クチナシ(梔子)は、6~7月の初夏に白い花が咲く、アカネ科クチナシ属の常緑低木です。
クチナシは、花の香りが強い樹木である三大香木(さんだいこうぼく)の1つです。春に花が咲くジンチョウゲ。夏はクチナシ。秋はキンモクセイになります。
クチナシは大きくならない小型の品種がありますので、ミニ盆栽で楽しむことができます。
人気が高い品種は、甘い香りのする白花一重咲きの「一寸法師」。花芽が短く止まるので、ミニ盆栽に最適です。
花が八重咲きの品種は、「八重クチナシ」や「小クチナシ(ヒメクチナシ)」になります。
小クチナシ(ヒメクチナシ)を鉢植えで育てています。
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葉が細長く小さな「喜代誉」、葉が丸い「丸葉クチナシ(達磨クチナシ)」など多くの品種があります。
ホームセンターや園芸店で苗木で販売されている普通の品種のクチナシを鉢植えで育てています。
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クチナシ(梔子)のミニ盆栽の育て方を紹介します。
クチナシのミニ盆栽の開花
5月25日撮影。
クチナシ(梔子)の花が咲く時期は、6~7月の初夏です。5月中旬ぐらいから、つぼみが分かるようになります。
つぼみの根元が伸びています。
いつ開花するか?毎日、観察して楽しみにしていました。
美しい花が咲くように、2~3日に1回、液肥を与えます。
クチナシのミニ盆栽が開花しました。
昼ごろに、クチナシのミニ盆栽に1つ目の花がキレイに咲きました。
夕方には、完全に
花びらが開いた
花になりました。
次々と、つぼみが開花して、クチナシのミニ盆栽を楽しむことができました。
6月14日撮影。
6月中旬には、クチナシのミニ盆栽の花が終わりました。
九州地方の福岡県の平野部で育てていますので、温暖な気候です。地域の気候によって、クチナシの花が咲く時期に少し違いがあります。
クチナシの剪定
花が終わり、葉だけになったクチナシのミニ盆栽。
クチナシは常緑ですので、濃い緑色の葉も1年中、楽しめます。
クチナシのミニ盆栽を小さくするために、枝を剪定します。剪定する時期は、花が終わった後が最適です。
新しく伸びた枝の先端に花芽ができる時期は、夏の終わる9月頃になります。
9月以降に剪定すると、花芽がなくなることがあり、来シーズンの花が減りますので、注意が必要です。
クチナシは芽吹きがよいですので、
剪定は簡単です。枝を好きな長さに短くして大丈夫です。
枝枯れすることが心配な場合は、芽吹きの上で枝を剪定するとよいです。
新芽が芽吹いていますので、新芽の少し上をハサミで枝を切ります。
剪定後に新芽がありますので、枝が枯れることがなく、安心できます。
クチナシの
ミニ盆栽の樹高は、10センチぐらいになりました。
剪定前剪定後
クチナシのミニ盆栽は、コンパクトになりました。
剪定した枝で挿し木
クチナシの
ミニ盆栽を
剪定した枝を使って
挿し木をします。
クチナシは発根しやすい樹ですので、挿し木が簡単にできます。
ミニ盆栽は、小さな鉢で育てますので、水切れで枯れることがあります。挿し木で株を増やすことで、新しくミニ盆栽を作ることができます。
クチナシ(梔子)の挿し木のポイント
- 2時間くらい水につけて水揚げをする。
- 水の中で切る水切りで切り口を斜めに作る
- 発根促進剤ルートンを塗る
- 挿し床の用土は赤玉土や鹿沼土の小粒
- 乾かないように腰水で管理
クチナシの挿し木を成功させるポイントは5つだけです。実際の作業の様子を多くの写真で、詳しく説明します。
水揚げして挿し穂を作る
クチナシを
剪定した枝は、
水に2時間ぐらい入れて水揚げします。
たっぷり水分を含むことで、挿し木後に枯れることを防ぎます。
剪定した枝を
挿し穂にするために、
先端の2~3枚ぐらいの葉だけを残して、葉を取り除きます。
根なく、水を吸収する量が大きく減りますので、葉から水が蒸散する量を減らすためです。
小さい
挿し穂は3センチと、
発根は難しいかもしれません。
水切りで切り口を作る
挿し穂の一番下の部分は、水を吸収しますので、発根するために大切です。
剪定したときにハサミで切っていますので、よく切れる刃物でキレイな切り口を作ります。
よく切れる刃物は、カッターやカミソリがおすすめです。
新品の刃を使うことで、切れ味がよく、清潔な刃で切ることができます。
切り口を作るときは、水の中で切る水切りをします。
水が通る管である道管に、空気が入ることを防ぐためです。道管に空気が入ると、水の通りが悪くなります。
花屋さんなどでも、切り花を作るときに水切りすることが基本ですので、実績のある方法です。
切り口を斜めやくさび形にすることで、断面積を大きくして、水を吸収しやすくします。
クチナシ(梔子)の挿し穂、11本の切り口を作りました。
挿し木の成功率は、樹種や時期、環境などに大きく左右されます。挿し穂はできるだけ多いほうがよいです。
発根促進剤ルートンを塗る
植物の発根を助ける発根促進剤ルートン。発根する可能性が高くなりますので、使うことをおすすめします。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いです。少量しか使用しませんので、小さなルートンでたくさん挿し木や取り木ができます。
発根促進剤ルートンは、粉末ですので、鉢受け皿などの容器に出して使います。
使い方は、水で溶いて挿し穂を漬けたり、少量の水でペースト状にして切り口に塗ったりします。
粉末のまま使う簡単な方法を紹介します。
挿し穂は
水揚げで水に濡れていますので、粉末の
発根促進剤ルートンが簡単に付着します。
挿し穂の切り口を、粉末の発根促進剤ルートンの中に入れるだけで、簡単に付着できました。
たくさん付着させると、水の吸収できなくなる可能性がありますので、注意が必要です。
すべての
挿し穂の
切り口に、
発根促進剤ルートンを塗り、挿す準備ができました。
挿し床に挿し穂を挿す
挿し木で用土を入れた容器のことを挿し床と呼びます。
クチナシ(梔子)の挿し床は、アップルウェアーのプレステラを使います。
プレステラは、栽培に適した鉢ですので、発根した後は、そのままの状態で、翌シーズンの春に鉢上げするまで育てることができます。
クチナシの挿し木の用土は、赤玉土や鹿沼土の小粒が適しています。
発根後に、そのままの状態で育てることができる赤玉土の小粒を使いました。
挿し木は、挿し穂を挿し床に挿しますが、たくさんある小さい挿し穂は挿すことは、大変です。
挿し穂を並べて、上から用土を足す方法が簡単になります。
クチナシの挿し穂を3分目くらいまで用土を入れた挿し床に並べます。
挿し床に用土を足して、挿し穂を埋めます。
挿し穂が動かないように、少しずつ、ゆっくり用土を足します。
先端の葉だけを出して、挿し穂のほとんどの部分を用土に埋めたほうが、乾きにくく、枯れる心配が小さくなります。
葉の部分を少しだけしか出していませんので、風が強い日でも、挿し穂が動くことがありません。
鉢のフチに沿って、挿すことでも挿し穂が動きにくくなります。
クチナシ(梔子)の挿し木が完成しました。
水遣りをして管理
挿し木した後は、すぐに
水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
クチナシ(梔子)の
挿し木は、直射日光が当たらない
明るい日陰で管理します。
挿し木を成功させるためには、葉が萎れて枯れないように管理することが大切になります。
霧吹き(スプレー)で、葉水することで、挿し木した直後の乾燥を防ぎます。
クチナシの挿し木は、乾かないように腰水で管理するとよいです。
いつも湿った状態ですと、根腐れする可能性がありますので、涼しい日や夜間は、水から出して管理します。
挿し木が失敗する原因は、乾いて挿し穂が枯れることです。
毎日、水遣りをすることは大変ですので、腰水がおすすめです。
庭植え(地植え)や鉢植えの普通のクチナシも挿し木で増やすことができます。
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クチナシの植え替え
クチナシ(梔子)は、
根の成長が旺盛ですので、毎年、
植え替えが必要です。
ミニ盆栽は、小さな鉢ですので、根詰りしやすく、根の状態が悪くなると花が咲かないことがあります。
クチナシ(梔子)の植え替えは、暖かくなった4月からつぼみが膨らみ始める前の5月上旬ぐらいが適した時期です。
クチナシのミニ盆栽は、購入した年は、花が咲く前に植え替えをすることに不安がありましたので、春に植え替えをしていません。
このまま植え替えをしないと、来シーズンに花が咲かない可能性がありますので、9月ですが、植え替えをすることにしました。
クチナシを鉢から取り出す
クチナシを鉢から取り出して、新しい鉢に植え替えをします。
必要な道具は、ハサミ・ピンセット・竹串です。
鉢受け皿の中で、作業すると、周りを土で汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
最初に、クチナシの鉢の底を確認します。
根がたくさん出ていますと、引っかかってビニールポットから取り出すことができません。
長く伸びて出ている根はハサミで切ります。
鉢受け皿の中で、
クチナシの鉢を横向きに置き、
竹串で突き、土を崩して取り出します。
クチナシの鉢は、球のような形で、膨らんでいますので、取り出すことが難しいです。
鉢の中の土は少なく、根がとても多いです。
根詰りの状態に近いですので、9月ですが、植え替えをすることにして、よかったです。
クチナシの根を剪定
クチナシの根を確認すると、長く伸びた根や太い根があります。
根を剪定しなければなりません。
ミニ盆栽の場合、鉢が小さいですので、細い根がたくさんあるほうがよいです。
太い根は短く剪定します。
クチナシの根の剪定ができました。
新しい鉢は小さいですので、根をたくさん剪定することになりました。
根が少なくなり、枯れることが心配ですが、小さい樹ですので、大丈夫です。
鉢に植え替えをする
クチナシは、新しい鉢に
植え替えをします。
植えてあった白い鉢より少し小さい鉢にしました。
新しい鉢の直径は7センチ。2.5号(直径7.5センチ)より少し小さな鉢になります。
鉢が小さいほうが、樹が大きく見えて、よい雰囲気になります。
クチナシは根の成長がよいですので、もう少し深い鉢が理想です。
次の植え替えまでに、直径7センチで深さのある鉢を探します。
針金で固定することで、風などで樹が倒れる心配がなくなります。
ミニ盆栽は、小さな浅い鉢ですので、針金を使って固定することをおすすめします。
鉢は、100均の陶器に、ダイヤモンドホールソーで穴を開けています。
針金で固定しやすいように、小さな穴を2つ開けていますので、針金を通します。
100均の陶器に穴を開けて、ミニ盆栽の鉢を作る方法を詳しく書いた記事がありますので、参考にして下さい。
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鉢の底に、
水はけ(排水性)がよくなるように、
鉢底石として軽石(ボラ土)を敷きます。
クチナシの
用土は、赤玉土の小粒と軽石(ボラ土)を
7:3の割合で混ぜました。
盆栽の用土の基本は、赤玉土と桐生砂を7:3ですが、桐生砂は品質が良いものは、価格が高く、ホームセンターや園芸店で、あまり販売されていません。
ボラ土(日向土)は、宮崎県が産地ですので、福岡県のホームセンターや園芸店で、価格が安く販売されています。
大粒、中粒、小粒、細粒と種類が豊富ですので、使いやすく、赤玉土とボラ土をメインの用土に使っています。
用土の配合は、環境や管理によって異なり、正解がありませんので、いろいろ工夫するとよいです。
細い針金ですと、きつく縛って固定しますが、太い針金で押さえつけるような感じで固定しました。
幹を手で持って、鉢が持ち上がるぐらいに、しっかり固定できています。
根と根の間に、隙間なく
用土が入るように、
竹串で突きます。
表面はボラ土を多く敷くと、
水遣りで赤玉土の粒が崩れることを防ぎ、見た目がよくなります。
樹高は11センチぐらい。鉢が変わっただけですが、よい雰囲気になりました。
クチナシのミニ盆栽の管理
クチナシの植え替え後は、すぐに水遣りをします。
鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
クチナシは、水を好む樹ですので、暖かい成長する期間は、水をたくさん吸収しますので、表面の土が完全に乾く前に、水遣りをします。
寒くなると、あまり水を吸収しなくなりますが、常緑ですので、注意が必要です。
ミニ盆栽は、鉢が小さく、冬の乾燥した風によって用土が乾きますので、水遣りが必要になります。
春と秋は、1日1回、暑い夏は朝と夕方の1日2回、寒い冬は2~3日に1回ぐらいが目安になります。
用土の配合や日当たりや風通しなどの環境によって、水遣りの回数が異なりますので、慣れるまで注意します。
植え替え後の1週間から10日ぐらいは、直射日光の当たらない明るい日陰で管理します。
新芽や葉先に異常がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動します。
クチナシは、日当たり、風通しのよい場所で育てます。
半日陰でも十分育ちますが、葉の色や花つきをよくするために、日当たりのよい場所が適しています。
クチナシは、寒さに少し弱い性質です。霜が降りる時期は、軒下などで保護します。本格的に寒くなると、葉が萎れますので、保護が必要になります。
気候によって異なりますが、積雪する地域はムロなどで管理します。
クチナシのミニ盆栽の今後
9月12日撮影。
6月にクチナシの花が咲き、花が終わった後に剪定して、秋(9月)に植え替えをしました。
九州地方の福岡県の平野部で育てていますので、温暖な気候です。
クチナシのミニ盆栽の今後の様子は、この記事を更新します。
冬越しや春の芽吹きの様子を記録します。
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