ナンテン(南天)は、冬に赤色の実を楽しむ樹です。
常緑で日陰でも育てることができるため、グランドカバーとして利用されることが多いです。
ナンテン(南天)の園芸品種で、キンシナンテン(錦糸南天葉)は、葉が糸のように細く、樹高が低く、成長が遅いですので、ミニ盆栽に適した品種になります。
キンシナンテンを剪定した小さな枝を使って、挿し木にチャレンジします。
ナンテン(南天)の剪定
ナンテン(南天)は、購入したままの状態です。
ミニ盆栽を作るために購入した素材ですが、枝の状態がよくなく、鉢に植え付けることなく、ポットのままで育てています。
普通の
ナンテン(南天)より、葉が細い
キンシナンテン(錦糸南天)です。
品種名は、遠州錦糸。
葉が細いですが、春に芽吹く葉が大きくなる特徴がありますので、どのようにしてミニ盆栽にするか?検討中の素材になります。
幹から枝がたくさん伸びています。
ナンテン(南天)は枝作りが難しいようです。
できることは、枝を減らすことだけですので、剪定をします。
状態がよくなったか?少し疑問が残る剪定ですが、スッキリしました。
秋に葉が赤色に紅葉しますので、楽しみです。
ナンテン(南天)の挿し木にチャレンジします。
素材から作ることができれば、樹形のよい樹が手に入る可能性があります。
ナンテン(南天)の挿し木を成功させるポイント
- 2時間くらい水につけて水揚げをする。
- 水の中で切る水切りで切り口を斜めに作る
- 発根促進剤ルートンを塗る
- 挿し床の用土は赤玉土や鹿沼土の小粒
- 乾かないように腰水で管理
ナンテン(南天)の挿し木を成功させるポイントは5つだけです。難しいことはありませんので、気軽にチャレンジできます。
必要な道具は、
- 水を入れる容器
- ハサミ
- よく切れる刃物(カッターやカミソリなど)
- 発根促進剤ルートン
- 挿し床に使う植木鉢など
- 挿し木の用土(赤玉土や鹿沼土の小粒)
ナンテン(南天)の挿し木①水揚げ
ナンテン(南天)を剪定した小さな枝を水につけて水揚げをします。
水揚げする時間は、2時間くらいが基本です。
水揚げをする時間は、30分や一晩などといろいろな情報がありますが、2時間くらいで十分です。
剪定した小さな枝に枯れた葉柄がありますので、ハサミで切り、取り除きます。
剪定した枝で
挿し穂を作る場合は、不要な
葉を取り除きますが、
葉が少なくなり過ぎるので、このままの状態で
挿し木します。
ナンテン(南天)の
挿し穂は、3本です。1本は
発根してほしいです。
挿し穂の長さは3センチ、とても小さいです。細いですので
発根できるか?心配になります。
ナンテン(南天)の挿し木②切り口を作る
挿し穂の一番下の部分は、水を吸収しますので、枯れることなく、発根するために、大切になります。
剪定したときにハサミで切っていますので、よく切れる刃物でキレイな切り口を作ります。
よく切れる刃物は、カッターやカミソリがおすすめです。
新品の刃を使うことで、切れ味がよく、清潔な刃で切ることができます。
切り口を作るときは、水の中で切る水切りをします。
水が通る管である道管に、空気が入ることを防ぐためです。道管に空気が入ると、水の通りが悪くなります。
花屋さんなどでも、切り花を作るときに水切りすることが基本ですので、実績のある方法です。
切り口を斜めにすることで、断面積を大きくして、水を吸収しやすくします。
ナンテン(南天)の
剪定した小さな枝、3本の
切り口を切りました。
挿し穂が完成しました。
ナンテン(南天)の挿し木➂発根促進剤ルートン
植物の発根を助ける発根促進剤ルートン。
発根する可能性が高くなりますので、使うことをおすすめします。
発根しやすい樹種は、必要ありません。
ナンテン(南天)は発根率がどのくらいか?いろいろ調べると、ホームセンターや園芸店で、苗がよく販売されているオタフクナンテンは、発根率がよいことが分かりました。
キンシナンテン(錦糸南天)は、園芸品種ですが、発根率がよいことを願います。
発根促進剤ルートンは、粉末ですので、鉢受け皿などの容器に出して使います。
使い方は、水で溶いてルートン液を作り、挿し穂を漬けたり、少量の水でペースト状にして切り口に塗ったりします。
粉末のまま使う簡単な方法を紹介します。
挿し穂は
水揚げで
水に濡れていますので、粉末の
発根促進剤ルートンが簡単に付着します。
挿し穂の
切り口を、粉末の
発根促進剤ルートンの中に入れるだけで、簡単に付着できました。
ナンテン(南天)の挿し木④挿し床
挿し木で用土を入れた容器のことを挿し床と呼びます。ナンテン(南天)の挿し床は、素焼き鉢を使います。
素焼き鉢は、少し乾きやすいですが、通気性がありますので、栽培に適した鉢です。
発根した後は、そのままの状態で、翌シーズンの春に鉢上げするまで育てる予定ですので、素焼き鉢にしました。
排水性(水はけ)をよくするために、
鉢底石を敷きました。
ナンテン(南天)の挿し木の用土は、赤玉土や鹿沼土の小粒が適しています。
挿し穂が小さいですので、小粒より小さい細粒を使いました。
粒が小さいほうが保水性がよく、挿し穂と接する面積が多いですので、乾きにくいです。
鉢の高さの3分目くらいまで
用土を入れます。
挿し木は、挿し穂を挿し床に挿しますが、小さい挿し穂は挿すことが難しいです。
挿し穂を並べて、上から用土を足す方法が簡単になります。
ナンテン(南天)の挿し穂を3分目くらいまで用土を入れた挿し床に、均等に並べました。
キンシナンテン(錦糸南天)の長く伸びた葉が、邪魔になります。
葉を切るか?検討しましたが、成長が遅く、葉の芽吹きが多くないですので、葉は伸ばしたままの状態で、挿し木することにしました。
挿し床に
用土を足して、
挿し穂を埋めます。
挿し穂が動かないように、ゆっくり、少しずつ用土を入れます。
先端の葉だけを出して、枝のほとんどの部分を用土に埋めたほうが、乾きにくく、枯れる心配が小さくなります。
葉の部分を少しだけしか出していませんので、風が強い日でも、挿し穂が動くことがありません。
ナンテン(南天)の
挿し木が完成しました。
ナンテン(南天)の挿し木⑤腰水
挿し木した後は、すぐに水遣りをします。
ジョウロなどで上から水遣りすると、挿し穂が動きますので、鉢を水の中に入れる底面給水がよいです。
用土が水を吸って、湿ってきました。
ナンテン(南天)の挿し木は、発根するまでは、乾かないように腰水で管理するとよいです。
発根した後は、いつも湿った状態ですと、根腐れする可能性がありますので、涼しい日や夜間は、水から出して管理します。
挿し木が失敗する原因は、乾いて挿し穂が枯れることです。
毎日、水遣りをすることは大変ですので、腰水がおすすめです。
ナンテン(南天)の挿し木は、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
今後のナンテン(南天)の挿し木の様子は、この記事を更新します。
発根の様子、暑い夏の管理、涼しい秋に成長、冬越し、翌シーズンの春に鉢上げするまでを記録します。
6月27日にナンテン(南天)の挿し木をしました。
九州地方の福岡県の平野部で栽培しています。梅雨明けは、例年並みなら7月下旬になりますので、1ヶ月間ぐらいあります。
梅雨の時期は、雨の日が多く、挿し木の管理が簡単です。
梅雨が明けると、本格的な夏になり、気温が上昇します。発根に適した温度を超えますので、梅雨の間に発根できるか?が大きなポイントになります。
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