イワシデ(岩四手)は、日本の中国地方、四国地方、九州地方に自生するカバノキ科クマシデ属の落葉小高木です。
乾燥した大きな岩壁や尾根筋で、岩に張り付いて自生している様子が、イワシデ(岩四手)の名前の由来になります。
「小四手」や「朝鮮ソロ」などの別名があり、秋に黄色から赤色に染まる紅葉が魅力です。
古くなると、幹に白い縦筋が入り、力強い雰囲気を味わうことができる樹。
イワシデ(岩四手)の剪定しましたので、小さな枝が手に入りました。
イワシデ(岩四手)は1鉢しか持っていませんので、枯れると、再度、購入することになります。
小さな枝ですが挿し穂にして、イワシデ(岩四手)の挿し木にチャレンジして、増やすことにしました。
イワシデ(岩四手)の剪定
イワシデ(岩四手)の素材苗から
ミニ盆栽を作っています。
長く伸びた枝や不要な枝を剪定します。
剪定する時期は、枝の伸びが落ち着いた6月ぐらいと落葉後がよいです。
6月に剪定をしましたので、挿し木に適した時期になります。
左の長く伸びた枝を短く切り、不要な枝は根元から取り除きました。
コンパクトな樹形になりました。小枝を増やしていきます。
ミニ盆栽ですので、
剪定した枝は、小さな枝になります。
乾かないように水につけて管理します。
イワシデの挿し木を成功させるポイント
- 2時間くらい水につけて水揚げをする。
- 水の中で切る水切りで切り口を斜めに作る
- 発根促進剤ルートンを塗る
- 挿し床の用土は赤玉土や鹿沼土の小粒
- 乾かないように腰水で管理
イワシデ(岩四手)の挿し木を成功させるポイントは5つだけです。
必要な道具は、
- 水を入れる容器
- ハサミ
- よく切れる刃物(カッターやカミソリなど)
- 発根促進剤ルートン
- 挿し床に使う植木鉢など
- 挿し木の用土(赤玉土や鹿沼土の小粒)
イワシデ(岩四手)の挿し木の方法を、詳しく説明します。
イワシデの挿し木①水揚げ
イワシデ(岩四手)を剪定した小さな枝を水につけて水揚げをします。
水揚げする時間は、2時間くらいが基本です。
水揚げをする時間は、30分や一晩などといろいろな情報がありますが、2時間くらいで十分です。
挿し木した後に、乾かさないように管理することのほうが大切になります。
剪定した枝の下の方の葉を取り除きます。
挿し木すると、用土に埋まる部分の葉は必要ありません。
手で取り除くと、樹皮を傷つけることがありますので、葉柄をハサミで切ることをおすすめします。
先端の2~3枚くらいの
葉を残して取り除き、
イワシデ(岩四手)の
挿し穂ができました。
残した葉が大きい場合は、葉を半分くらいに切り、蒸散する量を減らします。
春に芽吹き、今シーズンに伸びた枝を使うと、「緑枝挿し」になります。
太い枝は前年に伸びた枝になりますので、「古枝挿し」。
「緑枝挿し」の方が発根率が高いことが多いです。
イワシデの挿し木②水切りで切り口を作る
挿し穂の一番下の部分は、水を吸収しますので、大切です。
剪定したときにハサミで切っていますので、よく切れる刃物でキレイな切り口を作ります。
よく切れる刃物は、カッターやカミソリがおすすめです。
新品の刃を使うことで、切れ味がよく、清潔な刃で切ることができます。
切り口を作るときは、水の中で切る水切りをします。
水が通る管である道管に、空気が入ることを防ぐためです。道管に空気が入ると、水の通りが悪くなります。
花屋さんなどでも、切り花を作るときに水切りすることが基本ですので、実績のある方法です。
切り口を斜めにすることで、断面積を大きくして、水を吸収しやすくします。
イワシデ(岩四手)の5本の
挿し穂の
切り口を作りました。
イワシデの挿し木➂発根促進剤ルートン
植物の発根を助ける発根促進剤ルートン。
発根する可能性が高くなりますので、使うことをおすすめします。
ホームセンターや園芸店で販売され、価格が安いです。購入する場合は、内容量の少ないものがよいです。
「20グラム入」ですが、なくなりません。挿し木や取り木をたくさんしていますが、減らないです。
使用期限がありますので、一番小さなものがよいです。
発根促進剤ルートンは、粉末ですので、鉢受け皿などの容器に出して使います。
使い方は、水で溶いて挿し穂を漬けたり、少量の水でペースト状にして切り口に塗ったりします。
簡単な粉末のまま使う方法を紹介します。
挿し穂は
水揚げで水に濡れていますので、粉末の
発根促進剤ルートンが簡単に付着します。
イワシデ(岩四手)の5本の
挿し穂の
切り口付近に、
発根促進剤ルートンを付着させて、
挿す準備ができました。
大きい
挿し穂は、5センチくらいの長さです。
枝が細いですので、発根できるか?心配になります。
イワシデの挿し木④挿し床
イワシデ(岩四手)の挿し床は、素焼き鉢を使います。
素焼き鉢は、少し乾きやすいですが、通気性がありますので、栽培に適した鉢です。
発根した後は、そのままの状態で、翌シーズンの春に鉢上げするまで育てる予定ですので、素焼き鉢にしました。
排水性(水はけ)をよくするために、
鉢底石を敷きました。
イワシデ(岩四手)の挿し木の用土は、赤玉土や鹿沼土の小粒が適しています。
挿し穂が小さくて、枝が細いですので、小粒より小さい細粒を使いました。
粒が小さいほうが保水性がよく、挿し穂と接する面積が多いですので、乾きにくいです。
鉢の高さの3分目くらいまで
用土を入れます。
挿し木は、挿し穂を挿し床に挿しますが、小さな挿し穂は挿すことが難しいです。
挿し穂を並べて、上から用土を足す方法が簡単になります。
大きな挿し穂の2本を並べました。
上から
用土を足します。
少しずつ、ゆっくり
用土を足して、
挿し穂が動かないように注意します。
用土が半分くらいまでになりましたら、残りの3本の小さい
挿し穂を並べます。
小さい
挿し穂が埋まるように、
用土をさらに足します。
鉢の高さの8分目くらいまで
用土を入れ、
イワシデ(岩四手)の
挿し木が完成しました。
イワシデの挿し木⑤腰水
挿し木した後は、すぐに水遣りをします。
ジョウロなどで上から水遣りすると、挿し穂が動きますので、鉢を水の中に入れる底面給水がよいです。
用土が水を吸って、湿ってきました。
イワシデ(岩四手)の挿し木は、乾かないように腰水で管理するとよいです。
いつも湿った状態ですと、根腐れする可能性がありますので、涼しい日や夜間は、水から出して管理します。
イワシデ(岩四手)の挿し木は、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
今後のイワシデ(岩四手)の挿し木の様子は、この記事を更新します。
発根の様子、暑い夏の管理、涼しい秋に成長、冬越し、翌シーズンの春に鉢上げするまでを記録します。
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