の3~4月と秋の9~10月です。つぼみがあるときと開花しているときを避けます。
ビニールポットから取り出す
エリカの苗をビニールポットから取り出します。
最初に、ビニールポットの底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから取り出すことができません。
無理に取り出すと、根が切れますので、底から出ている根はハサミで切ります。
鉢受け皿の中で、エリカの苗を横向きに置きます。
横向きに置くことで安定しますので、ゆっくり作業できます。
ビニールポットを取り外します。底の角を指でつまむと簡単にできます。
横向きに置いていますでの、無理なく、ゆっくり取り外すことができます。
苗を手で持ち、ビニールポットを取り外すと、幹や枝を傷つけたり、折ったりすることがありますので、注意してください。
エリカの苗が、根鉢の状態になりました。
根鉢は、苗を鉢やビニールポットから取り出して、根と土が固まって見えている状態のことです。
エリカの根鉢を崩す
エリカの
根の状態は、普通です。
ツツジ科ですので、とても細い根が密に伸びています。ビニールポットの土は、鹿沼土のようです。
エリカの苗は、花が終わった後ですので、根鉢をあまり崩さないで、植え付け・植え替えをします。
エリカの根元を確認するために、根鉢の表面の土を竹串で崩します。
竹串は、素材が竹ですので、適度な硬さで根を傷つけにくい特徴があります。
根元が見えるように、植え付けると、樹が立派に見えますので、おすすめです。
表面の土は、
水遣りで土の粒が崩れ、固まります。
固まると、水の通りが悪くなり、通気性がなくなりますので、根の成長に悪い影響があります。
表面の土を、根鉢の高さの三分の一ぐらいまで崩して、根元が見えてきました。
根元は、幹が少し太くなっていますので、よい雰囲気です。
曲がった根がありますが、とても太く、剪定することができませんでした。
根鉢の底は、崩していません。次の春の植え替えのときに、キレイに崩す予定です。
エリカの鉢の準備
スリット鉢は、水はけ(排水性)がよいので、
鉢底石が必要ありません。
エリカの根鉢を入れると、底に隙間ができるので、軽石を少し敷きました。
エリカの苗は樹高が30センチと大きいですので、
根鉢を
針金で鉢に固定します。
鉢から抜けなくなりますので、安心して育てることができます。
盆栽では、小さな鉢に植え付けますので、根鉢を固定することが普通です。樹が倒れないように深く植え付けることがありません。
樹を深く植え付けることを「深植え」と呼びます。「深植え」すると、樹が倒れる心配がなくなります。
植え付けた後の1~2年の間はよいですが、根に酸素を供給する量が減りますので、しばらくすると樹勢が落ち、枯れることがあります。
針金で固定することで、「深植え」する必要がなくなります。
反対側も同じように針金をセットします。
2本の針金を使って、エリカの根鉢を固定します。
エリカを針金で固定
針金をセットした鉢に、
エリカの
根鉢を入れます。
エリカの幹を手で上にあげると、鉢を持ち上げることができるくらい、しっかり固定できています。
エリカが鉢から抜ける心配がなくなりました。
用土を入れる
エリカの根鉢と鉢の間に隙間がありますので、用土を入れます。
根鉢を竹串で突き、水通りと通気性をよくします。
エリカは酸性の
用土を好みますので、
鹿沼土を使いました。
硬質の小粒の鹿沼土ですので、崩れにくく、見た目もキレイになります。
エリカを植え付け・植え替えして、小さな鉢植えが完成しました。
少し樹高が大きく、バランスが悪いですが、枝を剪定して、樹形をよくします。
エリカの管理
エリカの苗を鉢に植え付け・植え替えした後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
エリカの水遣りは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えることが基本です。
春と秋は1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
エリカのセシリフローラは、冬に花が咲きますので、水切れに注意が必要です。冬は寒いですが、乾燥した風で、思ったより乾きが早いことがあります。
1日中、在宅していることはなく、水遣りの回数を増やすことは難しいです。
日当たりを調節したり、水を入れた鉢受け皿で腰水をしたりして、水切れを防ぎます。
植え付け・植え替え後の1週間から10日間ぐらいは、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
エリカは、日当たりのよい場所で管理しますが、水切れしないように、水遣りの時刻や回数によって、日当たりを調節します。
暑い夏は、西日に当たらないように注意します。
鉢カバーをセットすると、よい雰囲気の鉢植えになります。
枝や葉が個性的なエリカの小さな鉢植えを楽しむことができます。
秋から冬に小さな花が無数に咲くアワユキエリカのプリティレッドを育てています。
関連記事
エリカの今後
10月25日に、
エリカの苗を鉢に
植え付け・
植え替えしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てています。温暖な気候ですので、12月中旬ぐらいから本格的に寒くなります。
エリカ セシリフローラは、冬咲きですので、まだ花が咲く可能性があります。
つぼみが数個残っていますので、少し期待できます。
エリカの小さな鉢植えの今後の様子は、この記事を更新します。
0 件のコメント :
コメントを投稿