秋から冬に、鮮やかな赤色の実を楽しめる紅紫檀(ベニシタン)。芽吹きがよい樹ですので、剪定が必要です。
剪定した枝を利用して挿し穂を作り、挿し木で増やしてミニ盆栽の素材を作ります。
紅紫檀(ベニシタン)の剪定の時期は、年に3回あります。
- 花が終わって実ができた6月頃
- 涼しくなった秋の10月頃
- 芽吹き始める前の3月頃
6月頃の剪定が、挿し木の時期に適しています。春に芽吹いて伸びた枝を剪定しますので、発根する可能性が高く、梅雨入りする時期ですので、挿し木後の管理が簡単です。
紅紫檀(ベニシタン)を剪定した枝を挿し穂にして、挿し木をしてミニ盆栽の素材を作る様子を記録します。
紅紫檀(ベニシタン)を剪定する
5月22日撮影。
紅紫檀(ベニシタン)の
花が終わり、結実して
実ができています。春に芽吹いて伸びた枝は
花が咲くことがなく、
実もありません。
横から見ると、あまり目立ちませんが、上から見ると不要な枝がたくさん伸びています。
枝元の2~3芽を残して、ハサミで切って剪定します。
剪定後の紅紫檀(ベニシタン)。コンパクトになりスッキリしました。
紅紫檀(ベニシタン)の育て方について、詳しく書いた記事があります。参考にして下さい。
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剪定した枝で挿し穂を作る
紅紫檀(ベニシタン)の剪定した枝は、水につけて
水揚げします。
根からの水の吸収がなくなったので、乾燥すると枯れます。水につけることで乾燥することを防ぎ、葉と枝にたっぷり水分を含ませます。
2時間くらい水につけて水揚げしました。
剪定した枝の葉を取り除く
剪定した枝は、葉がたくさん付いていますので、
下の方の葉を取り除き、
挿し穂を作ります。
ハサミで葉の根元を切ります。根元を少し残すと、
挿し木したときに動きにくいですので、
発根しやすくなります。
葉を手でむしり取ると、樹皮が剥がれることがありますので、大変ですが、1枚ずつハサミで切ります。
7本の剪定した枝があります。成功率が半分の50%で、3本は
発根してほしいです。
挿し穂の長さは5~6センチぐらい。剪定した
紅紫檀(ベニシタン)が小さい樹ですので、短い
挿し穂になります。
一般的には、挿し木に使う挿し穂は10~15センチぐらいがよいとされますが、短い挿し穂で、そのくらい成功率があるか?確認します。
挿し穂の切り口を作る
紅紫檀(ベニシタン)の剪定した枝で作った
挿し穂の切り口を作ります。
よく切れる清潔な刃物を準備します。よく切れるナイフや小刀は高価ですので、カッターやカミソリがおすすめです。
カッターやカミソリなら新品の刃であれば、切れ味がよく、よく切れます。
挿し穂の根元を刃物で切り、キレイな
切り口を作ります。
水の中で切る水切りと呼ばれる方法を使います。
挿し穂の枝には水が通る管である道管があります。とても細い道管に空気が入ると水の通りが悪くなります。
道管に空気が入ることを防ぐために、水の中で切る水切りをします。花屋さんが、切り花を作るときに水切りします。
切り口は、断面積は大きくなるように斜めに切ります。
挿し穂を挿し床に挿す
挿し木を成功させるために、
発根促進剤ルートンを使います。ホームセンターや園芸店で販売されています。
価格が安い量の少ないものでよいです。20グラム入りですが、なかなか減りません。
挿し穂の切り口に発根促進剤ルートンを塗る
発根促進剤ルートンは粉末状ですので、鉢受け皿などの容器に出します。
挿し穂は
水揚げして、水に濡れていますので、粉末状の
発根促進剤ルートンが
簡単に付着します。
7本の
挿し穂に、
発根促進剤ルートンを塗り、
挿し木する準備ができました。
挿し床の準備
挿し木で
挿し穂を挿す
用土を入れた容器を
挿し床と呼びます。
挿し床は、どのような容器でも問題ありませんが、小さな素焼き鉢を使います。
素焼き鉢は、少し乾きやすいですが、通気性がありますので、挿し床に適しています。
挿し木に使う
用土は、とても小さな粒の細粒を使いますので、
鉢底石を敷きました。
紅紫檀(ベニシタン)の
挿し木に使う
用土は、
鹿沼土や赤玉土の小粒がよいです。乾かないように保水性のある
用土が適しています。
粒が小さくなるほど保水性が高くなりますので、赤玉土の細粒を使いました。紅紫檀(ベニシタン)の挿し穂が短く、小さいですので、用土は粒が小さいものにして乾いて枯れない対策をしました。
鉢の高さの3分目ぐらいまで
用土を入れて、
挿し床の準備ができました。
挿し穂を挿して挿し木が完成
挿し木は、
挿し穂を
挿し床に挿しますが、
紅紫檀(ベニシタン)の
挿し穂は、5~6センチと小さくて、春に芽吹いた枝ですので柔らかいです。
挿し床に割りばしなどの棒で穴を開けて挿す方法でも、挿し穂が傷つく心配があります。
3分目まで用土を入れた挿し床に、紅紫檀(ベニシタン)の挿し穂を置いて並べます。
鉢の高さの
8分目くらいまで用土を入れて、
紅紫檀(ベニシタン)の
挿し木が完成です。
挿し穂が小さいときは、無理に挿すことをしないで、工夫して
挿し木します。
紅紫檀(ベニシタン)の挿し木の管理
完成した
紅紫檀(ベニシタン)の
挿し木に、水を与えます。
水揚げに使った容器の水に、
挿し木した鉢を漬けます。
挿し穂を傷つけることなく、動かないように挿しましたが、ジョウロで上から水を与えると挿し穂が動きます。
底からゆっくり水を含ませることで、挿し穂が動くことがありません。
挿し床の
用土の色が変わり、水を含んだことが分かります。
挿し木した後は、直射日光が当たらない
明るい日陰で管理します。
用土が乾かないように、朝と夕方に水を入れた容器に漬けます。暑い日は、鉢受け皿などの容器に水を入れて管理すると乾くことがありません。
5月22日に、紅紫檀(ベニシタン)の挿し木をしました。梅雨入りして雨の日が多くなると湿度が高く、乾くことなく、発根できるための環境がよくなります。
九州地方の福岡県の平野部で栽培しています。温暖な気候になります。福岡県が含まれる九州北部の梅雨入りは平年は6月5日頃、梅雨明けは7月19日頃です。
平年の梅雨明けである7月下旬まで、2ヵ月間あります。この2ヵ月間で発根すると、暑い夏の管理が楽になり、秋に成長して、冬越しできます。
紅紫檀(ベニシタン)の挿し木の今後の様子は、この記事を更新します。ミニ盆栽の素材を作るまでを記録します。
紅紫檀(ベニシタン)の挿し木のポイント
- 梅雨入りする6月頃に挿し木をする
- 2時間以上水揚げをする
- よく切れる刃物で水切りする
- 切り口は斜めにする
- 発根促進剤ルートンを塗る
- 挿し床の用土は鹿沼土や赤玉土の小粒
- 明るい日陰で管理して乾かさない
紅紫檀(ベニシタン)の挿し木でミニ盆栽の素材を作りましょう。
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